26 / 53
25
しおりを挟む
ツアーは順調に進んだ。毎日刺激的で楽しくて、飛ぶように日々が過ぎていく。
どこの国へ行っても歓迎してくれるファンの人たちがいてlampflickerの成長を実感する。
そして、今日はヨーロッパツアー最終日。
長かったーと思うけど、世界ツアーの行程からみればまだ3分の1だ。まだまだ楽しいことがまってると思うとわくわくする。でも、とりあえず一旦ヨーロッパは締めなのでセルジオとお疲れ様会をすることにした。
「「お疲れー」」
初日と同じように二人でジョッキを合わせる。グラスといえば格好いいのだろうけど今日はでかいジョッキでぐいっといきたい。
「ヨーロッパ楽しかったな!メッセージ書いた横断幕みたいなのくれたの嬉しかったなー」
セルジオの言葉に大きく頷く。
「ほんとにな!あれは嬉しい。まあ、たまに読めないんだけどな」
「フランス語とかはさすがに読めないよな。翻訳アプリの便利さよ」
そうそう、と笑い合う。現地の言葉で書いてあることも多くてどうしても読めないものがあったのだ。そんな時は二人で翻訳アプリを利用して解読した。
「にしてもチハルへのメッセージがだいぶ面白かった」
セルジオがくっくっと思い出し笑いをする。
「チハルかわいい!頑張れ!とか、チハルさんミステリアスなのにかわいいです!とかチハルさん可愛すぎ!好き!とか」
セルジオが言いながら本格的に笑い出す。
「うるせぇよ!」
「かわいいって言われたり、メッセージ読むときのお前の顔がもう、っく、あははっ」
「うるせぇって!俺だって何でかわいいって言われんのかわかんねぇよ!」
「え?お前はかわいいよ?」
何をおかしなことを言い出すんだというようにセルジオは急に真顔になってそんなことを言い放った。
「…は?どこが?」
「…行動。と、あと顔」
「か、お…」
思わずこちらも真顔になって見返す。行動はともかく…顔。「そう、顔」と大きく頷かれた。
「わかんねぇ、わかんねぇよ…!なんでだっ!俺が日本人だからか?こっちの人の目がおかしいのか?」
頭を抱える俺の肩をぽんぽんとセルジオが優しく叩く。
「諦めろ。お前は万国共通でかわいい」
そんなことを言い放ちやがったセルジオの腹に俺は華麗に拳を叩き込んだ。
「明日の今ごろにはイタリアについてるな」
ぐっと机に突っ伏するセルジオを無視してしれっと会話を続ける。
「そ、そうですね」
そーっと俺から少し距離を取りながらセルジオもこの話題に乗ってきた。話をそらすのにちょうどいいと思ったのだろう。そうそう、調子に乗りすぎるのはよくないよ、セルジオ。
「あーアメリアどうしてっかなー。早く会いたい」
セルジオがそう言って酒を煽った。
「どうせ毎日電話してんだろ?」
「してるけどさー」
「…してんのかよ」
絵にかいたようなラブラブさに思わずじとっとした目を向けてしまった。まあでも新婚だしそれくらいでいいのだろうけど。
「でもやっぱさ、電話と直接会うのじゃ全然違うじゃん?」
「そういうもんか」
「そういうもんだよ」
あぁー会いたいーとまたセルジオが言う。
それを横目に俺も酒を煽った。そんな俺を見てセルジオが聞いてくる。
「お前はさ、そういう風に思う相手はいないのかよ」
「んー?」
そういえばセルジオとこんなにがっつり恋愛っぽい話をするのは始めてかもしれない。俺の気持ちに整理がついた今、もうお互いに遠慮することはない。
どこの国へ行っても歓迎してくれるファンの人たちがいてlampflickerの成長を実感する。
そして、今日はヨーロッパツアー最終日。
長かったーと思うけど、世界ツアーの行程からみればまだ3分の1だ。まだまだ楽しいことがまってると思うとわくわくする。でも、とりあえず一旦ヨーロッパは締めなのでセルジオとお疲れ様会をすることにした。
「「お疲れー」」
初日と同じように二人でジョッキを合わせる。グラスといえば格好いいのだろうけど今日はでかいジョッキでぐいっといきたい。
「ヨーロッパ楽しかったな!メッセージ書いた横断幕みたいなのくれたの嬉しかったなー」
セルジオの言葉に大きく頷く。
「ほんとにな!あれは嬉しい。まあ、たまに読めないんだけどな」
「フランス語とかはさすがに読めないよな。翻訳アプリの便利さよ」
そうそう、と笑い合う。現地の言葉で書いてあることも多くてどうしても読めないものがあったのだ。そんな時は二人で翻訳アプリを利用して解読した。
「にしてもチハルへのメッセージがだいぶ面白かった」
セルジオがくっくっと思い出し笑いをする。
「チハルかわいい!頑張れ!とか、チハルさんミステリアスなのにかわいいです!とかチハルさん可愛すぎ!好き!とか」
セルジオが言いながら本格的に笑い出す。
「うるせぇよ!」
「かわいいって言われたり、メッセージ読むときのお前の顔がもう、っく、あははっ」
「うるせぇって!俺だって何でかわいいって言われんのかわかんねぇよ!」
「え?お前はかわいいよ?」
何をおかしなことを言い出すんだというようにセルジオは急に真顔になってそんなことを言い放った。
「…は?どこが?」
「…行動。と、あと顔」
「か、お…」
思わずこちらも真顔になって見返す。行動はともかく…顔。「そう、顔」と大きく頷かれた。
「わかんねぇ、わかんねぇよ…!なんでだっ!俺が日本人だからか?こっちの人の目がおかしいのか?」
頭を抱える俺の肩をぽんぽんとセルジオが優しく叩く。
「諦めろ。お前は万国共通でかわいい」
そんなことを言い放ちやがったセルジオの腹に俺は華麗に拳を叩き込んだ。
「明日の今ごろにはイタリアについてるな」
ぐっと机に突っ伏するセルジオを無視してしれっと会話を続ける。
「そ、そうですね」
そーっと俺から少し距離を取りながらセルジオもこの話題に乗ってきた。話をそらすのにちょうどいいと思ったのだろう。そうそう、調子に乗りすぎるのはよくないよ、セルジオ。
「あーアメリアどうしてっかなー。早く会いたい」
セルジオがそう言って酒を煽った。
「どうせ毎日電話してんだろ?」
「してるけどさー」
「…してんのかよ」
絵にかいたようなラブラブさに思わずじとっとした目を向けてしまった。まあでも新婚だしそれくらいでいいのだろうけど。
「でもやっぱさ、電話と直接会うのじゃ全然違うじゃん?」
「そういうもんか」
「そういうもんだよ」
あぁー会いたいーとまたセルジオが言う。
それを横目に俺も酒を煽った。そんな俺を見てセルジオが聞いてくる。
「お前はさ、そういう風に思う相手はいないのかよ」
「んー?」
そういえばセルジオとこんなにがっつり恋愛っぽい話をするのは始めてかもしれない。俺の気持ちに整理がついた今、もうお互いに遠慮することはない。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる