7 / 75
ザイールで
しおりを挟む
「これは何ということじゃ・・・」
「ザイールの町が見えるぞ」
部屋の中に突然現れたザイールの町の風景に皆は驚いていたが、紫音が中に入っていくと恐る恐る後に付いて入って行った。
空間をくぐった皆の目の前に、ザイールの町の入り口が見えていた。
ザイールは大きな町で周囲を防壁で囲ってあり、防壁の上は人が通れるようになっていて、要所要所に物見用の囲いが作ってあった。
一行が入口に近付いて行くと入口を守っている兵士に呼び止められた。
「お前たち、町に入るなら住所と名前を名乗れ」
「ここにいる者は皆ルウンから来ましただ。わしはツ
ヅキと云いますだ。これは家内のサキと息子のショウタに娘のエミですだ」
目を治してもらった男が答えた。
「俺はトモですだ」
「わしゃシュリですじゃ。この娘は遠い親戚の娘じゃ
が、両親を亡くしての。身寄りが無いからわしを頼って来たんじゃ。決して怪しい者ではないぞぇ」
最後に老婆が答えた。
分厚い台帳を繰りながら聞いていた兵士は老婆の名前を聞くと、顔を上げて老婆を見た。
「そなたがシュリ婆か。噂には聞いておったが、噂に
違わず気が強そうじゃのぉ」
兵士は笑いながら言った。
「なんの。わしゃいつ死んでも構わん身じゃからの。
恐いものはありゃせんのじゃ」
先の戦争で足を怪我して動けなくなっていたツヅキを戦火の中から助け出した老婆がだったが、兵士はその事を言っているのだった。
「ハッハッハ、シュリ婆にもまだまだ働いてもらわね
ばの。長生きしてくれい。さて・・・」
「みな行く所はあるのか?無ければ避難所があるぞ。
当面の食事も支給される。この町に住むつもりなら土地も貰えるぞ」
「わしは兄の所に身を寄せますだ」
ツヅキが言った。
「俺は姉の所に行きますだ」
「わしゃ孫がこの町で所帯を持っとるで、そこに行く
つもりじゃ」
最後にシュリ婆が言った。
「そうか、では早いうちに庁舎へ行って届け出をすま
せてくれよ」
「わかりましただ」
「ザイールの町が見えるぞ」
部屋の中に突然現れたザイールの町の風景に皆は驚いていたが、紫音が中に入っていくと恐る恐る後に付いて入って行った。
空間をくぐった皆の目の前に、ザイールの町の入り口が見えていた。
ザイールは大きな町で周囲を防壁で囲ってあり、防壁の上は人が通れるようになっていて、要所要所に物見用の囲いが作ってあった。
一行が入口に近付いて行くと入口を守っている兵士に呼び止められた。
「お前たち、町に入るなら住所と名前を名乗れ」
「ここにいる者は皆ルウンから来ましただ。わしはツ
ヅキと云いますだ。これは家内のサキと息子のショウタに娘のエミですだ」
目を治してもらった男が答えた。
「俺はトモですだ」
「わしゃシュリですじゃ。この娘は遠い親戚の娘じゃ
が、両親を亡くしての。身寄りが無いからわしを頼って来たんじゃ。決して怪しい者ではないぞぇ」
最後に老婆が答えた。
分厚い台帳を繰りながら聞いていた兵士は老婆の名前を聞くと、顔を上げて老婆を見た。
「そなたがシュリ婆か。噂には聞いておったが、噂に
違わず気が強そうじゃのぉ」
兵士は笑いながら言った。
「なんの。わしゃいつ死んでも構わん身じゃからの。
恐いものはありゃせんのじゃ」
先の戦争で足を怪我して動けなくなっていたツヅキを戦火の中から助け出した老婆がだったが、兵士はその事を言っているのだった。
「ハッハッハ、シュリ婆にもまだまだ働いてもらわね
ばの。長生きしてくれい。さて・・・」
「みな行く所はあるのか?無ければ避難所があるぞ。
当面の食事も支給される。この町に住むつもりなら土地も貰えるぞ」
「わしは兄の所に身を寄せますだ」
ツヅキが言った。
「俺は姉の所に行きますだ」
「わしゃ孫がこの町で所帯を持っとるで、そこに行く
つもりじゃ」
最後にシュリ婆が言った。
「そうか、では早いうちに庁舎へ行って届け出をすま
せてくれよ」
「わかりましただ」
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる