紫音の少女

柊 潤一

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エルフォード国王の治療

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 すべての治療を終えて、もう一度全身に異常がないか調べ、紫音は目を開いた。

「治療は終わりました」

「おお、それで・・・・上手くいきましたでしょうか?」

「悪いところはすべて治しましたから、これで大丈夫
だと思います」

 みんなが見守る中、エルフォード国王が目を覚ました。

「テオン・・・」

「おお・・・父上、言葉が。話せるようになったんですね」

「ん?テオン・・・わしの言う事がわかるのか?」

「わかります。父上、はっきりとわかります」

 エルフォード国王はベッドの上に起き上がった。

「体も・・・体も動くぞ。わしは急に頭が痛くなり、意識を失って・・・気がつくと自分の体がままならなくなっていたが・・・・」

「父上は病気だったのです。それをこちらの方が治し
てくださいました。」

 エルフォードは見慣れない三人を見た

「こちらの方は、どなたじゃ?」

「イシュタル国のゼルダ王子と、紫音様にシュリ殿です。イシュタル国にいらっしゃった紫音様がどんな病気でも治せると聞き、お願いをして来て頂きました」

「そうであったか・・・紫音様、お礼を申し上げます
 。ありがとうございました。わしはこのまま死んでいかねばならぬのかと思っておりました。」

 エルフォードはベッドの上で紫音に頭を下げた

「あのままでいると、危のうございました。悪いとこ
 ろはすべて治しましたが、まだ少し不自由な時もあるかもしれません。でもすぐに元通りになります。ただ・・・国王様は良いものを食べすぎでいらっしゃいます。お肉とか油ものを控えて頂かないと、又同じことが起こるかもしれません。痩せるように努力なさって下さい」

「うむ・・・食べる事は好きなのじゃが・・・だめか?」

「はい。運動もしないでいい物ばかり食べると命を縮
めます」

「うぅむ・・・わかりました。今後気を付けます。ところで紫音様とやら、ぶしつけじゃが、このお礼はどうさせて頂ければよろしいでしょうか?」

「お礼など結構です。お礼を頂くためにしたのではありませんから」

「そう言われても、していただきっ放しではわしの気持ちがすみませぬ」

「私は、私のするべきことをしているのです。国王様
は、国王様のすることをしてください。民の為に良い国を作って下されば、私もお助けした甲斐があります」

「そうですか・・・どうで一度は死にかけた命じゃ。生まれ変わったつもりで、これからは国民の為に働くことにします」

「お願いします。また何かあれば呼んで下さい」

「紫音様、お暇な折にでももう一度お越し頂けませぬ
か?もっとお話を伺いたく思います」

「わかりました。それじゃ帰りましょうか」

 紫音達は国王の部屋を出てテオンの見送りを受けながら町を出て行った。
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