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紫音の活躍3
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紫音は歩きながら、道の両側に意識を向けた。
道の片側に弓を持った兵が三十人程、剣を持った兵が二十人程、両側に合計百人位の兵が潜んでいた。
彼らの心は、殺意でぎらついていた。
紫音は小声でハシバ国王に言った。
「五十人づつの兵が両側に潜んでいます。おそらく、ゼルダ様がこちらに来ると同時に矢を射掛けてくるでしょうが、矢は届かないので安心して、私に任せて下さい」
「わかった」
見晴らし岩を挟んで、双方が同じ距離になった時、紫音は立ち止まった。
メイチとモハドが向こうに立っていた。
「よく来たな。そなたが紫音という娘か」
「そうです。そちらの言うとおりにきました。ゼルダ王子を放してください」
「本物だという証拠はあるのか?」
「疑うならそちらへ行ってから調べればいいでしょう」
(ふむ・・・なるほど。思いのほか若いが、美しい娘じゃわい)
「よし、数を数えるから三で同時に解き放そう」
「一・・・二・・・三」
紫音とゼルダは、同時に歩き出した。
朝の光が降り注ぐ静寂の中、緊張が満ちていた。
紫音とゼルダが近づいた。
久しぶりに見るゼルダの顔は、確かに一回り逞しくなっていた。
紫音の胸にゼルダへの愛しさが湧き上がった。
「紫音殿・・・」
「ゼルダ様・・・」
二人は目と目を見交わし、そしてすれ違った。
その刹那、一個の殺意が膨れ上がった。
「紫音殿、危ない!」
一本の矢が、紫音に向けて放たれた。
矢を放ったのはハウラだった。
紫音はとっさにわが身を厚い意識の壁で覆った。
しかし、いきなり紫音の前に現れたゼルダの胸に、矢は深々と突き刺さった。
「ゼルダ様!」
紫音は、崩れ落ちたゼルダ王子にしがみついた。
「紫音殿、すまぬ・・・体が勝手に動いてしまった」
「ゼルダ様!」
「紫音殿、あなたが・・・ご無事で・・・良かった・・・」
ゼルダは、がくりと首を地面に落とした。
「ゼルダ様、ゼルダ様あぁぁぁ」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
紫音の、咆哮のような叫びが響いた。
そして、彼女の背中から、真紅の大きな翼が生えた。
それは彼女の心が怒りを持ち、戦闘態勢になった時のしるしであった。
翼がばさりと羽ばたいて、紫音はふわりと空に浮いた。
空が真紅の大きな翼に覆われ暗くなった。
「あ、あれは何じゃ!」
メイチとモハドは驚愕の顔で紫音を見てうろたえていた。
「打て!打てぇー」
メイチの叫びで六十本の矢が紫音とハシバ国王とシュリ婆に向けて一斉に放たれた。
紫音に、大丈夫だと言われていても、唸りを上げて向かってくる矢の大群にハシバは思わず覚悟を決めた。
六十本の矢は、二人に近づいた瞬間に方向を変え、一斉にメイチとモハドに襲い掛かった。
二人は矢に手と足を射抜かれ、呻きながら動くことの出来ない塊となって地面に転がった。
百人の兵は三人に襲いかかろうと、一斉に立ち上がった。
その時、ゴオオオオという地響きと共に兵達のいる地面がひび割れ、大きく口を開けた。
どんどん広がっていくひび割れの中に、岩や土塊が飲み込まれ、落ちていった。
そして、兵隊達も叫び声を上げながら落ちていった。
兵隊を一人も残さず飲み込んだ地面は、地響きを立て続けたままで口を閉じていき、何事もなかったかのように、元の地面に戻った。
そして、あたりは又、静寂に包まれた。
道の片側に弓を持った兵が三十人程、剣を持った兵が二十人程、両側に合計百人位の兵が潜んでいた。
彼らの心は、殺意でぎらついていた。
紫音は小声でハシバ国王に言った。
「五十人づつの兵が両側に潜んでいます。おそらく、ゼルダ様がこちらに来ると同時に矢を射掛けてくるでしょうが、矢は届かないので安心して、私に任せて下さい」
「わかった」
見晴らし岩を挟んで、双方が同じ距離になった時、紫音は立ち止まった。
メイチとモハドが向こうに立っていた。
「よく来たな。そなたが紫音という娘か」
「そうです。そちらの言うとおりにきました。ゼルダ王子を放してください」
「本物だという証拠はあるのか?」
「疑うならそちらへ行ってから調べればいいでしょう」
(ふむ・・・なるほど。思いのほか若いが、美しい娘じゃわい)
「よし、数を数えるから三で同時に解き放そう」
「一・・・二・・・三」
紫音とゼルダは、同時に歩き出した。
朝の光が降り注ぐ静寂の中、緊張が満ちていた。
紫音とゼルダが近づいた。
久しぶりに見るゼルダの顔は、確かに一回り逞しくなっていた。
紫音の胸にゼルダへの愛しさが湧き上がった。
「紫音殿・・・」
「ゼルダ様・・・」
二人は目と目を見交わし、そしてすれ違った。
その刹那、一個の殺意が膨れ上がった。
「紫音殿、危ない!」
一本の矢が、紫音に向けて放たれた。
矢を放ったのはハウラだった。
紫音はとっさにわが身を厚い意識の壁で覆った。
しかし、いきなり紫音の前に現れたゼルダの胸に、矢は深々と突き刺さった。
「ゼルダ様!」
紫音は、崩れ落ちたゼルダ王子にしがみついた。
「紫音殿、すまぬ・・・体が勝手に動いてしまった」
「ゼルダ様!」
「紫音殿、あなたが・・・ご無事で・・・良かった・・・」
ゼルダは、がくりと首を地面に落とした。
「ゼルダ様、ゼルダ様あぁぁぁ」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
紫音の、咆哮のような叫びが響いた。
そして、彼女の背中から、真紅の大きな翼が生えた。
それは彼女の心が怒りを持ち、戦闘態勢になった時のしるしであった。
翼がばさりと羽ばたいて、紫音はふわりと空に浮いた。
空が真紅の大きな翼に覆われ暗くなった。
「あ、あれは何じゃ!」
メイチとモハドは驚愕の顔で紫音を見てうろたえていた。
「打て!打てぇー」
メイチの叫びで六十本の矢が紫音とハシバ国王とシュリ婆に向けて一斉に放たれた。
紫音に、大丈夫だと言われていても、唸りを上げて向かってくる矢の大群にハシバは思わず覚悟を決めた。
六十本の矢は、二人に近づいた瞬間に方向を変え、一斉にメイチとモハドに襲い掛かった。
二人は矢に手と足を射抜かれ、呻きながら動くことの出来ない塊となって地面に転がった。
百人の兵は三人に襲いかかろうと、一斉に立ち上がった。
その時、ゴオオオオという地響きと共に兵達のいる地面がひび割れ、大きく口を開けた。
どんどん広がっていくひび割れの中に、岩や土塊が飲み込まれ、落ちていった。
そして、兵隊達も叫び声を上げながら落ちていった。
兵隊を一人も残さず飲み込んだ地面は、地響きを立て続けたままで口を閉じていき、何事もなかったかのように、元の地面に戻った。
そして、あたりは又、静寂に包まれた。
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