紫音の少女

柊 潤一

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新しい国の建設

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「もう、ゼルダったら・・」

「それより、今から父上の所へ行かないか?このことも報告したいしな」

ゼルダは調印式の書類を持ちながら言った。

「そうね・・・・。じゃ行きましょうか?」

紫音とゼルダは手をつないだ。

次の瞬間二人はハシバの部屋にいた。

ハシバは机に向かって書類を見ていた。

「父上、突然恐れ入ります」

「うぉ!・・・なんだ、ゼルダか。びっくりさせるなよ。相変わらず、お前たちの訪問の仕方には驚かされるな」

「すみません。この方が手っ取り早いので。昨日の調印式の報告に来ました。」

それからゼルダは、ハシバに調印式の様子を話した。

「そうか、三人は度肝を抜かれたか。わしも見たかったな」

「ところでモハドの様子は最近どうですか?」

「色々教えてはいるがな。将来はこの国を任そうと思っているが、まだまだだな」

「ふむ、ちょっと会って様子を見てこようかな?すぐ戻るから紫音はここで待っていなさい」

「はい、お父様とお話でもしてるわね」

ゼルダは出て行った。

「紫音や、あいつはゼルダか?」

「ええ、確かにゼルダですが。私も時々、ゾロと話している気になる時があります」

「ふむ。一皮剥けたと言うか、凄まじいな。父親の私でさえ威厳を感じる時がある。迂闊なことを言えば一喝されそうで恐ろしいわい」

「我が夫ながら凄みを感じる時がありますね」

「それも、紫音、お前のお陰だろうな。礼を言う。」

やがてゼルダが帰ってきた。

「父上、モハドも最初の頃とはだいぶ顔つきが変わってきましたが、国を率いていくとなるとどうですかな」

「うむ、器の大きさということもあるが、問題は国民のことを考えて行動できるかどうかだな」

「同感です。実は父上、しばらくの間モハドを私にお貸し願えないかと思いまして」

「ほう、どうしてだ」

「これから紫音と遠国を巡ってみようと思っています。そして我が国にはない農作物や新しい技術を持ち帰りたいと思っています」

「ふむ、それは良いな。わしも考えてはいたが実行はできなかった」

「それで私たちの留守を任せる人物が欲しいのです。ザイールにはめぼしい者がおりませんので」

「ふむ・・・」

「まぁ、父上。考えておいてください。それではこれで帰ります」

二人はザイールの城に帰っていった。

その後ゼルダは、国民に対し守るべき規範を十か条にして発令したが、その殆どが他人、または他の生き物に対しての事だった。

例えば、娯楽の為にむやみに動物を殺してはいけないというものや、非健常者などの自分より劣っている者に対し蔑む言動をしてはいけないといったものだった。

彼はこの星を宇宙から眺め、星を巡ってから宇宙というものはすべて生命で出来ていると思った。

そして調和を望んでいるとも思った。

このイシュタル国に住む人々が他の生命に対し、どんなものであれ、役割をもって生まれてきていることを忘れず尊敬し慈愛を持って生きていけば、この国の土地や環境にも影響を与え、人々と共に国も豊かになるとおもった。

彼自身もその思いを実行するため、非健常者達が自分の得意なものを見つけ伸ばせる施設を作り、また政令を元とした子供たちの教育にも力を入れた。

そして友好国の国王達を説得し、自分と同じことを実行させた。

それから父にも言ったように、他の大陸の国を訪ね自分の国にはない農作物を持ち帰り自国でも作っていった。

同じように新しい技術も取り入れた。

彼はそれらを惜しげも無く友好国に分け与え、教えた。

また、紫音の力を借りて金や銀、鉄などの鉱脈を見つけていった。

イシュタル国と友好国は豊かな国になっていった。

それを見た他の三カ国もゼルダに友好条約の締結を申し込んで来た。

一つの大陸が戦争という手段を使わずに、同じ人間という基盤で一つにまとまりつつあった。
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