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第九章 二人の時間
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「現場検証?」
乙女はハチミツ入りミルクティーを飲むのを止め、帰宅したばかりの綾鷹に目をやった。
あの事件から既に三日経った。国家親衛隊が総力を挙げて捜査をしているが、未だ蘭丸は見つかっていない。
「そう、曖昧なところを思い出してもらうために、君の記憶を元に足跡を辿ってみようと思う。怖いかい?」
そういう感情はない。むしろ……乙女の瞳が好奇心いっぱいに輝き始める。
「協力は惜しみませんわ。国家親衛隊に協力することは市民の義務ですもの!」
身を乗り出して嬉々と申し述べる乙女に綾鷹は少しだけ後悔する。
「君のそのやる気が、私は逆に怖い」
どうしてでしょうという顔をする乙女に、「それでも事件解決のためだ仕方がない」と綾鷹は独り言ちると、説明を始めた。
「今回の現場検証は公ではない。表向きはデートだ」
「デート?」
「そう、私たちのね」
そう言えば……と乙女が思い返していると綾鷹が、「私たちはまともにデートをしたことがない。だろ?」と尋ねる。
「でも、現場検証なんですよね?」
「仕事とはいえども私たちの初デートには変りは無い、不服かい?」
綾鷹がニヤリと笑うと乙女が冷静に言い返す。
「現場検証をデートと偽るのは……私が元チンピラの荒立龍弥の件を内緒に、と言ったからですか?」
「確かにそれもある。だが、単に私が乙女と二人きりで出掛けたいからだ」
どうやら綾鷹の中では現場検証の方が“ついで”のようだ。
「とにかく明日はよろしく」
綾鷹はそう言うと、「では、私は風呂をもらうとするか、おやすみ乙女」と彼女の頭頂部にキスを一つ落として部屋を出て行く。
「現場検証兼デートねぇ……」
乙女の頬がジワジワと上がっていく。
「もう、何てエキサイティングなの!」
キャーッと一人身悶えながら、「明日はバッチリ取材しなくちゃ」とほくそ笑む。
乙女はハチミツ入りミルクティーを飲むのを止め、帰宅したばかりの綾鷹に目をやった。
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「君のそのやる気が、私は逆に怖い」
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「今回の現場検証は公ではない。表向きはデートだ」
「デート?」
「そう、私たちのね」
そう言えば……と乙女が思い返していると綾鷹が、「私たちはまともにデートをしたことがない。だろ?」と尋ねる。
「でも、現場検証なんですよね?」
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「現場検証兼デートねぇ……」
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「もう、何てエキサイティングなの!」
キャーッと一人身悶えながら、「明日はバッチリ取材しなくちゃ」とほくそ笑む。
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