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障害編
57話【off duty】戸野倉 凛太郎:アトリエ(藍原編)③
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「……凛太郎くん。脱いで」
冷静な林さんの指示で、凛太郎くんがまとっていた衣服を脱ぎ始めた。羽織るだけだった白いシャツを脱ぎ捨てる。その下には、ズボンも下着も、履いていなかった。たったひとつの動作で、凛太郎くんは、生まれたままの姿になった。
凛太郎くんの裸を見るのは、初めてじゃない。それでも、陶器のように白く美しい肌と、控えめについた筋肉のバランスには、にわかに目を離せない魅力がある。凛太郎くんは、穏やかなのに色を宿さない無機質な目で、あたしをじっと見つめた。そのまま、あたしの下着に手をかける。
「や、やめ……っ」
凛太郎くんは、ためらいなくあたしの下着を下ろした。あまりの恥ずかしさに、ぴったりと足を閉じる。そんなあたしの上に、凛太郎くんが四つん這いで覆いかぶさってきた。思わず、下半身に目をやる。凛太郎くんのそこは、とても静かでぴくりとも反応していなかった。
凛太郎くんが、優しい手つきでスリップの肩紐を下ろした。仰向けに倒されたあたしの胸が、ゆっくりと凛太郎くんの目の前に曝される。それでも凛太郎くんは、眉ひとつ動かさない。静かに開いた口があたしの左の乳房に吸いつき、その舌先がぐるりと乳首を舐ったとき、あたしはまたもや悲鳴を上げて背中をのけぞらせた。凛太郎くんの右手があたしの秘所に触れ、その指先が割れ目をなぞる。優しく擦りつけられただけなのに、充分に濡れたそこからはくちゅくちゅといやらしい音が響いた。
「あっ、はっ、んん……っ」
堪えようとしても声が出てしまう。あたしの胸に顔をうずめる凛太郎くんが、ふっと笑った。
「……淫らな香りが、立ち昇ってきましたよ……」
林さんが筆を置き、ベッドのすぐそばまでやってきた。凛太郎くんに組みしだかれたあたしを上から見下ろして、満足そうに微笑む。
「そう、これですよ……。ほかのどの女性からも感じることのできない、この純度の高い性衝動……。限りなく濃く、限りなく透明な、この香り……。さあ、もっともっと、完成度を高めていきましょうか……」
林さんが、あたしの手首の縄をほどいた。自由になった両手で、あたしは凛太郎くんをはねのけることができずに、秘部をまさぐる彼の手首を中途半端に掴んだ。
「ねえっ、やめ、凛太郎くん……っ」
「大丈夫ですよ、香織さん。林先生を信じて、ありのままの姿を見せるのです」
凛太郎くんが舌先で絶え間なくあたしの乳首を舐り続け、反対の胸を左手で揉みしだく。右手の指先は、ねっとりとあたしの蜜を絡ませてじんじんと勃ち上がったあたしの突起をくりっと撫で上げた。
「ああああッ!」
悲鳴を上げて全身を硬直させる。自由になったはずの両手は、思わず凛太郎くんの頭を掻き抱き、彼の右手を股間に押さえつけながら、あたしは両足をきゅっと閉じた。うっすらと目を開けると、覗き込む林さんの目に、妖しい光が宿っていた。
「いいですねえ……! あなたを縛る様々な既成概念を、あなたの本能が、打ち破ろうとしている。そのせめぎあいの、なんと刺激的なことか……! あなたは今、究極の美の入り口を、自ら開こうとしている……!」
林さんの声が上ずり、興奮しているのがわかる。そして、凛太郎くんにも変化が現れた。冷たかったその瞳が、にわかに揺れ動き、色を宿す。体温が上がって、その体からわずかに男の匂いが漂った。
「香織さん……もっと、もっと……感じてください……」
凛太郎くんの呼吸が乱れ始めて、その細い中指が、しっとりと濡れたあたしの中に入り込んだ。
「ああ……っ」
その甘美な刺激に、思わず声を漏らす。
こんなこと、間違ってる。頭の片隅で、そう告げる自分がいる。いくら体が求めたって、あたしの心は別にある。こんなことは許されない、裏切りだ。これはあたしの真実ではない。究極の美なんかではない。そう言い聞かせるあたし自身を、凛太郎くんと林さんの瞳が、強い力で見据える。
究極の美とは、理性と本能との絶妙な均衡によって成り立つ、人間にしか到達できないエロティシズムの真骨頂。究極の美の前では、心の隷属先など、取るに足りない議論だ。むしろその葛藤と背徳感すら糧として、美の境地へと辿り着くのだ――。
突然、林さんの狂気と、凛太郎くんの情動が、あたしの中に流れ込んだ。あたしの中で凛太郎くんの動きが激しくなり、そこから送り込まれる刺激が徐々に太い潮流となる。
「ああっ、あ、あ――ッ」
声が上ずり、熱い蜜が溢れ出した。ぐちゅぐちゅと響く淫靡な音に、林さんが口角を吊り上げて目を輝かせる。
「いい――! いいですよ、藍原先生……っ!」
顔を上気させる林さんを見て、凛太郎くんが顔を歪ませた。
「ああ……っ、先生……ッ!」
みるみると、凛太郎くんのものが勃起した。差し込まれた指の動きが速くなり、あたしはぶるぶる腰を震わせた。
「ああっ、ダメっ、あっ、また――ッ」
混乱しながらも何とか堪えようとした最後の防波堤は、凛太郎くんの目を見て、もろくも崩れ去った。激しく右手を動かす凛太郎くんの目は、興奮の中に苦渋が浮かんでいて。狂おしいほどに滲み出るその感情の正体に気づいた途端、体の奥のほうから、強い衝動がほとばしった。
「っあ、い、イク――ッ!!」
全身を硬直させて、あたしは二度目の絶頂を迎えた。荒波が過ぎ去ったあとも、体の震えが止まらない。ぎゅっと閉じた目に、なぜか涙が滲む。息を切らしながら体を起こそうとしたとき、林さんがいった。
「凛太郎くん……舐めてさしあげなさい」
冷静な林さんの指示で、凛太郎くんがまとっていた衣服を脱ぎ始めた。羽織るだけだった白いシャツを脱ぎ捨てる。その下には、ズボンも下着も、履いていなかった。たったひとつの動作で、凛太郎くんは、生まれたままの姿になった。
凛太郎くんの裸を見るのは、初めてじゃない。それでも、陶器のように白く美しい肌と、控えめについた筋肉のバランスには、にわかに目を離せない魅力がある。凛太郎くんは、穏やかなのに色を宿さない無機質な目で、あたしをじっと見つめた。そのまま、あたしの下着に手をかける。
「や、やめ……っ」
凛太郎くんは、ためらいなくあたしの下着を下ろした。あまりの恥ずかしさに、ぴったりと足を閉じる。そんなあたしの上に、凛太郎くんが四つん這いで覆いかぶさってきた。思わず、下半身に目をやる。凛太郎くんのそこは、とても静かでぴくりとも反応していなかった。
凛太郎くんが、優しい手つきでスリップの肩紐を下ろした。仰向けに倒されたあたしの胸が、ゆっくりと凛太郎くんの目の前に曝される。それでも凛太郎くんは、眉ひとつ動かさない。静かに開いた口があたしの左の乳房に吸いつき、その舌先がぐるりと乳首を舐ったとき、あたしはまたもや悲鳴を上げて背中をのけぞらせた。凛太郎くんの右手があたしの秘所に触れ、その指先が割れ目をなぞる。優しく擦りつけられただけなのに、充分に濡れたそこからはくちゅくちゅといやらしい音が響いた。
「あっ、はっ、んん……っ」
堪えようとしても声が出てしまう。あたしの胸に顔をうずめる凛太郎くんが、ふっと笑った。
「……淫らな香りが、立ち昇ってきましたよ……」
林さんが筆を置き、ベッドのすぐそばまでやってきた。凛太郎くんに組みしだかれたあたしを上から見下ろして、満足そうに微笑む。
「そう、これですよ……。ほかのどの女性からも感じることのできない、この純度の高い性衝動……。限りなく濃く、限りなく透明な、この香り……。さあ、もっともっと、完成度を高めていきましょうか……」
林さんが、あたしの手首の縄をほどいた。自由になった両手で、あたしは凛太郎くんをはねのけることができずに、秘部をまさぐる彼の手首を中途半端に掴んだ。
「ねえっ、やめ、凛太郎くん……っ」
「大丈夫ですよ、香織さん。林先生を信じて、ありのままの姿を見せるのです」
凛太郎くんが舌先で絶え間なくあたしの乳首を舐り続け、反対の胸を左手で揉みしだく。右手の指先は、ねっとりとあたしの蜜を絡ませてじんじんと勃ち上がったあたしの突起をくりっと撫で上げた。
「ああああッ!」
悲鳴を上げて全身を硬直させる。自由になったはずの両手は、思わず凛太郎くんの頭を掻き抱き、彼の右手を股間に押さえつけながら、あたしは両足をきゅっと閉じた。うっすらと目を開けると、覗き込む林さんの目に、妖しい光が宿っていた。
「いいですねえ……! あなたを縛る様々な既成概念を、あなたの本能が、打ち破ろうとしている。そのせめぎあいの、なんと刺激的なことか……! あなたは今、究極の美の入り口を、自ら開こうとしている……!」
林さんの声が上ずり、興奮しているのがわかる。そして、凛太郎くんにも変化が現れた。冷たかったその瞳が、にわかに揺れ動き、色を宿す。体温が上がって、その体からわずかに男の匂いが漂った。
「香織さん……もっと、もっと……感じてください……」
凛太郎くんの呼吸が乱れ始めて、その細い中指が、しっとりと濡れたあたしの中に入り込んだ。
「ああ……っ」
その甘美な刺激に、思わず声を漏らす。
こんなこと、間違ってる。頭の片隅で、そう告げる自分がいる。いくら体が求めたって、あたしの心は別にある。こんなことは許されない、裏切りだ。これはあたしの真実ではない。究極の美なんかではない。そう言い聞かせるあたし自身を、凛太郎くんと林さんの瞳が、強い力で見据える。
究極の美とは、理性と本能との絶妙な均衡によって成り立つ、人間にしか到達できないエロティシズムの真骨頂。究極の美の前では、心の隷属先など、取るに足りない議論だ。むしろその葛藤と背徳感すら糧として、美の境地へと辿り着くのだ――。
突然、林さんの狂気と、凛太郎くんの情動が、あたしの中に流れ込んだ。あたしの中で凛太郎くんの動きが激しくなり、そこから送り込まれる刺激が徐々に太い潮流となる。
「ああっ、あ、あ――ッ」
声が上ずり、熱い蜜が溢れ出した。ぐちゅぐちゅと響く淫靡な音に、林さんが口角を吊り上げて目を輝かせる。
「いい――! いいですよ、藍原先生……っ!」
顔を上気させる林さんを見て、凛太郎くんが顔を歪ませた。
「ああ……っ、先生……ッ!」
みるみると、凛太郎くんのものが勃起した。差し込まれた指の動きが速くなり、あたしはぶるぶる腰を震わせた。
「ああっ、ダメっ、あっ、また――ッ」
混乱しながらも何とか堪えようとした最後の防波堤は、凛太郎くんの目を見て、もろくも崩れ去った。激しく右手を動かす凛太郎くんの目は、興奮の中に苦渋が浮かんでいて。狂おしいほどに滲み出るその感情の正体に気づいた途端、体の奥のほうから、強い衝動がほとばしった。
「っあ、い、イク――ッ!!」
全身を硬直させて、あたしは二度目の絶頂を迎えた。荒波が過ぎ去ったあとも、体の震えが止まらない。ぎゅっと閉じた目に、なぜか涙が滲む。息を切らしながら体を起こそうとしたとき、林さんがいった。
「凛太郎くん……舐めてさしあげなさい」
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