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黒き胎動
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「美しき黒の誇り。私たちは、黒の民としての心の気高さを何よりも大切にしてきた。黒薔薇の黒は強さの証。黒薔薇の黒は美しさの証。そして、私たちの本当の誇りは……」
何があるとも言えない空間で、高貴な佇まいをした黒髪の少女が、落ち着いた、それでいて重みのある口調で何かを語っている。こちらに話しかけているようにも見えるが、僕自身は言葉を発することがなぜかできない。
不意にその少女以外のものと思われる声が聞こえてくる。いっけん優しく甘いささやきのような声だが、その裏にはぞっとするほどの冷酷さが潜んでいる。
「ふふふ、そんなものには何の意味もないわ。私の力の前では、みな無力なありんこのよう。私に良いように扱われて、朽ち果てるだけよ。私の歪んだ欲望のためにね。あなたもそう思うでしょう? ――くん」
その声が聞こえた後、白き濁流が僕を飲み込む。心をすべて無にしてしまうような、支配的で残酷な白。憎きサントニアの白。そうだ僕は憎い。あの国のことが憎い。憎い憎い憎い。壊してやる。何もかも。
憎しみで繋ぎ止めていた意識も、無慈悲なる白によって押し潰されてゆく。
――ああ、僕はまだ生きていたかった
「……は! はあ、はあ、なんだったんだ、今のは……」
一体どんな夢を見ていたのだろう。何か、恐ろしいなにかの記憶だけが焼き付いている。
「……はは、せっかくこんないい国に来たって言うのに、まだあの頃のトラウマが消えてないのかな」
そうだ、ここはセイレンブルク。僕を苦しめた白の国、サントニアではない。
セイレンブルクに来てから数週間、僕はいろんな街を転々としてきた。移ろってゆく中で出会う美しき自然と美しき街は、僕の心を少しずつ癒してくれた。この国の民はとても親切で、困っていれば手を差し伸べてくれるし、店に入っても灰色の髪だからと言って追い出されることもない。
こんな素晴らしい国をなんと言い表せば良いのだろうか……。答えは出ていたが、言語化するのは安っぽいと思い、あえて言葉にはしなかった。
そんな僕は今、最初にこの国の土を踏んだ街へと戻ってきている。初めて来た場所だからというのもあるが、やはり最大の理由はある喫茶店を訪れることだ。
街の中を見回しながら歩き続けていると、種々の花で彩られた店を見つける。ここだ。クマと友達になろうとしたア……不思議な女性マリヤと、その妹メアリが経営する喫茶店。名前は「森のオアシス」。前回は唐突だったものだから、名前をゆっくり確認できていなかった。木でできた両開きのドアをゆっくりと開けていく。比較的早い朝の時間だからか、客の数はそれほど多くない。
「いらっしゃいませ! どうぞお好きな席に座ってって!」
マリヤの妹、メアリが僕を出迎えてくれる。彼女はこの国では珍しいことに、黄色の髪をしている。それに対してマリヤは薄い青色の髪をしており、二人は血の繋がったきょうだいというわけではないようだ。
「レイオスさん、来てくださったんですね」
端っこの席に座った僕の所に、マリヤがメニューを置きに来てくれた。
「うん。しばらくの間他の街にいたんだけど、最近になってここへ戻ってきたんだ」
「そうだったんですか。旅の道中、元気になさってましたか? この国に来て、困ったことや悩みごとがあるなら、何でもおっしゃってくださいね。できる限り力になりますので」
「ありがとう。やさしいね、君は」
「いえいえ、レイオスさんだってお優しいですよ」
「はは、そうかな?」
やさしいだなんて言われるようなことをした覚えはないけど、彼女に言われるとなぜか素直に聞き入れてしまう。まだ会って話した回数は多くないが、彼女が優しい人だというのはよく分かるから、こんな僕も警戒せずに話していられるのだろう。
「注文は何になさいますか?」
「そうだね~」
渡されたメニューをざっと見てみる。
お、これ良さそうじゃないか。
「このスパイシーカレーを一つ」
「かしこまりました~」
「あ、これって辛さ変えられるの?」
「え、はい。激辛まで上げられますけど……そのままでもけっこう辛めですよ?」
「よし、じゃあ激辛で」
「ええ~!! ほ、ほんとにいいんですか~!?」
「うん」
「わ、分かりました……。もし辛かったら言ってくださいね? 取り替えて差し上げますから……」
「うん。ありがとう」
懐かしいな。セイレンブルクに来てからカレーを食べてなかったものだから、食べれるのが楽しみだ。素材を生かした純朴な料理も美味しかったけど、たまにはハードに行かないとね。
「で、できました~」
マリヤがスパイシーカレーを持ってくる。
照り付けるような黄金色の表面に散らばる、食べ甲斐のありそうな具たち。ごろごろした鶏肉、じゃがいも、そして人参など。そのどれもが僕に食えるものなら食ってみろよというような挑戦の眼差しを向けている。
――いいだろう、食らい尽くしてやるよ。僕は捕食者。命を奪うことに抵抗なんてないんだ。
カレーソースをライスに絡め、一口目を頂く。瞬間、脳裏に響く稲妻。
これは、間違いなく激辛だ!!
思わず水を口に注ぐ。
だが問題はない。今のでこのカレーとの間合いは見切った。この勝負は僕がもらう。
いくらかカレーとの戦闘を進めていった時、マリヤが少し離れた所からこちらを伺っていることに気づいた。
「……何してるの?」
「え? い、いえ……。何と言うか、心配になっちゃって……」
「だから大丈夫だって。それよりほら」
「え?」
「お姉ちゃん!! ぼーっとしてないでいい加減仕事してー!!」
マリヤの妹メアリは、かなりご立腹の様子だ。その様子から察するに、カレーを持ってきてからずっとこちらを見ていたのだろう。
……やっぱり危なっかしいな、マリは。
マリヤが仕事に戻ったのを確認してから、僕は再び黄金色の戦地へと赴いた。
「……す、すごい! 完食なされましたね!!」
まるで偉業でも成し遂げたかのように、マリヤが感心の眼差しを向けてくる。
「ごちそうさま。美味しかったよ」
微笑みを浮かべながら、空になった皿を彼女に手渡す。
――正直、なかなかの強敵だった。だが僕もただで転ぶような覚悟では食に及んではいない。最後まで諦めず食らい付き、ついに勝利を手にすることができたのだ。
「デザートにすっきりしたジュースをもらえるかな」
「はい」
マリヤが調理場へと向かってゆく。
その間ぼーっと店内を眺めていると、たくさんの本で彩られた棚があることに気づいた。
「お待ちどおさまです」
マリヤがジュースを持ってくる。
「ねえ、あれってさ」
僕の座っている場所から左斜め奥にあるその本棚を指差す。
「あの本棚の本ってさ、読んでもいいのかい?」
「はい! 私のお気に入りの本もたくさんあるので、是非読んでみてください!」
「そっか、ありがとう」
マリヤは読者家なのか。ほんわかしてる彼女らしいとも思える。
席を立ち、本棚の前まで行ってみる。
そういえば読書ってあまりしたことないな。この機会に少し嗜んでみるとするか。
それぞれの段を見回していると、ある一つの本が目に入る。題名は「黒き薔薇の讃美歌」。手にとってみると、あまり厚さはないが、しっかりした黒の装丁が施されている。
「マリ、この本はどんな本なの?」
マリヤに持ってきた本を見せる。
「あ! これはですね~。レイオスさん、なかなか良いお目をしてますね!」
「え、どういうこと?」
「この本、しっかりした黒の装丁がなされているでしょう? 実はこれ、あの黒の国、スウァルテルムから渡ってきたものなんです! 中身は黒の民の詩集となっていて、なかなかにすごい作品ばかりですよ! ……あ、でも……」
「どうしたんだい?」
「その、レイオスさんはサントニア出身なんですよね……。でしたら、あまりお読みになりたくないのかなと思いまして……」
サントニアとスウァルテルムが敵対関係にあるのは、誰もが知っていることだ。事実、サントニアの民は黒の民を悪魔の子孫と見なしているし、スウァルテルムの本はサントニアでは禁書扱いになっている。
「なんだそんなことか。それなら何の問題もないよ。この通り、白とも黒ともつかない髪色をしているものだからね」
ちょっとふざけたように髪をいじってみる。
「あ、えと、それなら良かった……です?」
「じゃあ早速読んでみるよ」
「はい!」
席に戻り、いくらかページをめくってみると、最初の詩が姿をあらわす。
誇り高き我が故郷
ああ、我が母国よ、そなたはなぜそれほどまでに美しいのか。国あまたありと言へども、この黒の輝きにかなうことがあるだろうか。強く逞しき森に囲まれ、宿る生命は衰えることを知らず、人々はみな懸命に生きている。
この黒き城はなぜこれほどに美しいのだろうか。華族たちは驕ることを決してせず、ただただ黒の民の一員として国を守り、人々を支え続けている。
我らが王はなぜこれほどまでに寛大なのだろうか。異国の民を決して拒まず、ただ己が友のようにもてなしている。
我が黒き故郷に喝采を。誇り高き黒の意志は、必ずやこの世界に雷鳴を響かせ、遠く離れた異国の地に住む同胞の元へと伝わってゆくであろう。
――この詩を読んだ時、僕は運命を感じた。今まで神を信じていなかった僕が、その時だけは神を信じようとすら思った。この詩は僕を呼んでいるんだ。
――いかなきゃ、黒の国、スウァルテルムに――
心の中に感じたのは、美しき黒の胎動だった。
何があるとも言えない空間で、高貴な佇まいをした黒髪の少女が、落ち着いた、それでいて重みのある口調で何かを語っている。こちらに話しかけているようにも見えるが、僕自身は言葉を発することがなぜかできない。
不意にその少女以外のものと思われる声が聞こえてくる。いっけん優しく甘いささやきのような声だが、その裏にはぞっとするほどの冷酷さが潜んでいる。
「ふふふ、そんなものには何の意味もないわ。私の力の前では、みな無力なありんこのよう。私に良いように扱われて、朽ち果てるだけよ。私の歪んだ欲望のためにね。あなたもそう思うでしょう? ――くん」
その声が聞こえた後、白き濁流が僕を飲み込む。心をすべて無にしてしまうような、支配的で残酷な白。憎きサントニアの白。そうだ僕は憎い。あの国のことが憎い。憎い憎い憎い。壊してやる。何もかも。
憎しみで繋ぎ止めていた意識も、無慈悲なる白によって押し潰されてゆく。
――ああ、僕はまだ生きていたかった
「……は! はあ、はあ、なんだったんだ、今のは……」
一体どんな夢を見ていたのだろう。何か、恐ろしいなにかの記憶だけが焼き付いている。
「……はは、せっかくこんないい国に来たって言うのに、まだあの頃のトラウマが消えてないのかな」
そうだ、ここはセイレンブルク。僕を苦しめた白の国、サントニアではない。
セイレンブルクに来てから数週間、僕はいろんな街を転々としてきた。移ろってゆく中で出会う美しき自然と美しき街は、僕の心を少しずつ癒してくれた。この国の民はとても親切で、困っていれば手を差し伸べてくれるし、店に入っても灰色の髪だからと言って追い出されることもない。
こんな素晴らしい国をなんと言い表せば良いのだろうか……。答えは出ていたが、言語化するのは安っぽいと思い、あえて言葉にはしなかった。
そんな僕は今、最初にこの国の土を踏んだ街へと戻ってきている。初めて来た場所だからというのもあるが、やはり最大の理由はある喫茶店を訪れることだ。
街の中を見回しながら歩き続けていると、種々の花で彩られた店を見つける。ここだ。クマと友達になろうとしたア……不思議な女性マリヤと、その妹メアリが経営する喫茶店。名前は「森のオアシス」。前回は唐突だったものだから、名前をゆっくり確認できていなかった。木でできた両開きのドアをゆっくりと開けていく。比較的早い朝の時間だからか、客の数はそれほど多くない。
「いらっしゃいませ! どうぞお好きな席に座ってって!」
マリヤの妹、メアリが僕を出迎えてくれる。彼女はこの国では珍しいことに、黄色の髪をしている。それに対してマリヤは薄い青色の髪をしており、二人は血の繋がったきょうだいというわけではないようだ。
「レイオスさん、来てくださったんですね」
端っこの席に座った僕の所に、マリヤがメニューを置きに来てくれた。
「うん。しばらくの間他の街にいたんだけど、最近になってここへ戻ってきたんだ」
「そうだったんですか。旅の道中、元気になさってましたか? この国に来て、困ったことや悩みごとがあるなら、何でもおっしゃってくださいね。できる限り力になりますので」
「ありがとう。やさしいね、君は」
「いえいえ、レイオスさんだってお優しいですよ」
「はは、そうかな?」
やさしいだなんて言われるようなことをした覚えはないけど、彼女に言われるとなぜか素直に聞き入れてしまう。まだ会って話した回数は多くないが、彼女が優しい人だというのはよく分かるから、こんな僕も警戒せずに話していられるのだろう。
「注文は何になさいますか?」
「そうだね~」
渡されたメニューをざっと見てみる。
お、これ良さそうじゃないか。
「このスパイシーカレーを一つ」
「かしこまりました~」
「あ、これって辛さ変えられるの?」
「え、はい。激辛まで上げられますけど……そのままでもけっこう辛めですよ?」
「よし、じゃあ激辛で」
「ええ~!! ほ、ほんとにいいんですか~!?」
「うん」
「わ、分かりました……。もし辛かったら言ってくださいね? 取り替えて差し上げますから……」
「うん。ありがとう」
懐かしいな。セイレンブルクに来てからカレーを食べてなかったものだから、食べれるのが楽しみだ。素材を生かした純朴な料理も美味しかったけど、たまにはハードに行かないとね。
「で、できました~」
マリヤがスパイシーカレーを持ってくる。
照り付けるような黄金色の表面に散らばる、食べ甲斐のありそうな具たち。ごろごろした鶏肉、じゃがいも、そして人参など。そのどれもが僕に食えるものなら食ってみろよというような挑戦の眼差しを向けている。
――いいだろう、食らい尽くしてやるよ。僕は捕食者。命を奪うことに抵抗なんてないんだ。
カレーソースをライスに絡め、一口目を頂く。瞬間、脳裏に響く稲妻。
これは、間違いなく激辛だ!!
思わず水を口に注ぐ。
だが問題はない。今のでこのカレーとの間合いは見切った。この勝負は僕がもらう。
いくらかカレーとの戦闘を進めていった時、マリヤが少し離れた所からこちらを伺っていることに気づいた。
「……何してるの?」
「え? い、いえ……。何と言うか、心配になっちゃって……」
「だから大丈夫だって。それよりほら」
「え?」
「お姉ちゃん!! ぼーっとしてないでいい加減仕事してー!!」
マリヤの妹メアリは、かなりご立腹の様子だ。その様子から察するに、カレーを持ってきてからずっとこちらを見ていたのだろう。
……やっぱり危なっかしいな、マリは。
マリヤが仕事に戻ったのを確認してから、僕は再び黄金色の戦地へと赴いた。
「……す、すごい! 完食なされましたね!!」
まるで偉業でも成し遂げたかのように、マリヤが感心の眼差しを向けてくる。
「ごちそうさま。美味しかったよ」
微笑みを浮かべながら、空になった皿を彼女に手渡す。
――正直、なかなかの強敵だった。だが僕もただで転ぶような覚悟では食に及んではいない。最後まで諦めず食らい付き、ついに勝利を手にすることができたのだ。
「デザートにすっきりしたジュースをもらえるかな」
「はい」
マリヤが調理場へと向かってゆく。
その間ぼーっと店内を眺めていると、たくさんの本で彩られた棚があることに気づいた。
「お待ちどおさまです」
マリヤがジュースを持ってくる。
「ねえ、あれってさ」
僕の座っている場所から左斜め奥にあるその本棚を指差す。
「あの本棚の本ってさ、読んでもいいのかい?」
「はい! 私のお気に入りの本もたくさんあるので、是非読んでみてください!」
「そっか、ありがとう」
マリヤは読者家なのか。ほんわかしてる彼女らしいとも思える。
席を立ち、本棚の前まで行ってみる。
そういえば読書ってあまりしたことないな。この機会に少し嗜んでみるとするか。
それぞれの段を見回していると、ある一つの本が目に入る。題名は「黒き薔薇の讃美歌」。手にとってみると、あまり厚さはないが、しっかりした黒の装丁が施されている。
「マリ、この本はどんな本なの?」
マリヤに持ってきた本を見せる。
「あ! これはですね~。レイオスさん、なかなか良いお目をしてますね!」
「え、どういうこと?」
「この本、しっかりした黒の装丁がなされているでしょう? 実はこれ、あの黒の国、スウァルテルムから渡ってきたものなんです! 中身は黒の民の詩集となっていて、なかなかにすごい作品ばかりですよ! ……あ、でも……」
「どうしたんだい?」
「その、レイオスさんはサントニア出身なんですよね……。でしたら、あまりお読みになりたくないのかなと思いまして……」
サントニアとスウァルテルムが敵対関係にあるのは、誰もが知っていることだ。事実、サントニアの民は黒の民を悪魔の子孫と見なしているし、スウァルテルムの本はサントニアでは禁書扱いになっている。
「なんだそんなことか。それなら何の問題もないよ。この通り、白とも黒ともつかない髪色をしているものだからね」
ちょっとふざけたように髪をいじってみる。
「あ、えと、それなら良かった……です?」
「じゃあ早速読んでみるよ」
「はい!」
席に戻り、いくらかページをめくってみると、最初の詩が姿をあらわす。
誇り高き我が故郷
ああ、我が母国よ、そなたはなぜそれほどまでに美しいのか。国あまたありと言へども、この黒の輝きにかなうことがあるだろうか。強く逞しき森に囲まれ、宿る生命は衰えることを知らず、人々はみな懸命に生きている。
この黒き城はなぜこれほどに美しいのだろうか。華族たちは驕ることを決してせず、ただただ黒の民の一員として国を守り、人々を支え続けている。
我らが王はなぜこれほどまでに寛大なのだろうか。異国の民を決して拒まず、ただ己が友のようにもてなしている。
我が黒き故郷に喝采を。誇り高き黒の意志は、必ずやこの世界に雷鳴を響かせ、遠く離れた異国の地に住む同胞の元へと伝わってゆくであろう。
――この詩を読んだ時、僕は運命を感じた。今まで神を信じていなかった僕が、その時だけは神を信じようとすら思った。この詩は僕を呼んでいるんだ。
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心の中に感じたのは、美しき黒の胎動だった。
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