甘やかな香りと闇の眷属

オオカミ

文字の大きさ
5 / 15

空色の出会い

しおりを挟む
 朝早くに起きた僕は、暖かい陽射しの中、セイレンブルクの自然を堪能していた。

「森の中はいいな。人がいないし、静かで落ち着く」

 街も落ち着いた雰囲気があってよいが、やはりこの緑の豊かさがこの国の持ち味だと思う。見つけた小川に近づき、その中で動き回っている魚を見つめる。
 そういえば昨日は、宿で川魚を食べさせてもらったな。あの魚はこういう所から取っているのだろうか。
 何度も思うことだが、セイレンブルクに来て本当に良かった。疲弊していた心も体も、少しずつ癒されているような気がする。
 今だけは、味わってきた苦しみも、孤立無援になってしまったという事実も忘れて、このまどろむような時に身を任せていたい――

「誰かー!! 助けてー!!」

 ……困っているのは分かるが、もう少し後か、あるいは僕がいなくなってからにして欲しかった……。
 森の中という状況を鑑みるに、おそらく獣にでも襲われているのだろう。
 携えていた槍を持ち、声の聞こえた方へと急いで向かう。

「どうして襲ってくるの!? 私はただ友達になりたかっただけなのに~~!!」

 今度の声はかなり間近に聞こえる。草木を掻い潜っていくと、薄い青色の髪をした若い女性と、彼女に向かってゆっくりと近づいていく大きな熊が見えた。すかさず熊と女性の間に割って入り、熊に向かって槍を構えた。

「え!? あ、ありがとございます!!」
「僕が槍を使って牽制するから、君はその隙に逃げて!!」
「え、えと、はい!」

 彼女は少しためらった後、全力でその場から離れていった。

「……さて、どうするかね」

 生き物を殺すことにそれほど抵抗はない。なるべく無駄な殺生は避けたいが、人を襲うような熊は別。この場で殺すべきだろう。僕にはそれができる。
 槍に殺気を込め、致命傷を食らわすための隙を見計らう。
 ――さあ、いつでも来い。

「……がう」

 すると意外なことに、その熊はすぐさま後ろを向き、森の茂みの中へと帰っていった。

「……ありゃ?」

 これは拍子抜けだ。咆哮を上げて襲いかかってくるとばかり思っていたが、猛獣というのは案外諦めが早いものなのだろうか。

「あの! 大丈夫ですか!」

 熊が去ってからしばらくすると、さっきの女性がこちらに戻ってきた。

「ん? 君、逃げたんじゃないの?」
「えと、そうなんですけど、心配になったので戻ってきちゃいました。……それに、元はと言えば私のせいなので……」
「君のせいって、どういうこと?」

 彼女はしばらくの間ためらった。正確な時間は分からないが、気まずい空気が流れるぐらいには十分な長さだった。その雰囲気に耐えきれず、僕が口を開けようとした時、ようやく彼女は話し始めた。

「実は……」



     *   *   *



「……あきれた。まさかそんなことをする人がいるとはね……」

 話しを終えたその女性は、顔を真っ赤にしてうつむいている。
 ことの経緯いきさつはこうだ。彼女はいつものように、大好きなこの森を歩いていた。すると偶然、クマさんに出会ったという。普通の人間なら、びっくりして逃げ出すだろう。彼女も最初はそうしようと思ったらしい。だが突如として、頭の中にあるメロディーが浮かびあがった! 
 サントニアでも有名な童謡、「森のくまはん」である。その歌を思い出した彼女は、クマは……クマさんともきっと仲良くなれる! ……と思ったらしい。その結果なんと、一向に襲ってくる様子もないくまに近づき、握手を交わそうと両手でくまの手を握って少し揺らしたのだそうだ。それでも抵抗一つせずその場を離れようとした寛大なくまに対し、無視されたと不満を抱き、あろうことか声をかけながら付いていった所、逆に追いかけ回されてしまったのだという。
 
 ……これは驚いた。脱帽した。そんな価値観の人間が、ここまで生きてこれたということに対して。

「ほんとにごめんなさい! 私が迂闊うかつだったばかりに……」
「いやいいよ。それに聞いた限りでは、あの熊にそれほど敵意はなかったようだしね」

 セイレンブルクの生き物は、やはりとても温厚ならしい。だからこういう人でもやっていけるのかもしれない。

「あの! お詫びがしたいので、ぜひうちの喫茶店にいらしてください!」
「喫茶店? 君は喫茶店をやっているのかい?」
「はい! 妹と一緒に経営してるんですけど、お客さんからの評判もけっこういいんですよ~」
「そうなのか。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
「ありがとうございます!」

 彼女は人懐っこい笑みを浮かべ、とても嬉しそうにしている。

「あ! そういえば、お名前何て言うのですか?」
「ああ、レイオスだよ。君は?」
「私はマリヤって言います! 気軽にマリって呼んでくれるとうれしいです!」

 少し気恥ずかしいが、要望されている以上断る気にもならない。

「そう呼ばせてもらうよ。よろしく、マリ」
「よろしくです! レイオスさん」 

 それからマリヤと共に森を抜け、街の中にある建物の前までやってきた。その建物の正面は彩り豊かな花で飾られており、思わず感心してしまうような美しさだった。

「ここが私達の喫茶店です!」
「へえ、ここが……」
「どうぞ! お入りください!」
「うん」

 マリヤが開けてくれたドアから、店の中へと入っていく。店内もなかなか良い雰囲気だ。心踊らせるような鮮やかさと、我が家に帰ってきたような安心感が同時に込み上げてくる。

「今はまだ開店前なので、遠慮なくお好きな席に座っててくださいね~」 

 はしっこの席に座る。人がいないとは言え、やはり目立たない場所の方が落ち着く。少しすると、マリヤが水とお手拭き、それにメニューを持ってきた。

「なんでも好きなメニューを注文してくださいね!」 

 マリヤはにこりと微笑んでいる。
 こんなに他者から親切にしてもらったのはいつ以来だろうか。幼き頃に捨てたはずの感情が少しだけよみがえる。

「そうだね……。じゃあこのハムトースとミルク入りコーヒーにしようかな」
「かしこまりました!」

 注文を聞いたマリヤは、小走りで調理場と思われる場所へ向かっていった。

「……意外と様になってるな」

 クマさんエピソードを聞いた時は、まともに生活できているのかすら疑問だったが、どうやら仕事はちゃんとやれている……のかもしれない。

「お待たせしました! こちら、ハムトーストと、ミルクコーヒーになります!」

 お盆の上にのせられていた二品の食べ物が、木でできたテーブルにそっと置かれていく。

「とても美味しそうだね」
「そう言ってもらえると嬉しいです! コーヒーは妹のメアリとたくさん研究してるので、ぜひ味わってみてくださいね!」
「うん、頂くよ」

 勧められたコーヒーをそっと口に含んで味わってみる。
 コーヒーの苦みがミルクで中和され、まろやかな味わいとなっている。
 だが特筆すべきは、コーヒーの苦みが単なる苦みに留まらず、もっと深く心を引き寄せるようなコクを醸し出している点だ。その深い味わいが、本来感じるはずのない甘さすら引き出しているように思われるほどだ。

「……本当に美味しいね、これ」
「本当ですか! お口に合って良かったです!!」

 僕は苦すぎるコーヒーは得意じゃないので、普段コーヒーを飲むときは砂糖を入れたりミルクを入れたりしているが、このコーヒーならブラックでも楽しめるかもしれない。
 コーヒーを飲んで一息した後、今度は美味しそうな香りを放つハムトーストを口にしてみる。
 うん、これもなかなか美味しいな。
 ハムトーストとミルクコーヒーを交互に味わい、ゆっくりと完食する。

「ごちそうさま」
「お粗末さまでした~」

 空になった皿を、マリヤが取り下げてくれる。

「ありがとう。お代はいくらかな?」
「そんなのいいんですよ~。危ない所を助けてもらったわけですし」
「まあ、そう言ってくれるなら……。そういえば、この店は妹さんと経営してるって言ってたけど、他にも人を雇ったりしているのかい?」

「いえいえ、妹と二人だけで活動してます」
「そうか。それは大変そうだね」
「そんなことないですよ~。けっこう楽しくやれてます!」

 にこにこ笑顔の彼女は、本当に楽しくやれてそうだ。僕も思わず頬が緩んでしまう。

「それならよかったよ」

 トッ、トッ、トッ。不意に誰かが階段を降りる音が聞こえてくる。

「あ、どうやらメアリが目を覚ましたようです」
「なるほど、この店の二階に住んでるんだね。僕はもう帰った方がいいかな」
「いえいえ! まだごゆっくりしてくれて大丈夫ですよ~」
「いやでも……」
 
 そう言っているうちに階段を降りる音が途切れ、奥の方にあるドアが開いた。するとそこから、黄色い髪をした女性が出てくる。

「おはようお姉ちゃん。あれ、その人誰?」
「この人はね、私が森でくまさんを怒らせちゃった時に助けてくれたの」
「……どういうこと?」

 それからまた、例の脱帽エピソードが飛び出した。ふむふむと話を聞いていた妹さんだが、次第に怒りをこらえるかのような表情に変わっていく。

「何あほなことやってるの!!」
「ご、ごめんなさいぃ~~」
「自分のことはまず置いといて、もしそれであの人が怪我したりしたらどうするの! ちゃんと考えて行動してよね!」
「ほんとにごめんなさい~~」
「ほら、私じゃなくてあの人に謝るの!」

 泣きそうになっているマリを連れてこっちへ向かってくる。

「このたびは、うちの姉が迷惑をかけてしまい、まことに申し訳ありませんでした!!」
「も、申し訳有りませんでしたぁ……」

 二人で謝りに来ているその様は、姉と妹と言うより、もはや母と子だ。

「いやもういいよ、本当に。メアリさんも顔を上げて。美味しいコーヒーとご飯も頂いたわけだし」
「ほ、ほら、レイオスさんもこうおっしゃてるわけだしね?」
「むー、お客さんがいいならいいんだけどさ……。お姉ちゃんは後でお説教だからね!」
「は、はひぃ~」

  マリヤはもう涙目になっている。
 なんと、さっきのは説教じゃなかったのか……。これでは、姉と妹との力関係が完全に逆転してい………ん?

「あれ? そういえば妹さんは髪を染めてるのかい?」

 きょうだいなら髪の色も同じか似た色になるはずだ。

「え、この髪は地毛だよ?」
「そ、そうなのか。えーと、二人はきょうだい、で合ってるんだよね?」
「あ! いい忘れてました!」

 マリヤがはっとしたように口を開ける。

「実はその、私とメアリは血が繋がってるわけじゃなく……。でも私にとっては妹同然なんです!」

 つまり、いわゆる義兄弟と言うものなのだろう。

「……なるほどね」

 少し驚いた。白の国サントニアだったらこんなことはそうそうない。なんとなくわかっていだが、この国の民は髪の色の違いに対しておおらかなようだ。

「髪の色と言えば、レイオスさんも変わった色をしてますよね~」

 やはり髪の話になったらそこに行き着くよな……。

「ああ、これね。僕の母親は白の民なんだけど、どうやら父親はそうじゃなかったみたいでさ」
「え、ひょっとしてお客さん、サントニアから来たの?」
「ええ!? そうなんですか!?」

 マリヤも妹さんもちょっと、いやけっこう驚いてる。予想してはいたが、面倒なことに変わりはない。話題が向かないようにもっと気をつけておくべきだった……。

「まあ、そうなんだよ。この国に憧れて、つい最近入国したんだ」
「そうだったんですか……。髪が白くないから気づきませんでした……」

 そりゃ言ってなかったからね。聞かれない限り言うつもりもなかったし。

「へえ~お客さん、あの白の国から来たんだ……」

 マリヤの妹が興味深そうに見てくる。

「お客さん。よかったらさ、サントニアのこと聞かせてよ。サントニアから来た人に話を聞ける機会って、あんまりないからさ」
「……そうだね。また今度来た時にでも話すとするよ……」

 こんな風にあの国のことを聞かれるのが嫌というわけではないが、今はなるべく思い出したくないのだ……。

「メアリ、そのくらいにしときなよ。レイオスさん困ってるし」

 マリヤが妹さんをたしなめた。意外と姉っぽいところもあるようだ。

「あー、そうだね……。ごめんねお客さん、迷惑かけちゃってさ」
「……いいんだ。気にしないでくれ……」

 そうは言ったものの、やはり苦しい気持ちになるのは避けられない。あの国での日々は、やはり僕にとってはつらいものでしかなかった……。

「ご、ごめんね! なんか詮索しちゃってさ……。お詫びに、何かこの店の品を振る舞うよ!」
「え? いや、もうマリからコーヒーとハムトーストを頂いたわけだし……」
「まあまあ、そんな遠慮しなくていいからさ! 私にもお姉ちゃんを助けてくれたお礼させてよ」

 見切ってはいたが、妹さんはやはり押しの強い性格のようだ……。

「……じゃあ、このホットケーキを一つ」
「かしこまり!」

 颯爽さっそうと調理場へと向かっていく。

「ごめんなさいね。メアリはちょっと元気すぎるところがあるから……」
「いや大丈夫だよ。むしろ感謝している。こうやって色々話せるのは僕としても嬉しい」

 サントニアではこんな風にのんびり人と話すこともなかったしな。    

「それならよかったんですけど……。レイオスさん、母国の話をしている時なんだか辛そうだったので……」
「……そんなことはないさ。気のせいだよ」

 隠せていたつもりだったが、彼女は思ったより勘がいいようだ。人の感情を読むのがうまいのかもしれない。動物に対してもそうであって欲しいものだが……。

「それにしても、ずいぶんしっかりしてる妹さんだね」
「そうなんですよ~。私が困ってる時、いつも助けてくれるんです! そのぶん怒られるのもたくさんですけど、とっても頼りになる自慢の妹です!」
「ははっ、君が今日みたいに怒られてるのが目に浮かぶよ」
「ええ~。想像しないでくださいよ~」

 そう言いながらも、マリヤは妹のことを自慢できて嬉しそうだ。僕も僕で、久々に声を出して笑ってしまった。
 まだ出会ってからそれほど時間が経っていないのに、こんな風に仲良く話せるなんていうのは、実に不思議だ。今までこんなことはなかった。セイレンブルクに来たことで、僕の人生にも少しだけいい風が吹いているのかもしれない。こんな時間が続けばいいのに、なんてがらにもないことを思ってしまう。

「お待ちどおさん! ホットケーキだよ!」

 調理を終え、こちらへとやって来た妹さんが、皿に乗せられたホットケーキをテーブルに置いた。
 皿の上に重ねられたホットケーキには、メープルソースらしき物と、白いクリームのようなトッピングが添えられている。

「その白いのは、今、巷で流行りのクリームチーズだよ! 美味しいと思うから、ぜひ味わってみてね!」
「うん」

 まず最初は、メープルだけを絡ませ、ナイフで切り分けたホットケーキを一口食べる。
 うん、おいしい。暖かくてふわっとしてて、甘さも調度よく保たれている。いいデザートだ。 
 そのままいくらか食べた後、今度はメープルとクリームチーズの両方を織り混ぜて頂く。
 もふもふしたホットケーキの食感とメープルシロップの甘さが伝わった後、クリームチーズのすっきりした味わいが口の中を透明にしてゆく。

「どうだい? お客さん」

 妹さんがにこにこしながら聞いてくる。

「うん、最高」
「でしょ! これけっこう自信あったんだ~」

 本当にうまい。コーヒーと言いホットケーキと言い、この店の品はたいしたものだ。

「それじゃあごちそうさま。今日はこのぐらいでおいとまさせてもらうとするよ」

 席を立ち、出口へと向かう。

「レイオスさん、今日はありがとうございました」
「こちらこそありがとう。とても美味しかったよ」

 それに、楽しい時間も過ごさせてもらったしね。

「またいらしてくださいね! 異国の地だと困ることもたくさんあるでしょうし、相談に来てくれれば、いつでも力になりますから!」
「ありがとう、また来るよ」

 別れの挨拶を交わし、店を後にする。

 優しい風を感じながら歩き続けて、ふと上を見上げてみると、翳りひとつない、透明な青空が広がっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

処理中です...