愛など要らない金さえあれば/愛が無いならせめて体だけでも/と最初は思っていた。

たいよう一花

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第9話 深く激しく濃厚に――前も後ろも穿たれて/2

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「……さあ、準備が整いました。……グレイ、来てください」

 レネの陰部には男性器はなく、じっとりと濡れた花弁が覗いている。それは「結びの甘露」により花開いた、一晩だけの特別な器。男根を受け入れ、「夫婦の契り」を交わすための、雌の形だった。
 グレイはレネの体の上に膝立ちになると、その部分を見つめた。その目には、ギラギラとした欲情がたぎっている。

「……すごいな……レネ。俺も結婚したのは初めてだから、当然ながら「女神の形」も初めて見る……。……触ってもいいか?」

「……少しだけ、ですよ……」

 グレイはそっと、指先を這わせた。

「んっ……!」

「……おお……ひくついているな……気持ちいいか?」

「……はい、気持ち、いいです……。すごい……ああっ、あ!」

「ジュクジュクだな……こんなに濡れて……この液体は、いったいどこから来るんだ? 不思議だ……」

「勃起の先走り汁と、同じような原理かと……あっ、くぅっ!」

「指が入った……。もう少し、押し込んでもいいか?」

「はい……、ん、ん! ああっ、グレイ!」

 グレイは中に挿入した指を、ゆっくり抜き差ししてレネの反応を見た。

「あ、あっ、ああっ! ん、グレイ、ああ……もう……来てください……あなたの、それを……」

 レネは折り曲げた膝の裏に自分の手を添え、より一層股をさらけ出した。クッションの上に置かれた尻が持ち上がり、花弁と共に後ろの蕾を晒す。それはどちらもぬらぬらと濡れ、ひくついていた。早くグレイのモノで埋めて欲しいと、物語るように。
 扇情的なレネの誘い方に、グレイの喉がゴクリと鳴り、勃起が更に膨らむ。もう痛いほどだった。

「レネ……先に、魔道具の張形はりがたを後ろに挿入する。その後、おまえの前に、俺のモノを。……いいか、いくぞ……もし痛かったら、すぐに言ってくれ」

「はい。どうぞ……グレイ」

 レネは顔を真っ赤に染めて、枕を握りしめている。瞳は潤み、呼吸は荒い。かなり緊張している様子を見て、グレイはレネを抱きしめた。そして自然に、唇を重ねる。

「!」

 それは二人が初めてする、キスだった。
 契約結婚という間柄のため、グレイは今までレネにキスするのを控えていた。愛情の発露とも言えるその行為は許されないのではないかと、そう思っていたからだ。しかしレネの不安そうな様子を見たグレイは、考えるより先に、動いてしまった。

 一方、レネはグレイから唇を重ねてきたことに、驚いた。今までずっと、口付けを交わしてみたかったのだが、求めれば拒絶されそうな気がして、黙っていたのだ。

(ああ……グレイ……)

 レネはうっとりと、目を閉じた。
 キスはセックスより、どこか神聖な気配を漂わせている。
 唇を重ね、唾液を絡め、互いの息を交換する――その行為には、性欲とは別次元の愛情が込められていると、そう感じるためだ。
 望んでいた口付けを与えられ、レネの胸に泣き出しそうなほどの歓喜が広がる。

 そしてグレイの胸にもまた、レネが感じているのと同じ感動が、広がっていた。

 しかし二人はまだ、お互いの気持ちが同じ熱を伴って寄り添っていることを、知らない。
 今はただ二人とも、自然な成り行きに任せ、心地よいキスにうっとりと溺れていた。

 グレイはやがて唇を離すと、まるで愛おしい恋人にするように、レネの頬をそっと撫でた。
 レネはそれに応え、グレイの手に自分の手を添え、微笑む。
 グレイはハッとして、涙に潤んだレネの瞳を覗き込んだ。心臓がドクンと跳ね上がり、甘美な痛みを訴える。
 レネのその仕草が、これからする「夫婦の契り」を盛り上げるための演技だとしても、グレイはレネの微笑みを愛おしいと、そう思った。心のどこかで、もう一人のグレイが「これは契約であり、仕事だ。節度を保て」と警告していたが、彼はそれを無視することにした。
 グレイはチュッとレネの手に接吻すると、上半身を起こした。そして自身の昂ぶりと連動してビクビクと震えている張形を掴み、それをレネの後孔へと押し込み始める。

「んっ……、んうぅ、くっ……!」

 レネの蕾が収縮と拡張を繰り返し、徐々に張形を呑み込んでゆく。半ばほど体内に沈めたところで、グレイはいよいよ、自身の昂ぶりの方を、レネの前に開いた花弁へと、押し当てた。

「っ、……!」
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