13 / 80
Ⅰ 強奪
12. 凌辱(1)
しおりを挟む
体に違和感を覚え、レイはゆっくりと目を開けた。
尻に何かが挟まっているかのような、ムズムズする異物感。
手を伸ばして確かめようと体を起こしかけたとき、すぐ傍から声を掛けられた。
「目覚めたか、レイ」
「……魔王……?」
体中がだるく、思うように動かせない。
レイは寝台の上に横たわり、視線だけを声のした方向へ向けた。
「ここ……どこだ?」
かすむ視界に、寝台の天蓋が映し出される。この豪華さは、明らかに宿の部屋ではない。
「宮中の一室だ。レイ、喉が渇いただろう?」
魔王の支えでわずかに上体を起こし、グラスの淵を唇に当ててもらうと、レイは中身をゆっくりとすすった。
甘い果実水が、沁みこむように喉を下りてゆく。
(何で俺、魔王に介抱されてるんだ? どこか怪我でもしたのか……?)
そう思いながら果実水を飲み干し、体の状態を確かめようとしたレイは、自分が何も身に着けていないことに気付く。
露出した肌にただひとつ、左手首にはめられた腕輪だけが、ぼんやりと光を放ち、存在を主張していた。
「!!」
突如、押し寄せる波のように、どっと記憶が甦った。
「魔王っ……!」
怒りに駆られたレイは、魔王に掴みかかろうとしたが、あっさりと寝台の上に組み敷かれた。
「はなせっ! はなせぇっ――!」
喉の奥から絞り出した声は掠れ、喘鳴を伴っていた。
わずかな動作にも息が切れ、ぐらぐらと周囲が揺れて見える。
そんなレイの様子を痛ましげに見つめ、魔王は優しく囁いた。
「暴れるな、レイ。腕輪の副作用だ。できれば使いたくなかったが……すまない……」
「はずせっ! これを、はずせっ……!」
押さえつけられ、もがきながら、レイは束縛から逃れようと、力のこもらない手足を弱々しくばたつかせた。
「私の妃となり、一生私と添い遂げると誓ってくれるなら、今すぐその腕輪をはずしてやろう」
「!」
信じられない思いで、レイは自分に のしかかっている男の顔を睨み付けた。
体の奥から沸々と怒りが煮えたぎり、声にならない叫びが頭の中でこだまする。裏切られたという思いが、きりきりと胸の内を蝕んでいった。
「こんなっ……卑怯な手を使って……恥ずかしく、ない、のかっ……!」
魔王は顔を歪め、悲しげに微笑んだ。
「おまえのいない生涯を耐え忍ぶくらいなら、卑怯者になる方を選ぶ」
そういうと魔王は、レイの顎を掴み、唇を押し付けてきた。
「んっ……! ん、ふっ……んんんっ、ん……!」
抵抗しようにもまるで力が入らず、レイはなすすべもなく唇を吸われ続けた。強い力で顎を押え付けられているため、逃れたくても首を振ることさえ、叶わない。
熱い吐息が絡み合い、湿った音が静かな室内に響く。
「んっ、んんっ、……はっ、……ん、あっ……!」
やっと唇が解放され、魔王の口付けが首筋に移動すると、レイは胸を激しく上下させ、必死になって空気を吸いこんだ。
「はっ、あっ……はあ、はあ……あっ、くっ……!」
耳の後ろの感じやすい箇所を、魔王の舌にぞろりと撫でられ、レイはビクンと体を震わせた。
「ここが好きか……?」
「あっ、あぁっ! はっ、や、やめろ……! あっ、んっ、くぅ……っ!」
ねっとりと、魔王の唾液が首筋を伝い下りる。
弱い所を責めたてられ、レイは喘ぎながら仰け反り、荒い呼吸を繰り返した。
扇情的に反らされたレイの喉に、誘うように喉仏が晒される。
その様に欲情を掻き立てられ、魔王は喰らいつくようにレイの喉にしゃぶりついた。ぴたりと唇をつけ、張り出た部分を舌で転がすように、そっと優しく撫で上げる。
「ひっ……! くっ、あっ、……やめ、ろ! ……はっ、んんっ!」
喉を圧迫される苦しさと、魔王の舌に弄られるくすぐったさが、同時にレイをさいなむ。
魔王の濡れた唇はレイの肌から離れることなく、やがて鎖骨付近へと滑り、徐々に下へ下へと這っていく。
それと同時に魔王の指先が、丹念に体中を撫で回り、否応なしにレイの体を高めていった。
尻に何かが挟まっているかのような、ムズムズする異物感。
手を伸ばして確かめようと体を起こしかけたとき、すぐ傍から声を掛けられた。
「目覚めたか、レイ」
「……魔王……?」
体中がだるく、思うように動かせない。
レイは寝台の上に横たわり、視線だけを声のした方向へ向けた。
「ここ……どこだ?」
かすむ視界に、寝台の天蓋が映し出される。この豪華さは、明らかに宿の部屋ではない。
「宮中の一室だ。レイ、喉が渇いただろう?」
魔王の支えでわずかに上体を起こし、グラスの淵を唇に当ててもらうと、レイは中身をゆっくりとすすった。
甘い果実水が、沁みこむように喉を下りてゆく。
(何で俺、魔王に介抱されてるんだ? どこか怪我でもしたのか……?)
そう思いながら果実水を飲み干し、体の状態を確かめようとしたレイは、自分が何も身に着けていないことに気付く。
露出した肌にただひとつ、左手首にはめられた腕輪だけが、ぼんやりと光を放ち、存在を主張していた。
「!!」
突如、押し寄せる波のように、どっと記憶が甦った。
「魔王っ……!」
怒りに駆られたレイは、魔王に掴みかかろうとしたが、あっさりと寝台の上に組み敷かれた。
「はなせっ! はなせぇっ――!」
喉の奥から絞り出した声は掠れ、喘鳴を伴っていた。
わずかな動作にも息が切れ、ぐらぐらと周囲が揺れて見える。
そんなレイの様子を痛ましげに見つめ、魔王は優しく囁いた。
「暴れるな、レイ。腕輪の副作用だ。できれば使いたくなかったが……すまない……」
「はずせっ! これを、はずせっ……!」
押さえつけられ、もがきながら、レイは束縛から逃れようと、力のこもらない手足を弱々しくばたつかせた。
「私の妃となり、一生私と添い遂げると誓ってくれるなら、今すぐその腕輪をはずしてやろう」
「!」
信じられない思いで、レイは自分に のしかかっている男の顔を睨み付けた。
体の奥から沸々と怒りが煮えたぎり、声にならない叫びが頭の中でこだまする。裏切られたという思いが、きりきりと胸の内を蝕んでいった。
「こんなっ……卑怯な手を使って……恥ずかしく、ない、のかっ……!」
魔王は顔を歪め、悲しげに微笑んだ。
「おまえのいない生涯を耐え忍ぶくらいなら、卑怯者になる方を選ぶ」
そういうと魔王は、レイの顎を掴み、唇を押し付けてきた。
「んっ……! ん、ふっ……んんんっ、ん……!」
抵抗しようにもまるで力が入らず、レイはなすすべもなく唇を吸われ続けた。強い力で顎を押え付けられているため、逃れたくても首を振ることさえ、叶わない。
熱い吐息が絡み合い、湿った音が静かな室内に響く。
「んっ、んんっ、……はっ、……ん、あっ……!」
やっと唇が解放され、魔王の口付けが首筋に移動すると、レイは胸を激しく上下させ、必死になって空気を吸いこんだ。
「はっ、あっ……はあ、はあ……あっ、くっ……!」
耳の後ろの感じやすい箇所を、魔王の舌にぞろりと撫でられ、レイはビクンと体を震わせた。
「ここが好きか……?」
「あっ、あぁっ! はっ、や、やめろ……! あっ、んっ、くぅ……っ!」
ねっとりと、魔王の唾液が首筋を伝い下りる。
弱い所を責めたてられ、レイは喘ぎながら仰け反り、荒い呼吸を繰り返した。
扇情的に反らされたレイの喉に、誘うように喉仏が晒される。
その様に欲情を掻き立てられ、魔王は喰らいつくようにレイの喉にしゃぶりついた。ぴたりと唇をつけ、張り出た部分を舌で転がすように、そっと優しく撫で上げる。
「ひっ……! くっ、あっ、……やめ、ろ! ……はっ、んんっ!」
喉を圧迫される苦しさと、魔王の舌に弄られるくすぐったさが、同時にレイをさいなむ。
魔王の濡れた唇はレイの肌から離れることなく、やがて鎖骨付近へと滑り、徐々に下へ下へと這っていく。
それと同時に魔王の指先が、丹念に体中を撫で回り、否応なしにレイの体を高めていった。
15
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる