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沈丁花禄郎でございます!
沈丁花禄郎でございます!
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episode3 「学ぶことの意義」
爽やかな五月の朝。穏やかな風が吹いていた。
絵梨奈と真美が通う大学。新緑の木々に囲まれたキャンパスを歩く学生がみな
生き生きとしていて、華やかでフレッシュな雰囲気を醸していた。
絵梨奈と真美は授業が臨時休講になったため5号館の廊下を歩いていた。
真美は「あれ?あの美術教室でデッサンしてるの町保存会の人たちじゃない?」と指
さした。
絵梨奈「ホントだ!そう言えばうちの大学、社会人のための公開講座やってるん
だよね」
真美「沈丁花さんたち社会人になっても学問を学ぼうとしてるんだね」
絵梨奈「へぇ~、立派だね。西洋人の彫刻を真剣に書いてる。何だかあの人たちのこと見直しちゃったよ」
真美「確かに立派だよね」
絵梨奈「みんなカラフルなベレー帽なんか被っちゃって何だか可愛いね」
ふたりに笑みがこぼれた。
すると、絵梨奈と真美の友達の玲奈が小走りでやってきた。
玲奈「おはよう!何々?ああ、美術の授業ね。確か、今さっき女性のヌードモデルの人
が体調不良で来れなくなったみたいね。じゃあバイト行くからまたね!」
玲奈は走り去っていった。
絵梨奈と真美は美術教室のなかの町保存会のメンバーを見つめて、言葉を失っていた。
町保存会のメンバーを廊下から見つめるふたりの背中を後ろにいた新入生が見ていた。
新入生の頭の中に哀しい音楽が流れた。
授業が終わった後、町保存会のメンバーは無邪気な顔で楽しそうにキャンパスを練り歩いた。
メンバーは学生プロレスをやっているのを見かけて、「いっちょ揉んでやるか」と学生レスラーに挑戦状を叩きつけた。
沈丁花は学生にウエスタンラリアットを食らい、ダウン。
掟さんもブレーンバスターを食らい、ダウン。
坂本ちゃんはトップロープに登ったのだが、足を滑らして転倒し、膝を強打してダウン。
竜次さんはコブラツイストをかけられ、着物姿のライママがマットにタオルを投げ込んだ。
ライママはタオルを投入する際、前のめりになり、ロープに上半身を持っていかれてツルんと一回転。着物姿でマットに背中を強打した。
その様子の一部始終を見ていた新入生の頭の中に、悶絶する町保存会のメンバー
のセピア色のスローモーション映像が浮かび、哀しい音楽が流れた。
帰ろうとした町保存会のメンバーは五、六人で歩いている絵梨奈を見つけた。
町保存会のメンバーは全員どこかしらに包帯を巻いていた。
沈丁花は「おう!絵梨奈じゃないか!ここの学生さんだったんだ?」と大きな声で話しかけた。
絵梨奈に友達数人が「知り合い?」と尋ねた。
絵梨奈はとっさに「あんな人たち知らない。行きましょう」と言って友達を引き連れて去っていった。
沈丁花は「何だよあいつ…」と呟いた。
ライママは「あら、えりちゃん機嫌でも悪かったのかしらねぇ」と絵梨奈を心配した。
絵梨奈は帰宅途中なんとなく町保存会の事が気になっていた。
3丁目の角で絵梨奈は老人に尋ねた。
「この辺に着物姿のママのいるスナックご存知ありませんか?」
老人「ああ、ライママさんの事かい?」
絵梨奈「ええ」
老人「それならそこの角を曲がってすぐのところに『来夢来人』っていうスナックがあるよ。そこの角を右に曲がってすぐだよ」と笑顔で言った。
続けて老人は、「あそこのママも常連さんも小さい頃から苦労して生きてきてねぇ」と
しみじみ語った。
絵梨奈は「そうですか。ありがとうございます」とお礼を言った。
絵梨奈はスナック『来夢来人』の前に立ち、勇気を出して中に入ってみた。
すると絵梨奈が店に入るやいなや、メンバー全員「おお!絵梨奈!よく来てくれたな!ささ、座って!座って!」と熱烈に歓迎してくれた。
絵梨奈は「どうも」とだけ言った。
絵梨奈とメンバーはお互いに改めて自己紹介をしあった。
すると、メンバーは口々に今日のことを話し始めた。
「いやぁ 素敵なキャンパスを体験できて嬉しかったたなぁ」
「俺なんか本物の大学生になった気分で楽しかったぁ」
「黒板がでかかったな!門をくぐった瞬間、人格がかわったもんな笑」
「もっと勉強しておけば良かったぁ」
「アタシも可愛いお洋服をたくさん着てキャンパスを歩いてみたかったなー」
みな無邪気な子供のような顔で大笑いした。
楽しそうにはしゃぐメンバーを見ていたら、絵梨奈の中に何故だか熱く込み上げてくるものがあった。
絵梨奈は大学に行くのは当たり前だと思っていた。学ぶという事がどう
いう事なのか絵梨奈ははじめて考えさせられた夜になった。
つづく
爽やかな五月の朝。穏やかな風が吹いていた。
絵梨奈と真美が通う大学。新緑の木々に囲まれたキャンパスを歩く学生がみな
生き生きとしていて、華やかでフレッシュな雰囲気を醸していた。
絵梨奈と真美は授業が臨時休講になったため5号館の廊下を歩いていた。
真美は「あれ?あの美術教室でデッサンしてるの町保存会の人たちじゃない?」と指
さした。
絵梨奈「ホントだ!そう言えばうちの大学、社会人のための公開講座やってるん
だよね」
真美「沈丁花さんたち社会人になっても学問を学ぼうとしてるんだね」
絵梨奈「へぇ~、立派だね。西洋人の彫刻を真剣に書いてる。何だかあの人たちのこと見直しちゃったよ」
真美「確かに立派だよね」
絵梨奈「みんなカラフルなベレー帽なんか被っちゃって何だか可愛いね」
ふたりに笑みがこぼれた。
すると、絵梨奈と真美の友達の玲奈が小走りでやってきた。
玲奈「おはよう!何々?ああ、美術の授業ね。確か、今さっき女性のヌードモデルの人
が体調不良で来れなくなったみたいね。じゃあバイト行くからまたね!」
玲奈は走り去っていった。
絵梨奈と真美は美術教室のなかの町保存会のメンバーを見つめて、言葉を失っていた。
町保存会のメンバーを廊下から見つめるふたりの背中を後ろにいた新入生が見ていた。
新入生の頭の中に哀しい音楽が流れた。
授業が終わった後、町保存会のメンバーは無邪気な顔で楽しそうにキャンパスを練り歩いた。
メンバーは学生プロレスをやっているのを見かけて、「いっちょ揉んでやるか」と学生レスラーに挑戦状を叩きつけた。
沈丁花は学生にウエスタンラリアットを食らい、ダウン。
掟さんもブレーンバスターを食らい、ダウン。
坂本ちゃんはトップロープに登ったのだが、足を滑らして転倒し、膝を強打してダウン。
竜次さんはコブラツイストをかけられ、着物姿のライママがマットにタオルを投げ込んだ。
ライママはタオルを投入する際、前のめりになり、ロープに上半身を持っていかれてツルんと一回転。着物姿でマットに背中を強打した。
その様子の一部始終を見ていた新入生の頭の中に、悶絶する町保存会のメンバー
のセピア色のスローモーション映像が浮かび、哀しい音楽が流れた。
帰ろうとした町保存会のメンバーは五、六人で歩いている絵梨奈を見つけた。
町保存会のメンバーは全員どこかしらに包帯を巻いていた。
沈丁花は「おう!絵梨奈じゃないか!ここの学生さんだったんだ?」と大きな声で話しかけた。
絵梨奈に友達数人が「知り合い?」と尋ねた。
絵梨奈はとっさに「あんな人たち知らない。行きましょう」と言って友達を引き連れて去っていった。
沈丁花は「何だよあいつ…」と呟いた。
ライママは「あら、えりちゃん機嫌でも悪かったのかしらねぇ」と絵梨奈を心配した。
絵梨奈は帰宅途中なんとなく町保存会の事が気になっていた。
3丁目の角で絵梨奈は老人に尋ねた。
「この辺に着物姿のママのいるスナックご存知ありませんか?」
老人「ああ、ライママさんの事かい?」
絵梨奈「ええ」
老人「それならそこの角を曲がってすぐのところに『来夢来人』っていうスナックがあるよ。そこの角を右に曲がってすぐだよ」と笑顔で言った。
続けて老人は、「あそこのママも常連さんも小さい頃から苦労して生きてきてねぇ」と
しみじみ語った。
絵梨奈は「そうですか。ありがとうございます」とお礼を言った。
絵梨奈はスナック『来夢来人』の前に立ち、勇気を出して中に入ってみた。
すると絵梨奈が店に入るやいなや、メンバー全員「おお!絵梨奈!よく来てくれたな!ささ、座って!座って!」と熱烈に歓迎してくれた。
絵梨奈は「どうも」とだけ言った。
絵梨奈とメンバーはお互いに改めて自己紹介をしあった。
すると、メンバーは口々に今日のことを話し始めた。
「いやぁ 素敵なキャンパスを体験できて嬉しかったたなぁ」
「俺なんか本物の大学生になった気分で楽しかったぁ」
「黒板がでかかったな!門をくぐった瞬間、人格がかわったもんな笑」
「もっと勉強しておけば良かったぁ」
「アタシも可愛いお洋服をたくさん着てキャンパスを歩いてみたかったなー」
みな無邪気な子供のような顔で大笑いした。
楽しそうにはしゃぐメンバーを見ていたら、絵梨奈の中に何故だか熱く込み上げてくるものがあった。
絵梨奈は大学に行くのは当たり前だと思っていた。学ぶという事がどう
いう事なのか絵梨奈ははじめて考えさせられた夜になった。
つづく
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