沈丁花禄郎でございます!

のっぴきならない男

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沈丁花禄郎でございます!

沈丁花禄郎でございます!

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絵梨奈は街を歩いていた。
「絵梨奈さん、こんにちは」と誰かに声をかけられた。見てみると
この世のものとは思えないほど丹精で美しい顔と187cmでスタイルの良い清潔感溢れる男性が立っていた。西園寺正隆であった。この国で三本の指に入る財閥の御曹司
である。名門大学に通う20歳の大学二年生だ。

絵梨奈もまた非常に美しい、スタイルの良いお嬢さんだった。

絵梨奈「西園寺さん、こんにちは!お元気ですか?」
西園寺「はい、元気です。絵梨奈さん、今お時間ありますか?もし良かったら
    ランチでもいかがですか?なんでも食べたいものおっしゃっていただければ」
絵梨奈「ありがとうございます。でもまだそんなにお腹空いてないかなぁ」
西園寺「でしたら表参道あたりのカフェでお茶でもいかがですか?車ですので」
絵梨奈「うーん、すみません。何となくひとりでプラプラ歩きたいんです」
西園寺「そうですか。わかりました。また今度是非!」と眩しいくらい爽やかな笑顔を
    見せた。

絵梨奈はふたたび街を歩いた。
すると「よう!」と男性にまた声をかけられた。
沈丁花禄郎だった。
「何してるんですか?こんなところで」と絵梨奈は問いかけた。

沈丁花「今からココイチ行くからよ。奢ってやっから行こう」

絵梨奈「それがレディを誘う態度?」

「ゴチャゴチャ言わんと来ればええんや!」と沈丁花は返した。

沈丁花の圧に負けて絵梨奈はココイチに向かって歩き出していた。

ふたりはココイチのある反対側の通りに到着した。
絵梨奈「ココイチ、あそこだけど、なんで此処?」

沈丁花はおもむろに双眼鏡を取り出した。 

絵梨奈「は?」

「いつも店長が来てるとルーが少ないんだ。店長がそろそろ帰る時間だからよ」と双眼鏡を覗きながら沈丁花はそう語った。

絵梨奈「……」

時間だけが過ぎて行った。

「店長帰っから行くぞ」

ふたりはココイチに入店した。
「なんでも頼めよ」
「何がおすすめなんですか?」
「野菜カレー、辛さ普通、ライス少なめにしとけ」

ふたりのテーブルにカレーが運ばれて来た。
沈丁花はカレーをむさぼり食いながら、小声で「な?ルー多いだろ?」と自慢気に語った。
絵梨奈は「セコいなぁー。こんな時間にカレー食べてるのウチらだけですよ」と呆れていた。

「よく店内を見てみろ」と沈丁花はカレーに夢中になりながら、目を会わさず呟いた。

絵梨奈は店内を見渡した。

すると、奥の方のテーブルにバラバラで、掟さん、坂本ちゃん、竜次さん、ライママが
別々の席でカレーを夢中で黙ってむさぼり食っていた。

「……」
絵梨奈は言葉を失っていた。

絵梨奈の頭の中に店内のセピア色の映像と哀しい音楽が流れた。

そして店の外から一部始終を小学生が見ていた。
小学生の心の中にも店内のセピア色の映像と哀しい音楽が流れた。


つづく
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