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第十七章 神殿のテルマリウム4(皇子ルート)

162.突然の閃(ひらめ)き

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「くーっ! ドラ〇もんにそんな事を聞いたって、教えてくれるはずもないっ!」


 何を焦ってるんだ俺は。ドラえもんに出て来るヒロインは『し〇か』ちゃんただひとり。確かに意外と入浴シーンも多く、何だったら水戸〇門の由美か〇ると同じぐらい脈絡も無く風呂に入っていて、うっかり『のび〇君』が出くわすと言うシーンが数多く見受けられる。

 そう言う意味では、『の〇太君』の方がこの分野において、ある意味『人生の先輩』と言えなくもない。

 ただし、良く考えてみて欲しい。そうは言っても『〇ずか』ちゃんは小学生だ。先ほどの理論に当てはめると、Cカップ未満の女子であれば、特に問題無く隣の椅子ナニに両手が届くと予想される。と言う事は『しず〇』ちゃんの場合は今回の問題は発生しない。しっかり定位置にすっぽりと収まるものと推測される。

 そんな安穏とした状況しか経験していない『ド〇えもん』に、一体何が分かると言うのか? この究極の課題に対する答えを持っているとはとても思えない。


「ふぅぅ……」


 仕方が無い。もう一度整理しよう。

 リーティアは、『D+(プラス)』もしくは、『E-(マイナス)』のポテンシャルを持つと予想される。実際の目測によるとEの可能性がかなり高いと言う事をお伝えしたい。また、本日二回、彼女を抱きかかえてみた結果、思った以上に華奢な体つきである事が判明している。確かにリーティアの身長は160cmを少しオーバーしている。また、平均身長159cmの日本人の場合の平均的なアンダーバストはおよそ71cm。と言う事は、リーティアのアンダーバストは、それよりも少し大きくても不思議では無い。しかし、今日の実感データを分析結果に加味すると、彼女のアンダーバストは、日本人平均とほぼ同等の70cm前後なのでは無いか? と予想される。とした場合、仮に彼女がEカップ相当であったと仮定すると、アンダーとトップの差は20cm以上……。これは憂慮すべき事態だ。やはり、どうひいき目に見ても、アンダーバスト70cm、トップバストとの差がEカップ相当の20cmと考えた場合は、トップバストの大きさは90cmを軽く凌駕してしまう。


「くっ! やはり俺の推測は正しかった様だな……」


 日本人の平均から再検証を行ってみたけど、やなり結果は同じ。リーティアのトップバストはどう見積もっても90cmを下る事はあり得ない。仕方が無い。もうこの事実を受け入れるしかあるまい。

 次に、俺は決して妥協するつもりは無いと言う事だ。

 左手に、左の椅子ナニ、右手で右の椅子ナニを掴むと言う様な、安易な談合だけは断じて許せない。このコンプライアンス重視の世の中、ますは信頼が第一である。そう、俺のスタンスは、あくまでも親愛表現の延長線上での『ぎゅーっ』の実現にあるのだ。

 しっ、しかし。その『ぎゅーっ』の延長線上の更にその先には、確実に夢の様な『パフパフ』が待っているっ! 間違い無く、彼女のEカップの玉座がそこにあるんだ。確かに俺は言った。あくまでも親愛表現の延長線上での『ぎゅーっ』が大事だと。でも、君は……、君はあの夢の様なファーストクラスの『パフパフ』に到達しないでも耐えられるとでも言うのかい? えっ? 何々? だぁかぁらぁ、君は耐えられるのか? って俺が聞いてるんだよ、このバカ野郎っ! ……あぁ、取り乱してしまって申し訳ない。あまりにも君が『分からず屋』な事を言うものだから、ちょっと頭に血が上ってしまった様だ。


「ふぅ……」


 さて、少し落ち着いて話を元に戻そう。あぁ間違いない。俺だったら耐えられないね。なんとしても、次の椅子ナニに到着する為に、これでもかと更に手を伸ばす事になるだろう。しかし、十分にした彼女リーティア椅子ナニは、俺のキツイ締め付けすら撥ね退ける様に抵抗して来る事は必然だ。結局俺は、彼女の絶対的な反抗勢力に押し返され、目的の椅子ナニに到達する事すら出来ない事だろう。あぁぁぁ、痛恨! いきなり初戦を黒星でスタートさせる事になろうとは……。

 初戦での惨敗が避けられない運命である事を知り、薄っすら涙ぐむ俺。

 いや、諦めてはいけない。まだ何か、何か方法があるはずだ。

 こう言う時のブレイクスルー、発想の転換が大切なんだ。何か、何か無いのか……?

 俺はここで、もう一度リーティアを眺めてみる。

 彼女は大理石の柱の陰から、恥ずかしそうに俺の方を見ているでは無いか。


「はうはうはう! なぁんて可愛くて可憐なんだぁ」


 えっ? 何々? そんなにリーティアを待たせておいて、大丈夫か? だって?

 はっはっは! これだから童貞自分の真の実力を知らない『発展途上』童貞諸氏は御し難い。

 この推論と分析は、俺の脳内の超高速CPUの中で実行されているタスクに他ならない。つまり、外界での時間経過で考えれば、リーティアが俺に声を掛けてから、まだ0.24秒を経過したに過ぎないんだよ。その証拠に、ほらっ。彼女の動きを見てごらん。ほぼ止まっている様に見えるだろ? そう、彼女が止まっている訳では無く、俺の脳内の超高速CPUが外界と比較して非常に速い事から発生する現象なんだよ。ようやく理解してもらえたかな? ちなみに、この超高速CPUは健全な童貞諸氏であれば、いつでも利用可能なんだよ。なにしろ幾年月、エチチな事に対して妄想に妄想を重ねて来た童貞は、既に量子コンピュータに比肩するレベルの超高速演算機能が強化されているんだよ。しかし、注意点が三つある。一つは、このCPUは、グラフィック専用CPU等と同様に、エチチな事の検討・分析にしか働かない。あわよくば勉強に活用できないだろうか? などとよこしまな考えを持った諸君。あくまでもエチチ特化型のCPUだと割り切ってくれたまえ。二つ目は、残念ながら日常生活において、この機能はほぼ停止状態にあるんだよ。だって、それはそうだろう。このCPUは恐ろしく燃費が悪い。一度ぶん回し始めれば、体中の生死に関わる部分(呼吸や鼓動)意外のほぼ全てのエネルギーを消費し始めてしまう。その為、このCPUを起動するのは、見の周りに差し迫った危険が無い所で発動する様に心がけてくれたまえ。決して渋谷のスクランブル交差点等で発動しない事っ! そのまま信号が変わって車に轢かれるぐらいならまだしも、少々怖いヤンキー系の少年達に裏路地に連れ込まれてしまう事も考えられる。非常に注意が必要だ。そして三つ目。これが最も重要なポイントなんだけど、こCPUは童貞の間しか有効では無い。一度『経験』してしまうと、このCPUは新たに『経験』した事だけを計算する専用CPUに成り下がってしまう。その段階では、ここまでの論理的な調査分析が行えなくなってしまうと言う弊害が報告されている。世に言う、三十代まで童貞を貫けば『魔法使い』に、四十代まで童貞を貫けば、『賢者』に、五十代まで童貞を貫けば『妖精』になれると言う論文が報告されているけど、それは、この結果からしても明らかな事実と言えるだろう。

 よし、安心してもらえた所で、更に思考を深めて行こう……と思い至った瞬間っ!


 ――ピカッ!


 はあうっ!


 突然のひらめきが俺を襲った。
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