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リクエストへの勇気
投稿の反応_1
しおりを挟む――四本目の動画を投稿してから一日が経った。
「さて……と」
まだ、今回あげた動画に、どれほどのアクションがあったのかは確認していない。……怖くて確認出来なかったのだ。予想では、一回目から三回目の動画よりも、再生回数は多いはず。そして、いくらかフォロワーも増えているだろう。そう思っていた。根拠は単純に、これまで投稿していた動画よりも、比べて露出も多く内容も過激なものになっているからだ。
……今までのコメントから見ても、望んでいた人は多いだろう。そんな安直な考えだった。
「この瞬間が、一番緊張するし一番ドキドキするんだよなぁ……」
まだ四回目の投稿。されど、もう四回目の投稿――。出来れば、早い段階でフォロワーと再生回数を増やし、今後に繋げていきたい。可能な限りこの活動を続けていこうと思っているしえるにとって、今回の動画は今後の展開がかかっている、そう思っても仕方のない段階だ。少しばかりの欲望も気持ちに乗せながら、自分のページをパソコンで開いた。
「ど……どうかな……」
目線をモニターから外して、呼吸を整える。
「……よし!」
せーの、と心の中で呟くと、フォロワー数へと目線をやった。
「……あああ! うわあああああ!? や……やったぁ……!!」
四本目の動画投稿前には登録者数が百五十人程度だったのに対し、投稿から一日経った現段階で倍以上の五百人を超えていた。
“まさか、一日でこんなに増えるなんて……。四本目でこれって、なかなかの進歩なのでは……?”
思わずガッツポーズを取り、嬉しさに声をあげる。
「あ……! 再生数……! 再生数はどれくらいなの……!?」
興奮したままもう一つ肝心の部分を見る。そこには、今まで一度も見たことのない数字、三千を超える再生回数が表示されていた。
「ほんと? ほんとに!? やだ……信じられないんだけど……。はぁ……や……やったー!」
フォロワー数に対してみたら、再生回数が多いのでは? と、ふと頭によぎる。しかしそれも、お試しでなんとなく見てみたり、フォロワー登録せずに見ているだけかもしれない。それならば納得できる。
現状、フォロワーのみ閲覧できるコンテンツを作成する機能もあったが、しえるはまだその機能を使うつもりはなかった。まだ新参者の、フォロワー数も再生数も、動画自体も少ない今、サイト内の不特定多数に見られる機会を減らしてしまうのはもったいない。なにか特別感のある動画を思いついた時に利用しても良いだろうし、再生回数やフォロワー数の一旦の目標達成時に限定公開として機能させるのも良いだろう。……そんな妄想が頭に浮かぶ。
今回の動画がきっかけで、フォロワー数が三百人、再生数が千回をオーバーしたら、初めて露出からの自慰を行った動画としては万々歳だと思っていた。元々どちらも多くない状態で、少し上の目標を立ててしまったかとも考えたが、それは全くの杞憂だった。
「はぁ……嬉しいなぁ……ちょっと自分にご褒美買っちゃおっかな……?」
――じんわりと心が満たされてゆく感じがする。ゾクゾクとした高揚感と、『誰かに見てもらえている』『動画が必要とされている』という妙な安心感。
ただ目の前にある数字でしかない情報が、目に見えない大きな充足感をもたらしていた。
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