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一人から二人へ
初めての御主人様_7
しおりを挟むこれで七本目の動画。今の時点で、フォロワー数は三千人を超えており、四回目から比べると一気に登録者数が増えていた。周りが二週間から一か月、長い時は数か月のスパンであげる人が多い中、比べてみると更新頻度が高く、目に留まったのかもしれない。実際、新着とみんなが見ている動画、注目の新人の特集で動画が採り上げられており、間違いなくその恩恵を受けているように見える。
SNSでもこまめに宣伝をしていたし、そちらのフォロワーも拡散に協力してくれたり、コメントをくれたりしていた。再生回数も同様に大きく跳ね上がっており、その数字を見てしえるはむずむずとした胸の疼きを感じていた。
「嬉しいんだもんなぁ……ご主人様ができた、って言ったら、みんなビックリするかな……。興味持って、もっと見てくれるかな? それとも、相手がいるなら……って、見るのやめちゃうのかな……」
今回の動画をあげてみなければ分からない。しえるは首輪を優しくはめると、それ以外身に着けていたものはすべて脱ぎ去り、カメラの前へと立った。
「……こんにちは! しえるです! 今回は、七回目……の動画、かな? 結構撮った気がしています。みんな、見てくれてありがとー! 見てくれてる人達がいるから、頑張ろう! って思えます!」
簡単な挨拶から入り、そっと指輪へと手をかけた。
「この首輪、なんだろう? って思った方いますか? それに、今日は、その、いきなり裸からです。……えっと、皆様にご報告……? がありまして……」
たどたどしく話すのは、わざとではない。――緊張から、そうなってしまっていた。視線もカメラから逸らし、少し俯き加減で話している。
「……良いのかな。えっと、察しの良い方は、なんとなーく、分かったかもしれません。……あぁ、緊張するなぁ……。で、でも、言わないと! なので!」
もじもじしながらちらりとカメラに目をやる。誰もいないはずなのに、誰かに見られている気分になった。今日は、特別かもしれない。撮影時いつもしているマスクには、いつも以上に息がかかり、マスク自体が呼吸しているのかと思えるくらいにペコペコと前後に凹んでいた。フゥフゥと荒い息遣いを受け止めながら。
「まっ、前々から、ご主人様の話が出てて……。コメントをいただいたり、自分でも考えていたり……。そ、それで! 今回は、その……。しっ、しえるに! ご、ご主人が! できました!」
“……言った! 言ってしまった! 私、ご主人様が……! できたんですよ……! みなさん……!”
詰まりながらも大事なことだからしっかりこの口で伝えたい。そして、命令にも従いたい。ちゃんとできたことを、べるのに褒めて欲しい。
「この首輪は、その、そのご主人様に、忠誠の証として! いただいた物です! なので、これから動画を撮る時は、毎回身に着けたいと! 思っています……!」
“べるのさんに褒められたいのが、一番かもしれないな……”
言い終わった後だが、身体に緊張が走り手に汗をかく。一つ目の命令はクリアしたが、まだクリアしなければならない命令は残っていた。
「そ、それで……。今日は、ご主人様に命令をいただいたので……。それに従って動画を撮っていきたいと思います!」
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