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アカズキン(狼×女主/狩人×女主/ヘタレ/擬人化/ロリ)
*その身で抗う
しおりを挟む「な……に、これ……」
「おやおや? この間も見ただろう? 僕の愛の証。その時は、『お母さん、お母さん』って、泣いて叫んでたっけなぁ。――あぁ。あれは良かったよ」
"なんなの!? 本当に頭おかしい……!"
ジョンの視線は定まらず、その時のことを詳細に思い出しているのか、悦に入った笑みを浮かべていた。
"もうやだ気持ち悪い……!"
「この間の、続きをしようか。邪魔が入ってしまったしねぇ」
「……たっ! ひぅっ……! やめて!!」
ノエルの服へと手を掛けるジョンを、ノエルは思い切り叩いた。
しかし、子どもと大人、女と男の差で、いとも容易く止められてしまう。
「元気が良いねぇ。まだ子どもだもんね? でも、良過ぎるかな? 大人しくしてね?」
「やだっ! 離して! 変態!」
「失敬だなぁ。僕はただ、君のことが好きなだけだよ?」
「やめてって言ってるでしょ!?」
「そっか、ごめんね? 子どもって言ったことに怒っているのかな?」
「そうじゃあないわよ!」
「大丈夫。直ぐ大人になれるからね?」
全く意に返さない。
ノエルの気持ちがよく分かる。こんな男のいる家になんか、絶対に一人では行きたくない。ジョンの一方的な話を聞く限り、あったという痣もこの時出来たのだろう。
ノエルの母親が今回行かせたということは、恐らくこの話を知らなかった。
――そりゃそうだ。こんな話を聞いたら、心配なんてレベルじゃない。間違いなく行かせないだろう。しかも、その相手が自分の姉の旦那だなんて。
"女の子を狩る、で狩人? ──ふざけんじゃないわよ──!!"
証拠がなければ、まだ幼い自分の話のみが証拠。もし、信じて貰えなかったら。
葛藤し続けた少女の心の痛みが、ノイには痛いほどわかった。
「どうしたの? 急に大人しくなったね。まぁ、そっちの方が楽で良いかな。ちょっと興が削がれる気もするけど。――今日はそれでもね」
床で動けなくなっているノエルに、ジョンが言い捨てる。
「時間が勿体無いから、そのまま大人しくしててね?」
ノエルの太ももを撫でた。
「うっ……」
怖い。気持ち悪い。絶え間ない嫌悪感で身体が竦む。
しかし、こんな嫌な体験でこの物語を終わらせたくないし、このノエルの為にも、どうにかしてあげたい。
――例えそれが、現実ではなく、物語の中であっても。
これは異世界。
きっと、世界は広がっている。
ニヤニヤと笑いながら、ジョンはノエルの下着に手を滑り込ませ、秘部を触った。
「!」
「……ふふ、はっはっ。ここはもう大人みたいだね」
爪の伸びた指を秘部に押し込んでいく。そのまま乱暴に動かした。
「いたっ……」
「痛い? こんなに濡れているのに?」
グリグリと指を動かす。身体を捩り、何とかジョンの手から逃れようとするも、簡単に抱きすくめられてしまった。指は止まらず、その度に裂かれるような痛みが走った。
「ぐっ……」
「素直になれば良いのに」
「……素直?」
ノイは低い声で言う。
「……知ってた? 女は痛くても濡れるのよ。自己防衛でね!」
ガブッ──。
「……いたっ!!」
ノイはジョンの腕に噛みつく。怯んだ隙に、下半身を蹴り上げた。
「そんな妄想はAVや二次元の中だけ! 現実見なさいよオッサン!」
蹲るジョンを尻目に、窓を開けて叫んだ。
「助けて──! ライガ──!!」
出来る限り、大声で。
「聞こえてるよ、ノエル!」
窓の外から、大きな影が迫る。それは部屋の中へと飛び込んできた。
狼の姿の、ライガ。
「げっ、なんだこの部屋!」
──ガチャリ。
「ノエルちゃん!? だいじょう……ひっ!」
まさか。エミリーも部屋に入ってきた。
「あ、なた? なに……この部屋……」
「いや、その、これは……」
沢山のノエルの写真。ノエルのはだけた服に、叫び声。股間を抑えるジョン。何も言い訳は出来ない。
「……私の大事な妹の娘に、何をしようとしていたのかしら?」
「ち、違うんだエミリー。これは……」
「何が違うのか、ゆっくり聞かせていただきましょうか?」
鬼のような形相で迫るエミリーは、同時に覚悟を決めたような顔もしていた。
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