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24、忘れてましたが悪役令嬢です
しおりを挟む「さあ、それでは会議を始めましょうか!」
高らかに、我が親友シンディが宣言する。
大量のお菓子と紅茶が並べられ──いやこれ、お茶会じゃないの?という私の突っ込みは華麗にスルーされた。
伯爵令嬢シンディ宅の中庭にて。
お茶会もとい、ぶりっ子聖女対策会議の開催である──
「大体なんですの、あの方!誰彼構わず見境無いったら!」
「そうですわそうですわ!あれで聖女なんてありえませんわ!」
「あの方が王妃になんてなってしまったら国の恥です!」
わ~出るわ出るわ。
集いし令嬢たちから、ぶりっ子への不平不満が出る事出る事……。
まあねえ。いくら婚約者がぶりっ子になびかないとはいえ、ぶりっ子がぶりぶりして自分たちの婚約者にベタベタしてたら……そりゃいい気はしないね。私はベルシュ様にベタベタしとっても、ベルシュ様かわいそ~くらいなんですが。
「王も王ですわ……なんですの、あれ!あんなのが王だなんて!」
「あんのハゲ!ふざけるのも大概にしてほしいですわ!」
「そうですわ、必死に隠してますけど、あれ絶対ハゲてますわよ!ザビってますわよ!」
ぶ~~~っ!!!!
思わず紅茶吹いたわ!ごめんなさい、令嬢にあるまじき行為ですけど我慢できませんでした!
ゲホゲホとむせながら、令嬢達を見る。今何つった?
「ざ、ザビ……?」
それはあれか。
かつての前世、日本で歴史の教科書に必ず出てきたあの宣教師か。そういえばあの頭風に禿げたおじさんのことを……
「ねえアンナシェリ様!あれが以前おっしゃってたザビってるってことですわよね!?」
言ったっけー!?私そんなこと言ったっけー!?
シンディさんや、笑いこらえてるようですが肩震えてますよ!
「え、ええと?多分……そうなんじゃないでしょうかね?」
苦笑するしかないわ!
「まあ王はあんなですけど。王妃様と宰相様がおられますからね。あとはわたくしたちの婚約者様達がしっかりしてれば大丈夫でしょう」
話題を変えてくれてありがとうシンディ!さすが我が親友!
その言葉に、令嬢達もうんうんと頷く。良かったザビどっか行った、別の地へ旅立った。
「そうですわね。王妃様に──アンナシェリ様がいれば、この国も安泰ですわ!」
「へ?」
私?なぜそうなる?思わず令嬢らしくない(素を出せないって大変!)間抜けな声が出ましたわ。
「王妃様もお強いですが、アンナシェリ様もお強いですもの!あんな女に負けませんわよ!」
「えええ……」
「わたくし知ってますわ、アンナ様があのミサキとかいう聖女に色々教育しておられることを!」
「えええええ……」
「アンナシェリ様はこの国の希望!必ずやあの女を撃退してベルシュ様と共にこの国を導いてくださると信じてます!」
「んんんんん……?」
なんだこれ、いつの間にこんなに私の信奉者が出来たの?シンディ、もう笑いこらえること成功してないから!お腹抱えて笑いすぎ!黙ってると美人、の代表とも言うべきシンディの顔面が崩壊してる。何これロルスに見せたい。
「まあ……アンナ様は悪役令嬢ですからね。ミサキ嬢を教育するにはうってつけなのでは?」
笑いすぎて涙目で言うな。
シンディの言葉に令嬢達が首を傾げている。だよね、悪役令嬢ってなんだって話だよね。シンディには私のこと話してるから彼女は知ってるけど。
でもそうだ、言われて思い出した。私、悪役令嬢だった!すっかり忘れてた!
そうだよね、ここは原点に戻って……
「分かりましたわ。わたくし、立派に聖女を教育してみせますわ!」
思わずガッツポーズして宣言したら。
おお~と拍手喝采されましたよ!ありがとう、頑張るよ!
そんな事があった時と同じくして。
王宮のとある場所の廊下で。
人目につかないようにコソコソと歩く一人の人影。
その人物の足音がやけに響く廊下を、その人は急ぎ足で歩いていいた。そしてある部屋の前でピタリと止まる。
ノックをすることもなく、その人物は部屋に体を滑り込ませた。
部屋の主は既にその場におり──やって来た人物は、部屋の主に対し深く首を垂れる。
「来たか……指示は既に届いているな?」
「はい。全ては貴方様の為、ひいては国の為に……」
その言葉にニヤリと部屋の主が笑い。
入ってきた人物は直ぐに姿を消した。
不穏な計画が動いていることを、私は知らない──
=====作者の独り言=====
5万字以内におさまりません(苦笑
うん、もう長編でいいや。
短編よりちょっと長い。長編というほどではない。
中編てとこになると思います。
ぶりっ子も聖女になったことですし、終わりは近いんですけど…なかなか(~_~;)
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