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もう一つのエンド~ぶりっこ聖女のお話~(4)
しおりを挟む「まあまあ、落ち着いて考えてみな?えっとボウル君だっけ?彼は今12歳。あと8年後には20歳だ。そしてその頃ミサキは28歳。あら不思議、20歳と12歳なら犯罪っぽくても、28歳と20歳なら意外といけるんじゃね?と思えちゃう!」
「──!!た、確かに……」
思わず納得しかけていたら。
「お二人とも何を話してるんですか?何だかすっごい不穏な空気を感じるし嫌な予感しかしないので、僕帰ってもいいですかね」
「「ちょっと待てえい!」」
二人して叫んでガシッとその肩を掴む。「うわ、恐っ!」とか言ってんじゃないわよボウル!
「ほらミサキ。この坊ちゃんカットも、大きくなれば流石にやめるでしょ。何ならあんたの好みのカットにしたら、いけるんじゃない?」
「確かに……元は悪くないのよね」
ちなみにボウルは髪型は子供らしいが、顔の作りはなかなかに良い。アンナの旦那ほどじゃないけど、将来有望、結構なイケメンになる予感がする。そういや女性ウケいいわよね、こやつは。
「でしょでしょ。年下の彼氏……う~ん、全女性の憧れじゃないっすか!?」
「ううむ……これはひょっとしてひょっとするか?」
二人してあーだこーだ言ってボウルの顔をマジマジと見てたら、段々泣きそうな顔になってきた。なんでよ。
「時にボウル君は年上女性は好みかね?」
「……僕の好みは二才くらい下の女性です」
「というわけだ。10才女子に負けたね」
ポンと肩叩くな!
「瞬殺ですか……」
もうちょっと考えてくれてもいいんじゃないの?せめて悩む振りくらいしなさいよ。
「ごめんなさい、嘘はついちゃいけないって教えられてるから」
「だってさ、正直者の付き人で良かったね、ミサキ」
「もう少し私のメンタル気にしてオブラートに包んでくれても良くない!?」
「おぶ……?」
「12才男子を混乱させるようなこと言っちゃ駄目だよ、聖女様」
「あたしのことはいつも混乱させてくれるわよね」
「お前12才男子じゃ無いだろうが」
もうえーわ、何かもう、何もかもがどーでもえーわ。
既に心が無になりかけていた。
そんなあたしを、神は見捨てなかった、らしい。
「あの~」
突然の第三者の声に一斉に振り向いたら。
神殿の扉をちょこっと開けて、中を覗き込む男性が一人。
その姿を目にした途端。
「ふご!?」
ドーンとそばに居たアンナを突き飛ばす。変な声が聞こえた気がしたけど、多分気のせい♪
だってそれどころじゃないくらいに、その男性が……!
「あ~ら素敵~♪じゃなくって。どうされました~?」
超イケメンだったから!
アンナの旦那ほどじゃないけど、かなり上位クラスに入るわよこれ!
「あ、えっと……聖女様にお願いしたい事がありまして……」
「きゃ~ん!あなた超ラッキーよおん!」
驚くなかれ、貴方の目の前に聖女が居ますよ!
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「ほ、本当ですか!?」
「ちょっとミサキ……様!勝手に困ります!」
だから何で『様』をとってつけたように言うのよ、ボウルは。
「ねえボウル」
「はい?」
「今ここで黙ってあたしを行かせてくれたら、貴方を狙うのやめたげる?」
「────はい?」
私の言ってる意味が分からなかったのか。ボウルはたっぷり間を置いて、怪訝な顔で私を見る。
つまりだ。
「将来有望な貴方を、聖女の権力使ってあたしの旦那にして欲しい?」
そう言って顔を覗き込めば。
思いっきりブンブンと首を横に振る。何そのこの世の終わりのような顔は!
と言いたいところをグッとこらえて。私はニヤリと笑う「わ~悪どい顔」うっさいわアンナ!
「なら今見聞きした事は忘れなさい。というか貴方は何も見なかった、OK?」
そう言って、人差し指をピッと立ててボウルの鼻先に向ければ。
今度は縦にブンブンと首を振られた。
──そんなにあたしとの結婚嫌なわけ?あたしこれでも神殿最高権力者の聖女なんですけど?
ボウルを黙らせることに成功したはずなのに。
なぜか私の心は涙を流していた。なんだこれ。
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