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もう一つのエンド~ぶりっこ聖女のお話~(6)
しおりを挟む「──なるほど、被害状況は良く分かったわ、村長さん」
「ぶりっ子、それ村長違う。村長の孫だ」
「あたしが来たからにはもう大丈夫よ!大船に乗ったつもりでいてね、村長さん!」
「ぶりミサキ、それ村長じゃない。自警団のリーダー」
「それじゃあ作戦会議しましょうか、村長さん!」
「ぶり、それそんちょーちゃう。ペットのポチだ」
「──誰が『ぶり』じゃい!」
「つっこむとこそこかい!」
いちいち煩いアンナに吠えたら咆え返された!──漢字の違いで私の慄き具合分かる?
「ああもう!いちいち煩いのよアンナは!」
「お前が真面目にやらないからだろうが!会話は相手の目を見て話す!これ最低限のマナー!」
「だって仕方ないでしょ!どうせ話すなら見てて楽しい方を見るわ!」
「開き直るな!」
なによう、ちゃんと話してるんだからいいじゃない。ブツブツ言ってたら、視線を感じた。あらやだ、すっごい注目。
その時、おずおずといった感じで、村長の孫が聞いてきた。
「あの……聖女様。そちらの女性は?」
「あ~私は」
「付き人です」
「そう、付き人……ってオイ!」
即答した私にビシッと手刀をかますアンナ。痛い。
「付き添いです!つ・き・そ・い!」
強く言うアンナにびびりながらコクコクと頷く村長の孫。
「ちょっと、イケメンを怖がらせんじゃないわよ」
私のイメージまで悪くなるじゃない!
「なっとけ。イメージダウンしとけ」
「こんのう!ふざけんじゃないわよ!」
くそう、やっぱりアンナなんて連れて来なきゃ良かった!誰よ連れてきたの!私かあ!!
「まあいいわ、イケメンが居ればそれで。大事なのはイケメンよ、イケメン」
「ちょっと待て、大事なのは村を守ることだろうが」
アンナがめんどくさいツッコミ入れて来るけど、聞かない聞こえない聞きたくない。
「あのう、聖女様……それで、私達は何を手伝えば?」
その時だった。
年老いた村長さんが恐る恐る声をかけてきたのは。
あんまり邪魔しちゃまずいと思いつつも、話が進まないと思ったんだろうな。
仕方ない。
「イケメンゲットするには、まず仕事か……」
「メインが逆だ逆!仕事メイン!」
「気にしないように。とにかく、魔物がどんなのか、まずは敵を知る事からね!!」
てなわけで。
やつらがやって来る夜までは村を散策しようと思います。
「レッツイケメン調査!」
「村を調査せーい!」
スパコーン!
どっから出したかアンナによるハリセンが、小気味よい音を響かせるのだった。──って、あたしの頭の中が空っぽだってこと!?
「まったく……とんだ迷惑だっつーの。なんで私が……」
村を散策していたら、後ろを付いてくるアンナがブツブツ文句を言っている。
「嫌なら帰れば?送るわよ」
「村人が可哀そうなので残るわ」
未だフリーの私の方を可哀そうに思いなさいよ。
それは声に出さずに。
私はキョロキョロと村を見回す事に。
小さい村だけど……意外にイケメンが多いのよね、ここ。
「王都よりもこういう所の方が発掘し甲斐があるかも」
「発掘よりもお前を埋めてやろうか」
「埋めんな!」
いちいちうっさいアンナを適当にスルーしつつ。
歩けばあっという間に村の端まで来てしまった。
仕方ないので戻る。
戻りつつ、また村を見る。
そして気付く。
「ねえ、あれさっきの村長の孫よね」
「そうだね。イケメン第一号……奥さんと子供が居るね」
妻子持ちか!くそ、駄目じゃないか!最有力候補だったのに!
「ちい!次いくか!」
「次も何もないわよ、村守れ!」
「あ、あっちにもイケメーン!」
「話聞けー!」
うるさいアンナは放っておいて。
新たなるイケメンに突撃すれば。
「彼女もちのようね」
「くそう、次ぃ!」
「奥さんが妊娠中ね」
「次ぃっ!」
「男性が好きなんだって」
「ぬうおおお!」
どいつもこいつも!
「なんで完全フリーが居ないのよ!?」
「まあ普通に考えて、イケメンがいつまでもフリーなわけないよねえ」
そりゃそうか!納得!でもちょっとまて!
「私も美人なのに、どうしてフリーなのよ!?」
「残念な性格がダダ漏れなんじゃない?」
「あんたより断然性格いいと思うけど!?」
「知らないよそんなの」
何でだああああ!
こうなったら……奥の手!
私は小さな鞄からバッと掌大の水晶を取り出した!
「え、何それ?」
「携帯よ!」
「は?」
「いわゆる通信具よ!」
つまり地球での携帯電話と同じ機能を持つのである!これぞファンタジー世界での必須アイテム!しかも番号とか要らない!相手の事を知ってれば、好きに通信できるのだ!
「へ~便利」
「さあ水晶よ!やつを呼び出して!」
「やつ?」
アンナが首を傾げる中で。
手のひらに乗せた水晶が、ポウ……と光、そして目的の人物を映し出したのだった。
『へ!?え、み、ミサキ様!?』
ギョッとなってコチラを見る人物。
そう、今神殿で留守番してる付き人。
ボウルの姿を映し出すのであった。
===作者の独り言===
久々の更新なのに、話が!進まない!ちっとも!進まない!
何この二人、筆者への嫌がらせか( ノД`)
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