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「カルシス。貴方との婚約を破棄します」
「──!そ、んなの、認めない!」
「貴方が認めなくてもこれは決定事項です。貴方の裏切り行為、不貞行為は明らかとなりました。その上で公爵令嬢である私への犯罪行為。処罰は覚悟しなさい」
「な!そんなこと出来るものか!」
「出来ます」
この国の法律、知らないの?
不貞による婚約破棄は、不貞を行ったものを断罪出来るのよ。
「不貞だけじゃなく拉致に暴行未遂……処刑でいいんじゃないか?」
「そうですねえ……」
テルート様がサラッと処刑とか言っちゃったので、完全に血の気の引いた白い顔でカルシスがパクパクと口を開け閉じする。言葉も出ないようだ。
「処刑もいいですが、簡単に死なせるのも勿体ないですね」
「というと?」
「これでしょうか」
そう言って、私は指を二本立てた。
「ピースサイン?そうか、許してくれるのかミーシャ!そうだよな、婚約破棄だけでも俺は充分苦しむ!罰なんて与えないでくれよ!」
Vサインと勘違いしたカルシスが、随分お気楽な事を言って来る。
「そんなわけないでしょう?カルシス、貴方こんな事件起こして何言ってるんですか。婚約破棄してハイ終わり、となると本気で思ってるの?」
「だ、だってキミと俺の仲じゃないか」
どんな仲だ。今更私達にどんな仲があると?あなた本当に馬鹿ね。
「婚約破棄だけで済むと思わないでよ?」
「じゃ、じゃあその指は一体……」
「この指?これはね、これよ」
そう言って。
私は人差し指と中指をチョンとくっつけて離すのだった。
つまりあれだ。
この指はハサミに見立ててるのだ。
ハサミをチョン。
「カルシスは性欲がお強いようなので。去勢しちゃいましょ。チョンっとね」
「──ひえ!?」
「去勢したうえで……そうねえ、男娼の館に入るとかどう?性欲強いからうってつけかと。まあヤられる方になるけど」
「ひええええ!?」
これは最初考えてたのだけど、流石に可哀想かと思い直しかけたもの。
だが、もうカルシスへの情は私には無い。
死んで欲しいくらいに大嫌いだ。だが簡単に死なせるのも悔しいくらいに嫌いだ。
「み、ミーシャ、それだけは……!お願いだ、助けて……」
私に縋りつこうと近付いたカルシス。だがバッと私の前に出たテルート様が。
バキッ!!
思い切り殴り飛ばすのだった!
「ぐえ!」
したたかに壁に体を打ち付け、息も絶え絶えのカルシス。
そんな彼に近付き、私はその顔を覗き込んだ。
「せいぜい男の方たちとまぐわって、気持ちいい事たんまりしてください。その上で──」
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「死んで」
そう言って。
その手を思い切り振り下ろした!
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