24 / 27
24、
「ふっざけんな!!」
感動的(?)な場面に横やりが入れられた事に不満なのか。テルート様の口元から「チッ」と舌打ちが聞こえた気がした。気のせい……じゃないですね、物凄い剣呑な光を宿した目をしておられます。
私も人のこと言えませんが。
きっと今なら視線で人を殺せる……そんな目で見た。リメリアを。まだそこに居た、リメリアを。
私とテルート様は同時に睨みつけたのだった。
その視線に一瞬息を呑んだリメリアだったが。
怯むことなく睨み返してきた。
「ふざけんなふざけんな、ざっけんな!!ミーシャ!この悪女!カルシスだけじゃなく王子様まで誑かすなんて……この淫乱!あばずれ!」
いやどの口が言うのそれ。
私は呆れて言葉を失ってしまった。それを何か都合よく勘違いしたのか、リメリアの口は勢いを増す。
「どうしてあんたばかりが美味しい思いすんのよ!?カルシスと婚約破棄したと思ったら、次は初恋の王子様だあ!?ふっざけんな!あんたなんかより私の方が何十倍、何百倍も魅力的なんだよ!お前のようなチンチクリンで寸胴でペタンコの女なんてお呼びじゃないんだよ!!」
寸胴とペタンコとは、似て非なる物ですね。随分な事を言われてるのだが、豹変というか現れたリメリアの本性にポカンとなってしまって言葉が出ない。
「あんなたんか、たまたま公爵家に生まれて、たまたまカルシスと婚約しただけの魅力皆無のモブ女なんだから!美人でスタイル抜群、男を喜ばせる術を知ってるのは私よ!みんな私の虜になるんだから!だから……だから!黙ってヒロイン体質の私に王子様を寄越しなさいよ!!」
「えええええ……」
なんともまあ。
プッツンきてしまったリメリアはもう滅茶苦茶だ。鬼の形相で言うわ言うわ。
「リメリア、あのね……」
「あんたなんて!!」
とにかくちょっと落ち着いて。なだめようとようやく口を開いたら、阻まれてしまった。
恐ろしい顔のままスックと立ち上がったリメリアは。
「あんたなんて死んでしまえ!!」
その瞬間。
私はリメリアに少し足を踏み出していたせいで、テルート様との距離が出来てしまった。
それをリメリアは見逃さない。
どこから出したのか、短刀を片手に。
私に斬りかかるのだった!
「死ねえ!!」
「ミーシャ!」
正面から血眼で私に斬りかかるリメリア。
背後からは焦った声のテルート様。
この場で冷静なのは……きっと私だけ。
私は先ほどのカルシスの行動を思い出していた。私に斬りかかったカルシスの事を。
──似たような行動をするのね、あなた達。お似合いよ!!
あなたにおすすめの小説
売られたケンカは高く買いましょう《完結》
アーエル
恋愛
オーラシア・ルーブンバッハ。
それが今の私の名前です。
半年後には結婚して、オーラシア・リッツンとなる予定……はありません。
ケンカを売ってきたあなたがたには徹底的に仕返しさせていただくだけです。
他社でも公開中
結構グロいであろう内容があります。
ご注意ください。
☆構成
本章:9話
(うん、性格と口が悪い。けど理由あり)
番外編1:4話
(まあまあ残酷。一部救いあり)
番外編2:5話
(めっちゃ残酷。めっちゃ胸くそ悪い。作者救う気一切なし)
地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
さようなら、私を「枯れた花」と呼んだ貴方。~辺境で英雄を救って聖女と呼ばれたので、没落した元婚約者の謝罪は受け付けません~
阿里
恋愛
「お前のような見栄えの悪い女は、俺の隣にふさわしくない」
婚約者アレクに捨てられ、辺境へ追いやられたセレナ。
けれど、彼女が森で拾ったのは、アレクなど足元にも及ばないほど強くて優しい、呪われた英雄ライアンだった。
セレナの薬草が奇跡を起こし、王都を救う特効薬となったとき、かつて自分を捨てた男との再会が訪れる。
「やり直そう」と縋り付くアレクに、セレナは最愛の人と寄り添いながら静かに微笑む。
――あなたが捨てたのは、ただの影ではなく、あなたの未来そのものだったのですよ。
皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]
風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが
王命により皇太子の元に嫁ぎ
無能と言われた夫を支えていた
ある日突然
皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を
第2夫人迎えたのだった
マルティナは初恋の人である
第2皇子であった彼を新皇帝にするべく
動き出したのだった
マルティナは時間をかけながら
じっくりと王家を牛耳り
自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け
理想の人生を作り上げていく
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
死に戻りの悪役令嬢は、今世は復讐を完遂する。
乞食
恋愛
メディチ家の公爵令嬢プリシラは、かつて誰からも愛される少女だった。しかし、数年前のある事件をきっかけに周囲の人間に虐げられるようになってしまった。
唯一の心の支えは、プリシラを慕う義妹であるロザリーだけ。
だがある日、プリシラは異母妹を苛めていた罪で断罪されてしまう。
プリシラは処刑の日の前日、牢屋を訪れたロザリーに無実の証言を願い出るが、彼女は高らかに笑いながらこう言った。
「ぜーんぶ私が仕組んだことよ!!」
唯一信頼していた義妹に裏切られていたことを知り、プリシラは深い悲しみのまま処刑された。
──はずだった。
目が覚めるとプリシラは、三年前のロザリーがメディチ家に引き取られる前日に、なぜか時間が巻き戻っていて──。
逆行した世界で、プリシラは義妹と、自分を虐げていた人々に復讐することを誓う。
従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。