婚約破棄は別にいいですけど、優秀な姉と無能な妹なんて噂、本気で信じてるんですか?

リオール

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6、※侯爵視点

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 私の娘たちは実に優秀だ。

 ハリシアは母譲りの美貌をもって、男達を虜にしている。そのお陰で、傾きかけた我が侯爵家に援助してくれる家があり、結果なんとかこれまで凌いでこれた。

 だがそれも限界、貸した金を返せと言いだす輩まで現れて困っていたところに……成長したバルバラがその能力を発揮し始めたのだ。

 ウンザリして放棄していた執務を、あれは次々とこなし始めた。

 そしてついにこの侯爵家は、かつての栄華を取り戻すまでに至ったのだ。

 そのはずなのに。
 バルバラはそれでも満足できないようで、侯爵家の財産を私やハリシアに使わせない暴挙に出たのだ。

 私は侯爵家当主だというのに!
 どうして娘に管理されなければいけないのか!

 だがどいつもこいつも私の言う事を聞こうとしない。
 何かを購入しようとしても、遊ぶ金を出そうとしても。
 まずはバルバラに聞けときたもんだ!

 それが数年続けば、いい加減我慢も限界にくるというもの。

『バルバラ、邪魔だと思いません?』

 そんなある日、ハリシアが私に言って来た。
 常々思っていた事を言われたのでドキリとしたが、即座に私は頷く。同意する。
 そんな私の反応を面白そうに見るハリシア。
 次いで彼女の口はこう言うのだった。

『もうあの子が居なくても侯爵家は大丈夫ですよ、お父様。──バルバラを、追い出しませんか?』

 その提案に否やがあろうか。




 そして呆気ないほど直ぐにバルバラは出て行った。

 これで侯爵家の金を使い放題だ!

 まずは屋敷を立派にしよう。これこそが侯爵家の力の象徴となるのだから。

 そして私の身の回りの物は全て高級品に買い替える。

 妻ももう亡いのだから、女遊びもいっぱいしよう。そうだ、カジノもいいかもしれない。

 やりたい事は次から次へと出てくる。

 これも全て侯爵家を立て直したバルバラのお陰だ。

 目の上のタンコブ。目障りだった娘だが。

 一応感謝はしてやろう。




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