24 / 41
24、
しおりを挟む私が居なくなることでやっとやる気になったのか。では私が出たことも無駄ではなかったのかもしれない。
──そう感心した私の気持ち返せ!!
よく見れば、父親の手元にあるのは、なんやかんやと買いまくった物への請求書!
デッシュに至ってみれば『カジノ負け金差し押さえ』って!!!!
お前らあぁぁ……お前らなあぁぁぁ……!!
怒鳴り散らしてやりたいが、まずは冷静に。聞いておかねばならない事がある。
「お父様」
「あ~?なんだ~バルバラか~いつの間に帰ったのだあ~?」
帰ってる事にも気付かなかったんですか!
「請求書の山のようですが、お支払いはどうやって?」
どう見ても、侯爵家私財では足りない金額のようですけど?血税か?血税使うのか!?
「あ~、大丈夫大丈夫。用立ては済んでるから。支払い先が大量にあって金額細かすぎて眩暈がするが、金なら大丈夫だ」
「いや大丈夫なわけ……」
「お前ねえ、なんであんなにケチだったの?お金大量にあったじゃないか。これくらい軽い軽い」
大量にねえわ!軽くねえわ!
「何言ってるんですか!お金って……税金のことですか!?税金ってのはですね、領民からお金を預かってるようなもので、皆に返すべきもので……」
「な~に言ってるんだ、バルバラ。領民なんて生活出来るだけありがたいと思ってるもんなのだぞ。私が使っても文句あるまい」
駄目だ!相変わらず話にならない!そして酒臭い!
よく見たら父の足元には大量の酒瓶が転がっていた。どうやら伯父様に説教されたせいでヤケ酒飲みまくってるようだ。──いや、私が出てからずっと飲んでるのかもしれない。恐っ!
「お姉様、お姉様!」
「なによ煩いわね!あ、バルバラ丁度良かったわ!あんたこの家に居ていいから仕事しなさい!でも今まで通り、ちゃあんと私の影になるのよ!?」
何言ってんだこいつは。私を追いだしてせいせいしてたんでしょうが!ふざけるのも大概にしろ!
「お姉様が侯爵家を継ぐのでしょう!?だったらお姉様が仕事してください!」
「私は結婚式の準備で忙しいのよ!!」
「その式ですが、この金額は何ですか!!」
負けじと叫んで、私は先ほど奪い取った書類を姉の眼前に突き付けるのだった。
「何よ、間違ってないから印を押そうかと思ったとこよ」
「押さないでください!なんですかこの無駄遣いの数々は!」
会場費用に装飾、料理とか突っ込みどころは多々ありますが、何より目を引いたのは……
「どうしてお色直しを10回もやるんですか!?」
お前はどこのスーパースターだ!
つかスーパースターでも10回もやらんわい!(多分)
「え、なに少なかった?そうよねえ、20回は必要よねえ」
「増やすなあ!1回もいりません!!」
お前なんぞ裸の王様しとれ!いや、招待客が嘔吐したら可哀そうだからボロ布纏うくらいにしときなさい!
「何言ってんのよ!次期侯爵たる私の結婚式よ!?お色直しは最低10回、最高20回でしょうが!」
「んなもの誰も見ません!せいぜい最初の3回くらいで飽きます!!」
「飽きないわよ!私の美貌に惚れ惚れするわよ!」
するか!
そして父同様に貴女のほうにも聞きたい!
「そもそもこんな金額、どうやって支払うんですか!?」
「だから税金を使うのよ!あんたたっぷり貯め込んでたわよね!使ってあげるから有難く思いなさい!」
その姉の言葉が決定打。
本当に、父も姉も血税を使い込む気満々なのだ。
ハ~ッと深々と溜め息をついて、どうにか気を静める。
そして私は冷静に問うのだった。
「お姉様……どうやってお金を引き出したのですか?」
ごっそり減っていた侯爵家の……領民の財産。血税。
減ってるということは既に引き出されたということ。まだ持ってるのか使用済みなのかはこれから調べるとして。
大事なのは、引き出せたという事実。
その方法を、私は調べなければならない。
268
あなたにおすすめの小説
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
【短編】婚約破棄の断罪裁判を開いた王太子、証言で全て自分の首を絞める
あまぞらりゅう
恋愛
エドゥアルト王太子から「婚約破棄だ!」と断罪されるシャルロッテ侯爵令嬢。
彼は彼女の『悪行』を暴くため、証人を次々と呼び出す。
しかし、証言されるのは、全て『彼女が正しかった証拠』ばかり。
断罪裁判はいつしか、王太子自身の罪を暴く場へと変わっていき……?
※覚えやすさや分かりやすさを重視しているので、登場人物の名前は「キャラクター名+身分表記」にしています
★他サイト様にも投稿しています!
なんで私だけ我慢しなくちゃならないわけ?
ワールド
恋愛
私、フォン・クラインハートは、由緒正しき家柄に生まれ、常に家族の期待に応えるべく振る舞ってまいりましたわ。恋愛、趣味、さらには私の将来に至るまで、すべては家名と伝統のため。しかし、これ以上、我慢するのは終わりにしようと決意いたしましたわ。
だってなんで私だけ我慢しなくちゃいけないと思ったんですもの。
これからは好き勝手やらせてもらいますわ。
王命により、婚約破棄されました。
緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。
【完結】熟成されて育ちきったお花畑に抗います。離婚?いえ、今回は国を潰してあげますわ
との
恋愛
2月のコンテストで沢山の応援をいただき、感謝です。
「王家の念願は今度こそ叶うのか!?」とまで言われるビルワーツ侯爵家令嬢との婚約ですが、毎回婚約破棄してきたのは王家から。
政より自分達の欲を優先して国を傾けて、その度に王命で『婚約』を申しつけてくる。その挙句、大勢の前で『婚約破棄だ!』と叫ぶ愚か者達にはもううんざり。
ビルワーツ侯爵家の資産を手に入れたい者達に翻弄されるのは、もうおしまいにいたしましょう。
地獄のような人生から巻き戻ったと気付き、新たなスタートを切ったエレーナは⋯⋯幸せを掴むために全ての力を振り絞ります。
全てを捨てるのか、それとも叩き壊すのか⋯⋯。
祖父、母、エレーナ⋯⋯三世代続いた王家とビルワーツ侯爵家の争いは、今回で終止符を打ってみせます。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済。
R15は念の為・・
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる