婚約破棄は別にいいですけど、優秀な姉と無能な妹なんて噂、本気で信じてるんですか?

リオール

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 私が居なくなることでやっとやる気になったのか。では私が出たことも無駄ではなかったのかもしれない。

 ──そう感心した私の気持ち返せ!!

 よく見れば、父親の手元にあるのは、なんやかんやと買いまくった物への請求書!

 デッシュに至ってみれば『カジノ負け金差し押さえ』って!!!!

 お前らあぁぁ……お前らなあぁぁぁ……!!

 怒鳴り散らしてやりたいが、まずは冷静に。聞いておかねばならない事がある。

「お父様」
「あ~?なんだ~バルバラか~いつの間に帰ったのだあ~?」

 帰ってる事にも気付かなかったんですか!

「請求書の山のようですが、お支払いはどうやって?」

 どう見ても、侯爵家私財では足りない金額のようですけど?血税か?血税使うのか!?

「あ~、大丈夫大丈夫。用立ては済んでるから。支払い先が大量にあって金額細かすぎて眩暈がするが、金なら大丈夫だ」
「いや大丈夫なわけ……」
「お前ねえ、なんであんなにケチだったの?お金大量にあったじゃないか。これくらい軽い軽い」

 大量にねえわ!軽くねえわ!

「何言ってるんですか!お金って……税金のことですか!?税金ってのはですね、領民からお金を預かってるようなもので、皆に返すべきもので……」
「な~に言ってるんだ、バルバラ。領民なんて生活出来るだけありがたいと思ってるもんなのだぞ。私が使っても文句あるまい」

 駄目だ!相変わらず話にならない!そして酒臭い!
 よく見たら父の足元には大量の酒瓶が転がっていた。どうやら伯父様に説教されたせいでヤケ酒飲みまくってるようだ。──いや、私が出てからずっと飲んでるのかもしれない。恐っ!

「お姉様、お姉様!」
「なによ煩いわね!あ、バルバラ丁度良かったわ!あんたこの家に居ていいから仕事しなさい!でも今まで通り、ちゃあんと私の影になるのよ!?」

 何言ってんだこいつは。私を追いだしてせいせいしてたんでしょうが!ふざけるのも大概にしろ!

「お姉様が侯爵家を継ぐのでしょう!?だったらお姉様が仕事してください!」
「私は結婚式の準備で忙しいのよ!!」
「その式ですが、この金額は何ですか!!」

 負けじと叫んで、私は先ほど奪い取った書類を姉の眼前に突き付けるのだった。

「何よ、間違ってないから印を押そうかと思ったとこよ」
「押さないでください!なんですかこの無駄遣いの数々は!」

 会場費用に装飾、料理とか突っ込みどころは多々ありますが、何より目を引いたのは……

「どうしてお色直しを10回もやるんですか!?」

 お前はどこのスーパースターだ!
 つかスーパースターでも10回もやらんわい!(多分)

「え、なに少なかった?そうよねえ、20回は必要よねえ」
「増やすなあ!1回もいりません!!」

 お前なんぞ裸の王様しとれ!いや、招待客が嘔吐したら可哀そうだからボロ布纏うくらいにしときなさい!

「何言ってんのよ!次期侯爵たる私の結婚式よ!?お色直しは最低10回、最高20回でしょうが!」
「んなもの誰も見ません!せいぜい最初の3回くらいで飽きます!!」
「飽きないわよ!私の美貌に惚れ惚れするわよ!」

 するか!
 そして父同様に貴女のほうにも聞きたい!

「そもそもこんな金額、どうやって支払うんですか!?」
「だから税金を使うのよ!あんたたっぷり貯め込んでたわよね!使ってあげるから有難く思いなさい!」

 その姉の言葉が決定打。
 本当に、父も姉も血税を使い込む気満々なのだ。

 ハ~ッと深々と溜め息をついて、どうにか気を静める。
 そして私は冷静に問うのだった。

「お姉様……どうやってお金を引き出したのですか?」

 ごっそり減っていた侯爵家の……領民の財産。血税。
 減ってるということは既に引き出されたということ。まだ持ってるのか使用済みなのかはこれから調べるとして。

 大事なのは、引き出せたという事実。

 その方法を、私は調べなければならない。


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