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39話:村の復興作業と褒賞
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領主様との対話から既に三日が経過した。
この三日の間に死んだ人の葬儀が行われ、村は少しずつ元の生活に戻っていった。
戦場となった畑は喰血哭が暴れに暴れたため、酷く荒れてしまったものの、村の農民たちが一丸となって鍬を振るったことにより、現在は土壌だけは着実に元の状態へ戻っていっている。
作業にあたる人の中には死んだ兵士の家族もいたが、深く悲しいであろうにも関わらず皆が精力的に働いた。労働に熱中することで、悲しみを一時でも忘れようとしているのだろう。
そんな彼らに混じって俺も手伝いをしている。ただ、その作業の方法は今までとは大きく様相が異なっていた。
「【血織刃】」
手に握った何枚もの血染布が無数の斧へと変わり、畑に転がる太い倒木を手ごろな大きさに等分し、凄まじい速度で材木にしていく。出来上がった材木は一度【紅鎖鞭】でひとつに纏めた後、木の板の横に血染布で形作った車輪を付けた台車に乗せる。
台車に乗っている材木はかなりの量と重さとなっているはずだが、俺がくるりと指を回すと赤い車輪は自らの力で回転し人間の歩行並みの速度で一時置き場へ自走していく。
「「「おおおーーー」」」
その光景を見た村の人から感嘆の声が上がる。
なぜ俺が皆の前で魔術を披露する羽目になったのか……。その原因は領主様の言葉だった。
領主様との対話の翌日。
村の皆で畑の修復をしようという話を聞きつけ、俺も皆と同じように鍬を担いで戦場跡へ赴いた。腕や腹の怪我はそのままだったから、俺が来たことで周囲からは驚きと共に必死に止められたのだが、俺はどうしても手伝いたかった。
もう村に居られる時間も少ないのだから、村で俺にできることは可能な限りやりたかったのだ。
俺と村の人たちで少し揉めていたところ、偶然村の視察へ来た領主様が現れた。騒ぎを聞きつけた領主様に村の人が事情を話したところ、領主様は俺へこんな依頼をしてきたのだ。
『見たところ瓦礫が邪魔をしている様子。あれでは復興には相当な時間と労力がかかるだろう。そこでだ、アゼル君の魔術で片付けてはくないか? もちろん無料とは言わない。働きに応じて、前回の依頼の報酬に上乗せしよう。もちろん作業の強要はしないが、この依頼を断る場合は大人しく家に帰って療養するように』
そう言われてしまっては仕方がなかった。既に兵士の間では俺の魔術についての噂が広まっているようだったし、彼らを通じて村全体へ広まるのも時間の問題だと考えた俺は苦渋の決断の末、その依頼を受けることにした。
こうして【武具製造】という名を意地で保ちながらも【血濡魔術】を使って手伝いを始めたのだ。
あまり人前で【血濡魔術】を使いたくないというのは領主様も理解しているはずなのだが、今回は彼の優しい性格にしてはかなり強引な依頼だったな。
領主様からは都合よく利用しようという邪念のようなものは感じられなかったし、どちらかというと俺を気遣うような雰囲気を感じたのだが、やはり魔術を使えという依頼内容にした意図までは図れなかった。
ちなみに、血染布は隠すのも面倒になったため早々に披露した。血に汚れた布を利用することに疑問を持った人は当然いたが「【武具製造】の材料です」と言い張って、それ以上の追求を避け続けて現在に至る。
「アゼルー、次はこっちお願い!」
終わったタイミングで遠くでフィリアが呼ぶ声が聞こえた。俺は返事をしてそちらへ向かう。
意外と言えば、フィリアも連日戦場跡に赴いては片付けの手伝いをしている。いつものように抜け出しているのかと思いきや、どうも今回はいつもと違い領主様から許しを得ている様子。
名目上は領主様の代理で視察を行っているという立ち位置らしいが、その割には庭仕事などで見られるズボンを履き動きやすい服装をしており、なおかつ皆に混じって作業をして土だらけになっている。
ここ数日で兵士も含めて皆慣れてしまったが、代理の視察って普通はもっとこう、貴族の気品を損なわない服装で後方で静かに見守っているものじゃないか?
「この瓦礫、壊せる? ちょっと大きくて土魔術で破壊するにも時間がかかりそうなの」
そんな俺の疑問をよそに、フィリアが示したのは俺の胸近くまである大きな岩だった。
少し視線を遠くに送ると、地面に大きな窪みができている。おそらく喰血哭の攻撃で抉られた物がここまで転がったのだろう。
土属性の魔術にも岩を砕いたり動かしたりするものはあるが、これほどの大きさとなると下級魔術では確かに時間がかかる。中級魔術くらいならば一撃で破壊できるが、この村にいる魔術師で土属性の中級魔術を修めた者はいなかったようだ。
「壊すだけでいいのか? あの穴まで運んだっていいが……」
「うーん、そっちの方が楽ならそれでもいいわよ。でも細かく砕いてもらえると他の皆が片付けやすいわ……今は彼らには、ちょっと大変な仕事があったほうが精神的にはむしろ良いと思うし」
「……そういうことならわかった。念のためちょっと離れてろ」
俺は周囲に警告をしてから、腰に佩いていた赤い剣を鞘から抜く。
この剣は喰血哭との戦いに用いていた鞘に納めていた、元は何の変哲もない見せかけの剣だった。
喰血哭との戦い……というか地穿鹿との戦闘でも使わず、どこかへ放り投げていた無用の物だったのだが、今ではその刀身は血で赤く染まっている。
依頼を受けたその日に、戦場の整理の時に回収したこれを血に濡らした。更に鞘に込めていた血をこちらに少し移したことにより、この剣は見せかけの鈍ではなく、本物の名刀に引けを取らない斬れ味となっている。
「【血織刃:紅鎖鞭】」
剣を振り下ろすと刀身が長く伸び、まるで蛇のように岩に巻き付き完全に包み込んでしまう。その状態で俺が柄を強く引っ張ると、剣が収縮し内部で岩が斬り刻まれ無数の小石となって砕ける。
布と比べて元が頑丈な鉄剣を核にしていることで、利用する血液も魔力の量も少ないにもかかわらず高い威力を発揮してくれる。
元々、血染布で作った刃は強度を鉄並みに上げるために、少なくない血液を含ませている。隠しやすさや軽さからこれまで布を利用していたが、やはり元が鉄だといろいろな負担が軽くて良いな。
「よし、こんなもんでどうだ?」
余談だが、剣を引っ張る動作に大した意味はない。俺の固有魔術はイメージに依るものが大きいから、何もせずに脳内で思い描いただけでも効果は充分発揮する。
だがこうした、ちょっとした動作を加えることで感覚的に魔術を発動することができ、思考することによって生じる僅かな隙を潰すことができる。戦闘職の魔術師が魔術を反復練習するのは、これが理由でもある。
「ばっちり! えーっと、それじゃあ次は――」
フィリアは次の予定を確認しに、現場の指揮をしているリーダーに近付いていく。
「いやあしかし、改めて見ると凄い光景だな」
不意に、俺の耳に兵士の会話が聞こえた。
「確かになー。そういえば魔術部隊の奴から聴いたんだけどよ、アゼルが作る武器が赤いのは血を材料にしているかららしいぞ?」
「え、本当か?」
「多分な。なんでもそいつ、アゼルが喰血哭から流れた血に魔力を流して、武器を作っているのを見ていたらしくてな。魔力の流れを読み取るのは得意だから間違いない、って自信満々に言っていた」
「血、ねえ……なんかそれだけ聞くとあれだな――」
血塗れ夜王みたいだな。
そう言って彼は軽く笑っていた。彼らの調子は非常に軽いもので、言葉にも悪感情は一切含まれていなかった。
たわいの無い、ただの雑談。しかしそれを聞いた俺は、僅かにだが身構えてしまっていた。
「ちょっとそこ、なんてこと言うのよ!」
「うわっ、フィリア様⁉」
そんな彼らのやり取りをフィリアも聞いていたのか、彼女はリーダーとの会話を中断してその兵士を叱りつけた。
怒気は感じられるものの、人を委縮させるような覇気はない、子どもが怒ったかのような口調だったが、怒られた兵士たちは非常に慌てて謝罪した。
「も、申し訳ありませんフィリア様! アゼルも、ごめんな。悪く言うつもりはなかったんだ……」
「わかってるよ、気にしなくて良い。フィリアも、そう熱くなるな。ただの軽口だろ? そんな事より、次の場所へ行こうぜ」
怒るフィリアを軽く宥めながら、彼女を急かすように次の現場へ向かった。
この三日の間、彼女なりに気を遣っているのはわかっていた。俺の心情を最も理解している彼女が積極的に動いてくれているおかげか、村の人たちの【血濡魔術】に対する反応は俺の想定を外れて非常に好意的だ。先ほどの兵士の会話も、ただ俺の魔術の性質から「血塗れ夜王」の話を連想したといった調子で、「血の魔術」に対する嫌悪感はほとんどなかった。
こうなるとフィリアが言っていた通り、俺が臆病になりすぎていたのかもしれないな。
血塗れ夜王の名前が出ると変わらず緊張して身構えるが、これは【血濡魔術】へのいわれなき誹謗に対する恐怖とは違い、どちらかというと「自覚ある悪行」を指摘されたような気まずさからだ。
前者は過去にさんざん浴びせられたから、「またか」という慣れがあるが、後者は反省も後悔もないが「悪という自覚」と「自分のことだという自覚」があるため、否定もできない何とも複雑な気持ちになる。
こればかりは身から出た錆と割り切るしかない。そう考えながら俺は、フィリアや兵士たちの指示の下瓦礫の撤去を続けていく。
***
存分に魔力を振るったその日の夕方。俺は修道院でエルミナさんの治療を受けていた。
この三日間、修道院は戦闘で怪我をした兵士の治療で忙しそうにしていたが、それもようやく落ち着き俺の治療を行える余裕ができたようだ。
「はい、これでもう大丈夫でしょう。こんなに待たせてしまって、ごめんなさいね」
「いえいえ、自然治癒であれば一か月以上もかかる怪我です。それが三日で治るのですから、こんなもの待つ内に入りませんよ」
瘴気の魔力を持つ固有魔術の魔術師を優先してしまったら、他の精気の魔力を持った兵士の治療が遅れてしまう。怪我の具合を考えても、俺が後ろに回されるのは仕方がないことだし、合理的であると思っている。
夕方に来たのも、日中の作業で魔力を減らして治癒魔術が効きやすくするためだったしな。
精気の魔力の働きを阻害する瘴気の魔力が体内から減れば、固有魔術の魔術師でも属性魔術による治療が効きやすくなる。だから今日は、いつもよりも多めに魔力を使っていたのだが、そのおかげで魔術の威力が増し作業効率が上がって、少し早めに帰ることができた。
「それじゃあ、俺はここで……」
「あ、待ってください。ロスウェル子爵様からアゼル君へ、渡すよう言われている物があります」
帰ろうとする俺をエルミナさんは引き留めたが、その様子はなにやら緊張しているように見えた。
エルミナさんは誰もいない部屋の中を軽く見渡して、改めて他に誰も居ないことを確認すると部屋の戸棚へ向かった。
一瞬なんだろうと思ったが、領主様から渡される物と言ったらアレだろう。
「こちら、子爵様からお預かりしたアゼル君への報酬と、お手紙です。それから念のため……こちらの書類にお名前を書いて、報酬を受け取ったことの証明をしてください」
そう言って机の上に乗せられたのは、いささか大きい革製の小袋と少し高級感のある紙製の手紙、それから羊皮紙の証明書だった。
手紙と契約書も気になるが……気のせいだろうか。袋のサイズが銀貨五〇枚では済まない大きさなんだが?
「こちら、今回のアゼル君の功績に対する報酬――銀貨一〇〇枚が入った袋になります」
「銀貨一〇〇っ⁉」
待て待て待て、なんかの間違いじゃないか⁉ 銀貨一〇〇枚――つまり金貨一枚と言ったら、隊長クラスの収入だ。
慌てて袋を開けてみると、中には銀色に輝く大量の銀貨が確かに詰め込まれていた。
なぜこんなに膨れたのかと思い、ロスウェル家の家紋の封蝋で閉じられた手紙を開くと、そこには今回の俺の働きに対するお褒めの言葉と、報酬額が書かれていた。
元の案内依頼の報酬額にこの三日間の魔術を用いた働きの報酬を上乗せした額が、銀貨一〇〇枚という数字になったようだ。内訳としては元の案内依頼が銀貨五十枚。喰血哭の討伐に従事したことによる特別手当が銀貨三十枚。そして今回の瓦礫撤去作業の依頼が銀貨二十枚である。
この分だけでも個人では持て余す金額だが、さらに驚くべきことにそれとは別に領主様個人として、今回の喰血哭の討伐に大きく貢献したことを称えて、別途追加で報酬を与える旨が書かれていた。
喰血哭討伐の報酬額は、なんと金貨二枚。これは兵の隊長クラスの収入と同等の額であり、農民では一生手に入れることができないであろう額だ。
慎重に革袋から銀貨を取り出していくと、袋の底で銀貨に紛れるようにして隠された二枚の金貨が見えた。
「お、おおう……」
エルミナさんが緊張したのも、長期保存に向いた羊皮紙を用いた証明書を作成したのも頷ける。エルミナさんに限ってそんなことはしないと信頼しているが、これだけの額があったらいかに聖職者とて魔が差さないとも言い切れない。
「この件は私しか知りませんが、いちおう中身を確認をしてくださいね? もちろん、精霊様に誓って私は窃盗を行っていませんが、万が一ということもありますので……」
「信頼しています。とは言え、助言通り慎重に数えさせていただきます……」
俺はエルミナさんが見守る中、一枚一枚丁寧に銀貨を数えていく。
一〇〇枚目を数え終えたところでエルミナさんから安堵の息が出たが、続いて出た金貨に彼女は驚き激しくむせた。どうやら領主様から聞いていたのは銀貨までで、金貨が入っているのは初耳だったようだ。
端から疑ってはいなかったが、その反応からエルミナさんが一切か報酬と手紙に触れていないことが確信できた。
「確かに確認しました……えっと、エルミナさんもお疲れ様です……」
「いえ……アゼル君、くれぐれもお帰りの際には気を付けてください。お金というのは誘惑の大きいもの……この村の皆さんはとても善良ですが、この輝きを目にして魔が差さないとは限りませんから……」
「肝に銘じておきます。俺もそんな醜い光景は死んでも見たくありませんから……【血織刃】」
そう言って俺は日中の作業にも使った血染布で手紙と革袋を包み込んで、それを腰に括り付ける。
【血濡魔術】で封じ込めてしまえば万が一にも、落とすなんてこともないだろう。
それから俺は受け取り証明書に自分の名前を書いて、その横に自分の血判を押印してエルミナさんに渡す。名前だけで良いとは言われていたが、血判もあったら尚良いだろうと考えた。更に血には微量の魔力を込めて、俺という証明をより強固なものにした。
本来魔力をも用いた署名には特殊なインクが必要なのだが、俺の魔力は魔術の関係で物に付着しやすい。痕跡が残りやすいという欠点はあるが、こういった証明では便利なものだ。
「確かに。こちらの証明者は、私が責任もって子爵様へお届けします」
「お願いします。エルミナさん、今日はありがとうございました」
そうして俺は修道院を後にする。
「さて……治療も終わって、報酬も受け取った」
今日の作業で瓦礫はほとんど片付き、畑も元の状態に戻り始めた。報酬を渡されたということは、俺の仕事も終わったとみて良いだろう。
それは即ち、俺がここに残る理由がなくなったということだ。
「領主様は五日後……つまり二日後に出ると良いなんて言っていたが、いったいどういう意図があったんだ?」
単純に畑の修復のための手が欲しかったのか? それとも治療師の手が空くのが、それくらいだと予想していたからか? それとも喰血哭討伐にふさわしい褒美が何かを考える時間が欲しかった?
どれも違うだろう。畑の修復はそもそも、村の人たちの提案だった。報酬の件は僅かに可能性があるが、それほど悩む案件ではない気がする。一番可能性が高いのが修道院側の事情だが、二日も猶予が作られている理由に説明がつかない。
「明確に、何らかの意図があるはずだが……うーん」
わからないが、その提案には従ってみても良いだろう。どうせ急ぐ旅ではないのだ。明日一日空きがあることだし、旅の準備と家の片付けに費やすことにするか。
「家……家かあ」
この三日間の畑の修復作業には父さんと、兄のダリオンも来ていた。作業場が離れていたこともあり仕事中に話す機会は無かったが、それとは別に俺は意識的に彼らを避けていた。
「そろそろ、話をしなくちゃな……」
領主様から言われてからずっとタイミングは伺っていた。しかしいざ話すとなると、どう言っていいかわからなくなるのだ。
ただ旅に出たいと言うだけじゃ引き留められるだろう。かと言って旅の目的を素直に話したところで理解を得られるとも思えない。それがあてもない、帰れるかもわからない旅路となるとなおさらだ。
そしてそれ以上に、【血濡魔術】を説明することで彼らの目が変わることを恐れている。
既に彼らも噂を聞きつけるなりして察しているかもしれないが、改めて俺から聞いたとき彼らの親愛の込められた優しい顔が、忌避に歪み嫌悪に塗れた顔になることを想像すると、このまま何も話さず旅立ったほうが良いのではと何度も思った。
しかし事情も言わずに俺が消えれば、あの優しい家族は悲しんでしまうだろう。特に母さんは心配性だからな。
「……むしろ、そうなればあっさり村を去れるかもな」
そう言って俺は自嘲する。
疎まれれば引き留められることもないし、俺も未練なく村から出られる。ほんの些細な恐怖に躊躇っては、この先の見えない旅路を歩ききれるはずもない。
いつだって俺の旅路は、全てを失うことで始まり、全てを破壊して終わるのだから。
「よし、行くか……」
この三日の間に死んだ人の葬儀が行われ、村は少しずつ元の生活に戻っていった。
戦場となった畑は喰血哭が暴れに暴れたため、酷く荒れてしまったものの、村の農民たちが一丸となって鍬を振るったことにより、現在は土壌だけは着実に元の状態へ戻っていっている。
作業にあたる人の中には死んだ兵士の家族もいたが、深く悲しいであろうにも関わらず皆が精力的に働いた。労働に熱中することで、悲しみを一時でも忘れようとしているのだろう。
そんな彼らに混じって俺も手伝いをしている。ただ、その作業の方法は今までとは大きく様相が異なっていた。
「【血織刃】」
手に握った何枚もの血染布が無数の斧へと変わり、畑に転がる太い倒木を手ごろな大きさに等分し、凄まじい速度で材木にしていく。出来上がった材木は一度【紅鎖鞭】でひとつに纏めた後、木の板の横に血染布で形作った車輪を付けた台車に乗せる。
台車に乗っている材木はかなりの量と重さとなっているはずだが、俺がくるりと指を回すと赤い車輪は自らの力で回転し人間の歩行並みの速度で一時置き場へ自走していく。
「「「おおおーーー」」」
その光景を見た村の人から感嘆の声が上がる。
なぜ俺が皆の前で魔術を披露する羽目になったのか……。その原因は領主様の言葉だった。
領主様との対話の翌日。
村の皆で畑の修復をしようという話を聞きつけ、俺も皆と同じように鍬を担いで戦場跡へ赴いた。腕や腹の怪我はそのままだったから、俺が来たことで周囲からは驚きと共に必死に止められたのだが、俺はどうしても手伝いたかった。
もう村に居られる時間も少ないのだから、村で俺にできることは可能な限りやりたかったのだ。
俺と村の人たちで少し揉めていたところ、偶然村の視察へ来た領主様が現れた。騒ぎを聞きつけた領主様に村の人が事情を話したところ、領主様は俺へこんな依頼をしてきたのだ。
『見たところ瓦礫が邪魔をしている様子。あれでは復興には相当な時間と労力がかかるだろう。そこでだ、アゼル君の魔術で片付けてはくないか? もちろん無料とは言わない。働きに応じて、前回の依頼の報酬に上乗せしよう。もちろん作業の強要はしないが、この依頼を断る場合は大人しく家に帰って療養するように』
そう言われてしまっては仕方がなかった。既に兵士の間では俺の魔術についての噂が広まっているようだったし、彼らを通じて村全体へ広まるのも時間の問題だと考えた俺は苦渋の決断の末、その依頼を受けることにした。
こうして【武具製造】という名を意地で保ちながらも【血濡魔術】を使って手伝いを始めたのだ。
あまり人前で【血濡魔術】を使いたくないというのは領主様も理解しているはずなのだが、今回は彼の優しい性格にしてはかなり強引な依頼だったな。
領主様からは都合よく利用しようという邪念のようなものは感じられなかったし、どちらかというと俺を気遣うような雰囲気を感じたのだが、やはり魔術を使えという依頼内容にした意図までは図れなかった。
ちなみに、血染布は隠すのも面倒になったため早々に披露した。血に汚れた布を利用することに疑問を持った人は当然いたが「【武具製造】の材料です」と言い張って、それ以上の追求を避け続けて現在に至る。
「アゼルー、次はこっちお願い!」
終わったタイミングで遠くでフィリアが呼ぶ声が聞こえた。俺は返事をしてそちらへ向かう。
意外と言えば、フィリアも連日戦場跡に赴いては片付けの手伝いをしている。いつものように抜け出しているのかと思いきや、どうも今回はいつもと違い領主様から許しを得ている様子。
名目上は領主様の代理で視察を行っているという立ち位置らしいが、その割には庭仕事などで見られるズボンを履き動きやすい服装をしており、なおかつ皆に混じって作業をして土だらけになっている。
ここ数日で兵士も含めて皆慣れてしまったが、代理の視察って普通はもっとこう、貴族の気品を損なわない服装で後方で静かに見守っているものじゃないか?
「この瓦礫、壊せる? ちょっと大きくて土魔術で破壊するにも時間がかかりそうなの」
そんな俺の疑問をよそに、フィリアが示したのは俺の胸近くまである大きな岩だった。
少し視線を遠くに送ると、地面に大きな窪みができている。おそらく喰血哭の攻撃で抉られた物がここまで転がったのだろう。
土属性の魔術にも岩を砕いたり動かしたりするものはあるが、これほどの大きさとなると下級魔術では確かに時間がかかる。中級魔術くらいならば一撃で破壊できるが、この村にいる魔術師で土属性の中級魔術を修めた者はいなかったようだ。
「壊すだけでいいのか? あの穴まで運んだっていいが……」
「うーん、そっちの方が楽ならそれでもいいわよ。でも細かく砕いてもらえると他の皆が片付けやすいわ……今は彼らには、ちょっと大変な仕事があったほうが精神的にはむしろ良いと思うし」
「……そういうことならわかった。念のためちょっと離れてろ」
俺は周囲に警告をしてから、腰に佩いていた赤い剣を鞘から抜く。
この剣は喰血哭との戦いに用いていた鞘に納めていた、元は何の変哲もない見せかけの剣だった。
喰血哭との戦い……というか地穿鹿との戦闘でも使わず、どこかへ放り投げていた無用の物だったのだが、今ではその刀身は血で赤く染まっている。
依頼を受けたその日に、戦場の整理の時に回収したこれを血に濡らした。更に鞘に込めていた血をこちらに少し移したことにより、この剣は見せかけの鈍ではなく、本物の名刀に引けを取らない斬れ味となっている。
「【血織刃:紅鎖鞭】」
剣を振り下ろすと刀身が長く伸び、まるで蛇のように岩に巻き付き完全に包み込んでしまう。その状態で俺が柄を強く引っ張ると、剣が収縮し内部で岩が斬り刻まれ無数の小石となって砕ける。
布と比べて元が頑丈な鉄剣を核にしていることで、利用する血液も魔力の量も少ないにもかかわらず高い威力を発揮してくれる。
元々、血染布で作った刃は強度を鉄並みに上げるために、少なくない血液を含ませている。隠しやすさや軽さからこれまで布を利用していたが、やはり元が鉄だといろいろな負担が軽くて良いな。
「よし、こんなもんでどうだ?」
余談だが、剣を引っ張る動作に大した意味はない。俺の固有魔術はイメージに依るものが大きいから、何もせずに脳内で思い描いただけでも効果は充分発揮する。
だがこうした、ちょっとした動作を加えることで感覚的に魔術を発動することができ、思考することによって生じる僅かな隙を潰すことができる。戦闘職の魔術師が魔術を反復練習するのは、これが理由でもある。
「ばっちり! えーっと、それじゃあ次は――」
フィリアは次の予定を確認しに、現場の指揮をしているリーダーに近付いていく。
「いやあしかし、改めて見ると凄い光景だな」
不意に、俺の耳に兵士の会話が聞こえた。
「確かになー。そういえば魔術部隊の奴から聴いたんだけどよ、アゼルが作る武器が赤いのは血を材料にしているかららしいぞ?」
「え、本当か?」
「多分な。なんでもそいつ、アゼルが喰血哭から流れた血に魔力を流して、武器を作っているのを見ていたらしくてな。魔力の流れを読み取るのは得意だから間違いない、って自信満々に言っていた」
「血、ねえ……なんかそれだけ聞くとあれだな――」
血塗れ夜王みたいだな。
そう言って彼は軽く笑っていた。彼らの調子は非常に軽いもので、言葉にも悪感情は一切含まれていなかった。
たわいの無い、ただの雑談。しかしそれを聞いた俺は、僅かにだが身構えてしまっていた。
「ちょっとそこ、なんてこと言うのよ!」
「うわっ、フィリア様⁉」
そんな彼らのやり取りをフィリアも聞いていたのか、彼女はリーダーとの会話を中断してその兵士を叱りつけた。
怒気は感じられるものの、人を委縮させるような覇気はない、子どもが怒ったかのような口調だったが、怒られた兵士たちは非常に慌てて謝罪した。
「も、申し訳ありませんフィリア様! アゼルも、ごめんな。悪く言うつもりはなかったんだ……」
「わかってるよ、気にしなくて良い。フィリアも、そう熱くなるな。ただの軽口だろ? そんな事より、次の場所へ行こうぜ」
怒るフィリアを軽く宥めながら、彼女を急かすように次の現場へ向かった。
この三日の間、彼女なりに気を遣っているのはわかっていた。俺の心情を最も理解している彼女が積極的に動いてくれているおかげか、村の人たちの【血濡魔術】に対する反応は俺の想定を外れて非常に好意的だ。先ほどの兵士の会話も、ただ俺の魔術の性質から「血塗れ夜王」の話を連想したといった調子で、「血の魔術」に対する嫌悪感はほとんどなかった。
こうなるとフィリアが言っていた通り、俺が臆病になりすぎていたのかもしれないな。
血塗れ夜王の名前が出ると変わらず緊張して身構えるが、これは【血濡魔術】へのいわれなき誹謗に対する恐怖とは違い、どちらかというと「自覚ある悪行」を指摘されたような気まずさからだ。
前者は過去にさんざん浴びせられたから、「またか」という慣れがあるが、後者は反省も後悔もないが「悪という自覚」と「自分のことだという自覚」があるため、否定もできない何とも複雑な気持ちになる。
こればかりは身から出た錆と割り切るしかない。そう考えながら俺は、フィリアや兵士たちの指示の下瓦礫の撤去を続けていく。
***
存分に魔力を振るったその日の夕方。俺は修道院でエルミナさんの治療を受けていた。
この三日間、修道院は戦闘で怪我をした兵士の治療で忙しそうにしていたが、それもようやく落ち着き俺の治療を行える余裕ができたようだ。
「はい、これでもう大丈夫でしょう。こんなに待たせてしまって、ごめんなさいね」
「いえいえ、自然治癒であれば一か月以上もかかる怪我です。それが三日で治るのですから、こんなもの待つ内に入りませんよ」
瘴気の魔力を持つ固有魔術の魔術師を優先してしまったら、他の精気の魔力を持った兵士の治療が遅れてしまう。怪我の具合を考えても、俺が後ろに回されるのは仕方がないことだし、合理的であると思っている。
夕方に来たのも、日中の作業で魔力を減らして治癒魔術が効きやすくするためだったしな。
精気の魔力の働きを阻害する瘴気の魔力が体内から減れば、固有魔術の魔術師でも属性魔術による治療が効きやすくなる。だから今日は、いつもよりも多めに魔力を使っていたのだが、そのおかげで魔術の威力が増し作業効率が上がって、少し早めに帰ることができた。
「それじゃあ、俺はここで……」
「あ、待ってください。ロスウェル子爵様からアゼル君へ、渡すよう言われている物があります」
帰ろうとする俺をエルミナさんは引き留めたが、その様子はなにやら緊張しているように見えた。
エルミナさんは誰もいない部屋の中を軽く見渡して、改めて他に誰も居ないことを確認すると部屋の戸棚へ向かった。
一瞬なんだろうと思ったが、領主様から渡される物と言ったらアレだろう。
「こちら、子爵様からお預かりしたアゼル君への報酬と、お手紙です。それから念のため……こちらの書類にお名前を書いて、報酬を受け取ったことの証明をしてください」
そう言って机の上に乗せられたのは、いささか大きい革製の小袋と少し高級感のある紙製の手紙、それから羊皮紙の証明書だった。
手紙と契約書も気になるが……気のせいだろうか。袋のサイズが銀貨五〇枚では済まない大きさなんだが?
「こちら、今回のアゼル君の功績に対する報酬――銀貨一〇〇枚が入った袋になります」
「銀貨一〇〇っ⁉」
待て待て待て、なんかの間違いじゃないか⁉ 銀貨一〇〇枚――つまり金貨一枚と言ったら、隊長クラスの収入だ。
慌てて袋を開けてみると、中には銀色に輝く大量の銀貨が確かに詰め込まれていた。
なぜこんなに膨れたのかと思い、ロスウェル家の家紋の封蝋で閉じられた手紙を開くと、そこには今回の俺の働きに対するお褒めの言葉と、報酬額が書かれていた。
元の案内依頼の報酬額にこの三日間の魔術を用いた働きの報酬を上乗せした額が、銀貨一〇〇枚という数字になったようだ。内訳としては元の案内依頼が銀貨五十枚。喰血哭の討伐に従事したことによる特別手当が銀貨三十枚。そして今回の瓦礫撤去作業の依頼が銀貨二十枚である。
この分だけでも個人では持て余す金額だが、さらに驚くべきことにそれとは別に領主様個人として、今回の喰血哭の討伐に大きく貢献したことを称えて、別途追加で報酬を与える旨が書かれていた。
喰血哭討伐の報酬額は、なんと金貨二枚。これは兵の隊長クラスの収入と同等の額であり、農民では一生手に入れることができないであろう額だ。
慎重に革袋から銀貨を取り出していくと、袋の底で銀貨に紛れるようにして隠された二枚の金貨が見えた。
「お、おおう……」
エルミナさんが緊張したのも、長期保存に向いた羊皮紙を用いた証明書を作成したのも頷ける。エルミナさんに限ってそんなことはしないと信頼しているが、これだけの額があったらいかに聖職者とて魔が差さないとも言い切れない。
「この件は私しか知りませんが、いちおう中身を確認をしてくださいね? もちろん、精霊様に誓って私は窃盗を行っていませんが、万が一ということもありますので……」
「信頼しています。とは言え、助言通り慎重に数えさせていただきます……」
俺はエルミナさんが見守る中、一枚一枚丁寧に銀貨を数えていく。
一〇〇枚目を数え終えたところでエルミナさんから安堵の息が出たが、続いて出た金貨に彼女は驚き激しくむせた。どうやら領主様から聞いていたのは銀貨までで、金貨が入っているのは初耳だったようだ。
端から疑ってはいなかったが、その反応からエルミナさんが一切か報酬と手紙に触れていないことが確信できた。
「確かに確認しました……えっと、エルミナさんもお疲れ様です……」
「いえ……アゼル君、くれぐれもお帰りの際には気を付けてください。お金というのは誘惑の大きいもの……この村の皆さんはとても善良ですが、この輝きを目にして魔が差さないとは限りませんから……」
「肝に銘じておきます。俺もそんな醜い光景は死んでも見たくありませんから……【血織刃】」
そう言って俺は日中の作業にも使った血染布で手紙と革袋を包み込んで、それを腰に括り付ける。
【血濡魔術】で封じ込めてしまえば万が一にも、落とすなんてこともないだろう。
それから俺は受け取り証明書に自分の名前を書いて、その横に自分の血判を押印してエルミナさんに渡す。名前だけで良いとは言われていたが、血判もあったら尚良いだろうと考えた。更に血には微量の魔力を込めて、俺という証明をより強固なものにした。
本来魔力をも用いた署名には特殊なインクが必要なのだが、俺の魔力は魔術の関係で物に付着しやすい。痕跡が残りやすいという欠点はあるが、こういった証明では便利なものだ。
「確かに。こちらの証明者は、私が責任もって子爵様へお届けします」
「お願いします。エルミナさん、今日はありがとうございました」
そうして俺は修道院を後にする。
「さて……治療も終わって、報酬も受け取った」
今日の作業で瓦礫はほとんど片付き、畑も元の状態に戻り始めた。報酬を渡されたということは、俺の仕事も終わったとみて良いだろう。
それは即ち、俺がここに残る理由がなくなったということだ。
「領主様は五日後……つまり二日後に出ると良いなんて言っていたが、いったいどういう意図があったんだ?」
単純に畑の修復のための手が欲しかったのか? それとも治療師の手が空くのが、それくらいだと予想していたからか? それとも喰血哭討伐にふさわしい褒美が何かを考える時間が欲しかった?
どれも違うだろう。畑の修復はそもそも、村の人たちの提案だった。報酬の件は僅かに可能性があるが、それほど悩む案件ではない気がする。一番可能性が高いのが修道院側の事情だが、二日も猶予が作られている理由に説明がつかない。
「明確に、何らかの意図があるはずだが……うーん」
わからないが、その提案には従ってみても良いだろう。どうせ急ぐ旅ではないのだ。明日一日空きがあることだし、旅の準備と家の片付けに費やすことにするか。
「家……家かあ」
この三日間の畑の修復作業には父さんと、兄のダリオンも来ていた。作業場が離れていたこともあり仕事中に話す機会は無かったが、それとは別に俺は意識的に彼らを避けていた。
「そろそろ、話をしなくちゃな……」
領主様から言われてからずっとタイミングは伺っていた。しかしいざ話すとなると、どう言っていいかわからなくなるのだ。
ただ旅に出たいと言うだけじゃ引き留められるだろう。かと言って旅の目的を素直に話したところで理解を得られるとも思えない。それがあてもない、帰れるかもわからない旅路となるとなおさらだ。
そしてそれ以上に、【血濡魔術】を説明することで彼らの目が変わることを恐れている。
既に彼らも噂を聞きつけるなりして察しているかもしれないが、改めて俺から聞いたとき彼らの親愛の込められた優しい顔が、忌避に歪み嫌悪に塗れた顔になることを想像すると、このまま何も話さず旅立ったほうが良いのではと何度も思った。
しかし事情も言わずに俺が消えれば、あの優しい家族は悲しんでしまうだろう。特に母さんは心配性だからな。
「……むしろ、そうなればあっさり村を去れるかもな」
そう言って俺は自嘲する。
疎まれれば引き留められることもないし、俺も未練なく村から出られる。ほんの些細な恐怖に躊躇っては、この先の見えない旅路を歩ききれるはずもない。
いつだって俺の旅路は、全てを失うことで始まり、全てを破壊して終わるのだから。
「よし、行くか……」
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