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櫻花荘に吹く風~103号室の恋~ (4)
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天気の好さにつられて徐々に気温も上昇し、ウッドデッキへのニス塗りが一巡する頃には、春海の額には大粒の汗が浮かび上がっていた。
時折由野が自分の話を聞いているか確認するように降り返る春海へと、聞いているよと由野が頷きを返す。それだけで嬉しそうに笑顔を見せる春海が、由野には眩しく見えた。
「ふぅー、終わったー!」
「お疲れ様。今日の天気なら20分もあれば乾くだろうから、そうしたらもう一度か二度、上から同じ要領で塗っていくといいよ」
「うん、ありがとうございます由野さん。教えてもらわなかったら、ボクまた源じいに怒られる所でした。あーもう、あっついー」
言いながら、Tシャツを捲り上げた春海が、そのまま裾で額に浮かんだ汗を拭う。
煌く日差しの中、日に焼けていない部分の素肌の白さが妙に艶かしく見えて、由野は微妙に視線を逸らした。
「春ちゃん……あーと、何か、冷たいの淹れて来るよ」
その声にボクがやりますと動こうとする春海を止めて、由野は足早にキッチンへと向かう。
部屋の中へと移動して来た春海は、フローリングの床の上に寝転がった。その格好のまま目を閉じ、Tシャツの裾をパタパタと動かして汗ばんだ身体へと風を送る。
火照った身体にフローリングの冷たさが心地好く、手動で送り込む僅かな風でも、一瞬の涼しさを運んでくれるのだろう。
気持ち良さそうに伸びる春海の姿に、由野の胸中には複雑な色が広がる一方だった。
(僕はきっと、三好と春ちゃんを重ね過ぎているんだ……モデルになんてしちゃったから、そのせいだよな――本当ゴメン、春ちゃん)
幾ら書けずに悩んでいたそのシーンの事が頭にあったとしても、それはいかんだろうと独りごちる。
春海とキャラクターを重ね合わせてしまった罪悪感に、由野の胸がチクリと痛んだ。モデルにしたのは事実だけれど、三好と春海とは全く別の存在だと言うのに。
「……溜まってんのかな……」
基本的にそう性欲の強い方ではない由野には、現在付き合っている女性はいない。学生時代にそれらしい関係にあった異性はいたけれど、就職もしない由野に愛想を尽かして去って行った。
あれからもう、何年が経ったのだろうか。
時折自らの手で処理を施す事は勿論あるけれど、寝ている間に下着を汚さないようにという義務感覚で行う程度。同じ歳の男の自慰の間隔がどの程度なのかは知らないけれど、頻度的にそう多い方ではないだろう。
女性と関係があった時期ですら、淡白なものだった。取り立ててセックスしたいと思った事も無かったように思う。
もちろん擦り寄って来られればそれなりに可愛いとも思ったし、柔らかな身体を抱き締める事も、欲望を吐き出す事も気持ちは良かった。
けれどその時の感情と、先程の自分が春海へと抱いた気まずいほどの想いとは、別のもののように感じて。
「由野さん?」
「あ、今行くよ」
キッチンへと逃げ込んだまま思考に耽っていた由野に、春海がどうしたのかと声を掛ける。氷を入れたグラスを2つと、冷蔵庫から取り出した麦茶の入ったプラスチックのボトルを持って、由野は慌てて春海の元へと戻った。
「はい、お待たせ」
「ありがとうございます――んー美味しい!」
こくこくと喉を鳴らして嚥下する首筋へと、由野の視線が吸い付けられる。ヤバイ、と思った。何に対してのものなのか、とにかくヤバイと思った。
仕事としてBLというジャンルで話は書いているけれど、由野にとってそれは仕事でしか無かったはずなのだ。それなのに、目の前でクルクルと表情の変わる春海に、惹き付けられて行く自分が確かに存在していて。
庭の桜の木を見ながら、観月との思い出話を語る春海の横顔から、由野は目が離せなかった。
「あー良いなー何二人で黄昏てんの? 俺も麦茶欲しいー」
「ッ――あ、あれ、北斗くん? 今日は休み?」
戸惑う由野の複雑な思考回路を断ち切ったのは、突然聞こえて来た北斗の眠そうな声だった。
壁に掛けられた時計へと目をやれば、まだ昼前。早く起きて行動するのは休みの日くらいのもので、仕事のある日はいつもならばこの時間、北斗はまだ眠りに付いている。
もう数時間もすれば起き出して、風呂へ入り出勤時間に向けて身支度を整えるのが常なのだけれど。
「んー、休みっていうか、自主的に休むっていうか……」
「わっ、どうしたんですかその顔?」
「顔? うわ……口元、痛そうだね」
「ちょっとね、やらかしちゃって。さすがにこの顔じゃ店出れないし、だから休み」
自分の分をグラスを持った北斗が、由野達の寛ぐ窓辺へと近寄ってくる。見れば、頬が腫れて、口元は内出血の痕。唇の端が切れたのだろう、血の固まった形跡が見て取れる。
「確かに、それで接客は厳しそうだな」
「でしょー? 失敗したよなあ、マジで。あいつら思い切りやりやがったし……」
寝返り打ったら痛くて目が覚めちゃった、と苦笑いを浮かべた北斗は、口元の痛みに再び顔を顰めた。
北斗の仕事は夜の接客、それも客層はほぼ女性。そう、一般に言われるところのホストクラブのホストである。
茶色に染めた長めの髪も、どう見てもサラリーマンは着なそうなデザインスーツも、出勤時に身に付けるアクセサリーの数々も、夜の街では違和感無く溶け込んでしまう。
基本的に同伴と呼ばれる、客との店外デートが入っている日を除いては、ぎりぎりの時間まで櫻花荘でだらだらしている。朝に弱いのか、しこたま酒を飲んで帰ってくるせいか、北斗が明け方営業と言われる朝方からの勤務をこなす事は無かった。
アフターが無ければ、ちょっと飲み過ぎて帰りが遅くなった。そんな程度の帰宅時間。
だからこそ余計に、普段の北斗しか知らない由野や春海には、彼がホストであるという事が不思議な程で。
二人には北斗がどんな接客をこなすのかも分からなければ、ホストという職業がどういったものかも良く分からないのだけれど。それでもこの怪我の目立つ顔で仕事は無理だろう、という事位は理解出来た。
北斗の差し出したコップへ由野が麦茶を注いでやると、よほど喉が渇いていたのだろう。傷に沁みるのか少し眉を寄せながらも、一気にグラスの中身が飲み干されていく。
北斗が嚥下する様を見ていても、先程春海に感じたようなドキリとするような心の動きはまるで無い自分に、由野は一人、もやもやとしたものを感じていた。
「一体どうしたっていうんだい? ホストが顔に怪我してちゃ駄目だろう?」
「だぁからー、ちっとドジったの! ってかみっちゃんはいないの? 二人だけ?」
「みっちゃんなら仕事に行ってますよ。今日は早番だって言ってたし」
「そっか…あ、でも早番って事は、帰ってくんのも早いよね?」
「うん。あ、じゃあ今日は夜ご飯、皆一緒に食べられますね! 源じいも多分夜までには帰って来るし」
二杯目の麦茶を由野へと強請りながら、北斗がきょろきょろと周囲を窺う。初対面からどう見ても観月には邪険に扱われているというのに、北斗は何故か観月に構い掛けてはそれを楽しんでいる節があった。
「春ちゃん、そろそろ二度目、塗っても大丈夫だと思うよ?」
「二度目? 春ちゃん何やってたの?」
「ニス塗りです、由野さん凄く上手なんですよ! ボクは全然駄目で、教えてもらって何とかって感じで」
「へえー楽しそう。俺にもやらせてよ、こう見えてこういうの結構得意よ、俺」
由野が春海へと声を掛ければ、興味を示した北斗が力こぶを作って見せる。
「はは、じゃあここは北斗くんに任せて、僕は部屋に戻ろうかな」
「え……由野さん、行っちゃうんですか?」
「仕事に詰まって息抜きしに来ただけだから、そろそろね。お昼ご飯が出来たら声掛けてくれるかな?」
「――分かりました」
「あーっと、そう言えば春ちゃんとみっちゃんって幼馴染なんでしょ? みっちゃんってどんな子だったの?」
由野が立ち上がった途端残念そうな顔をする春海へ、北斗が意識を逸らすように話し掛ける。
申し訳ないと思いながらも、仕事に詰まっているのは本当だった由野は、二人に背を向けてダイニングスペースを後にした。
部屋に戻っても仕事が捗るとは思えなかったけれど、今はこれ以上春海を身近に感じてはいけないような、そんな気がしていたから。
時折由野が自分の話を聞いているか確認するように降り返る春海へと、聞いているよと由野が頷きを返す。それだけで嬉しそうに笑顔を見せる春海が、由野には眩しく見えた。
「ふぅー、終わったー!」
「お疲れ様。今日の天気なら20分もあれば乾くだろうから、そうしたらもう一度か二度、上から同じ要領で塗っていくといいよ」
「うん、ありがとうございます由野さん。教えてもらわなかったら、ボクまた源じいに怒られる所でした。あーもう、あっついー」
言いながら、Tシャツを捲り上げた春海が、そのまま裾で額に浮かんだ汗を拭う。
煌く日差しの中、日に焼けていない部分の素肌の白さが妙に艶かしく見えて、由野は微妙に視線を逸らした。
「春ちゃん……あーと、何か、冷たいの淹れて来るよ」
その声にボクがやりますと動こうとする春海を止めて、由野は足早にキッチンへと向かう。
部屋の中へと移動して来た春海は、フローリングの床の上に寝転がった。その格好のまま目を閉じ、Tシャツの裾をパタパタと動かして汗ばんだ身体へと風を送る。
火照った身体にフローリングの冷たさが心地好く、手動で送り込む僅かな風でも、一瞬の涼しさを運んでくれるのだろう。
気持ち良さそうに伸びる春海の姿に、由野の胸中には複雑な色が広がる一方だった。
(僕はきっと、三好と春ちゃんを重ね過ぎているんだ……モデルになんてしちゃったから、そのせいだよな――本当ゴメン、春ちゃん)
幾ら書けずに悩んでいたそのシーンの事が頭にあったとしても、それはいかんだろうと独りごちる。
春海とキャラクターを重ね合わせてしまった罪悪感に、由野の胸がチクリと痛んだ。モデルにしたのは事実だけれど、三好と春海とは全く別の存在だと言うのに。
「……溜まってんのかな……」
基本的にそう性欲の強い方ではない由野には、現在付き合っている女性はいない。学生時代にそれらしい関係にあった異性はいたけれど、就職もしない由野に愛想を尽かして去って行った。
あれからもう、何年が経ったのだろうか。
時折自らの手で処理を施す事は勿論あるけれど、寝ている間に下着を汚さないようにという義務感覚で行う程度。同じ歳の男の自慰の間隔がどの程度なのかは知らないけれど、頻度的にそう多い方ではないだろう。
女性と関係があった時期ですら、淡白なものだった。取り立ててセックスしたいと思った事も無かったように思う。
もちろん擦り寄って来られればそれなりに可愛いとも思ったし、柔らかな身体を抱き締める事も、欲望を吐き出す事も気持ちは良かった。
けれどその時の感情と、先程の自分が春海へと抱いた気まずいほどの想いとは、別のもののように感じて。
「由野さん?」
「あ、今行くよ」
キッチンへと逃げ込んだまま思考に耽っていた由野に、春海がどうしたのかと声を掛ける。氷を入れたグラスを2つと、冷蔵庫から取り出した麦茶の入ったプラスチックのボトルを持って、由野は慌てて春海の元へと戻った。
「はい、お待たせ」
「ありがとうございます――んー美味しい!」
こくこくと喉を鳴らして嚥下する首筋へと、由野の視線が吸い付けられる。ヤバイ、と思った。何に対してのものなのか、とにかくヤバイと思った。
仕事としてBLというジャンルで話は書いているけれど、由野にとってそれは仕事でしか無かったはずなのだ。それなのに、目の前でクルクルと表情の変わる春海に、惹き付けられて行く自分が確かに存在していて。
庭の桜の木を見ながら、観月との思い出話を語る春海の横顔から、由野は目が離せなかった。
「あー良いなー何二人で黄昏てんの? 俺も麦茶欲しいー」
「ッ――あ、あれ、北斗くん? 今日は休み?」
戸惑う由野の複雑な思考回路を断ち切ったのは、突然聞こえて来た北斗の眠そうな声だった。
壁に掛けられた時計へと目をやれば、まだ昼前。早く起きて行動するのは休みの日くらいのもので、仕事のある日はいつもならばこの時間、北斗はまだ眠りに付いている。
もう数時間もすれば起き出して、風呂へ入り出勤時間に向けて身支度を整えるのが常なのだけれど。
「んー、休みっていうか、自主的に休むっていうか……」
「わっ、どうしたんですかその顔?」
「顔? うわ……口元、痛そうだね」
「ちょっとね、やらかしちゃって。さすがにこの顔じゃ店出れないし、だから休み」
自分の分をグラスを持った北斗が、由野達の寛ぐ窓辺へと近寄ってくる。見れば、頬が腫れて、口元は内出血の痕。唇の端が切れたのだろう、血の固まった形跡が見て取れる。
「確かに、それで接客は厳しそうだな」
「でしょー? 失敗したよなあ、マジで。あいつら思い切りやりやがったし……」
寝返り打ったら痛くて目が覚めちゃった、と苦笑いを浮かべた北斗は、口元の痛みに再び顔を顰めた。
北斗の仕事は夜の接客、それも客層はほぼ女性。そう、一般に言われるところのホストクラブのホストである。
茶色に染めた長めの髪も、どう見てもサラリーマンは着なそうなデザインスーツも、出勤時に身に付けるアクセサリーの数々も、夜の街では違和感無く溶け込んでしまう。
基本的に同伴と呼ばれる、客との店外デートが入っている日を除いては、ぎりぎりの時間まで櫻花荘でだらだらしている。朝に弱いのか、しこたま酒を飲んで帰ってくるせいか、北斗が明け方営業と言われる朝方からの勤務をこなす事は無かった。
アフターが無ければ、ちょっと飲み過ぎて帰りが遅くなった。そんな程度の帰宅時間。
だからこそ余計に、普段の北斗しか知らない由野や春海には、彼がホストであるという事が不思議な程で。
二人には北斗がどんな接客をこなすのかも分からなければ、ホストという職業がどういったものかも良く分からないのだけれど。それでもこの怪我の目立つ顔で仕事は無理だろう、という事位は理解出来た。
北斗の差し出したコップへ由野が麦茶を注いでやると、よほど喉が渇いていたのだろう。傷に沁みるのか少し眉を寄せながらも、一気にグラスの中身が飲み干されていく。
北斗が嚥下する様を見ていても、先程春海に感じたようなドキリとするような心の動きはまるで無い自分に、由野は一人、もやもやとしたものを感じていた。
「一体どうしたっていうんだい? ホストが顔に怪我してちゃ駄目だろう?」
「だぁからー、ちっとドジったの! ってかみっちゃんはいないの? 二人だけ?」
「みっちゃんなら仕事に行ってますよ。今日は早番だって言ってたし」
「そっか…あ、でも早番って事は、帰ってくんのも早いよね?」
「うん。あ、じゃあ今日は夜ご飯、皆一緒に食べられますね! 源じいも多分夜までには帰って来るし」
二杯目の麦茶を由野へと強請りながら、北斗がきょろきょろと周囲を窺う。初対面からどう見ても観月には邪険に扱われているというのに、北斗は何故か観月に構い掛けてはそれを楽しんでいる節があった。
「春ちゃん、そろそろ二度目、塗っても大丈夫だと思うよ?」
「二度目? 春ちゃん何やってたの?」
「ニス塗りです、由野さん凄く上手なんですよ! ボクは全然駄目で、教えてもらって何とかって感じで」
「へえー楽しそう。俺にもやらせてよ、こう見えてこういうの結構得意よ、俺」
由野が春海へと声を掛ければ、興味を示した北斗が力こぶを作って見せる。
「はは、じゃあここは北斗くんに任せて、僕は部屋に戻ろうかな」
「え……由野さん、行っちゃうんですか?」
「仕事に詰まって息抜きしに来ただけだから、そろそろね。お昼ご飯が出来たら声掛けてくれるかな?」
「――分かりました」
「あーっと、そう言えば春ちゃんとみっちゃんって幼馴染なんでしょ? みっちゃんってどんな子だったの?」
由野が立ち上がった途端残念そうな顔をする春海へ、北斗が意識を逸らすように話し掛ける。
申し訳ないと思いながらも、仕事に詰まっているのは本当だった由野は、二人に背を向けてダイニングスペースを後にした。
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