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櫻花荘に吹く風~201号室の夢~ (32)
しおりを挟む迷う事無く頭を伏せ、小さな粒を舌先で押し潰す。もう一方にも、爪の先でカリカリと引っ掻くように刺激を与えてやれば、まーくんの口から甘い喘ぎが零れ落ちた。
「すっげ可愛い……少し強い方が、感じる?」
「んぁっ、あっ」
音を立てて吸い上げて、やんわりと歯を立てる。甘噛みしつつ舌を蠢かせば、耳を擽る声の逼迫度が増していく。
ツンと尖った粒を摘まみ捏ねる度に、羞恥に染まった桃色の肌を震わせるまーくんを見ているだけで、ズンと腰の奥が重苦しさを訴える。
「気持ちいい? ね、まーくん、教えて?」
「ぁ、あ……持ち、い……気持ち、い……っ」
「こっちも、きつそうだ……」
「ふっ、ん――や、あっ」
「恥ずかしい? 大丈夫、俺も同じだから……ね?」
まーくんの中心も形を変えているのが、布越しにも見て取れる。
空いている方の手で布地を押し上げるその場所を、そっと形を辿るように撫で上げれば、まーくんが細い腰を捩って逃げようとする。
そんな初心な反応がより一層俺を煽る事を、この人は分かっているのだろうか。
「……あ……良、くんも……」
「ッ、まーくんっ……動かしちゃ駄目だって――」
「だって、僕ばっかりじゃ」
「良いの! そうじゃないと、俺、優しくしてやれなくなるから」
「ん……ぁ、ふ」
自分も同じだと、彼の手を取り、自身の昂ぶりへと導いてやれば、俺の形を確かめるかのように動く彼の手。先ほどの俺の動きを真似ているのか、ゆっくりと、恐々と触れながら動かされて、中心が更に大きく成長するのが分かった。
先走りがじわりと下着を濡らすのを感じながら、悪戯な手を解き、何か言いたげな唇を優しく塞ぐ。さっきよりもソフトなくちづけで、艶やかに濡れ光る唇を舐め上げた。
「まーくんの全部、見たい……脱がせて良い?」
「良くんも、脱いで」
僕だけじゃ恥ずかしい、と小さな声が返って来る。全くこの人は……どれだけ俺を煽れば気が済むのだろう。
「いいけど、引かないでよ?」
「あ……すご、い」
「……そこ? ったく、まーくんってば」
苦笑を浮かべながら、俺は躊躇う事無く着衣全てを脱ぎ捨てた。
身体の中央で存在を誇示する楔は、腹に付きそうなほど反り返り、先走りで濡れている。やる気に溢れ過ぎていて引かれるかと心配したのに、彼の興味を引いたのはその部分では無かったようだ。
半身を起こして伸ばされた彼の指先が触れたのは、その場所より少し上だった。
「だって、すごく綺麗だよ」
「まあ、体力仕事だから、これくらいはね」
俺の腹筋をさわりと撫でるまーくんに、込み上げて来る笑いを必死に殺す。
ホリさんのところで働くようになって一年が過ぎ、学生時代よりも格段に引き締まった身体は、自分でも誇りに思うけれど。
だけど今、反応して欲しいのはそこじゃ無かった。
「ご希望通り俺は脱いだよ……って事で、もう待った無しだからね?」
「あっ」
起こし掛けていた彼の上半身を再び布団へと押し倒し、下半身を覆い隠す邪魔な布をひと息に取っ払った。
布に押し込められていたまーくんのモノが、ふるんと勢い良く飛び出すのが目に入る。
女性に対してもそれほど使った事が無いのだろうと思わせるそれは、俺より小ぶりで、綺麗な色をしていた。まーくん自身が表れているような、嫌悪など微塵も感じさせない綺麗な形。
「……めっちゃ可愛い」
「っ、ヤっ、あんま……見ないで――」
「ヤダね、散々待ったんだから」
「ひゃっ、あっ……何? あ、あ、っ」
赤らんだ胸の粒に音を立ててキスを落とし、ゆっくりと舌を這わせながら、中心を目指して下りていく。
他人のモノなんて触った事もなければ触ろうと思った事も無かったから、いつも自分で自分を慰める時よりも慎重に、まーくんの昂ぶりを掌中へと収めた。強過ぎないように注意を払いつつ、優しく手の平に包み込めば、亀頭の尖端がほんの少し顔を覗かせる。
ゆっくりと手の平をスライドさせながら、まーくんの柔肌を味わうように、身体中に這わす唇と舌の動きは止めないまま。
手の中の昂ぶりは、俺から与えられた行為に反応を示し、俺のと同じように硬く張り詰めていた。鈴口から滴る雫が、羞恥に悶えながらも感じているのだと教えてくれていた。
「ここ、こんな風に人から触られんのって初めて?」
「は、初めて、だよっ――あ、あっ」
「自分でやるより気持ち良い? ほら……こうされたりするとさ、気持ち良くない?」
「んあっ!」
張り出した雁の下、裏筋を指先で辿り、蜜を吐き出し続ける尖端へと指先でグリっと刺激を与えてやる。
まだ大した愛撫を施したわけではないのに、それだけの事で滴る蜜の量は増え、まーくんの身体が跳ね上がった。
「やっべ……超興奮する」
「は、あ……何、良く……や、ヤダッ」
「何で?」
俺の手に身悶えるその姿に煽られる。同じ男だというのに、自分と同じ性器が付いているのに……いや、同じ性を持つからこそ余計に、興奮するのかもしれない。
征服感と充足感が、俺の中にある雄の部分を刺激するのだ。
相手がまーくんだから。
他の男相手に、こんな気分になった事はないし、これからも無いだろう。それなのに今は、手の中でぴくぴくと反応を示し続ける昂ぶりすらも、愛おしく感じる。
そんな感情に煽られるまま、身体のラインに沿って下ろしてきた唇を、掌中の昂ぶりへと寄せた時だった。
舌を伸ばした瞬間に聞こえてきたまーくんからの拒絶の言葉に、目線だけを上げる。灯りを点けたままの部屋、顔を真っ赤にした彼が、うろうろと視線を彷徨わせる姿が目に映った。
「だ……って、そんな、汚――」
「汚くなんて無いって。ちゃんと風呂も入って来たんだし……良い匂いしかしない」
「良くんっ、あっああ」
扱き立てればくちゅりと濡れた音を奏でる昂ぶりに手を添えたまま、湿った下栄えに鼻先を埋める。風呂上りの良い香りに混じって香る、まーくんの匂い。
甘く淫靡なその香りに誘われて、顔の位置をずらした俺は、竿を下から横食みしつつ上まで辿り着くと、尖端から溢れる蜜を舐め取った。
「んー、ちょっと苦い……」
「なんっ、舐め――っ」
「まーくんのだから、美味いよ」
「……も……勘弁して……僕、本当に慣れて無いんだから……」
顔を起こしてニヤリと唇の端を歪めて見せれば、ぽすんと布団へ身体を戻したまーくんが、恥ずかしそうに両腕で顔を覆い隠した。
可愛らしい仕草に込み上げて来る笑いを吐息に変えて、掌中で震える昂ぶりへと息を吹き掛ければ、丸みを帯びた鈴口から伝った蜜が俺の指を濡らして行く。
羞恥に身をくねらす彼の竿を扱く手を根元へとずらし、蜜の奔流を堰き止める。同じ性を持つからこそ分かる苦しさも、その先に待つ解放時の快楽の深さも、全てを俺の手で与えてやりたかった。
「ごめんねまーくん……でも俺、今めっちゃっ、まーくんの事可愛がりたい」
「ふ、んっぅ、あ」
三本の指で握り込むようにして根元を堰き止めたまま、尖端に再び唇を寄せる。ねっとりと舌で舐め上げ、括れ部分までをすっぽりと口腔へ含み込む。
「あ、あ、あっ」
可愛い喘ぎ声に煽られながら、唇を窄めてスライドさせ、動きに合わせるように舌を絡み付ければ、細い肢体がガクガクと震え出す。
ふと視線を上げれば、下腹に大分力が籠められているのが見て取れる。無駄な肉など付いていない綺麗な筋肉の動きが、何故か淫靡で。
先ほど弄りまくった胸の尖りは、ピンと硬さを保ったまま天井を向いている。本当は一緒に可愛がってあげたいけれど、俺も言うほどの余裕があるわけじゃ無かった。
「一回、達っとく?」
「……っ、ん、も……苦し……ぁ、ああっ」
唇を付けたまま問いを投げ掛ければ、敏感な部分へ伝わる振動に、まーくんが必死で首を動かす。
経験の乏しい彼には、辛過ぎるほどの甘い責め苦なのかもしれない。
けれどそれは俺にしたって同様なのだ。先ほどから痛いくらいに張り詰めている中心からは、まーくんを揶揄出来ないほど、先走りの滑る淫液が滴っていた。
「いいよ、出して」
空いている片手で隠していたローションとゴムを引き寄せる。
キャップを開けたところで、根元を戒めていた指を離し、彼自身を根元まで銜え込んだ。
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