たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

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花の香り side和哉

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悠の匂いは花の香り。
薔薇と秋桜を混ぜたような…心地よい香り。
‪α‬を誘うΩの匂い。
とても好きな、良い香り。

「…そんな顔するのなら元から付けておけばいいのに」
「…玲衣。まぁお前からあの先輩の匂いがめちゃくちゃするからな」
「…そのせいで俺もΩだと思われる。俺はβだ。‪α‬とΩの世界に入れない」

悲しそうな顔をしていた。
何故そんな顔をするのか俺には理解できなかった。

「アンタは運命の番を探してるんだっけ?」
「あぁ。いつか会えるといいなと思ってる」
「ふーん…頑張れ」

そう言って玲衣はどこかに行ってしまった。

「悠送ってきたよ」
「梨衣。ありがとう」
「アンタ変な顔してんね。辛気臭い」
「…双子らしいね。悠がいないとアンタ呼び」
「私達からしたらアンタは所詮‪α‬よ。悠を幸せにしてくれる‪α‬ではない限りアンタで充分」

腰まで伸ばしている赤茶色の髪を揺らした。

「別にアンタに番えとか言ってるんじゃなくて、悠が幸せならそれでいい。私も玲衣も悠の幸せを願ってる」

少し遠くを見て言った。

「…悠は昔何かあったのか?」
「……アンタ知らないの?」

訝しげに見る梨衣。

「何も…」
「…はぁ~……、悠は結局言えてないもんね。まぁ仕方ないか」
「何がだ?」
「なーんでもなーい。じゃあ私は帰るから」

梨衣もいなくなってしまった。
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