幻想機動輝星

sabuo

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第1章 再起動 『ZERO』HAS COME TO

第39話 覚醒(4)

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茜。
黒崎茜。
平成27年度京都市立大塚第二中学校卒業生。
同中学歴史研究部部員。
黒髪ロング。巨乳でもなく貧乳でもなく。並乳といった所だ、
一見は普通だが、れっきとした殺し屋で快楽殺人者。だがそんな彼女にも恋している相手がいる。
その名を朽木光男と言う。




結構大きな施設だな、というのが俺の感想だ。人間界にだってこんな大きな建物は、ましてや基地は無いだろう。
俺はここで魔力について研究していたらしい。
魔力。魔法に使う際に使用されるエネルギー。魔術においてあんまり研究されてない分野。
「…なあ、さっきも言っていたが」
俺は自分の車イスを押してくれている彼女、黒崎茜に聞いた。
「なに? 光男君」
「俺の技術を用いた兵器ってなんだ?」




茜は病室に置いてあったイスに座り、これまであった事を話した。
これまであった事。つまり、俺が4月辺りに目覚めた時から今まで、要は俺が失った記憶の事を話した。
どうも色々とあったらしい。
「この世界で再会した時にね、最初、光男君だと分からなかったの」
「分からなかった? お前が?」
仮にもこいつは殺し屋。包帯で顔が分からないからって人の区別ができないはずが無い。声で分かるだろう。
「いや、本当に分からなかったんだって。声も違ったから…まあ、そのうち光男君じゃないかって思って」
「…どういうことだそれ」
「光男君。頭を包帯でぐるぐる巻きにして目だけ出して『芹沢』って名乗っていたの」
「……」
ネタ元は間違いなくオキシジェン・デストロイアーの開発者だろう。しかし問題は、
「なぜそんな事をしていたかって事だよな」



まだ歩くのは難しいため、車椅子に乗って茜に押してもらうことにした。
どうも部屋では話せなく、直接見てもらったほうがいい茜は言った。
茜に押してもらってついた場所には、気密扉と重装備な警備兵がいた。銃を握っている様は人間だが、人間では無い。
頭に動物の耳、獣耳が生えていた。獣人という奴だ。
「これを」
茜はポケットから二枚のカードを見せた。警備兵はそれと俺達の顔を見比べて、
「どうぞ」
『LEVEL5 DANGER 超高出力魔力使用 マジにアブナイヨ』
と、怪しい文言が書かれた気密扉が開いた。そのなかへと、茜は車椅子を押していく。
中はトンネルの様な廊下だった。ありとあらゆるケーブルやらパイプが壁にある。あまり明るいとは言えなかった。
「…ここが俺の研究室って訳か」
「いや、研究室はもっと上の方」
「じゃあここは?」
「ある計画のため『だけに』作られた施設…もちろん、その計画の発案者は光男君だけどね」
「……」
…異世界早々、色々な事を聞いたりして、今も色々と気持ちの整理が着かないがこれだけは言える。
何か、俺はとんでも無い事をやっていたらしい。
「…対核」
「…?」
「対熱は元より対爆…その対策が見受けられる。つまりそれほど厳重にしておかないとヤバイ物って訳だ」
茜が微笑んでいるのが見なくても分かる。
「相変わらずこういう事だけには詳しいんだから」
「素人でもわかる、さ。で結局何を作っていたんだ」
「んー、とにかくすごいものって感じかな。ヤバイ物っていうのは確かだね」
なんかこいつ、妙にはぐらかすな。やはり実際に見てみろという事なのだろう。
ともかくそんな俺の考えに関係なく茜は俺の車椅子を押す
そして、不意に廊下が終わった。
「…?」
正方形のプールに水が張ってあった。かなり大きい。
周りには何らかのタンク、作業用のロボットアームらしきもの。潜水服。
周りには作業服をきた人たちが何かを調節していた。
まるで原発の使用済み核燃料用プールを小さくしたバージョンのようだった。
「…あの中か?」
「うん」
茜が押していく先にあるプールから淡い光が出ていた。のぞいてみると、それは中にある物から発せられていた。
「戦闘機?」
「その認識で間違ってはいないよ」
さっき聞いた声。その主は。
「レオス総司令?」
「うん、そう。総司令でいいよ」
眼鏡を掛けた黒髪の男性…レオス・オブライエンSMF総司令は言った。
「それはまだ『戦闘機』と言えるさ」
総司令の言葉が引っかかった。『まだ』とは、どういう事だ?
「…どういう事ですか?」
「まだこれは君が作ろうとしていた物の…第一形態なんだ」
そういって、総司令はある冊子を俺に渡した。表紙には『オケアノス計画』『発案 朽木光男魔力開発部門主任』
『SMF総司令認可済み』と書かれていた。
「これは?」
「君が記憶を失う前に書いた物だ…そこの3ページ目を」
開いた。
「…OG‐TX01 『SHOOTING STER』…Phase1?」
「パーソナルネーム『輝星』…その第一形態なんだよこれは」
ページをめくる。なるほど。確かにフェイズ2がある。しかし、
「結局、何ですか?」
総司令は言った。


「この世界最後の希望」
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