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第2章 騎士の夢 BLADE RUNNER
第56話 VCシステム
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「こんにちは」
暴走事故の翌日、また同じ場所で三毛猫の試験をやっていた時、ジェネレーターをモニタしていた時にそう言って来たのは、金髪の、アラストリア王立学園の制服を着た女子。名前は確か、
「リディス・マリアファスさん?」
「はい」
彼女は慣れない日本語を、がんばって話しているらしい。そう悟った俺は、
『今日も、よろしくお願いします』と、アルマニア語で答えた。
リディス・マリアファスは、目の前にいる隻眼の少年、クチキ・ミツオがアルマニア語を話したのを驚いた。
「あの、話せるのですか、アルマニア語を」
「簡単なアルマニア語なら、ただ、アルマニア語はイングリッシュと文法が似ているので。それで覚えやすかったのです」
「イングリッシュを? そういえば、あなたの出身は?」
「ニホン、ジパングです。人間界の。ニホンのキョウト、ですから私はニホン人です…イングリッシュは学校で習っていました」
彼は、比較的聞き取りやすい、ゆっくりとしたアルマニア語で答えた。
「まだ、覚えられていない単語もありますが、これから覚えます」
「それは・・・こちらこそよろしくお願いします」
「ええ」
そう言ってから彼はジャパニーズで、「昨日はすいませんでした」と言った。
「原因は分かったのですか」とリディスは聞く。
「設計ミスです。ジェネレーターの安全システムですよ。大丈夫です、もう改修は終わりました」
みると、黄色の機体の肩上にいるオークが手を振っている。
確か、機体名称はXWG-17、愛称は三毛猫。確かニホンの猫の名前、とリディスは記憶していた。
「もう改良できたのですか?」
「システムを変更しました。機体の方には一切手を加えていません…でも、機体その物の改修もしなければいけないそうで」
「具体的にはどのような?」
「詳しくは言えません。が、ここでの試験中には改修しません。次の試験地に到達するまでに近江山城で改修します」
「そうですか…そういえば、確かもう一機ありませんでしたか?」
リディアはKARAHASHI側から提出された計画表を見た。
「今日は三毛猫の試験と…KAGAYAKIHOSHIの実験を行うと」
「ええ…あれです」
隻眼の少年が指差すほうに、それはあった。
よくこの短期間で修理・改修できたな、と思った。
輝星の主翼・尾翼は特殊な物だ。
簡単に言うなら、翼の形そのものが微妙に変化するのだ。
バインダーに接続された骨格に、ウィザドニウム・アクチュエータなる、形状変化合金が布を張るように接続されている。
機体の姿勢を変えるとき、翼の形状が自動的に変更され、方向を変えるのだ。
非常に高度な技術で、その分価格も高い。かなり。
更に、その表面には六角模様に魔法浮遊術式(ウィザード・フロート)が刻まれ、例え、風が全くない状態でも垂直離陸できる。
おまけにそれを補助するため、機体中心部の内蔵型ブースター、そして後部にある四発のエンジンの内の二つが可動して、急速浮上が可能だそうだ。
まとめるなら、ぶっちゃけ滑走路無しでも離陸できると言う事だ。
これでお値段、魔力レーザー砲、魔力バルカン砲、その他もろもろの内臓装備込みでなんと一兆円!! うわあ安い(白目)
…とまあ、そんな代物が、翼を畳んだ状態で運ばれてきた。
武装はミサイル八発(中距離、長距離それぞれ四つずつ)。レーザー砲、機銃。基本的な対フリークス戦仕様だ。
「あれが? 戦闘機のようですが」
「ええ、戦闘機、の筈です、ええ」
製造目的が不明だから結局何なのかが分からないなんて口が裂けてもいえない。
一応、フェイズ2がロボットだから、人型機動兵器だとは思うが。しかしなんで作ったのかが分からない。いまだに、
「三毛猫と、あの輝星の実地試験が、我々の目的です」
「しかし、最新式の十五式は昨年ロールアウトしたばかりですが…もう、SMFは新型を開発しているのですか?」
「昨今の対フリークス戦は、急速に高度化しています」と、近くで無線で指示していたアヴェントが答えた。
「我々が最新の武装、システムを考案し、実用すると同時にフリークスもすぐ対抗手段を出して来る。いえ、今はむしろフリークスの方が高度な技術による攻撃をしてくる様です。故に、それを根本的から解決する兵器が模索されているのです」
「それが、あの三毛猫なのですか?」
「そう思っていただければ」
そういいながら、リディス・マリアファスとアヴェントは今日の予定を確認しだした。しかし、
…そこまで高度な戦いなのか?
十五式に限らず、WGという兵器は、人間界とあらゆる兵器と比べて非常に高性能だ。
戦艦なみの装甲を持ち、航空機並みの速さを持って、さらに装備の換装するだけで様々な任務に対応可能だ。
陸海空におけるあらゆる兵器の役割を、WGはできるのだ。それなのに、それでもフリークスに打ち勝てないのか。
一度、戦った事があるが、しかしそこまで脅威には思えなかったが。
と、そんな事を思いつつ、俺は輝星の方に行った。
輝星は、いくつかの改修が成されていた。
まず、着陸時に機体各部に設置された、減衰術式装置。これは着陸時に作動し、減衰術式を発動させて機体を減速させる。そして、
「コミュニケーションシステム?」
「ええ、それも機体制御システムとの」
端末を片手に、スカートに半そでというラフな格好の茜はそう言った。
「今、イラクスが調整を行ってる最中。なんでも、輝星を近江山城から出すとき、システムをスキャンして、その時初めてその存在が明らかになったって」
「何らかの条件が必要だったんだろう、それが達成されたからでたんだ」
「光男君もそう思う? でもその条件がなんなのか」
「さあな、そのうちわかるだろう。で、そのコミュニケーションシステムとは何なんだ?」
「文字通り、機体の制御コンピュータとの、音声によるコミュニケーションができるシステム。様はコンピュータが喋る」
「よくあるよなそういうの…」
ZOEのエイダといい『敵は海賊』のラジェンドラといい。
「まあ、俺が作りそうな奴だな、で、使えるのか?」
「今、それをイラクスが調べている最中なんだけど…イラクス、どう?」
すると、ハッチから顔だけだしてイラクスが答えた。
「あとちょっと待ってください、音声システムのインストールが…たったいま終わりました。朽木さん、来てくれますか?」
「ああ」
機体に取り付けられた乗降用ラダーを登って、コックピットに入る。後席にはイラクスが座っていた。
「どんな感じのシステムなんだ?」
「機体の制御をスムーズにする為のものらしいです。CCCとパイロットにおける相互音声コミュニケーションシステムということらしいですが、私にはさっぱり」
「戦闘機動時の事を考えたんだろうか、戦闘時に計器ばかり見ていられないから作ったのか?」
戦闘中、いちいちレーダー見ている暇無いし。
「多分、機体の状況やら敵の情報を音声で伝え、更にパイロットからの音声コントロールもできるようにするシステムだろう…これ、今起動できる?」
「はい」
後席の方で、イラクスが端末を叩く音がして、メイン画面に、
<VCシステム起動中>
と出た。そして、
『ボイスコミュニケーションシステム起動、確認』
合成音声が機体のスピーカーから流れた、女の声だった。
『おはようございます、CCC‐EX00、パーソナルネーム・輝星です』
喋った。
「うわあ喋りましたよこれ!!」
後席、イラクスが驚いた。彼女にとっては機械が喋ることがもの珍しかったらしい。
「これ、どうやって声作ってるんでしょうか?」
「合成音声だよ。人間の声を合成して声を作っているんだ」
「ああ、確か初○ミクとかいう、あの」
「……」
亜界にも知られてるのか○音ミク。
しかし、妙に機械っぽさが感じられないのだが気のせいか?
と、そう思った時、ピピ、という音とともに、『輝星』が声を上げた。
『発声システムのテストを開始します』
「発声システムのテスト?」
それはなんだろうかと思った瞬間、答えが来た。
『鳥泣く声す(とりなくこゑす)、夢覚ませ(ゆめさませ)、見よ明け渡る(みよあけわたる)、東を(ひんかしを)、空色映えて(そらいろはえて)、沖つ辺に(おきつへに)、帆船群れゐぬ(ほふねむれゐぬ)、靄の中(もやのうち)、』
「…鳥啼歌(とりなくうた)!?」
暴走事故の翌日、また同じ場所で三毛猫の試験をやっていた時、ジェネレーターをモニタしていた時にそう言って来たのは、金髪の、アラストリア王立学園の制服を着た女子。名前は確か、
「リディス・マリアファスさん?」
「はい」
彼女は慣れない日本語を、がんばって話しているらしい。そう悟った俺は、
『今日も、よろしくお願いします』と、アルマニア語で答えた。
リディス・マリアファスは、目の前にいる隻眼の少年、クチキ・ミツオがアルマニア語を話したのを驚いた。
「あの、話せるのですか、アルマニア語を」
「簡単なアルマニア語なら、ただ、アルマニア語はイングリッシュと文法が似ているので。それで覚えやすかったのです」
「イングリッシュを? そういえば、あなたの出身は?」
「ニホン、ジパングです。人間界の。ニホンのキョウト、ですから私はニホン人です…イングリッシュは学校で習っていました」
彼は、比較的聞き取りやすい、ゆっくりとしたアルマニア語で答えた。
「まだ、覚えられていない単語もありますが、これから覚えます」
「それは・・・こちらこそよろしくお願いします」
「ええ」
そう言ってから彼はジャパニーズで、「昨日はすいませんでした」と言った。
「原因は分かったのですか」とリディスは聞く。
「設計ミスです。ジェネレーターの安全システムですよ。大丈夫です、もう改修は終わりました」
みると、黄色の機体の肩上にいるオークが手を振っている。
確か、機体名称はXWG-17、愛称は三毛猫。確かニホンの猫の名前、とリディスは記憶していた。
「もう改良できたのですか?」
「システムを変更しました。機体の方には一切手を加えていません…でも、機体その物の改修もしなければいけないそうで」
「具体的にはどのような?」
「詳しくは言えません。が、ここでの試験中には改修しません。次の試験地に到達するまでに近江山城で改修します」
「そうですか…そういえば、確かもう一機ありませんでしたか?」
リディアはKARAHASHI側から提出された計画表を見た。
「今日は三毛猫の試験と…KAGAYAKIHOSHIの実験を行うと」
「ええ…あれです」
隻眼の少年が指差すほうに、それはあった。
よくこの短期間で修理・改修できたな、と思った。
輝星の主翼・尾翼は特殊な物だ。
簡単に言うなら、翼の形そのものが微妙に変化するのだ。
バインダーに接続された骨格に、ウィザドニウム・アクチュエータなる、形状変化合金が布を張るように接続されている。
機体の姿勢を変えるとき、翼の形状が自動的に変更され、方向を変えるのだ。
非常に高度な技術で、その分価格も高い。かなり。
更に、その表面には六角模様に魔法浮遊術式(ウィザード・フロート)が刻まれ、例え、風が全くない状態でも垂直離陸できる。
おまけにそれを補助するため、機体中心部の内蔵型ブースター、そして後部にある四発のエンジンの内の二つが可動して、急速浮上が可能だそうだ。
まとめるなら、ぶっちゃけ滑走路無しでも離陸できると言う事だ。
これでお値段、魔力レーザー砲、魔力バルカン砲、その他もろもろの内臓装備込みでなんと一兆円!! うわあ安い(白目)
…とまあ、そんな代物が、翼を畳んだ状態で運ばれてきた。
武装はミサイル八発(中距離、長距離それぞれ四つずつ)。レーザー砲、機銃。基本的な対フリークス戦仕様だ。
「あれが? 戦闘機のようですが」
「ええ、戦闘機、の筈です、ええ」
製造目的が不明だから結局何なのかが分からないなんて口が裂けてもいえない。
一応、フェイズ2がロボットだから、人型機動兵器だとは思うが。しかしなんで作ったのかが分からない。いまだに、
「三毛猫と、あの輝星の実地試験が、我々の目的です」
「しかし、最新式の十五式は昨年ロールアウトしたばかりですが…もう、SMFは新型を開発しているのですか?」
「昨今の対フリークス戦は、急速に高度化しています」と、近くで無線で指示していたアヴェントが答えた。
「我々が最新の武装、システムを考案し、実用すると同時にフリークスもすぐ対抗手段を出して来る。いえ、今はむしろフリークスの方が高度な技術による攻撃をしてくる様です。故に、それを根本的から解決する兵器が模索されているのです」
「それが、あの三毛猫なのですか?」
「そう思っていただければ」
そういいながら、リディス・マリアファスとアヴェントは今日の予定を確認しだした。しかし、
…そこまで高度な戦いなのか?
十五式に限らず、WGという兵器は、人間界とあらゆる兵器と比べて非常に高性能だ。
戦艦なみの装甲を持ち、航空機並みの速さを持って、さらに装備の換装するだけで様々な任務に対応可能だ。
陸海空におけるあらゆる兵器の役割を、WGはできるのだ。それなのに、それでもフリークスに打ち勝てないのか。
一度、戦った事があるが、しかしそこまで脅威には思えなかったが。
と、そんな事を思いつつ、俺は輝星の方に行った。
輝星は、いくつかの改修が成されていた。
まず、着陸時に機体各部に設置された、減衰術式装置。これは着陸時に作動し、減衰術式を発動させて機体を減速させる。そして、
「コミュニケーションシステム?」
「ええ、それも機体制御システムとの」
端末を片手に、スカートに半そでというラフな格好の茜はそう言った。
「今、イラクスが調整を行ってる最中。なんでも、輝星を近江山城から出すとき、システムをスキャンして、その時初めてその存在が明らかになったって」
「何らかの条件が必要だったんだろう、それが達成されたからでたんだ」
「光男君もそう思う? でもその条件がなんなのか」
「さあな、そのうちわかるだろう。で、そのコミュニケーションシステムとは何なんだ?」
「文字通り、機体の制御コンピュータとの、音声によるコミュニケーションができるシステム。様はコンピュータが喋る」
「よくあるよなそういうの…」
ZOEのエイダといい『敵は海賊』のラジェンドラといい。
「まあ、俺が作りそうな奴だな、で、使えるのか?」
「今、それをイラクスが調べている最中なんだけど…イラクス、どう?」
すると、ハッチから顔だけだしてイラクスが答えた。
「あとちょっと待ってください、音声システムのインストールが…たったいま終わりました。朽木さん、来てくれますか?」
「ああ」
機体に取り付けられた乗降用ラダーを登って、コックピットに入る。後席にはイラクスが座っていた。
「どんな感じのシステムなんだ?」
「機体の制御をスムーズにする為のものらしいです。CCCとパイロットにおける相互音声コミュニケーションシステムということらしいですが、私にはさっぱり」
「戦闘機動時の事を考えたんだろうか、戦闘時に計器ばかり見ていられないから作ったのか?」
戦闘中、いちいちレーダー見ている暇無いし。
「多分、機体の状況やら敵の情報を音声で伝え、更にパイロットからの音声コントロールもできるようにするシステムだろう…これ、今起動できる?」
「はい」
後席の方で、イラクスが端末を叩く音がして、メイン画面に、
<VCシステム起動中>
と出た。そして、
『ボイスコミュニケーションシステム起動、確認』
合成音声が機体のスピーカーから流れた、女の声だった。
『おはようございます、CCC‐EX00、パーソナルネーム・輝星です』
喋った。
「うわあ喋りましたよこれ!!」
後席、イラクスが驚いた。彼女にとっては機械が喋ることがもの珍しかったらしい。
「これ、どうやって声作ってるんでしょうか?」
「合成音声だよ。人間の声を合成して声を作っているんだ」
「ああ、確か初○ミクとかいう、あの」
「……」
亜界にも知られてるのか○音ミク。
しかし、妙に機械っぽさが感じられないのだが気のせいか?
と、そう思った時、ピピ、という音とともに、『輝星』が声を上げた。
『発声システムのテストを開始します』
「発声システムのテスト?」
それはなんだろうかと思った瞬間、答えが来た。
『鳥泣く声す(とりなくこゑす)、夢覚ませ(ゆめさませ)、見よ明け渡る(みよあけわたる)、東を(ひんかしを)、空色映えて(そらいろはえて)、沖つ辺に(おきつへに)、帆船群れゐぬ(ほふねむれゐぬ)、靄の中(もやのうち)、』
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