では、復讐するか

らがまふぃん

文字の大きさ
22 / 33

幕間

しおりを挟む
やっぱり王太子リスラン様は、こんな人です。


*∽*∽*∽*∽*


ノヴァがスウィーディーを追い詰めているのを見つめていた。
邪魔をしてはいけないと、リスランたちは口を噤む。
墓穴を掘り続け、ノヴァに煽られ続けたスウィーディーが、ついにキレた。

常軌を逸した発言をし出したのだ。

「違うって言ってるだろ!あたしたちは真実の愛で結ばれているんだ!!」

真実の愛、と聞いた王太子リスランは、顔を片手で覆っていた。
色々頑張ってくれたノヴァには悪いが、本当にすべてをブチ壊してしまいたくなる衝動に駆られ、隣に座るユセフィラの香りで少しでも自分を落ち着かせようと、奮闘していた。

殺したいいやダメだここは我慢しなくてはユフィのこと可愛いユフィのこと愛しいユフィのこと尊いユフィのことだけを考えろ大丈夫オレにはユフィ女神がついている大丈夫大丈夫大丈夫

「入学式で、新入生として代表の挨拶をしていたリスラン様と目が合ったのよ!その時、リスラン様は少し驚いた顔をされた後、柔らかく微笑んでくれた!それはあたしという運命を見つけたから!」

貴様など視界の隅にも入っとらんわ女神が降臨したら驚くだろ普通それがユフィだとわかってニヤけるに決まってるわだから貴様なんぞ視界の隅にも入っとらんわユフィという運命しかねーわ入ってくるな汚らわしい呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ

さらに、空き教室でつらそうな顔云々の話では、

いつのどの話だよ空き教室でユフィと二人きりなんてよくありすぎてわかんねーし女神で天使のユフィと二人きりだぞ本能の暴走押さえるのに理性総動員させてるんだつらくないわけねーだろそんなこともわかんねーのかってゆーかユフィの正体って何だ女神か天使か知ってるわボケおまけにユフィをその女呼ばわりだと息の根止まれゴミカスがだがユフィの名を呼ぶことすら許し難いクソッ

と、どんどん心の声が乱れまくっていた。
そんなスウィーディーへの殺意を抑えるために、ガクガクと震えるリスランを、側近候補三人は小声で応援する。

殿下、ワーテラー公爵令嬢様がご心配されている。耐えて。
殿下、思い出して、ワーテラー公爵令嬢様との幸せな日々を。耐えて。
殿下、殿下の隣にいる方はどなたですか?耐えて。

コクコクと何とか頷き、血走った目でユセフィラを見ると、心配そうに眉を下げるユセフィラが、
「もう少しですよ、リン様」
そう小声で耳打ちをしてくれた。公の場で、ユセフィラがリスランの名を呼ぶことは滅多にない。愛称で呼んでくれることはもっとない。先程とは違った意味で理性を総動員させねばならなくなったが、完全に頭からスウィーディーのことは消え去ってくれたようだ。
だだ漏れだった殺気が、お花畑が見えるほどフローラルに変わっている。

最後の悪あがきのように、ユセフィラを悪女だ悪魔だと罵っていたことに関しても、

悪女のユフィ、そう、オレの心を掴んで離さない、言葉ひとつでオレを振り回す、まさしく悪女。
悪魔のユフィ、そう、オレの思考を奪い尽くし、ユフィのこと以外何も考えられなくさせる、正しく悪魔。
悪女で悪魔で天使で女神。
ああ、ユフィ、なんて罪深いんだ、ユフィ。

と、完全に脳ミソが溶けていた。
何にせよ、パーティー会場が血塗れになることを回避出来て、アサトたちは胸を撫で下ろす。
このような席ではなかったら、スウィーディーはどうなっていたのだろう。
ご想像にお任せする。



*本編へ続く*
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

【完結】私に可愛げが無くなったから、離縁して使用人として雇いたい? 王妃修行で自立した私は離縁だけさせてもらいます。

西東友一
恋愛
私も始めは世間知らずの無垢な少女でした。 それをレオナード王子は可愛いと言って大層可愛がってくださいました。 大した家柄でもない貴族の私を娶っていただいた時には天にも昇る想いでした。 だから、貴方様をお慕いしていた私は王妃としてこの国をよくしようと礼儀作法から始まり、国政に関わることまで勉強し、全てを把握するよう努めてまいりました。それも、貴方様と私の未来のため。 ・・・なのに。 貴方様は、愛人と床を一緒にするようになりました。 貴方様に理由を聞いたら、「可愛げが無くなったのが悪い」ですって? 愛がない結婚生活などいりませんので、離縁させていただきます。 そう、申し上げたら貴方様は―――

【完結】私が重すぎ?軽い方だと思いますが、そう仰るなら婚約破棄を受け入れます。 それなのに、あなたはなぜ私に付きまとうのですか?

西東友一
恋愛
「お前、重すぎんだよ」  婚約したら将来の話をするのは当然だと思っていたジャンヌは、婚約者のジェダインに婚約破棄を言い渡されてしまう。しかし、しばらくしてジェダインが寄りを戻そうと行ってきて――― ※※ 元サヤが嫌いな方、女主人公がハーレムっぽくなるのが嫌いな方、恋愛は王道以外は認めない方はご遠慮ください。 最後のオチに「えーーっ」となるかもしれませんし、「ふっ」となるかもしれません。 気楽にお読みください。 この作品に関して率直な感想を言いたくなったら、否定的な意見でも気軽に感想を書いてください。 感想に関して返信すると、気を遣って自由に言いたいことを言えなくなるかもしれないので、この作品の感想の返信は一律でしませんので、ご容赦ください。

【完結】なんで、あなたが王様になろうとしているのです?そんな方とはこっちから婚約破棄です。

西東友一
恋愛
現国王である私のお父様が病に伏せられました。 「はっはっはっ。いよいよ俺の出番だな。みなさま、心配なさるなっ!! ヴィクトリアと婚約関係にある、俺に任せろっ!!」  わたくしと婚約関係にあった貴族のネロ。 「婚約破棄ですわ」 「なっ!?」 「はぁ・・・っ」  わたくしの言いたいことが全くわからないようですね。  では、順を追ってご説明致しましょうか。 ★★★ 1万字をわずかに切るぐらいの量です。 R3.10.9に完結予定です。 ヴィクトリア女王やエリザベス女王とか好きです。 そして、主夫が大好きです!! 婚約破棄ざまぁの発展系かもしれませんし、後退系かもしれません。 婚約破棄の王道が好きな方は「箸休め」にお読みください。

【26話完結】日照りだから帰ってこい?泣きつかれても、貴方のために流す涙はございません。婚約破棄された私は砂漠の王と結婚します。

西東友一
恋愛
「やっぱり、お前といると辛気臭くなるから婚約破棄な?あと、お前がいると雨ばっかで気が滅入るからこの国から出てってくんない?」 雨乞いの巫女で、涙と共に雨を降らせる能力があると言われている主人公のミシェルは、緑豊かな国エバーガーデニアの王子ジェイドにそう言われて、婚約破棄されてしまう。大人しい彼女はそのままジェイドの言葉を受け入れて一人涙を流していた。  するとその日に滝のような雨がエバーガーデニアに降り続いた。そんな雨の中、ミシェルが泣いていると、一人の男がハンカチを渡してくれた。 ミシェルはその男マハラジャと共に砂漠の国ガラハラを目指すことに決めた。 すると、不思議なことにエバーガーデニアの雨雲に異変が・・・  ミシェルの運命は?エバーガーデニアとガラハラはどうなっていくのか?

【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。

西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。 路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。 実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく――― ※※ 皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。 本当にありがとうございました。

わたくし、悪女呼ばわりされているのですが……全力で反省しておりますの。

月白ヤトヒコ
恋愛
本日、なんの集まりかはわかりませんが、王城へ召集されておりますの。 まあ、わたくしこれでも現王太子の婚約者なので、その関連だと思うのですが…… 「父上! 僕は、こんな傲慢で鼻持ちならない冷酷非道な悪女と結婚なんかしたくありません! この女は、こともあろうに権力を使って彼女を脅し、相思相愛な僕と彼女を引き離そうとしたんですよっ!? 王妃になるなら、側妃や愛妾くらいで煩く言うのは間違っているでしょうっ!?」 と、王太子が宣いました。 「どうやら、わたくし悪女にされているようですわね。でも、わたくしも反省しておりますわ」 「ハッ! やっぱりな! お前は僕のことを愛してるからな!」 「ああ、人語を解するからと人並の知性と理性を豚に求めたわたくしが悪かったのです。ごめんなさいね? もっと早く、わたくしが決断を下していれば……豚は豚同士で娶うことができたというのに」 設定はふわっと。

【完結済】25年目の厄災

恋愛
生まれてこの方、ずっと陽もささない地下牢に繋がれて、魔力を吸い出されている。どうやら生まれながらの罪人らしいが、自分に罪の記憶はない。 だが、明日……25歳の誕生日の朝には斬首されるのだそうだ。もう何もかもに疲れ果てた彼女に届いたのは…… 25周年記念に、サクッと思い付きで書いた短編なので、これまで以上に拙いものですが、お暇潰しにでも読んで頂けたら嬉しいです。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

処理中です...