愛を知らない者たちの愛

らがまふぃん

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 「今回は随分早くみつかったなあ。調子に乗って魔力解放したからかなあ」
 いい気分だった。さらにいい気分になれるものが来た。かさねはご満悦だ。
 「襲様、髪、切られたんですね」
 「爽やかじゃん。あは、オレたちから対極の言葉だけど」
 「似合わない?」
 自身の髪をツンツンと引っ張る襲に、二人は言った。
 「とてもよくお似合いです」
 「イッケメーン、襲」
 襲の口元は妖艶に弧を描いている。早く殺ろう、そう言っている。
 お互い微笑み合う。
 そして唐突に始まった。
 濃密な魔力を纏い、武器も魔力武器も魔法も、躊躇いなく襲にぶつける。けれど襲は剣一本で易々と防いでいく。そんな攻防を繰り返す内に、襲は気付く。
 徐々に威力が上がっている。
 「らあっ!」
 ジョザイアの声と共に、襲の剣が押し切られ、腕ごと跳ね上げられた。ガラ空きになった懐に、ベロニカが短剣を突き立てた。しかし一瞬早く襲が後ろに跳んだ。
 「だあっ、クソッ!」
 「チッ!」
 二人はいけると思っただけに、大いに落胆した。
 しかし、襲は声を出して笑った。二人はギョッとして襲を見る。軽く声を出して笑うことはあった。だが、こんなにも楽しそうに笑っているのを見たことがなかったからだ。
 「いい。本当に素晴らしい。この短期間で。ああ、たまらない。たまらないよ」
 襲は悦びに震えた。
 「見て、ボクの手。震えている」
 興奮したように、襲の声が上擦っている。
 「一段、いや、まだ余裕がありそうだったね。二段階上げよう。さあ、ボクの利き手だよ」
 襲は右手の剣を、左手に持ち替えた。
 着いて来てね。



 抉られた脇腹を押さえながら、ハッハッと浅い呼吸を繰り返す。
 「ああ、ダメだよベロニカ」
 襲は背後からベロニカを抱き締める。
 「そんな顔して。誘っているの?」
 利き手になった襲に、手も足も出なかった。一瞬でベロニカは脇腹をもっていかれた。ジョザイアは両目を潰された上、脳振盪をおこして気を失っている。
 襲はベロニカの抉れた脇腹を握る。
 「うああ゛あ゛あ゛あっ!」
 「たまらない、ベロニカ」
 耳をねぶられ、ベロニカは痛みと悦びで気が狂いそうだった。
 「あ゛、ぐ、か、かさね、さまっ」
 丁度台のようになった瓦礫に、上半身を俯せに押さえつけたベロニカのズボンと下着をずり下ろす。何の前戯もないままに、襲は己を突き入れた。
 「ぅぎっあ゛っ、あぐっ」
 痛みに意識が遠のきかける。処女の証が腿を伝う。襲はベロニカの口に指を突っ込み、舌を歯列を優しく撫で回す。そして躊躇いもなく腰を激しく動かす。
 ベロニカは苦悶の声しか出ない。それでも心は悦びに溢れている。襲に犯され、悦んでいる。
 「ベロニカ、ほら、ちゃんとボクの指を舐めて」
 ギチ、と脇腹に爪を立てる。
 「ふぐうぅっ」
 「ああ、締まった。そう、ベロニカは痛いのが好きなの」
 「あ、あ、ぅああ」
 涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で、喘ぐことしか出来ない。
 「可愛いね、ベロニカ。もっともっと痛くしてあげよう」
 襲はベロニカの背に覆い被さると、耳元で甘く囁いた。
 「狂え、ベロニカ」


 *つづく*
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