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第11話 ルシファー視点
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「来るな!化け物!」
「恐ろしいわ!あの赤い目。なんて忌々しい。」
恐怖で怯える目を向ける人間。
「っっ…あぁっん、あっ、もっと…。」
快楽にに溺れ恍惚と死んで行く女達。
これが人間だ。
死のうが怖がられようがどうでもいい。
人間は食事であってそれ以下になることがあってもそれ以上になる事はない。
そのはずだ、だが、俺は何をためらってる。
ルシファーは気絶してしまった1人の女を見つめていた。真っ白な肌が赤く染まり長い真っ白な白い髪が広がるその様子は美しい。
ルシファーは髪を1束掴みそっと口付ける。
めちゃくちゃにこいつの血を吸って快楽に溺れる姿を見たい。その気持ちは殺してしまいそうなほどなのに、何故、殺せない?
わからない…。
「んっ…ルシファー、様?」とエメラルド色の瞳が開からえる。
「…誰が勝手に、気絶していいと言った?」
ルシファーがスッとリリアナの首筋に触れればびくんと肩を跳ねらせ顔を林檎のように赤くする。
「ごめんなさいっ!」と涙目で謝るその姿にルシファーは言い得ない感情を抱く。
「今度は、気絶するなよ?」とリリアナの首に噛み付く。リリアナはその牙から逃れようとするが叶うはずもなく、必死に毒に耐える。
「ルッ、ルシファー様…。」とリリアナがルシファーの頬に触れる。
「どう、なされたのですか?」
ルシファーはその言葉が理解できず一瞬固まる。
「…意味がわからないな。」
「お辛そう、です。私に何かできることがあればお話しください。」
こいつはなんだ?
今、俺に血を吸われて抵抗までしているくせに、何故、俺を気にかけ心配する?
わからない。こいつは、なんなんだ?
「…随分余裕そうだな。」とルシファーはリリアナの肩、お腹、内腿と牙を立てる血を吸っていく。
「おやめください…!っぁ。っんぁっっっ~。」
このまま、こいつの血を吸い尽くしたらこのイライラもよくわからないこの気持ちもなくなるか?
「あっ!だめっ…それ以上吸わないでくさい……。」と最後の言葉は蚊が泣くように小さくなる。
リリアナの顔色が真っ白を通り越し真っ青になる。
あと少し、この女の血を吸えばこの脆い生き物は死ぬ。
「…ルシファー様。」
ルシファーはリリアナの目尻から落ちる涙を舐めとる。
「甘いな…。」
ルシファーはリリアナの傷口を綺麗に舐めていく。
「ルシファー様…ありがとうございます。」とリリアナが弱々しく微笑む。
「…聖女様は馬鹿なのか?今俺に血を吸われて死にかけたばかりだろう?」
「…でも、ルシファー様はそれをしませんでした。いつでも、殺せるはずなのに、貴方は私を殺さない。だって、ルシファー様はこんなにも心が暖かく優しい方です。」とリリアナはルシファーの胸に手を当てながら優しく笑う。
「俺は、人間を殺してきたそれでも、そんな呑気なことが言えるか?」と不敵に笑う。
「…罪は消えません。私も昔、大きな罪をおかしました。しかし、主は私を見捨てませんでした。ルシファー様、一緒に乗り越えましょう。私も主も決して見捨てません。」
その瞳はまっすぐで全てを飲み込んでしまいそうなほど深い。
「…頭がお花畑だな。」と馬鹿にしたように笑う。「同情は身を滅ぼす。いつか、聖女様も逃げるだろう。」とルシファーは無意識にリリアナの手首を握る。
「ルシファー様は寂しかったのですね。」
ルシファーは目を見開いたあと意味がわからないとばかりに怪訝な顔をする。
こいつは馬鹿なのか?
「とんだお花畑だな。」
「私にルシファー様の御心をお救いすることはできませんか?私がルシファー様の側にいてはダメですか?」
沈黙が続き、突然「…くくくっ。」と可笑しそうに笑う。
そして、いつものようにニヤリと怪しく笑うのだ。
「お前はもう俺のものだ。だが、そこまで言うのなら吸血鬼を側に置く事がどういう事なのかたっぷり教えてやる。リリアナ。」とルシファーはリリアナのおでこにキスを落とす。
驚いた顔をするかと見ればその瞳はキラキラと輝いていた。
「名前…!初めて読んでくださいましたね!」
こいつは、どこまでも聖女だな。
俺みたいな悪ですら懐に入れようとする。
「本当に、飽きないな。お前は。」
そんな、ルシファーの呟きは喜びに震えているルシファーには届かなかった。
「ご褒美にたっぷり可愛がってやりたいが、人間は脆いからな今日はこれで我慢してやる。」とルシファーはリリアナを腕の中に閉じ込め抱きしめる。
いわゆる、抱き枕状態である。
リリアナは初めこそもぞもぞと抜け出そうとするが直ぐに諦め、しばらく経てば正常な寝息が聞こえてくる。
さっきまで、襲われていた相手の腕の中でよく寝られるものだ。
人間はすぐに死んでしまう。
瞬きのこの瞬間を楽しむのも悪くない。
「…面白い女だ。」
リリアナは気づいていなかったこの時にはもうすでに逃げられない猛獣の檻の中にいるのだと。
「恐ろしいわ!あの赤い目。なんて忌々しい。」
恐怖で怯える目を向ける人間。
「っっ…あぁっん、あっ、もっと…。」
快楽にに溺れ恍惚と死んで行く女達。
これが人間だ。
死のうが怖がられようがどうでもいい。
人間は食事であってそれ以下になることがあってもそれ以上になる事はない。
そのはずだ、だが、俺は何をためらってる。
ルシファーは気絶してしまった1人の女を見つめていた。真っ白な肌が赤く染まり長い真っ白な白い髪が広がるその様子は美しい。
ルシファーは髪を1束掴みそっと口付ける。
めちゃくちゃにこいつの血を吸って快楽に溺れる姿を見たい。その気持ちは殺してしまいそうなほどなのに、何故、殺せない?
わからない…。
「んっ…ルシファー、様?」とエメラルド色の瞳が開からえる。
「…誰が勝手に、気絶していいと言った?」
ルシファーがスッとリリアナの首筋に触れればびくんと肩を跳ねらせ顔を林檎のように赤くする。
「ごめんなさいっ!」と涙目で謝るその姿にルシファーは言い得ない感情を抱く。
「今度は、気絶するなよ?」とリリアナの首に噛み付く。リリアナはその牙から逃れようとするが叶うはずもなく、必死に毒に耐える。
「ルッ、ルシファー様…。」とリリアナがルシファーの頬に触れる。
「どう、なされたのですか?」
ルシファーはその言葉が理解できず一瞬固まる。
「…意味がわからないな。」
「お辛そう、です。私に何かできることがあればお話しください。」
こいつはなんだ?
今、俺に血を吸われて抵抗までしているくせに、何故、俺を気にかけ心配する?
わからない。こいつは、なんなんだ?
「…随分余裕そうだな。」とルシファーはリリアナの肩、お腹、内腿と牙を立てる血を吸っていく。
「おやめください…!っぁ。っんぁっっっ~。」
このまま、こいつの血を吸い尽くしたらこのイライラもよくわからないこの気持ちもなくなるか?
「あっ!だめっ…それ以上吸わないでくさい……。」と最後の言葉は蚊が泣くように小さくなる。
リリアナの顔色が真っ白を通り越し真っ青になる。
あと少し、この女の血を吸えばこの脆い生き物は死ぬ。
「…ルシファー様。」
ルシファーはリリアナの目尻から落ちる涙を舐めとる。
「甘いな…。」
ルシファーはリリアナの傷口を綺麗に舐めていく。
「ルシファー様…ありがとうございます。」とリリアナが弱々しく微笑む。
「…聖女様は馬鹿なのか?今俺に血を吸われて死にかけたばかりだろう?」
「…でも、ルシファー様はそれをしませんでした。いつでも、殺せるはずなのに、貴方は私を殺さない。だって、ルシファー様はこんなにも心が暖かく優しい方です。」とリリアナはルシファーの胸に手を当てながら優しく笑う。
「俺は、人間を殺してきたそれでも、そんな呑気なことが言えるか?」と不敵に笑う。
「…罪は消えません。私も昔、大きな罪をおかしました。しかし、主は私を見捨てませんでした。ルシファー様、一緒に乗り越えましょう。私も主も決して見捨てません。」
その瞳はまっすぐで全てを飲み込んでしまいそうなほど深い。
「…頭がお花畑だな。」と馬鹿にしたように笑う。「同情は身を滅ぼす。いつか、聖女様も逃げるだろう。」とルシファーは無意識にリリアナの手首を握る。
「ルシファー様は寂しかったのですね。」
ルシファーは目を見開いたあと意味がわからないとばかりに怪訝な顔をする。
こいつは馬鹿なのか?
「とんだお花畑だな。」
「私にルシファー様の御心をお救いすることはできませんか?私がルシファー様の側にいてはダメですか?」
沈黙が続き、突然「…くくくっ。」と可笑しそうに笑う。
そして、いつものようにニヤリと怪しく笑うのだ。
「お前はもう俺のものだ。だが、そこまで言うのなら吸血鬼を側に置く事がどういう事なのかたっぷり教えてやる。リリアナ。」とルシファーはリリアナのおでこにキスを落とす。
驚いた顔をするかと見ればその瞳はキラキラと輝いていた。
「名前…!初めて読んでくださいましたね!」
こいつは、どこまでも聖女だな。
俺みたいな悪ですら懐に入れようとする。
「本当に、飽きないな。お前は。」
そんな、ルシファーの呟きは喜びに震えているルシファーには届かなかった。
「ご褒美にたっぷり可愛がってやりたいが、人間は脆いからな今日はこれで我慢してやる。」とルシファーはリリアナを腕の中に閉じ込め抱きしめる。
いわゆる、抱き枕状態である。
リリアナは初めこそもぞもぞと抜け出そうとするが直ぐに諦め、しばらく経てば正常な寝息が聞こえてくる。
さっきまで、襲われていた相手の腕の中でよく寝られるものだ。
人間はすぐに死んでしまう。
瞬きのこの瞬間を楽しむのも悪くない。
「…面白い女だ。」
リリアナは気づいていなかったこの時にはもうすでに逃げられない猛獣の檻の中にいるのだと。
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