ヴァンパイアと聖女様

刹那

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第15話

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ールシファー様…?その方は誰なのですか?

ルシファーの腕に絡みつく美しい女性の腰を抱き、こちらを見向きもしない。

リリアナは不安を感じルシファー様?と手を伸ばす。
しかし、リリアナの手はルシファーに触れる前にバッチと静電気の様なものがおこり、リリアナは手を引っ込める。

『黙れ。人間ごときが…。』

なんて冷たい目だろう。
ルシファー様は、こんな目をする人だっただろうか。

リリアナはあまりのことに信じられず「ルシファー様。」と小さく蚊の鳴くような声でその名前を呼んだ。

『俺の名を呼ぶな。』とルシファーは美しい女性と消えて行った。
リリアナは声を発することも追いかけることもできず、ただルシファーの後ろ姿を見つめていた。

ルシファー…。

*****************************

「…リリ。リリアナ。」

リリアナは低く心地よい声により目を覚ました。

「…ルシファー、様…。」

あぁ、あれは夢だったのか。
だって、目は暖かいもの。

「…なぜ、泣いている。」

リリアナは初めて自分が泣いていることに気づき、その顔を見られまいとうつむき、目をこする。
しかし、その手をルシファーに掴まれ、顔を上に向かされる。

「…言っただろう。俺以外のものが傷をつけるなと。たとえ、お前でもだ。」

ルシファーはリリアナの目を少し荒っぽく、それでいて痛くならないように涙をすくう。

暖かい…。

「ルシファー様、ルシファー様…ルシファー様。」

リリアナはルシファーに抱きつき、何度も彼の名前を呼ぶ。

居なくならないで。

そう伝えたいのに、それができない。

私は、ルシファー様の食事ものだから。

「ルシファー様…。」

「何をそんなに不安がっている?」

「………………。」

リリアナはその問いに答えることができなかった。
自分でも何故こんなにも不安なのか分からないのだ。

何がこんなにも怖いのだろう。
あれはただの夢なのに。
私は…この人に必要とされたいのだろうか。
だったら何故、食事ものが嫌だと感じるのだろうか。

…わからない。

「…まぁいい。今日は仕事はいいからゆっくり休んでいろ。お前は俺の食事ものなのだから弱られては困る。」

リリアナはその言葉を聞き我に帰る。

「申し訳ありません。私はもう大丈夫ですから、ルシファー様は早くお仕事に行ってください。…セバスチャン様に叱られてしまいます!」

リリアナはそう言いながらルシファーから離れる。

「リリアナ……。」とルシファーが何か言おうとした時「ルシファー様、休憩も大概にしてください。」とタイミングよくセバスチャンが現れ連れていかれるがその目はリリアナに何か言いたそうで、しかしリリアナはそれに気づかないフリをし、「ルシファー様。お仕事がんばってください。」と笑顔で手を振る。

ルシファーがいなくなったのを確認すると、リリアナはその場に座り込む。

うまく笑えただろうか。
ルシファー様のになりたい…。
なんておこがましい考えだったのだろうか。
ルシファー様にとって私はただのだというのに。

「私はいつのまに、こんなにも欲深くなっていたのでしょう。」

あれは夢だったにしろ、いつかその時は来るのだ。
ルシファー様に大切な人ができ、その方に子供が生まれ、ルシファー様は幸せになる。

私は……。

そう考えると何故か胸が痛くなりリリアナは痛くなる胸を抑えながら、何故自分がそう思うのか考えるのをやめた。

ただ、ルシファー様が幸せになるまでのでいい。
それだけで、いい。

まだ、貴方が私の名を呼んでくれるから。
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