毒薔薇姫は運命を変える?!

刹那

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一章

1話 ~暗然~

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この世界は月の女神の保護を受けているアルテ国とカトレアの住むアース国は太陽の男神の保護を受けており、この世界は二つの大陸に分かれていた。
アース国とアルテ国にそれぞれ入り口がありそこは二つに国に真ん中にある神の住まう聖地に繋がっていると言われているがそこに足を踏み入れ返って来た人間は歴史の中でも誰1人としていない。

神の聖地…。

「…行ってみたいわ。」

カトレアは今日も大好きな本の世界に入り込んでいた。

きっと美しい景色が広がってるんだわ。

「お嬢様。馬車の準備ができましたよ。」

「ありがとう!すぐ行くわ。」

1週間に一回の特別な日。今日は太陽のように美しい婚約者に会う日なのである。

カトレアは一番のお気に入りのドレスを着て美しい宝石を付け自分を飾る。本当は、動きやすい服が好きだし宝石もあんまり好きじゃない。でも、大好きな婚約者の為ならいくらでも努力する。
彼の婚約者になって、恥をかかせないよう。将来、王妃になるという周りのプレッシャーにもたえ。厳しい教育にも耐えてきた。大変なことも沢山あるけど、学ぶことが好きだし、好きな人のためなら頑張れた。

なのに神様は残酷だ。

カトレアは2人の姿から目を離すことができないでいた。

動け。見たくない。嫌よ。と頭に中でどれだけ言い聞かせても体は動かない。足に根が生えたようだ。

太陽の化身のような少年、カトレアの婚約者であるクラウドは、愛らしい少女を自分とはまるで正反対の容姿を持った儚げでそれでいて強い意志をうつしだす瞳を見つめている。

クラウドは少女の目の前で膝をつき少女の手を取りその手に指輪をはめる。
少女は恥ずかしそうにそれでいて幸せそうに微笑む。

小鳥のさえずりがまるで2人を祝福しているようだ。
なんて、残酷までに美しい光景だろうか。

カトレアの頬に涙がひとしずく流れる。

その時だった。頭が割れるように痛み沢山の映像が滝のように流れ込む。

なにこれ…、痛い、痛い、イタイ…。

カトレアは怖くなり、もつれる足で転けないように何とか馬車まで向かう。

「お嬢様!?どうなされましたか!!」

サラ……。
せっかく新調したドレスも見せられず。
あぁ…今日の私ついてなさすぎ。

「お嬢様!お嬢様!しっかりしてください!」

心配させてしまったわね。
サラは16歳と若いのに優秀だ。
きっと、後のことは大丈夫。

カトレアはサラに抱きとめられゆっくり意識を失う。
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