3 / 48
一章
2話 ~前世の記憶~
しおりを挟む
カタカタカタカタカタ………
静かな部屋に響く無機質なパソコンの音。
「三村君、もう帰っていいわよ。」
紅音はパソコンから目を離さず、隣に座る後輩に帰るよう促す。
しかし、後輩はその場から動こうとしなかった。
「いいえ。頑張ります。」
「…………。」
うーん。三村くんは頑張り屋なんだけど、無理しすぎるからなぁ。
私が残ってるから、気にしてるんだろうか。
はぁー、仕方ない。
「私、これ終わったら帰るから。三村君も帰りましょう?」
そう言えば三村君は「はいっ!」と返事をする。
いい返事。
やっぱり、私が帰らないから気にしていたのだろう。
本当は、一緒に帰れると思い嬉しくて返事をしただけなのだが紅音には全く届いていなかった。
会社でしないといけない資料はもうやってるし取引先にも連絡したから後は家でもできるわね。
紅音は、チラッと三村を見てすぐにパソコンを閉じる。
「終わったから帰りましょうか。」
三村君はコクリと頷く。
仕事が終わり、エレベーターに三村と乗っている何故か隣から視線を感じる。
何んだろう。
何か気になることでもあったのだろうか。それとも…
「…三村君、顔に何かついてる。」
自慢じゃないが、25歳とは思えないほど肌はボロボロだ出来ればそんなに見ないでほしい。これでも、女なのだ。
「い、いえ。なにもついていません!」
「そう…。」
そんなに否定されると何だか気を使わせたみたいだ。
実際使わせてるのか?
「じゃぁ、私はこれで……。」
「あ、あの!」
タクシーを呼ぼうとした時、後ろから名前を呼ばれ振り返る。
何か言おうと口を開き、ためらったようにまた閉じ意を決したように口を開く。
「…今日、ご飯食べに行きませんか!」
紅音静かに三村のおでこに手を当てる。
「……やっぱり。三村君、熱があるわ。顔赤いみたいだし。今日はしっかり休みなさい。」
それを聞いた三村は今にも泣き出しそうな顔でバレないように笑い「はい。」と返事をした。
紅音はそれだけ言うとちょうどいいタイミングで来たタクシーにさっさと乗り込む。
やっぱり辛かったんだろうな。最後なんか目も潤んでたし、早く治れないけど。
明日プレゼンだったかしら。新人だけど彼はかなり期待できるし頑張ってほしい。
この時、三村が一世一代の告白をしようと考えていたなんて知らない紅音は呑気にそんなことを考えていた。
コンビニに寄ってもらいつまみとビールを買う。
「ただいまぁー。」
返事は道論帰って来るこちはない。
スーツを脱ぎお風呂から出てジャージを着て頭のてっぺんでだんごにし眼鏡をかけていつものオフモードである。
年々おっさん化する自分を見ないフリするのが日課にありつつあるのが辛い。
彼氏だって6年……ふっ、頭が痛いのは仕事をしすぎたせい、きっとそうだ。
ビールを飲みつまみを食べ、そして一番の癒し、本!
色んなジャンルを見るが今ハマっているのがファンタジー系の恋愛小説[初恋の貴方]である。
そこの君!今、ファンタジー?恋愛?ふっと鼻で笑った君。
馬鹿にするのはこの本を読んでからにしていただきたい。
感動、友情、恋愛、コメディーと沢山の要素が喧嘩することなく味わえる最高の本なのだ。
おっと、いつの間にか食レポならぬ本レポになっていた。
主人公は初恋の王子様と幼い頃に離れ離れになってしまう。
母親が病で倒れ、子爵家に養子として育てられ王宮で四年に一回開かれるパーティそこで初恋の王子様と再会する。
しかし、国の問題、王子の婚約者、などいろいろな障害が立ちはだかる。
そんな、障害を乗り越えることで2人の絆はどんどん深まる。
そんな時、王子の婚約者が悪魔と契約をし主人公に呪いをかけ……そして…。
「…終わり。嘘でしょ?!」
ここにきて、終わりってでも幸いなことに続きは明日発売になっている。
しかも最終回!!!
明日、残業しないでいいように今日頑張ったのだ。いくつか家に持って帰ってきたけど。
それに明日は
「…葵の誕生日だもんね。」
今年はなにがいいかな。大きなケーキでも作ろうかな。去年は得体のしれない物体?ができちゃったけど今年こそ、うまくいくはず?……はずだ!
紅音は、暇な時料理をするが味は美味しいのになぜか見た目が大変なことになるのだ。
そんな事を思いながら、下がって来る瞼と格闘していたがついに負けてしまった。
********
紅音は息苦しさで目が覚め、重たい瞼をゆっくり開くと何故かあたりは火に囲まれていた。
嘘でしょ!
起き上がろうとしたが、体に力が入らず床に倒れこむ。
「ゴホッゴホッゴホッ…」
煙を吸ってしまい。喉が焼けるように痛い。
死ぬの私…。
まだ本の続き見てない。
葵のプレゼンだって買ってない。
何て、呆気ないんだろう。
こんな死に方するなんて、葵に怒られちゃうかも。
紅音はそんな事を考えながら意識を手放した。
静かな部屋に響く無機質なパソコンの音。
「三村君、もう帰っていいわよ。」
紅音はパソコンから目を離さず、隣に座る後輩に帰るよう促す。
しかし、後輩はその場から動こうとしなかった。
「いいえ。頑張ります。」
「…………。」
うーん。三村くんは頑張り屋なんだけど、無理しすぎるからなぁ。
私が残ってるから、気にしてるんだろうか。
はぁー、仕方ない。
「私、これ終わったら帰るから。三村君も帰りましょう?」
そう言えば三村君は「はいっ!」と返事をする。
いい返事。
やっぱり、私が帰らないから気にしていたのだろう。
本当は、一緒に帰れると思い嬉しくて返事をしただけなのだが紅音には全く届いていなかった。
会社でしないといけない資料はもうやってるし取引先にも連絡したから後は家でもできるわね。
紅音は、チラッと三村を見てすぐにパソコンを閉じる。
「終わったから帰りましょうか。」
三村君はコクリと頷く。
仕事が終わり、エレベーターに三村と乗っている何故か隣から視線を感じる。
何んだろう。
何か気になることでもあったのだろうか。それとも…
「…三村君、顔に何かついてる。」
自慢じゃないが、25歳とは思えないほど肌はボロボロだ出来ればそんなに見ないでほしい。これでも、女なのだ。
「い、いえ。なにもついていません!」
「そう…。」
そんなに否定されると何だか気を使わせたみたいだ。
実際使わせてるのか?
「じゃぁ、私はこれで……。」
「あ、あの!」
タクシーを呼ぼうとした時、後ろから名前を呼ばれ振り返る。
何か言おうと口を開き、ためらったようにまた閉じ意を決したように口を開く。
「…今日、ご飯食べに行きませんか!」
紅音静かに三村のおでこに手を当てる。
「……やっぱり。三村君、熱があるわ。顔赤いみたいだし。今日はしっかり休みなさい。」
それを聞いた三村は今にも泣き出しそうな顔でバレないように笑い「はい。」と返事をした。
紅音はそれだけ言うとちょうどいいタイミングで来たタクシーにさっさと乗り込む。
やっぱり辛かったんだろうな。最後なんか目も潤んでたし、早く治れないけど。
明日プレゼンだったかしら。新人だけど彼はかなり期待できるし頑張ってほしい。
この時、三村が一世一代の告白をしようと考えていたなんて知らない紅音は呑気にそんなことを考えていた。
コンビニに寄ってもらいつまみとビールを買う。
「ただいまぁー。」
返事は道論帰って来るこちはない。
スーツを脱ぎお風呂から出てジャージを着て頭のてっぺんでだんごにし眼鏡をかけていつものオフモードである。
年々おっさん化する自分を見ないフリするのが日課にありつつあるのが辛い。
彼氏だって6年……ふっ、頭が痛いのは仕事をしすぎたせい、きっとそうだ。
ビールを飲みつまみを食べ、そして一番の癒し、本!
色んなジャンルを見るが今ハマっているのがファンタジー系の恋愛小説[初恋の貴方]である。
そこの君!今、ファンタジー?恋愛?ふっと鼻で笑った君。
馬鹿にするのはこの本を読んでからにしていただきたい。
感動、友情、恋愛、コメディーと沢山の要素が喧嘩することなく味わえる最高の本なのだ。
おっと、いつの間にか食レポならぬ本レポになっていた。
主人公は初恋の王子様と幼い頃に離れ離れになってしまう。
母親が病で倒れ、子爵家に養子として育てられ王宮で四年に一回開かれるパーティそこで初恋の王子様と再会する。
しかし、国の問題、王子の婚約者、などいろいろな障害が立ちはだかる。
そんな、障害を乗り越えることで2人の絆はどんどん深まる。
そんな時、王子の婚約者が悪魔と契約をし主人公に呪いをかけ……そして…。
「…終わり。嘘でしょ?!」
ここにきて、終わりってでも幸いなことに続きは明日発売になっている。
しかも最終回!!!
明日、残業しないでいいように今日頑張ったのだ。いくつか家に持って帰ってきたけど。
それに明日は
「…葵の誕生日だもんね。」
今年はなにがいいかな。大きなケーキでも作ろうかな。去年は得体のしれない物体?ができちゃったけど今年こそ、うまくいくはず?……はずだ!
紅音は、暇な時料理をするが味は美味しいのになぜか見た目が大変なことになるのだ。
そんな事を思いながら、下がって来る瞼と格闘していたがついに負けてしまった。
********
紅音は息苦しさで目が覚め、重たい瞼をゆっくり開くと何故かあたりは火に囲まれていた。
嘘でしょ!
起き上がろうとしたが、体に力が入らず床に倒れこむ。
「ゴホッゴホッゴホッ…」
煙を吸ってしまい。喉が焼けるように痛い。
死ぬの私…。
まだ本の続き見てない。
葵のプレゼンだって買ってない。
何て、呆気ないんだろう。
こんな死に方するなんて、葵に怒られちゃうかも。
紅音はそんな事を考えながら意識を手放した。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる