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二章
~助けられる命~
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お母様が亡くなり、これ以上死人を出したくなくて、特効薬を作ろうと部屋にこもり、2週間経っただろうか。未だに何の成果もなく無情にも時間だけが過ぎていく。
そんな時それは突然現れた。
「カトレア、俺が助けたろか?」
「だ、誰?」
声は聞こえるのに何処を見ても誰もいない。
「ここや。ここ。」
そこには黒と白の対照的な色を持った猫がいた。
「やっときついたな!」
ね、ね、ね、猫がっ……。
「喋ってる?!」
えっ?!
でも、ガイだって人になったわけだし、猫が喋るのも珍しくないの?
で、でもそんな事どの本にも、あ。
「人獣ですか?それとも、妖精?」
ガイみたいなものだろうか?それとも妖精。
確か、妖精には動物や植物の形をした者もいると本に書いてあった。でも、妖精は人間とは意思疎通ができないんと書いてあった気がするけど。
「失礼ですね!私達はもっと神聖な者です。貴女が見る事すら本当はできないのです。」
妖精さんではないようだ。
どうやら心外?だったらく黒猫が顔を背ける。
猫の姿だから可愛いだけなのだがそれを言ったら余計怒らせてしまいそうだから言わないでおく。
「あなた達は誰なの?」
「俺は一度カトレアにあってるぜ。名前はミケ。よろしくな!」
会ったことがある?いつだろう。
「バカ王子って言ってたっけな。あれは、なかなか面白かったぜ!」
もしかして…
「あの時、助けてくれた。」
「せや、あの時契約したのは、俺やで!」
あの時はとっさに契約しちゃったけど契約した後って具体的にどんなことするんだろう。
「契約って何か条件があるの?」
「さぁーな、契約なんてしたことないからな、俺自身もよくわからへんわ。」
それって、結構やばいくないですかね。
私、大変な人(猫)と契約しちゃったんだろうか。
「ほら、お前も何か言えや。」
ミケは黒猫の体に尻尾をペシペシと当てる。
黒猫は心底嫌そうにそれを払う。
「……ティナです。」
不本意ですがと顔に書いてある。
「私はカトレア・ローズです。」
「所で今カトレアは特効薬を作ろうとしてるみたいやけど、この国を襲っている病は今のカトレアじゃ、直せへん。いちゃもんつけとるわけやない。自分でも分かっとるんやろ?」
「…魔法が殆ど使えないから。だよね。」
「あぁ、そうや。」
分かっていた。
それでも、助けたかったんだ。
でも、今の自分じゃないもできない。
もどかしい。
「だから、俺が助けたるわ。」
「どうやって?」
「カトレアに出来ないことを補うおたる。ほしたら、半年あれば特効薬ができる。」
ミケが笑ったような気がした。
こんな賭けみたいなこと。
でも今はこの方法しかない。迷う時間だって惜しい。
「お願い。」
「あぁ、任せなさい。」
そこからは寝る間も惜しんで研究した。
正直言ってミケ達がいるのといないとでは実験スピードが明らかに違った。
そのお陰か当初計画していたよりも早く完成できた。
「できた。できた!ミケ、ティナ。ありがとう!ありがとう!」
「ははは、カトレアの根性甘く見てたわ。まさか、3ヶ月で完成させるとは、やっぱり面白い奴やな。」
やっと、やっと完成した。
カトレアはできたことを報告するために早速部屋を出る。
するとそこには、今にもドアを蹴ろうとしているガイが立っていた。
どうやら、でてこない私を心配してドアを蹴破ろうとしたらしい。
ガイにとりあえず、ご飯とお風呂と着替えを言い渡せれたというか脅されたというか、とにかくセバスチャンに詳細を伝えてもらい身支度を整えた所でお父様のとこに向かい、それぞれ指示に従って動き出す。
カトレアは魔法薬剤師達に薬の作り方を説明する。
「ポイントは絶対に光を入れない。温度を保つ。そして一番重要なのが素早くすることです。」
きっと大丈夫。お父様の信頼してる人達だから上手くできる。
カトレアはセバスチャンの用意してくれた馬車に乗り込む。
街からはそれほど遠くないが気持ちばかりが焦る。
馬車が止まりカトレアは勢いよく出る。
「お嬢様!」
「サラ、ごめんなさい。少し遅くなってしまったわ。」
光魔法で照らしているが、少し薄暗くなってきている。
「大丈夫です。初めの頃よりも大分落ち着いてきた所です。」
「…そう。」
広場にはいくつものテントが建ててあり、そのな中に沢山の人が横たわっていた。
これでもまだ落ち着いた方なのね。
「…さぁ、もう一踏ん張りよ。頑張りましょう。」
助ける。
助けられる命が目の前にあるのだから。
そんな時それは突然現れた。
「カトレア、俺が助けたろか?」
「だ、誰?」
声は聞こえるのに何処を見ても誰もいない。
「ここや。ここ。」
そこには黒と白の対照的な色を持った猫がいた。
「やっときついたな!」
ね、ね、ね、猫がっ……。
「喋ってる?!」
えっ?!
でも、ガイだって人になったわけだし、猫が喋るのも珍しくないの?
で、でもそんな事どの本にも、あ。
「人獣ですか?それとも、妖精?」
ガイみたいなものだろうか?それとも妖精。
確か、妖精には動物や植物の形をした者もいると本に書いてあった。でも、妖精は人間とは意思疎通ができないんと書いてあった気がするけど。
「失礼ですね!私達はもっと神聖な者です。貴女が見る事すら本当はできないのです。」
妖精さんではないようだ。
どうやら心外?だったらく黒猫が顔を背ける。
猫の姿だから可愛いだけなのだがそれを言ったら余計怒らせてしまいそうだから言わないでおく。
「あなた達は誰なの?」
「俺は一度カトレアにあってるぜ。名前はミケ。よろしくな!」
会ったことがある?いつだろう。
「バカ王子って言ってたっけな。あれは、なかなか面白かったぜ!」
もしかして…
「あの時、助けてくれた。」
「せや、あの時契約したのは、俺やで!」
あの時はとっさに契約しちゃったけど契約した後って具体的にどんなことするんだろう。
「契約って何か条件があるの?」
「さぁーな、契約なんてしたことないからな、俺自身もよくわからへんわ。」
それって、結構やばいくないですかね。
私、大変な人(猫)と契約しちゃったんだろうか。
「ほら、お前も何か言えや。」
ミケは黒猫の体に尻尾をペシペシと当てる。
黒猫は心底嫌そうにそれを払う。
「……ティナです。」
不本意ですがと顔に書いてある。
「私はカトレア・ローズです。」
「所で今カトレアは特効薬を作ろうとしてるみたいやけど、この国を襲っている病は今のカトレアじゃ、直せへん。いちゃもんつけとるわけやない。自分でも分かっとるんやろ?」
「…魔法が殆ど使えないから。だよね。」
「あぁ、そうや。」
分かっていた。
それでも、助けたかったんだ。
でも、今の自分じゃないもできない。
もどかしい。
「だから、俺が助けたるわ。」
「どうやって?」
「カトレアに出来ないことを補うおたる。ほしたら、半年あれば特効薬ができる。」
ミケが笑ったような気がした。
こんな賭けみたいなこと。
でも今はこの方法しかない。迷う時間だって惜しい。
「お願い。」
「あぁ、任せなさい。」
そこからは寝る間も惜しんで研究した。
正直言ってミケ達がいるのといないとでは実験スピードが明らかに違った。
そのお陰か当初計画していたよりも早く完成できた。
「できた。できた!ミケ、ティナ。ありがとう!ありがとう!」
「ははは、カトレアの根性甘く見てたわ。まさか、3ヶ月で完成させるとは、やっぱり面白い奴やな。」
やっと、やっと完成した。
カトレアはできたことを報告するために早速部屋を出る。
するとそこには、今にもドアを蹴ろうとしているガイが立っていた。
どうやら、でてこない私を心配してドアを蹴破ろうとしたらしい。
ガイにとりあえず、ご飯とお風呂と着替えを言い渡せれたというか脅されたというか、とにかくセバスチャンに詳細を伝えてもらい身支度を整えた所でお父様のとこに向かい、それぞれ指示に従って動き出す。
カトレアは魔法薬剤師達に薬の作り方を説明する。
「ポイントは絶対に光を入れない。温度を保つ。そして一番重要なのが素早くすることです。」
きっと大丈夫。お父様の信頼してる人達だから上手くできる。
カトレアはセバスチャンの用意してくれた馬車に乗り込む。
街からはそれほど遠くないが気持ちばかりが焦る。
馬車が止まりカトレアは勢いよく出る。
「お嬢様!」
「サラ、ごめんなさい。少し遅くなってしまったわ。」
光魔法で照らしているが、少し薄暗くなってきている。
「大丈夫です。初めの頃よりも大分落ち着いてきた所です。」
「…そう。」
広場にはいくつものテントが建ててあり、そのな中に沢山の人が横たわっていた。
これでもまだ落ち着いた方なのね。
「…さぁ、もう一踏ん張りよ。頑張りましょう。」
助ける。
助けられる命が目の前にあるのだから。
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