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三章
~友情~
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「カトレア様、ようこそお越しくださいました。」
照れたように笑うファーラをカトレアも嬉しそうに微笑む。
「およびいただけて光栄ですわ。」
「カトレア様、お時間になりましたらまたお迎えにあがりますので、お楽しみください。」
ガイはそれだけ言うと馬車に乗り帰っていった。
いつもなら絶対一緒にいるのに。
まぁ、でも…。
カトレアは足元に視線を向ける。
「へ~、お嬢さんかわええなぁ。」とファーラにデレデレするミケ。
「………ついてくるんじゃなかったわ。」ともう既にめんどくさそうなティナ。
この2人が入るからなのかもしれないが。
それにしても、ファーラにデレデレしすぎじゃないだろうか。
確かにファーラは美しいが困ってるじゃない!
まったく!
「ごめんね。ファーラ様。」
カトレアはミケを抱き上げる。
「いえ。可愛らしいですね。」
「ファーラ様の笑顔の方が可愛らしいです。」
すると何故かファーラは顔を真っ赤に染める。
「……無意識って怖いわぁ。」
ミケがボソリと呟く。
え?
な、なに?
ティナさんや、何故ジト目で見てくるの?
ミケも呆れたようにこちらを見るのやめて!
地味に傷つくから!
「か、カトレア様!お庭でお茶を飲みませんか?」
ファーラ様の自慢のお庭!
是非是非、見に行きたい!
「はい!」
「ここです。カトレア様に見せられるほど大きなお庭ではないのですが。」
確かに公爵家の庭はここの何倍もある。
でもここにも確かにファーラの優しさと愛情があった。
花たちは美しく生き生きと咲いているのだ。
「綺麗ですわ。」
「ありがとうございます。最近は向日葵を育てているのです。それがですね……。」
ファーラは嬉しそうに微笑み、花の話を楽しそうに語る。
「それでですね。カトレア様は……。」
「ねぇ。様付けやめない?私、もっと仲良くなりたいわ。ダメかしら?」
カトレアは思い切って聞いて見る。
ダメとか言われたら立ち直れないかも。
今更怖くなってきた。
「だ、ダメなんて!カトレアさ…か、か、カトレアって…いい、たいです。」
顔を真っ赤にさせ震えている。
何なんですかこれ。
可愛すぎませんかね?
大事な事なので二度いいます。
可愛すぎませんかね?!
「ファーラ!大好きよ!」
カトレアは嬉しさのあまりファーラに抱きつく。
嬉しい!
友達ができるのはこんなにも嬉しんだ。
前世では忙し過ぎて恋愛も友達すらいなかった。
だから、ファーラは初めての友達でと言うことになる。
「あらぁー、ファーラじゃないの!こんな地味な庭でなにしてるのかしら。」
この嫌味な声に聞き覚えがあった。
ルミア?
何でここに?
カトレアは頭をフル回転させる。
そう言えばルミアとファーラは親戚だ。
「お友達?そなはず無いわね。貴女みたいな不細工に友達なんてできるはず無いもの。」
ちょうど角度的にカトレアの顔は見えてないようだ。
「…お、お友達です!」
ファーラは気づけば立ち上がる叫んでいた。
足はガタガタと恐怖で震えているが、その瞳に、恐怖はうつっていなかった。
ファーラ……。
「な!貴女ごときが口答えするんじゃ無いわよ!貴女の友達なんてどうせロクでも無いのでしょうけどね。」
ファーラが口答えすると思っていなかったのかルミアは動揺するがすぐにいつもの嫌味を言う。
「私のことは悪く言っても構いません!で、でも!私のお友達の事を悪く言うことは許しません!」
ファーラはあまりの事にワナワナと震え、顔を真っ赤にさせ今にも爆発しそうだ。
「ご挨拶が遅くなりましたわ。御機嫌よう。ルミア様。」
今度は目を見開き固まる。
さっきから忙しい人だな。
「な、な、何故ここに?!」
「何故って?友達の家に行くのに理由が必要ですか?」
ルミアはさっきまで目を見開き固まっていたのに今度はニヤリと笑う。
「カトレア様、貴女のためです。その子と一緒に居るのはやめたほうがいいですわよ?その化け物はね。人を傷つけるのよ!」
ルミアはファーラを睨みつける。
ファーラを見れば顔を真っ先させ震えている。
「……カトレア…ごめ。」
「だからなんだと言うのですか?」
カトレアはファーラが謝罪を口にする前に止める。
「…なんて言いました?」
「だからなんだと言うのです?と言っているのですよ。」
ファーラは目を見開きこちらを凝視している。
「こ、これを見てもまだそんな事が言えるのかしら。」
ルミアは腕をめくる。
そこには、よく見なければ分からないほどの傷跡があった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
ファーラは何かに取り憑かれたように謝り続ける。
「ファーラ、本当?」
カトレアは目を見つめる。
「………はい。ごめんなさい。」
「聞いたでしょう!だから、カトレア様は友達なんてやめ…。」
「え?やめませわよ?」
「はっ?」
ルミアさん、令嬢なんだからそん顔したらダメじゃない。
「な、何で?」
ファーラが不思議だと言わんばかりに動揺している。
「何でって、ファーラが好きだからよ。大切な友達だから離れてなんてあげませんよ。フ、ファーラが離れてって言っても離れないんだから。」
カトレアにはどうしてもファーラが悪意でルミアに怪我をさせたとは思えないのだ。
「でも、カトレアを…怪我をさせたく無いです。」
「それでも、やめません。」
「でも……。」
でもでもでもでもって
「でもでも…五月蝿いわよ!私がいいと言ってるのだからからいいのよ!大体ね、私は貴女より強いわ。だから、簡単に怪我させられると思ったら間違いなんですから!」
「カトレア……。」
「カトレア、まるで悪役やで、その台詞。」
ミケ、ティナ距離が遠い気がするんだけど気のせいかな?
気のせいだよね?
「と、とにかく!友達をやめる気は無いし。私の大切な友達を傷つけるのでしたら私が許しませんよ。」
ルミアは何か言おうと口を開いた時どこからか笑い声が聞こえた。
「…ふっ、あはは。」
そちらに視線を向ければルイスが肩を震わせ笑っているのだ。
「お、お兄様!」
「ルイス様!」
ファーラは目を見開き。
ルミアは顔を赤くして恥じらっている様子だ。
なるほど、ルミアはルイスが好きらしい。
笑い終わったかと思うとルイスはルミアの元に向かう。
「ルミア嬢。」
「は、はいっ。」
「今日のところはお引き取り願えますか?怪我のことは本当に申し訳ありません。」
ルイスは深々と頭を下げる。
「け、怪我のことは気にしていません!失礼しました!」
ルミアは早口で言うと、どこかに逃げて行った。
「カトレア様、妹のこと感謝する。」
こっちを向いた時にはすでに無表情に戻っていた。
「感謝される様なことはしていません。それより。ファーラ、私と友達になってください。私のことは心配しないで。ただ私は貴女の本当の気持ちが知りたい。」
カトレアは改めてお願いする。
「…友達になりたい!ずっと一緒にいたいです!」
「うん!よろしくね。ファーラ。」
カトレアはファーラの涙をぬぐい微笑む。
「君は、優しい人だな。ゆっくりして行くといい。」
そう言うとルイスもどこかに立ち去っていた。
心なしか笑っているような?
と言うよりも、何と言う爆弾を落として行ったんだあの人は!
「カトレア、顔赤いですよ。」
「…………。」
ガイでイケメンに免疫がついてると思っていたが、ルイスの美貌は普段無表情が解けた時のギャップがたまらない。
あれ?
この感じ前にも……。
あ!!
そうだ!思い出した!
小説に登場していたでは無いか。
それも、私(悪役令嬢)とは敵対していはずだ。
何たって、ファーラは主人公の親友。そして、ルイスはクラウドの親友という設定だ。
主人公に叶わない恋をするルイスにドキドキさせられたなぁー。
無表情なのにたまに見せる優しさと笑顔も大好きだった!
まじかで見れるなんて幸せだ。
「カトレア?大丈夫ですか?」
「あ。ごめん。ボーとしちゃいましたわ。」
あれ?
でもいいのかな?
悪役が主人公の親友になる予定のファーラと仲良くして。
ま、いっか!
そもそも、もう友達になってるしね。
離れるつもりなんてないし!
「カトレアはお兄様の事どう思いますか?」
急に聞かれて目が点になる。
ルイス様を?
「そうですわね。素敵な人だなぁと思いますわ。」
できれば、主人公とくっついて欲しいとも思ってしまう。
ごめんよ。クラウド!
決して裏切りじゃないからね。
そういう展開もありじゃないかなって思っただけだから!
裏切りじゃないから!
と心の中で叫ぶ。
ファーラを見れば何故か嬉しそうにニヤニヤしていた。
「ファーラ、何をニヤニヤしてるの?」
「何でにありません。……お兄様、まだ見込みがありそうです!」
声が小さすぎて最後が聞こえなかった。
「カトレアがお姉様になってくれたら嬉しいです!」
「う、うん?」
ファーラの言ってる事がイマイチわからないのだが。
まぁ、ファーラが笑ってくれるならそれに越したことはない。
そして、楽しい時間ほどあっという間に立ってしまうものでもう帰る時間が来てしまった。
「また、来てくださいね。」
「うん。」
毎日でも来たいぐらいです。
「カトレアさんね?」
「リリィ、足元。しっかり見ろ。」
誰ですかこの絵画から飛び出たような美形の方は。
「お、お母様!お父様!」
よく見れば何処と無く面影がる。
ファーラは父親にでルイスは母親似だ。
兄妹で美形なのだから両親も美形だろうとは思っていたがここまでとは思わなかった。
「ファーラと仲良くしてくれて嬉しいわ!この子、貴女と会った日から貴女の話ばかりするのよ。」
「お、お母様!それは。」
ファーラは止めようとするが全部聞こえてしまった。
「凄く嬉しいです!これからもよろしくお願いします!」
「あぁ。」とファーラの父親、メイソンが優しく微笑む。
これが大人の色気というものだろうか。
「ファーラまたね。皆さんもお出迎えありがとうございました。それでは、さようなら。」
カトレアは馬車に乗り込みみんなの顔が見えなくなるまで手を振る。
あぁー、楽しかったな。
幸せだ。
でも、ファーラは傷をさせた事でずっと肩身の狭い思いをするのだろうか?
そんなの…ダメに決まってる。
あの子は優しいから、きっと我慢し続けてしまう。
その時カトレアの頭にあるアイデアが浮かんだ。
「…思いついたわ!ティナ、ミケ早速帰ったら取り掛かりましょう。」
そしてそのアイデアが沢山の人を助けることになるのはまた別のお話。
照れたように笑うファーラをカトレアも嬉しそうに微笑む。
「およびいただけて光栄ですわ。」
「カトレア様、お時間になりましたらまたお迎えにあがりますので、お楽しみください。」
ガイはそれだけ言うと馬車に乗り帰っていった。
いつもなら絶対一緒にいるのに。
まぁ、でも…。
カトレアは足元に視線を向ける。
「へ~、お嬢さんかわええなぁ。」とファーラにデレデレするミケ。
「………ついてくるんじゃなかったわ。」ともう既にめんどくさそうなティナ。
この2人が入るからなのかもしれないが。
それにしても、ファーラにデレデレしすぎじゃないだろうか。
確かにファーラは美しいが困ってるじゃない!
まったく!
「ごめんね。ファーラ様。」
カトレアはミケを抱き上げる。
「いえ。可愛らしいですね。」
「ファーラ様の笑顔の方が可愛らしいです。」
すると何故かファーラは顔を真っ赤に染める。
「……無意識って怖いわぁ。」
ミケがボソリと呟く。
え?
な、なに?
ティナさんや、何故ジト目で見てくるの?
ミケも呆れたようにこちらを見るのやめて!
地味に傷つくから!
「か、カトレア様!お庭でお茶を飲みませんか?」
ファーラ様の自慢のお庭!
是非是非、見に行きたい!
「はい!」
「ここです。カトレア様に見せられるほど大きなお庭ではないのですが。」
確かに公爵家の庭はここの何倍もある。
でもここにも確かにファーラの優しさと愛情があった。
花たちは美しく生き生きと咲いているのだ。
「綺麗ですわ。」
「ありがとうございます。最近は向日葵を育てているのです。それがですね……。」
ファーラは嬉しそうに微笑み、花の話を楽しそうに語る。
「それでですね。カトレア様は……。」
「ねぇ。様付けやめない?私、もっと仲良くなりたいわ。ダメかしら?」
カトレアは思い切って聞いて見る。
ダメとか言われたら立ち直れないかも。
今更怖くなってきた。
「だ、ダメなんて!カトレアさ…か、か、カトレアって…いい、たいです。」
顔を真っ赤にさせ震えている。
何なんですかこれ。
可愛すぎませんかね?
大事な事なので二度いいます。
可愛すぎませんかね?!
「ファーラ!大好きよ!」
カトレアは嬉しさのあまりファーラに抱きつく。
嬉しい!
友達ができるのはこんなにも嬉しんだ。
前世では忙し過ぎて恋愛も友達すらいなかった。
だから、ファーラは初めての友達でと言うことになる。
「あらぁー、ファーラじゃないの!こんな地味な庭でなにしてるのかしら。」
この嫌味な声に聞き覚えがあった。
ルミア?
何でここに?
カトレアは頭をフル回転させる。
そう言えばルミアとファーラは親戚だ。
「お友達?そなはず無いわね。貴女みたいな不細工に友達なんてできるはず無いもの。」
ちょうど角度的にカトレアの顔は見えてないようだ。
「…お、お友達です!」
ファーラは気づけば立ち上がる叫んでいた。
足はガタガタと恐怖で震えているが、その瞳に、恐怖はうつっていなかった。
ファーラ……。
「な!貴女ごときが口答えするんじゃ無いわよ!貴女の友達なんてどうせロクでも無いのでしょうけどね。」
ファーラが口答えすると思っていなかったのかルミアは動揺するがすぐにいつもの嫌味を言う。
「私のことは悪く言っても構いません!で、でも!私のお友達の事を悪く言うことは許しません!」
ファーラはあまりの事にワナワナと震え、顔を真っ赤にさせ今にも爆発しそうだ。
「ご挨拶が遅くなりましたわ。御機嫌よう。ルミア様。」
今度は目を見開き固まる。
さっきから忙しい人だな。
「な、な、何故ここに?!」
「何故って?友達の家に行くのに理由が必要ですか?」
ルミアはさっきまで目を見開き固まっていたのに今度はニヤリと笑う。
「カトレア様、貴女のためです。その子と一緒に居るのはやめたほうがいいですわよ?その化け物はね。人を傷つけるのよ!」
ルミアはファーラを睨みつける。
ファーラを見れば顔を真っ先させ震えている。
「……カトレア…ごめ。」
「だからなんだと言うのですか?」
カトレアはファーラが謝罪を口にする前に止める。
「…なんて言いました?」
「だからなんだと言うのです?と言っているのですよ。」
ファーラは目を見開きこちらを凝視している。
「こ、これを見てもまだそんな事が言えるのかしら。」
ルミアは腕をめくる。
そこには、よく見なければ分からないほどの傷跡があった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
ファーラは何かに取り憑かれたように謝り続ける。
「ファーラ、本当?」
カトレアは目を見つめる。
「………はい。ごめんなさい。」
「聞いたでしょう!だから、カトレア様は友達なんてやめ…。」
「え?やめませわよ?」
「はっ?」
ルミアさん、令嬢なんだからそん顔したらダメじゃない。
「な、何で?」
ファーラが不思議だと言わんばかりに動揺している。
「何でって、ファーラが好きだからよ。大切な友達だから離れてなんてあげませんよ。フ、ファーラが離れてって言っても離れないんだから。」
カトレアにはどうしてもファーラが悪意でルミアに怪我をさせたとは思えないのだ。
「でも、カトレアを…怪我をさせたく無いです。」
「それでも、やめません。」
「でも……。」
でもでもでもでもって
「でもでも…五月蝿いわよ!私がいいと言ってるのだからからいいのよ!大体ね、私は貴女より強いわ。だから、簡単に怪我させられると思ったら間違いなんですから!」
「カトレア……。」
「カトレア、まるで悪役やで、その台詞。」
ミケ、ティナ距離が遠い気がするんだけど気のせいかな?
気のせいだよね?
「と、とにかく!友達をやめる気は無いし。私の大切な友達を傷つけるのでしたら私が許しませんよ。」
ルミアは何か言おうと口を開いた時どこからか笑い声が聞こえた。
「…ふっ、あはは。」
そちらに視線を向ければルイスが肩を震わせ笑っているのだ。
「お、お兄様!」
「ルイス様!」
ファーラは目を見開き。
ルミアは顔を赤くして恥じらっている様子だ。
なるほど、ルミアはルイスが好きらしい。
笑い終わったかと思うとルイスはルミアの元に向かう。
「ルミア嬢。」
「は、はいっ。」
「今日のところはお引き取り願えますか?怪我のことは本当に申し訳ありません。」
ルイスは深々と頭を下げる。
「け、怪我のことは気にしていません!失礼しました!」
ルミアは早口で言うと、どこかに逃げて行った。
「カトレア様、妹のこと感謝する。」
こっちを向いた時にはすでに無表情に戻っていた。
「感謝される様なことはしていません。それより。ファーラ、私と友達になってください。私のことは心配しないで。ただ私は貴女の本当の気持ちが知りたい。」
カトレアは改めてお願いする。
「…友達になりたい!ずっと一緒にいたいです!」
「うん!よろしくね。ファーラ。」
カトレアはファーラの涙をぬぐい微笑む。
「君は、優しい人だな。ゆっくりして行くといい。」
そう言うとルイスもどこかに立ち去っていた。
心なしか笑っているような?
と言うよりも、何と言う爆弾を落として行ったんだあの人は!
「カトレア、顔赤いですよ。」
「…………。」
ガイでイケメンに免疫がついてると思っていたが、ルイスの美貌は普段無表情が解けた時のギャップがたまらない。
あれ?
この感じ前にも……。
あ!!
そうだ!思い出した!
小説に登場していたでは無いか。
それも、私(悪役令嬢)とは敵対していはずだ。
何たって、ファーラは主人公の親友。そして、ルイスはクラウドの親友という設定だ。
主人公に叶わない恋をするルイスにドキドキさせられたなぁー。
無表情なのにたまに見せる優しさと笑顔も大好きだった!
まじかで見れるなんて幸せだ。
「カトレア?大丈夫ですか?」
「あ。ごめん。ボーとしちゃいましたわ。」
あれ?
でもいいのかな?
悪役が主人公の親友になる予定のファーラと仲良くして。
ま、いっか!
そもそも、もう友達になってるしね。
離れるつもりなんてないし!
「カトレアはお兄様の事どう思いますか?」
急に聞かれて目が点になる。
ルイス様を?
「そうですわね。素敵な人だなぁと思いますわ。」
できれば、主人公とくっついて欲しいとも思ってしまう。
ごめんよ。クラウド!
決して裏切りじゃないからね。
そういう展開もありじゃないかなって思っただけだから!
裏切りじゃないから!
と心の中で叫ぶ。
ファーラを見れば何故か嬉しそうにニヤニヤしていた。
「ファーラ、何をニヤニヤしてるの?」
「何でにありません。……お兄様、まだ見込みがありそうです!」
声が小さすぎて最後が聞こえなかった。
「カトレアがお姉様になってくれたら嬉しいです!」
「う、うん?」
ファーラの言ってる事がイマイチわからないのだが。
まぁ、ファーラが笑ってくれるならそれに越したことはない。
そして、楽しい時間ほどあっという間に立ってしまうものでもう帰る時間が来てしまった。
「また、来てくださいね。」
「うん。」
毎日でも来たいぐらいです。
「カトレアさんね?」
「リリィ、足元。しっかり見ろ。」
誰ですかこの絵画から飛び出たような美形の方は。
「お、お母様!お父様!」
よく見れば何処と無く面影がる。
ファーラは父親にでルイスは母親似だ。
兄妹で美形なのだから両親も美形だろうとは思っていたがここまでとは思わなかった。
「ファーラと仲良くしてくれて嬉しいわ!この子、貴女と会った日から貴女の話ばかりするのよ。」
「お、お母様!それは。」
ファーラは止めようとするが全部聞こえてしまった。
「凄く嬉しいです!これからもよろしくお願いします!」
「あぁ。」とファーラの父親、メイソンが優しく微笑む。
これが大人の色気というものだろうか。
「ファーラまたね。皆さんもお出迎えありがとうございました。それでは、さようなら。」
カトレアは馬車に乗り込みみんなの顔が見えなくなるまで手を振る。
あぁー、楽しかったな。
幸せだ。
でも、ファーラは傷をさせた事でずっと肩身の狭い思いをするのだろうか?
そんなの…ダメに決まってる。
あの子は優しいから、きっと我慢し続けてしまう。
その時カトレアの頭にあるアイデアが浮かんだ。
「…思いついたわ!ティナ、ミケ早速帰ったら取り掛かりましょう。」
そしてそのアイデアが沢山の人を助けることになるのはまた別のお話。
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