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第一章 - 出会いと成長
28話 ダンジョンの階層を降りてみた
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さらに洞窟の奥に進むと、小さな地下湖が現れた。その水面は薄い霧がかかっており、松明の光が反射して幻想的な光景を作り出している。幻想的で不気味にも感じる光景で、息を呑む雰囲気だった。
「わぁ……キレイだけど……不気味だね」エリゼも同じ事を感じていたみたい。
「幻想的でキレイだけど、魔物が現れそうな感じがするね~」
湖のほとりを見渡すと、冒険者たちが置き去りにした古びた装備や道具が見え、ここが多くの者にとっての休息の場でもあったことがうかがえるし、ここで襲われたとも考えられる。休憩をしているところを襲われ、荷物や装備品をそのままに逃げたのかもね……。
「冒険者の装備品が、不気味に見えるね~。周りに魔物の気配は無いけど、気を付けないとね」装備品を見て、ここは危険な感じがするので、エリゼに警戒をしておくように言っておいた。
「うん。気をつける……」エリゼには、結界を張ってあるし大丈夫なんだけどねっ。
湿った洞窟は自然の息吹を感じさせる場所でありながら、常に危険と隣り合わせの緊張感が漂っている。
洞窟の壁に古びた扉を発見した。扉には苔が覆い洞窟の壁と同化しつつあった。ギギギィィ……と金属が錆びた音を洞窟内に響かせて開けた。
扉の先には暗闇が広がり、石でできた下り階段が現れ不気味な静けさと、不規則に水が滴る音がしていた。「階段があるけど……?」俺の背中に抱きついて、怯えているエリゼに聞いた。
「お兄ちゃんが決めて……お兄ちゃんなら進める気がするけど」怯えているが、好奇心の方が勝っている様子で俺に言ってきた。
時間は、まだ午前中だし……進みますかぁ~♪ レベルも順調に上がってるし。
石造りの苔が覆った階段を慎重におり、その先に古びたドアを開けると、空気はひんやりとして湿気が漂い、薄青い光が天井の隙間から漏れていた。この光が、地下林全体に幽玄な雰囲気をもたらしている。
天井から垂れ下がる巨大なツタが洞窟内を覆い、苔むした岩々が足元を不安定にしている。地面にはシダや小さな花々が咲き誇り、自然の力強さを感じさせる。
薄暗いがかなり広大さを感じる、下手に探索をすると迷い無事に帰れる気がしない。
「エリゼ、ここは近場だけにしておくかぁ……迷子になりそうだし。食料も少ないしな~」もう少し探索を続けたかったけど、食料と探索する時間が少なすぎる。帰る時間も含めて考えると……難しい。
「うん。また機会があったら来たいなぁ~」エリゼは冒険者志望だからなぁ~こういう場所が好きなんだろうな。エリゼのお父さんのセリオスさん次第かな。
「わぁっ。大きなカタツムリ……わたし、ああいうの苦手かも……っ!」
再びあーちゃんが、気づいたことを知らせてくれた。『……うぅ……ん、なんだか気配を感じるよ……。あっちも気づいちゃったみたいかも』
『気配を消すってことはさぁ、知能が高くて力もあるってことだよね? 普通の魔物じゃないってことかな……』
『一応、気をつけてくださいね……でも、レイニー様なら大丈夫だと思いますけど!』随分と、過剰評価をしてくれてるけど、俺はこの世界に来たばかりで……不安なんですけど。
近辺の探索をすると、遺跡のような場所を発見した。そこには小さな祭壇があり、その祭壇には祀られているのか封印されているのかは不明な場所があったが、それが開けられていた。
あぁ……ここで何かをしていたのか~? うぅーん……気配の性質が魔物ではなく、知能が高い……。それに悪意を感じるという事はぁ~……悪巧みをしてるってことかぁ~
気配を消してもバレバレなんだけどね、悪意に害意と殺意を感じるし。
「あのさぁ~ここでなにをしてたのかな~?」殺意のある方へ声を掛けた。
祭壇の陰からディアブロとは違い、人型の悪魔が現れた。雰囲気とオーラの感じからしてディアブロの放つ悪魔のオーラをまとっていた。
その姿は銀色の長髪が光を受けてキラキラと輝き、深紅の瞳が鋭い光を放つ。高級感あふれる黒と金の貴族衣装は、歩くたびに優雅に揺れ、豪華な装飾が一層彼の威厳を際立たせている。浅黒い肌には冷たい光が反射し、頭に生えた曲がった角が漆黒に光る。まさに高貴な悪魔の子爵といった風貌だ。
その悪魔が一瞬の沈黙を破り、低く冷ややかな声で話し始めた。「……全く、見て見ぬふりをしてその場を離れてくれればよかったのに……しかし、見つかってしまったからには、仕方ありませんね。直ぐに死ぬので、貴様たちに名乗る必要はありませんが、私は悪魔の子爵ダイモンと申します」
その言葉は、まるで氷の刃のように鋭く、周囲の者たちに恐怖と敬意を同時に抱かせるものだった。彼の姿は、まさに圧倒的な存在感と威厳を放ち、誰もがその支配力に屈するほかなさそうな感じだが……周りには俺とエリゼにあーちゃんしかいない。
うぅーん……どうやら俺たちは、死ぬらしいぞぉ? あーちゃんが焦ってないし、キケンな存在ではなさそうだけど。それに、あーちゃんと比べれば格段に格下だと分かる。
「伯爵様からお受けした大切な任務を邪魔をされて苛立っているのです、さっさと死になさい……黒炎弾!」
おっと……あーちゃんが放ってきた魔法の、だいぶ下位の魔法だなぁと見せかけて強かったりして? シンプルな魔法が強かったりするし。
確実に黒いの炎の塊が俺をめがけて飛んできた。
……あ、うん。見た目通り下位の魔法だね……。フッと息を吹きかけて消し去った。その様子を見て不思議そうな顔をしていた。
「貴様、何をした? 黒炎弾だぞ! 人間を焼き尽くす地獄の苦しみとともに、魂ごと焼き尽くす高位魔法だぞ!」ダイモンが怒り狂った表情をして怒鳴ってきた。
「その魔法よりも強力な魔法を受けたことがあるしなぁ~」と俺が言うと背中に背負われていたあーちゃんがビクッと反応をした。
「……いったい何の話をしているのですかね。そのような魔法を放てるのは上位以上の悪魔ですよ、その様な魔法を受けて無事で済むわけがございません。そんなことはありえませんが、もしも本当だとして上位以上の悪魔と対峙をして、ここに無事に存在できているわけがないでしょう……」話をしていたダイモンが、急に目を閉じ黙り頷いた。すると雰囲気が変わり、殺意が強まった。「キケンな人物と判断されたようですな。今、殺せとの命令が下りました」と言うとスッと消え、エリゼの背後に現れた。
「きゃっ!! なに? え!?」と、エリゼが悲鳴を上げた。
「わぁ……キレイだけど……不気味だね」エリゼも同じ事を感じていたみたい。
「幻想的でキレイだけど、魔物が現れそうな感じがするね~」
湖のほとりを見渡すと、冒険者たちが置き去りにした古びた装備や道具が見え、ここが多くの者にとっての休息の場でもあったことがうかがえるし、ここで襲われたとも考えられる。休憩をしているところを襲われ、荷物や装備品をそのままに逃げたのかもね……。
「冒険者の装備品が、不気味に見えるね~。周りに魔物の気配は無いけど、気を付けないとね」装備品を見て、ここは危険な感じがするので、エリゼに警戒をしておくように言っておいた。
「うん。気をつける……」エリゼには、結界を張ってあるし大丈夫なんだけどねっ。
湿った洞窟は自然の息吹を感じさせる場所でありながら、常に危険と隣り合わせの緊張感が漂っている。
洞窟の壁に古びた扉を発見した。扉には苔が覆い洞窟の壁と同化しつつあった。ギギギィィ……と金属が錆びた音を洞窟内に響かせて開けた。
扉の先には暗闇が広がり、石でできた下り階段が現れ不気味な静けさと、不規則に水が滴る音がしていた。「階段があるけど……?」俺の背中に抱きついて、怯えているエリゼに聞いた。
「お兄ちゃんが決めて……お兄ちゃんなら進める気がするけど」怯えているが、好奇心の方が勝っている様子で俺に言ってきた。
時間は、まだ午前中だし……進みますかぁ~♪ レベルも順調に上がってるし。
石造りの苔が覆った階段を慎重におり、その先に古びたドアを開けると、空気はひんやりとして湿気が漂い、薄青い光が天井の隙間から漏れていた。この光が、地下林全体に幽玄な雰囲気をもたらしている。
天井から垂れ下がる巨大なツタが洞窟内を覆い、苔むした岩々が足元を不安定にしている。地面にはシダや小さな花々が咲き誇り、自然の力強さを感じさせる。
薄暗いがかなり広大さを感じる、下手に探索をすると迷い無事に帰れる気がしない。
「エリゼ、ここは近場だけにしておくかぁ……迷子になりそうだし。食料も少ないしな~」もう少し探索を続けたかったけど、食料と探索する時間が少なすぎる。帰る時間も含めて考えると……難しい。
「うん。また機会があったら来たいなぁ~」エリゼは冒険者志望だからなぁ~こういう場所が好きなんだろうな。エリゼのお父さんのセリオスさん次第かな。
「わぁっ。大きなカタツムリ……わたし、ああいうの苦手かも……っ!」
再びあーちゃんが、気づいたことを知らせてくれた。『……うぅ……ん、なんだか気配を感じるよ……。あっちも気づいちゃったみたいかも』
『気配を消すってことはさぁ、知能が高くて力もあるってことだよね? 普通の魔物じゃないってことかな……』
『一応、気をつけてくださいね……でも、レイニー様なら大丈夫だと思いますけど!』随分と、過剰評価をしてくれてるけど、俺はこの世界に来たばかりで……不安なんですけど。
近辺の探索をすると、遺跡のような場所を発見した。そこには小さな祭壇があり、その祭壇には祀られているのか封印されているのかは不明な場所があったが、それが開けられていた。
あぁ……ここで何かをしていたのか~? うぅーん……気配の性質が魔物ではなく、知能が高い……。それに悪意を感じるという事はぁ~……悪巧みをしてるってことかぁ~
気配を消してもバレバレなんだけどね、悪意に害意と殺意を感じるし。
「あのさぁ~ここでなにをしてたのかな~?」殺意のある方へ声を掛けた。
祭壇の陰からディアブロとは違い、人型の悪魔が現れた。雰囲気とオーラの感じからしてディアブロの放つ悪魔のオーラをまとっていた。
その姿は銀色の長髪が光を受けてキラキラと輝き、深紅の瞳が鋭い光を放つ。高級感あふれる黒と金の貴族衣装は、歩くたびに優雅に揺れ、豪華な装飾が一層彼の威厳を際立たせている。浅黒い肌には冷たい光が反射し、頭に生えた曲がった角が漆黒に光る。まさに高貴な悪魔の子爵といった風貌だ。
その悪魔が一瞬の沈黙を破り、低く冷ややかな声で話し始めた。「……全く、見て見ぬふりをしてその場を離れてくれればよかったのに……しかし、見つかってしまったからには、仕方ありませんね。直ぐに死ぬので、貴様たちに名乗る必要はありませんが、私は悪魔の子爵ダイモンと申します」
その言葉は、まるで氷の刃のように鋭く、周囲の者たちに恐怖と敬意を同時に抱かせるものだった。彼の姿は、まさに圧倒的な存在感と威厳を放ち、誰もがその支配力に屈するほかなさそうな感じだが……周りには俺とエリゼにあーちゃんしかいない。
うぅーん……どうやら俺たちは、死ぬらしいぞぉ? あーちゃんが焦ってないし、キケンな存在ではなさそうだけど。それに、あーちゃんと比べれば格段に格下だと分かる。
「伯爵様からお受けした大切な任務を邪魔をされて苛立っているのです、さっさと死になさい……黒炎弾!」
おっと……あーちゃんが放ってきた魔法の、だいぶ下位の魔法だなぁと見せかけて強かったりして? シンプルな魔法が強かったりするし。
確実に黒いの炎の塊が俺をめがけて飛んできた。
……あ、うん。見た目通り下位の魔法だね……。フッと息を吹きかけて消し去った。その様子を見て不思議そうな顔をしていた。
「貴様、何をした? 黒炎弾だぞ! 人間を焼き尽くす地獄の苦しみとともに、魂ごと焼き尽くす高位魔法だぞ!」ダイモンが怒り狂った表情をして怒鳴ってきた。
「その魔法よりも強力な魔法を受けたことがあるしなぁ~」と俺が言うと背中に背負われていたあーちゃんがビクッと反応をした。
「……いったい何の話をしているのですかね。そのような魔法を放てるのは上位以上の悪魔ですよ、その様な魔法を受けて無事で済むわけがございません。そんなことはありえませんが、もしも本当だとして上位以上の悪魔と対峙をして、ここに無事に存在できているわけがないでしょう……」話をしていたダイモンが、急に目を閉じ黙り頷いた。すると雰囲気が変わり、殺意が強まった。「キケンな人物と判断されたようですな。今、殺せとの命令が下りました」と言うとスッと消え、エリゼの背後に現れた。
「きゃっ!! なに? え!?」と、エリゼが悲鳴を上げた。
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