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六、餡のうまさは天下第一
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たるとを、年中を通じて用いられる伊予松山の名産としたい。それが藩主・松平定行の意向であるからには、当然、市中の菓子商たちも事に巻き込まなければならない。安左衛門では身分が足らぬし、市中にそう顔を利かせるわけにもいかぬから、差配する役を担うのは今度は勘之丞ではなく松山町奉行を務める水野新五郎である。
町奉行といえば江戸の北町奉行と南町奉行が有名であり、中でもよくその名を知られるのは遠山左衛門尉景元であるが、江戸の北町南町奉行と地方の藩の町奉行とでは、これはまったく格の違う存在であった。家中でも中位の武家が勤める役職であるに過ぎず、無論その庭に白洲などはない。
さて、新五郎の命によって集められた松山市中の菓子商たちの前に安左衛門はいた。井筒屋のあるじは当然呼ばれているし、南蛮菓子屋は松山には井筒屋より他に無かったから、他に集められたる者たちは和菓子屋である。もっとも、この時代には菓子屋というのは和菓子屋であるのが当然なのだからして、わざわざ和菓子屋とは呼ばぬ。ただの菓子屋であった。
安左衛門は菓子屋の職人たちと膝を突き合わせ、技術指導というか、わざの摺合せを行うことになった。身分は違えど、菓子に情熱を注ぐ者たちの集まりであるからして、話は色々と相通じるところがあった。新五郎の水野家の台所を借り、そこに卵や砂糖や小麦粉を持ち込んで、試作を繰り返す。餡の練り方については、専門の職人が存在し、安左衛門も身分のことは忘れてその教えを受けることになった。なかなかに、これも奥深き道である。
そして黙っているわけにもいかぬから、佐賀の小麦を使う工夫についてはこれを公けにした。いずれにせよ、安左衛門ひとりの秘中の儀としたところで、定行公の食膳以外に上げるところはないのだし、問題のないことではあった。
「佐賀の小麦ですか」
「ああ。何故かは分からぬが、佐賀の小麦を用いた方が、かすていらは柔らかく仕上がるのだ」
「御見逸れいたしましたよ、安左衛門さま。この井筒屋文左衛門、そのような工夫考えてもみませんでしたゆえ」
「いや。それも伝手があったればこそのことよ」
「御謙遜を」
安左衛門たるとの製法は完成しているのだから、これにおいて餡を用いるところのたると、それを試作すること自体はそう難しくはなかった。安左衛門が市井の職人に教えられた通りに練った粒あんを焼き立てのかすていらに薄く塗り、巻く。
「……ふむ」
美味ではあった。だが、何というか、いい加減かすていらの試しにも慣れ切っている安左衛門の感覚からいえば、どこか味に野暮ったさを感じた。まだひと工夫が足りぬ。餡の味ではない。そこではないどこかに、まだ工夫の余地があると感じられるのだ。
しばらく、安左衛門は試作の手を休め、新五郎の屋敷に人を集めるのも休止にして、市中の菓子屋を直接に訪れて歩いた。
井筒屋の厨では、若い娘が何やらたるとの試作に挑戦しているようであった。安左衛門たるとである。柚子が脇に積まれていた。娘が、安左衛門に気付く。
「これは、水野さま。ようこそお越し頂きました、少々お待ちを……」
「いや。そのままでよい。どうだ、拙者のたるとは。もう作ったか?」
「作りました」
「で、どうであった。忌憚のない意見を聞かせてくれぬか」
「わたくしは……」
「言葉を濁さずともよいぞ」
「悔しゅうございました」
「悔しい?」
「南蛮菓子なら、このわたくしが松山一の職人。そう自負しておりましたから」
「なんと。井筒屋の職人というのは……」
「父の跡を継ぎますのはこのわたくしです」
「左様か」
「これ、梅。安左衛門さまに何という口を利いておるか」
井筒屋の主人が現れた。
「いま、粗茶を入れまする」
「これはかたじけない」
ちなみに、士分であるから敬語を使われてはいるが、井筒屋は大店であり、下級武士に過ぎぬ安左衛門よりもよほど羽振りはよかった。
「この茶菓は?」
「わたくしの試作品です。名は、まだ付けておりませぬが」
「この白く、ふうわりとした餅はどのようにして作るのか」
普通なら、聞くようなことではなかった。ことに試作品の秘密などというものは。だが事情が事情である。既に、安左衛門が一命を賭して菓子作りに当たっているということ、松山城下で菓子に関わる家で知らぬ者などあるはずもなかった。人の口に戸は立たぬのである。
「……卵を用いております」
「卵を? しかし、卵を用いれば、黄色くなるであろう」
「卵を、黄色い身と白い身に分けまする。そして白い身のみを用い、これを深く泡立て、餅に混ぜて練りましたるがその餅に御座います」
この時代、卵を食する文化というのは日本に入り来たりてまだ日が浅い。工夫の余地はいくらでもあるのであった。
安左衛門は餅を一口に食い、茶を飲み干し、そしてまた厨に立った。
「見たい。見せてくれ。まず、どうやって黄色い身と白い身を分けるのだ?」
娘が、卵の殻を用いて器用に卵黄と卵白を分離させてみせた。まあ卵黄の方には卵白が多少混じるが、卵黄を割らなければ卵白は綺麗に残るのである。そこから、からざを取り除く。
卵白だけを念入りに泡立てていくと、果たして形が残るほどしっかりと泡が立った。なお、梅も安左衛門も知ることはないが、これは後世にはめれんげというものである。
卵黄を加えなくてはかすていらの色が成らないから、卵黄は卵黄で別に泡立てた。そして、別立てした卵白、卵黄を砂糖、小麦粉とともに練り混ぜ、焼く。返しをする段階から分かった。
「これは……なんという、かすていらであろうか」
「いいえ。安左衛門さま。これはもう、かすていらではありませんわ」
娘が言った。
「これは、たるとです。松山の、たるとが出来上がったのです」
この生地は冷ましてもふうわりとしていた。包みにくるんで安左衛門の家に持ち戻り、用意してあった餡を巻く。
生地がふっくらとしているので、何層も巻くことはできなかった。あえて、ゆったりと巻いた。巻き物というには巻きが浅いが、しかし確かに、美しい菓子の完成であった。食して、また、驚嘆する。
「これは……そうか。これが、殿が南蛮船で食されたという、かすていらに似たものの正体であったか」
それは明らかにかすていらではなかった。だが、当時の日本人の語彙を以って解説するのならば、かすていらと呼ぶ以外には呼びようがなかったのも事実なのであった。
例の如く、段階を踏んで上役たちがこれを試食してゆく。今回は町奉行水野新五郎もその相伴に預かった。人々は口々に、安左衛門の新作を讃えた。
そして、最後にこれを賞味することになるのはもちろん、定行公その人である。今回は、箸をつけたたるとを、定行は最後まで口にした。そして、ただ一言こう讃えた。
「天晴れである」
これが、松山にたるとという銘菓が生まれた瞬間であった。
安左衛門は以前の申し出通り士分の身を辞し、市井の菓子職人となった。そして、井筒屋の婿となってその後半生を送った。
後日。
これから半世紀ものち、元禄年間に記された津川某なる人物の『松山うまいもの尽くし』なる文献には、こうある。
「たると、あんまきにて、つぶあんのもの有之候へども、あんのうまさは天下第一に御座候」
町奉行といえば江戸の北町奉行と南町奉行が有名であり、中でもよくその名を知られるのは遠山左衛門尉景元であるが、江戸の北町南町奉行と地方の藩の町奉行とでは、これはまったく格の違う存在であった。家中でも中位の武家が勤める役職であるに過ぎず、無論その庭に白洲などはない。
さて、新五郎の命によって集められた松山市中の菓子商たちの前に安左衛門はいた。井筒屋のあるじは当然呼ばれているし、南蛮菓子屋は松山には井筒屋より他に無かったから、他に集められたる者たちは和菓子屋である。もっとも、この時代には菓子屋というのは和菓子屋であるのが当然なのだからして、わざわざ和菓子屋とは呼ばぬ。ただの菓子屋であった。
安左衛門は菓子屋の職人たちと膝を突き合わせ、技術指導というか、わざの摺合せを行うことになった。身分は違えど、菓子に情熱を注ぐ者たちの集まりであるからして、話は色々と相通じるところがあった。新五郎の水野家の台所を借り、そこに卵や砂糖や小麦粉を持ち込んで、試作を繰り返す。餡の練り方については、専門の職人が存在し、安左衛門も身分のことは忘れてその教えを受けることになった。なかなかに、これも奥深き道である。
そして黙っているわけにもいかぬから、佐賀の小麦を使う工夫についてはこれを公けにした。いずれにせよ、安左衛門ひとりの秘中の儀としたところで、定行公の食膳以外に上げるところはないのだし、問題のないことではあった。
「佐賀の小麦ですか」
「ああ。何故かは分からぬが、佐賀の小麦を用いた方が、かすていらは柔らかく仕上がるのだ」
「御見逸れいたしましたよ、安左衛門さま。この井筒屋文左衛門、そのような工夫考えてもみませんでしたゆえ」
「いや。それも伝手があったればこそのことよ」
「御謙遜を」
安左衛門たるとの製法は完成しているのだから、これにおいて餡を用いるところのたると、それを試作すること自体はそう難しくはなかった。安左衛門が市井の職人に教えられた通りに練った粒あんを焼き立てのかすていらに薄く塗り、巻く。
「……ふむ」
美味ではあった。だが、何というか、いい加減かすていらの試しにも慣れ切っている安左衛門の感覚からいえば、どこか味に野暮ったさを感じた。まだひと工夫が足りぬ。餡の味ではない。そこではないどこかに、まだ工夫の余地があると感じられるのだ。
しばらく、安左衛門は試作の手を休め、新五郎の屋敷に人を集めるのも休止にして、市中の菓子屋を直接に訪れて歩いた。
井筒屋の厨では、若い娘が何やらたるとの試作に挑戦しているようであった。安左衛門たるとである。柚子が脇に積まれていた。娘が、安左衛門に気付く。
「これは、水野さま。ようこそお越し頂きました、少々お待ちを……」
「いや。そのままでよい。どうだ、拙者のたるとは。もう作ったか?」
「作りました」
「で、どうであった。忌憚のない意見を聞かせてくれぬか」
「わたくしは……」
「言葉を濁さずともよいぞ」
「悔しゅうございました」
「悔しい?」
「南蛮菓子なら、このわたくしが松山一の職人。そう自負しておりましたから」
「なんと。井筒屋の職人というのは……」
「父の跡を継ぎますのはこのわたくしです」
「左様か」
「これ、梅。安左衛門さまに何という口を利いておるか」
井筒屋の主人が現れた。
「いま、粗茶を入れまする」
「これはかたじけない」
ちなみに、士分であるから敬語を使われてはいるが、井筒屋は大店であり、下級武士に過ぎぬ安左衛門よりもよほど羽振りはよかった。
「この茶菓は?」
「わたくしの試作品です。名は、まだ付けておりませぬが」
「この白く、ふうわりとした餅はどのようにして作るのか」
普通なら、聞くようなことではなかった。ことに試作品の秘密などというものは。だが事情が事情である。既に、安左衛門が一命を賭して菓子作りに当たっているということ、松山城下で菓子に関わる家で知らぬ者などあるはずもなかった。人の口に戸は立たぬのである。
「……卵を用いております」
「卵を? しかし、卵を用いれば、黄色くなるであろう」
「卵を、黄色い身と白い身に分けまする。そして白い身のみを用い、これを深く泡立て、餅に混ぜて練りましたるがその餅に御座います」
この時代、卵を食する文化というのは日本に入り来たりてまだ日が浅い。工夫の余地はいくらでもあるのであった。
安左衛門は餅を一口に食い、茶を飲み干し、そしてまた厨に立った。
「見たい。見せてくれ。まず、どうやって黄色い身と白い身を分けるのだ?」
娘が、卵の殻を用いて器用に卵黄と卵白を分離させてみせた。まあ卵黄の方には卵白が多少混じるが、卵黄を割らなければ卵白は綺麗に残るのである。そこから、からざを取り除く。
卵白だけを念入りに泡立てていくと、果たして形が残るほどしっかりと泡が立った。なお、梅も安左衛門も知ることはないが、これは後世にはめれんげというものである。
卵黄を加えなくてはかすていらの色が成らないから、卵黄は卵黄で別に泡立てた。そして、別立てした卵白、卵黄を砂糖、小麦粉とともに練り混ぜ、焼く。返しをする段階から分かった。
「これは……なんという、かすていらであろうか」
「いいえ。安左衛門さま。これはもう、かすていらではありませんわ」
娘が言った。
「これは、たるとです。松山の、たるとが出来上がったのです」
この生地は冷ましてもふうわりとしていた。包みにくるんで安左衛門の家に持ち戻り、用意してあった餡を巻く。
生地がふっくらとしているので、何層も巻くことはできなかった。あえて、ゆったりと巻いた。巻き物というには巻きが浅いが、しかし確かに、美しい菓子の完成であった。食して、また、驚嘆する。
「これは……そうか。これが、殿が南蛮船で食されたという、かすていらに似たものの正体であったか」
それは明らかにかすていらではなかった。だが、当時の日本人の語彙を以って解説するのならば、かすていらと呼ぶ以外には呼びようがなかったのも事実なのであった。
例の如く、段階を踏んで上役たちがこれを試食してゆく。今回は町奉行水野新五郎もその相伴に預かった。人々は口々に、安左衛門の新作を讃えた。
そして、最後にこれを賞味することになるのはもちろん、定行公その人である。今回は、箸をつけたたるとを、定行は最後まで口にした。そして、ただ一言こう讃えた。
「天晴れである」
これが、松山にたるとという銘菓が生まれた瞬間であった。
安左衛門は以前の申し出通り士分の身を辞し、市井の菓子職人となった。そして、井筒屋の婿となってその後半生を送った。
後日。
これから半世紀ものち、元禄年間に記された津川某なる人物の『松山うまいもの尽くし』なる文献には、こうある。
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