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第三十八話 仇討 その六 公一の変化
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「ここまでは我らが仕事だ。ここからが公一、お前の力の見せたどころだぞ」
輝く牙の光を受けてか、ノイの顔色は青黒いく、強い決意を持った鋭い眼差しで公一の燃え残りを見つめた。
燃え残った物は、身体の一部の他に身に着けていた指輪と金属片だけだった。
「む……あれはなんだ? まえに公一が言っていた板か?」
ノイは金属片を見つめた。
金属片から先に一筋の燃え残りが煙を出しながなしぶとく牙の剣に絡みついている。
その先にはノイが公一と交換した薬指が爪を食い込ませていてた。
「やはり私の指は残ったな」
放電を繰り返し光り輝いていた牙の剣は少しずつではあったが、その熱を下げていった。
公一の燃え残りは牙の光を吸い取るように輝き、うねるように動きはじめた。
「よし公一戻ってこい!」
ノイの励ましに答えてか燃え残りの一筋は輝きを増し、いっそう激しく動き始めた。
やがて燃え残りの筋は太さを増し、光る筋は大蛇となって剣に激しく絡み始めた。
大蛇は剣に絡みつくがてらノイの薬指を飲み込み変化を始めた――
大蛇のうろこは一つ一つがささくれだし、顎も大きくなり逞しい手足が音を立てて生え始めた。
公一が龍の姿に変化した瞬間だった。
龍は手足を使いスルスルと剣の柄まで登ると、剣の柄を飲み込もうと大きく口を開けた。
龍は剣の柄を咥えると一挙に飲み込み始めた。
「公一、身体の中に煮えたぎる大地の熱を思い描け!」
ノイが檄を飛ばす。
龍の喉が動くたびに口と鼻から激しい火花を噴出した。
龍の胃袋の中には溶岩が渦巻き、腹を透かして赤い光を発していた。
床に突き刺さった剣を飲み、下り龍の型をとって腹の中で剣を溶かし続ける。
「いいぞ公一! そのまま食らい尽くせ!」
龍は赤い光をさらに強く発し一つの輝く球体に昇華を果たした。
「一つになったか。あとは人間として戻ってくるんだ! お前ならできる」
ノイの呼びかけに答えるかのように、球体は空中で徐々に人の形を取り始めた。
ゆっくりとではあるが四肢の形や指が人間の形になり、顔の輪郭もはっきりとしてきた。
「よし、いいぞ。もう少しだがんばれー!」
ノイは口に当てた手をラッパのようにして公一を励ました。
公一の体は完全に人の形に戻り皮膚の色も元通りに戻った。
公一は意識を戻してきたようで、小さくうめき声をあげ伸びをした。
正気に戻った公一は自分が空中に浮いていることに気が付きノイの方を見た。
「あれ、俺どうして、浮いて――」
ノイに向かって叫んだ――
その瞬間糸が切れたように床へと落下して派手な音をたてた。
「……」
床に背中を強く打ち付けてしまい、公一の横隔膜は一瞬麻痺してしまった。
傍から見れば息もできず身体が硬直した状態だ。
「おい公一、大丈夫か? 欲のかき過ぎで失敗したのか? えっ? 上手くいってるって。ほんとに大丈夫なのか?」
ノイは慌てて公一に駆け寄った。
「公一、私がわかるか?」
「ええ、わかります。いったいどうなったんですか?」
「お前、全然覚えてないのか?」
「はあ、剣を突き付けられたところから、どうも、曖昧で」
公一は起き上がろうと身体を動かした。
「まだ頭がぼんやりとしてます」
「ちょっと聞いてみるか。おーい。こいつ上手くやったのかー」
「誰と話してんです?」
寝ぼけ顔で尋ねた。
「うるさいよ。お前のことだから静かにして待ってろ」
「うーん、信じて良いのか? なんだか頼りなさが増した感じだぞ」
ノイは公一の方をちらちらと見ながら独り言を続けた。
「えっ!? 後は頼むって、ちょっと待て……」
「ま、いいや。何とかなるだろう」
ノイは、まだ起き上がりきれていない公一の、足の元に座った。
ノイは爪の先から踵、膝へと指を滑らせた。
「うん、鱗とかは無いな」
「鱗って何ですか?」
「お前は龍の牙を飲んだ時に蛇から竜に姿を変えたのさ。鱗でも残っていないか心配でな」
「蛇? 竜?」
「あ、いい。お前は何も考えるな。説明するのが面倒だ」
「じゃ、剣は振りとも飲めたのですね?」
「ああ、お前の仕える神も力を貸してくれてな。三振りを一つの剣に強引にまとめたんだ」
ノイは公一の体を丹念に調べながら答えた。
「ああ、良かった。じゃあ上手くいったんですね」
「たぶんな…… 答えはお前が探せとさ。帰り際に言ってたよ。あと何かあったらまた呼んでいいそうだ。中々に気前がいい奴だったぞ」
ノイは公一の身体の一点を見つめていた。
「なあ公一、お前のそこも随分のと力がみなぎっているようだな。元気なのは何よりだ」
公一は自分が裸であることに今の今まで気がついてはいなかった。
慌てて前を押さえ身体を丸めた。
「そういうことは早く行ってくださいよ」
ノイは含み笑いをしながら言った。
「眼福させてもらった。今更、恥ずかしがることもないだろう」
「服、俺の服はどこですか?」
「そんなもの燃えて無くなってしまったよ」
公一は慌てて左右を見渡すと、自分の投げたマントが目に入った。
「とりあえず、あれだ。あれで隠そう」
公一は身体を折り曲げて前を隠しながらマントの置いてある場所に近づこうとした。
「しょうがない奴だなお前は」
ノイは顔を紅潮させ一言つぶやいた。
輝く牙の光を受けてか、ノイの顔色は青黒いく、強い決意を持った鋭い眼差しで公一の燃え残りを見つめた。
燃え残った物は、身体の一部の他に身に着けていた指輪と金属片だけだった。
「む……あれはなんだ? まえに公一が言っていた板か?」
ノイは金属片を見つめた。
金属片から先に一筋の燃え残りが煙を出しながなしぶとく牙の剣に絡みついている。
その先にはノイが公一と交換した薬指が爪を食い込ませていてた。
「やはり私の指は残ったな」
放電を繰り返し光り輝いていた牙の剣は少しずつではあったが、その熱を下げていった。
公一の燃え残りは牙の光を吸い取るように輝き、うねるように動きはじめた。
「よし公一戻ってこい!」
ノイの励ましに答えてか燃え残りの一筋は輝きを増し、いっそう激しく動き始めた。
やがて燃え残りの筋は太さを増し、光る筋は大蛇となって剣に激しく絡み始めた。
大蛇は剣に絡みつくがてらノイの薬指を飲み込み変化を始めた――
大蛇のうろこは一つ一つがささくれだし、顎も大きくなり逞しい手足が音を立てて生え始めた。
公一が龍の姿に変化した瞬間だった。
龍は手足を使いスルスルと剣の柄まで登ると、剣の柄を飲み込もうと大きく口を開けた。
龍は剣の柄を咥えると一挙に飲み込み始めた。
「公一、身体の中に煮えたぎる大地の熱を思い描け!」
ノイが檄を飛ばす。
龍の喉が動くたびに口と鼻から激しい火花を噴出した。
龍の胃袋の中には溶岩が渦巻き、腹を透かして赤い光を発していた。
床に突き刺さった剣を飲み、下り龍の型をとって腹の中で剣を溶かし続ける。
「いいぞ公一! そのまま食らい尽くせ!」
龍は赤い光をさらに強く発し一つの輝く球体に昇華を果たした。
「一つになったか。あとは人間として戻ってくるんだ! お前ならできる」
ノイの呼びかけに答えるかのように、球体は空中で徐々に人の形を取り始めた。
ゆっくりとではあるが四肢の形や指が人間の形になり、顔の輪郭もはっきりとしてきた。
「よし、いいぞ。もう少しだがんばれー!」
ノイは口に当てた手をラッパのようにして公一を励ました。
公一の体は完全に人の形に戻り皮膚の色も元通りに戻った。
公一は意識を戻してきたようで、小さくうめき声をあげ伸びをした。
正気に戻った公一は自分が空中に浮いていることに気が付きノイの方を見た。
「あれ、俺どうして、浮いて――」
ノイに向かって叫んだ――
その瞬間糸が切れたように床へと落下して派手な音をたてた。
「……」
床に背中を強く打ち付けてしまい、公一の横隔膜は一瞬麻痺してしまった。
傍から見れば息もできず身体が硬直した状態だ。
「おい公一、大丈夫か? 欲のかき過ぎで失敗したのか? えっ? 上手くいってるって。ほんとに大丈夫なのか?」
ノイは慌てて公一に駆け寄った。
「公一、私がわかるか?」
「ええ、わかります。いったいどうなったんですか?」
「お前、全然覚えてないのか?」
「はあ、剣を突き付けられたところから、どうも、曖昧で」
公一は起き上がろうと身体を動かした。
「まだ頭がぼんやりとしてます」
「ちょっと聞いてみるか。おーい。こいつ上手くやったのかー」
「誰と話してんです?」
寝ぼけ顔で尋ねた。
「うるさいよ。お前のことだから静かにして待ってろ」
「うーん、信じて良いのか? なんだか頼りなさが増した感じだぞ」
ノイは公一の方をちらちらと見ながら独り言を続けた。
「えっ!? 後は頼むって、ちょっと待て……」
「ま、いいや。何とかなるだろう」
ノイは、まだ起き上がりきれていない公一の、足の元に座った。
ノイは爪の先から踵、膝へと指を滑らせた。
「うん、鱗とかは無いな」
「鱗って何ですか?」
「お前は龍の牙を飲んだ時に蛇から竜に姿を変えたのさ。鱗でも残っていないか心配でな」
「蛇? 竜?」
「あ、いい。お前は何も考えるな。説明するのが面倒だ」
「じゃ、剣は振りとも飲めたのですね?」
「ああ、お前の仕える神も力を貸してくれてな。三振りを一つの剣に強引にまとめたんだ」
ノイは公一の体を丹念に調べながら答えた。
「ああ、良かった。じゃあ上手くいったんですね」
「たぶんな…… 答えはお前が探せとさ。帰り際に言ってたよ。あと何かあったらまた呼んでいいそうだ。中々に気前がいい奴だったぞ」
ノイは公一の身体の一点を見つめていた。
「なあ公一、お前のそこも随分のと力がみなぎっているようだな。元気なのは何よりだ」
公一は自分が裸であることに今の今まで気がついてはいなかった。
慌てて前を押さえ身体を丸めた。
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ノイは含み笑いをしながら言った。
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「服、俺の服はどこですか?」
「そんなもの燃えて無くなってしまったよ」
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