【旧作改訂】イレギュラー召喚で神器をもらえませんでした。だけど、勝手に付いてきたスキルがまずまず強力です

とみっしぇる

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おそらく、イレギュラー召喚の影響。

考えてる暇もないけど、凶悪なスキルを手に入れた。

「沼」レベル3。

人の足元に出すと、そいつを飲み込んでしまう恐ろしいスキル。

もちろん物も沈んだ。

いきなりレベル3。

扱える沼の広さが直径80センチから2メートルに広がった。

さらに四分割も可能。だけど、今は実験や検証する暇がない。

安全確保が第一でしょ。

まだ、独裁国家ブライトの王城の謁見の間。敵地の、ど真ん中。

とんでもないとこに、いるでしょ。

王と側近は逃げた。

追って、護衛もまとめて「沼」に沈めるてやりたい。ムカつくもん。

だけどこのスキル、足元にしか出せない。

射程も10メートル。

遠距離間から高位魔法、弓攻撃で一巻の終わり。立体的な攻撃への防御手段がない。

2度再発動させたスキルは、必ず足元にできた。

逃げた兵士から、私が未知のスキル持ちだと伝わってるはず。

内容が派手だから、王は高い戦闘力を持つ者を呼び寄せる。

きっと、場内は手薄だ。

動くなら今。

王が去った方のドア前に蓋をしたい。
なのに、今いる謁見の間には適したものがない。

沼の中になら・・

そういえば、沼の中に吸い込んだものは取り出し可能なのだろうか。

意識した。私が沈めたものリストが頭の中に浮かんだ。

剣は28本。ミスリルソードを出したいと思ったら、前方2メートル、高さ2メートルの位置に丸い淀みができた。

「沼の底」という。

いや、勝手に名前つけてないよ。頭の中に沼の底と正式名称?が言葉が浮かんだ。

沼の底からミスリルソードが落ちてきた。

収納代わりになるかも。

沼の中は時間の経過もある。

兵士27。死んだ兵士のことだろう。なぜ仏様と分かるか?

残りの兵士にはバルセなど、名前が付いていた。

だけど、再び確認すると、バルセの名が消えた。そして兵士28になっていた。

ね、間違いないよね?

とりあえず、扉の取っ手のとこに、ミスリルソードが閂のようにはさまった。

あと、扉の前に死体を2体転がしておく。

追手の邪魔をするつっかえにもなるし、骨がバキバキの死体は精神攻撃用。

見たら、敵の警戒度が上がり、追撃のスピードも遅くなると思う。

ここは王城でかなり広い。「沼」が直径2メートルになって、強気な私はガンガン進んでい。

目論みは当たり。ストン、ストンと兵士だろうが貴族だろうが、沼に沈めてくれた。

途中で迷って、下の方に降りて入った部屋。装備や備品の部屋だった。

私に対応するためか、数人の兵がいて鍵が空いていた。

素早く接近して兵士、ミスリル製品、ポーションや、収納指輪、宝石を根こそぎ「沼」に沈めた。

多くの収納指輪にも中身が詰まっているようだ。沼には、いくらでも入る。

この独裁国で王城にいる人間は兵士も爵位を持ち。民から搾取して贅沢していると聞いている。

ためらうことはない。

沼を手にして残酷になった私は、人間も物資も沼行きの刑にした。

城門前。4人しか警備が残ってなかった。

奪った鎧を着けて近付くと油断してた。4人とも一気に「沼」にとらえてやった。

とっぷ~ん。

あっさり城下町に出ると、その日のうちに街から脱出。

次の街で一泊して早朝に歩き出した。向かっているのは国境が近い北。

私の拠点は南だけど、今はこの国を出ることが先決だ。

ただ手元の現金が、一泊で尽きた。本来の私は貧乏なのだ!

そこはいい。

今から逃亡資金を剥ぎ取る。

岩場があった。切り立った大きな岩の端。

そこに立って、沼の底を出現させた。そして、一人だけ名前を覚えてた、ブルル伯爵が出るように念じる。

とぷんっ。ブルルが出てきた。

けど、下まで5メートル。着地点も岩だらけ。

「出られた?うわわわ」

ごきっ。「がっ!」痛そうな音と声。

岩場に激突して、バタバタと転げ回っている。

「ねえブルル」

「はあっ、はあっ、なんだお前は」
「質問に答えて」

「なんだここは、さっきまでいた場所は何なのだ?」

沼を発動。ブルルの横に移動させた。

「質問してるのは私。もう一回、その中に入ろっか」

「ひいい、お前がやったのか。もうやめてくれ。あんなとこに行きたくない」

「穴の中には何があったの?」
「茶色と黒でうねった泥沼のような世界・・」

「認識できたのね」
「そ、それより手当てをしてくれ。足も腹もひどく痛む」

「質問に答えるのが先よ。中には何があったの」

彼は見た。

泥の中。そんな感じなのに、視界はクリア。まわりには、兵士がたくさんいた。

大半は、何かに絞られたように、ねじれて死んでいた。

「数人だけ、辛うじて生きていた」

「あなたは兵に助けを求めなかったの」

彼は、助けろと言ったが、聴こえてなかったようだ。向こうも自分に気づいた。

なのに、お互い声が聞こえず、手足は動くのに中空に浮いたまま、そこから移動できなかった。

私のスキル。あれは何だと聞かれたが、私も分からぬ。

「もういいだろう。手当てを・・」
「助けてあげてもいいけど、ただではダメよ」

「金か。収納指輪にあるぞ。いくら欲しい」

「そうね100万ゴールドもあれば十分かしら」

「100万と言わず、金貨を山ほどくれてやる」
「まじ?」

「受けとれ、ほらっ!」

ナイフが目の前に迫っていた。油断した。

普段は小さな銀貨一枚、すなわち1000ゴールドの使い方で悩んでいる底辺冒険者の私。

金貨への期待で前のめりになってしまった。

情けない、そしてピンチ。

と思ったけど、難なくかわせた。ブルルの手首を手刀で打って、パンチをかましたら、ブルルが派手に吹き飛んだ。

かなり、レベルアップしてたようだ。

大きなメリットと、大きなリスクも同時に頭に浮かんだ。

だけど、ぼんやり考えてる暇はない。ブルルに駆け寄って収納指輪を外し、ブルル本体は再び「沼」に沈めた。

そして国境を越えた隣国の街「ダツタン」を目指した。


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