【旧作改訂】イレギュラー召喚で神器をもらえませんでした。だけど、勝手に付いてきたスキルがまずまず強力です

とみっしぇる

文字の大きさ
8 / 83

8 洞窟は私のフィールド

しおりを挟む
私はソロ冒険者のサーシャである。ソロと書いてぼっちと読む、悲しい属性なのだ。

薬草採取で実績をつけて、どこかのパーティーに入れてもらう計画だったが、3日前に計画が崩れた。

「龍の牙」という3人組パーティーが獲物を横取りしようとした上に、受付嬢のマリナさんを脅した。

頭に血が昇って、2人を天国に送ってしまった。

4日前にパーティーメンバー希望の張り紙をしたが、結果を見る気も起こらない。

この街ではソロ確定なので、次の街に行くことに決めたが、その前に大掃除である。

昨日「沼」がレベル3からレベル4に上がった。

2ヶ月間、シルバーベアも含めた魔獣、私を襲いにきた盗賊なんかを沼に沈めまくってやっとだ。

最初に、兵士20人ほどで一気に「沼」レベル3になった。3から4までの差が分からない。

射程距離10メートル、4分割可能までは同じだけど、なんと沼が最大で直径3メートルまで広げられるようになった。

だからゴブリンの洞窟に来ている。

少し前に洞窟を見つけて中を覗いたけど、以外に通路が広い。
洞窟自体は私の「沼」に向いているフィールドなんだけど、少しためらってた。

沼レベル4に進化して有効範囲が広がったのを機に来てみた。

そして、後ろにお客さんもいる。

10人くらいの人間が私を追跡してるようだ。距離は100メートルくらい。
「龍の牙」の生き残りが、何人かの人間を引き連れて来たのかな?

レベルアップでここまでは分かるようになったけど、私ではこれが限界だ。

ここは森の奥で低級冒険者が入ってこない。

追跡者が追い詰めたと思ってくれたら幸いだ。

向こうは私のスキルは「影縫い」に似たカテゴリーと思ってるだろう。現にギルドでも、それをほのめかしてる。

距離を一気に詰めてきた。洞窟の手前で待っていると、30メートルくらい先に「龍の牙」の生き残りがいた。
プラス、ゴロツキ風が7人で計8人。11人と思っていた私の察知力は低いことが証明された。

「な、なんでこんなとこにいるのよ!あんた「ゴブリンのハゲ」の生き残りよね」
我ながら、すごい棒読みだ。

「龍の牙だ!仲間の礼をしねえといけねえから、有志の皆さんに集まってもらった」

「くそっ。この中なら・・」
「その洞窟はゴブリンの巣だぞ。入ったら捕まって悲惨な目にあうだけだ」
「そんな、死にたくない・・」

私、演技下手すぎ・・

「こっちに来い。ボブのやつはお前に恨みがあるが、俺らが守ってやる」
「へへへ、守るお礼は、分かってんだろ」
「聞いてた以上にべっぴんじゃねえか。楽しみだぜ。げげげ」

「沼」スキルを得ても仲間はできないけど、こんな奴は集まってくる。「沼」が獲物を呼んでいるのかも。
「あれっ。だとしたら私はエサだ。「沼」で強くなっていくと同時に綺麗になれて、喜んでいたけど・・」

こういうクズを釣るため、ムチムチフェロモン美人に進化させられのが私なのかよ。
スキルよ答えてくれ。

『そうだよ。鋭いな』

「え、なんか言った?」
『ほら、アタイはいいから、前の敵を食わせろ』
「あなたがスキル「沼」をくれたのね」

『まあ、そんな感じだが、まだ話せる時間が短いから切るぞ・・』

あ、そうだ強盗8人に追い詰められてるんだった。

「へへっ。サーシャだったか。もう絶望したか。呆然としてんな」

「あんたらなんかより、ゴブリンの方がましよ」
「あっ、ゴブリンの巣に飛び込みやがった」
「2人残して追うぞ」
「くそっ、せっかくの上玉だ。捕まえるぞ」

追手は6人か。全員で来てくれたら「沼」で一網打尽だけど、大した問題にはならないだろう。

ゆっくり走って少し奥に行くと、通路が枝別れしてたけど、あえて左に行った。

袋小路で奥行き10メートルくらいの部屋。ビンゴだ!

ゴブリンが2匹いるけど、「沼」を出さずにナイフで仕留めた。

ドタドタドタ。

「へっ、行き止まりかよ」
「サーシャちゃん、運が悪かったな。早くも逃げ場がないぜ」

「6人みんな揃ったわね」

ぽちゃん。

少し余りを残し、2・8メートルの「沼」をつくったけど、でかい。

「スキル出したぞ。この影縫いみたいので誰か止められても、残りで押さえつけるぞ!」

最初の狙いは、この部屋の出口を塞いでるやつ。誰も逃がさないためだ。

一直線に沼を移動させて出口近くのやつの足をとらえた。その途中で4人を巻き込み、もう残りは1人だ。

「う、うわっ。沈む。おいっ話が違うぞ」
「なんだ女。その槍は」
「うげ」
「くひゅっ」
「ぐ、ががが」

特注の4メートル長槍を出して、沈みゆく5人の腹や喉に突き刺した。

「こうすると、早くお陀仏するのよね」
「お、お前は何なんだ」

たまたま龍の牙の生き残り、ボブ君が残った。こそっと沼の余りで作った、40センチサイズの小沼を右足の下に忍ばせて、動きを止めた。

「もうあんたの動きは止めた。仲間は全部で何人?」
「くそっ、靴を脱げば。脱げん」

なるほど、小沼に何かを沈める力はないけど、引く力は「沼」と同じように空間そのものに干渉している。ボブ君は膝くらいまで固定されている。
5人も完全に沈みきったし、実験だ。

「もう、なんも答えなくていいよ」
槍の反対側で胸を突いて押した。

「ぎゃあああ!」

人間は倒れるとき、必ず足の裏が上を向こうとする。そうしないと、股関節から下のどこかに大きな負担がかかるからだ。

だけど、こいつの右足の膝から下は、真っ直ぐ立った状態から1ミリも動いていない。

それを後ろに倒そうとすると・・

「膝が、膝が痛くてたまらん、助けてくれ・・」
「ほれ」

小沼を左右にブンブン動かすと、やつの膝と太ももからゴキゴキと音が鳴り始めた。

「いぎいいいい!」
ゴブリンが悲鳴を聞いて集まり出したから、ボブ君をハンマーにしてゴブリンを撃ちまくった。

グギャッ!いでっ!キギッ! ゴン、ゴン!

遠距離攻撃を持たない相手で奥行き10メートルの部屋。私の絶対領域なのだ。

部屋を出ると、右手の下に80センチ沼、左手の下に残り全部で大きめの沼を作った。本当は手を出す必要はなさそうだが、手を出すと動かすときにイメージがしやすい。

前に大沼、後ろに警戒用の80センチ沼を置いて、歩きながらゴブリンを飲み込んでいく。

大きめのゴブリンがいる部屋で全部のゴブリンを沼に沈め、お宝を回収した。

そのあと、洞窟の出口で見張りの2人を小沼でとらえ、拠点の位置を聞き出したあと「沼」に沈めた。

このスキル、やっばり強い。


「沼の声」がなんだったのか気になり、帰りに何度も呼びかけたが返事はなかった。



「」
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

処理中です...