11 / 83
11 サーシャの怒り
しおりを挟む
装備はボロボロでも、気高き2人を拾った。
「私の名前はサーシャ。冒険者になって3ヶ月でランクはC」
「助けてもらってありがとうごさいます。メロンです。私達のランクはEですが、3ヶ月でCってすごいですね」
「カリナです。お世話になりました。シルバーベアの単独討伐はAランク推奨です。サーシャさんの実力はCランクどころでない気がします」
「まあまあ、早めにギルド行こうよ。よかったら、ご飯付き合って」
「はい、何でも好きなものを食べて下さい」
2人ともガリガリでお金がないのは一目瞭然。それでも私に借りを返そうとしてる。
ダツタンでも他人に関心がなかった私だけど、なんか放っておけない。
2人は一年前に西の農村からハルピインに出てきた17歳。背丈は私と同じくらいだけど、以前の私と同じくらい痩せてる。
ただ、栄養が足りてないはずなのに、胸が2人ともでかい。それに美形なのがわかる。
「沼」に獲物を誘い込むためのエサとして美貌、胸部、尻まで強化された私以上に見えるのが、ちっと悔しい。
「あれがハルピインのギルドです」
「よし行こう」
入って中を見ると、ダツタンのギルドに戻ったかと思うくらい、造りが同じだ。
受付カウンターの前に並んで、順番が来た。
「このギルドは初めてなんだけど、買い取りを頼みたい」
「はい、この篭にお出しください」
「メロンとカリナの獲物を私が預かって、収納指輪に入れてる。大きいから、ここでは無理だよ」
「メロンさんとカリナさんの獲物?」
「うん、私がちっと手助けしたけどね」
「では、そちらの運搬機の方へ」
「ごめん受付嬢さん、あれでも無理」
「え?あの運搬機はフォレストボアが乗りますよ。それ以上の大物ですか。一体何を」
「いや、だからここで言わない方がいい」
「細身の女性3人で仕留めた獲物でしょう。何ですか?」
「3メートルのシルバーベア」
「うわっはっは」
「メロンたちと、お姉ちゃんの3人でシルバーベアかよ。いきなり現れてふかすなぁ」
「シルバーベアに殺されたならともかく、殺したとか。あっはっは」
「ギャハハハハ」
「いきなり滑ってるぜ」
「ひゃはははは」
ダツタンにも「龍の牙」のような奴らはいたけど、ここにもいた。
8人のグループだ。
何より勇者メロンと勇者カリナが悲しい顔をして縮こまっている。
ふ、ざ、け、る、な。
私の勇者を笑った奴の誰かを生け贄にしてやる。なんなら殺してやる。
「ねえ、そこの歯抜けのでくの坊」
「あん?俺のことか、ちっちゃい姉ちゃん」
「あんた以外に誰がいるの?」
「てめぇ、許さねえぞ」
「シルバーベアだよ。受け取って」
「え?うわあああ!」
「ヤン!」
「下敷きになったぞ、どかせ」
「この女、なんてことするんだ!」
「うわっ、熊がでかすぎて動かねえ!」
熊の下に70センチ小沼を設置して、3メートルの巨体を固定している。絶対に動かせない。
「情けないわね。メロンとカリナの2人でどかして」
「無理ですよ」
「男7人でびくともしないのに」
「大丈夫、熊の両手を持って、やってみて」
「は、はい」
2人は自分の胴より太い熊の腕をつかんで、仕方なく引っ張った。
私は2人が引き摺ってるように見えるよう、小沼でシルバーベアを移動させた。
「お?おおおお」
「あの巨体をメロンとカリナが動かしたぞ」
「男7人で無理だったのに・・」
「なんだ、あいつら強かったのか?」
「え?サーシャさん、簡単に動きましたよ」
「何が起こったんですか?」
「・・す、き、る、よ。あとで教えるから、今は話を合わせて」
熊の下から出てきたけど息絶え絶えのヤン君に、中級ポーションをかけてあげた。
再びカウンターに行くと、受付嬢さんに言った。
「あなたが正当な対応をしないから、余計なトラブルが起きたわ」
「わたくしの対応も少しは問題があったとは思いますが、事を起こしたのはあなた自身では?」
ダメだ。
「はい、ギルドカード」
「サーシャさんですね。ダツタンギルドから来た・・。え!あ、あの・・あ、あ・・」
「報告は受けてるのね」
「おい女、決闘だ」
「ヤンさん、お止めになった方が」
「やられて黙ってられるか!」
「ねぇ、受付嬢さん。ギルドカードで私の履歴、分かるよね。主なやつをヤン君に分かるように読んであげて。それでも決闘したいなら、あの世に送ってあげるから」
「なに言ってやがる!」
「サ、サーシャさんの許可をいただいたので、かいつまんで申し上げます。討伐は冒険者登録をして3ヶ月でビッグボア46体、フォレストウルフ33体、ホフゴブリン2体、ハイオーク1体・・」
「え、ほんとかそれ?」
「さ、さらにシルバーベア2体、うち1体は単独討伐・・」
「え?」
「Cランク冒険者3名と武器等無制限の決闘の末、に、2名をギルド訓練場にて殺害・・」
「あ、残りの1人は行方不明だから」
「そ、そうなんですね、は、はい」
「じゃあヤン君の挑戦を受けようかな」
「あ、あんたなにもんだ・・」
「ダツタンで隠してなかったから、いずれ分かると思うけど、ブライト王国から逃げてきた殺人兵器」
「あ、あのそこまではギルドカードには記載されて、お、お、おりません」
「しまった、余計なこと言った」
◆
受付嬢と囃し立てた奴らが私達に謝ったから、許した。
シルバーベアの査定を受付嬢に任せて、メロンとカリナと一緒にギルド併設の食堂に向かった。
だけど、ダツタンと同じく怒りに任せて目立ってしまった。さらに、観衆の前で人を殺めたこともメロンとカリナにばれた。
どうやら、この街でも、ソロという名のぼっちは確定のようである。
「私の名前はサーシャ。冒険者になって3ヶ月でランクはC」
「助けてもらってありがとうごさいます。メロンです。私達のランクはEですが、3ヶ月でCってすごいですね」
「カリナです。お世話になりました。シルバーベアの単独討伐はAランク推奨です。サーシャさんの実力はCランクどころでない気がします」
「まあまあ、早めにギルド行こうよ。よかったら、ご飯付き合って」
「はい、何でも好きなものを食べて下さい」
2人ともガリガリでお金がないのは一目瞭然。それでも私に借りを返そうとしてる。
ダツタンでも他人に関心がなかった私だけど、なんか放っておけない。
2人は一年前に西の農村からハルピインに出てきた17歳。背丈は私と同じくらいだけど、以前の私と同じくらい痩せてる。
ただ、栄養が足りてないはずなのに、胸が2人ともでかい。それに美形なのがわかる。
「沼」に獲物を誘い込むためのエサとして美貌、胸部、尻まで強化された私以上に見えるのが、ちっと悔しい。
「あれがハルピインのギルドです」
「よし行こう」
入って中を見ると、ダツタンのギルドに戻ったかと思うくらい、造りが同じだ。
受付カウンターの前に並んで、順番が来た。
「このギルドは初めてなんだけど、買い取りを頼みたい」
「はい、この篭にお出しください」
「メロンとカリナの獲物を私が預かって、収納指輪に入れてる。大きいから、ここでは無理だよ」
「メロンさんとカリナさんの獲物?」
「うん、私がちっと手助けしたけどね」
「では、そちらの運搬機の方へ」
「ごめん受付嬢さん、あれでも無理」
「え?あの運搬機はフォレストボアが乗りますよ。それ以上の大物ですか。一体何を」
「いや、だからここで言わない方がいい」
「細身の女性3人で仕留めた獲物でしょう。何ですか?」
「3メートルのシルバーベア」
「うわっはっは」
「メロンたちと、お姉ちゃんの3人でシルバーベアかよ。いきなり現れてふかすなぁ」
「シルバーベアに殺されたならともかく、殺したとか。あっはっは」
「ギャハハハハ」
「いきなり滑ってるぜ」
「ひゃはははは」
ダツタンにも「龍の牙」のような奴らはいたけど、ここにもいた。
8人のグループだ。
何より勇者メロンと勇者カリナが悲しい顔をして縮こまっている。
ふ、ざ、け、る、な。
私の勇者を笑った奴の誰かを生け贄にしてやる。なんなら殺してやる。
「ねえ、そこの歯抜けのでくの坊」
「あん?俺のことか、ちっちゃい姉ちゃん」
「あんた以外に誰がいるの?」
「てめぇ、許さねえぞ」
「シルバーベアだよ。受け取って」
「え?うわあああ!」
「ヤン!」
「下敷きになったぞ、どかせ」
「この女、なんてことするんだ!」
「うわっ、熊がでかすぎて動かねえ!」
熊の下に70センチ小沼を設置して、3メートルの巨体を固定している。絶対に動かせない。
「情けないわね。メロンとカリナの2人でどかして」
「無理ですよ」
「男7人でびくともしないのに」
「大丈夫、熊の両手を持って、やってみて」
「は、はい」
2人は自分の胴より太い熊の腕をつかんで、仕方なく引っ張った。
私は2人が引き摺ってるように見えるよう、小沼でシルバーベアを移動させた。
「お?おおおお」
「あの巨体をメロンとカリナが動かしたぞ」
「男7人で無理だったのに・・」
「なんだ、あいつら強かったのか?」
「え?サーシャさん、簡単に動きましたよ」
「何が起こったんですか?」
「・・す、き、る、よ。あとで教えるから、今は話を合わせて」
熊の下から出てきたけど息絶え絶えのヤン君に、中級ポーションをかけてあげた。
再びカウンターに行くと、受付嬢さんに言った。
「あなたが正当な対応をしないから、余計なトラブルが起きたわ」
「わたくしの対応も少しは問題があったとは思いますが、事を起こしたのはあなた自身では?」
ダメだ。
「はい、ギルドカード」
「サーシャさんですね。ダツタンギルドから来た・・。え!あ、あの・・あ、あ・・」
「報告は受けてるのね」
「おい女、決闘だ」
「ヤンさん、お止めになった方が」
「やられて黙ってられるか!」
「ねぇ、受付嬢さん。ギルドカードで私の履歴、分かるよね。主なやつをヤン君に分かるように読んであげて。それでも決闘したいなら、あの世に送ってあげるから」
「なに言ってやがる!」
「サ、サーシャさんの許可をいただいたので、かいつまんで申し上げます。討伐は冒険者登録をして3ヶ月でビッグボア46体、フォレストウルフ33体、ホフゴブリン2体、ハイオーク1体・・」
「え、ほんとかそれ?」
「さ、さらにシルバーベア2体、うち1体は単独討伐・・」
「え?」
「Cランク冒険者3名と武器等無制限の決闘の末、に、2名をギルド訓練場にて殺害・・」
「あ、残りの1人は行方不明だから」
「そ、そうなんですね、は、はい」
「じゃあヤン君の挑戦を受けようかな」
「あ、あんたなにもんだ・・」
「ダツタンで隠してなかったから、いずれ分かると思うけど、ブライト王国から逃げてきた殺人兵器」
「あ、あのそこまではギルドカードには記載されて、お、お、おりません」
「しまった、余計なこと言った」
◆
受付嬢と囃し立てた奴らが私達に謝ったから、許した。
シルバーベアの査定を受付嬢に任せて、メロンとカリナと一緒にギルド併設の食堂に向かった。
だけど、ダツタンと同じく怒りに任せて目立ってしまった。さらに、観衆の前で人を殺めたこともメロンとカリナにばれた。
どうやら、この街でも、ソロという名のぼっちは確定のようである。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる