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59 伴侶は『沼』で造られる

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「ぬ、ぬ、ぬ、沼様」

『なんだ、まだゲルダを沼から出して10分もたってないぞ』

沼様はゲルダを生き返らせてくれた。顔も体も無事だ。足がムッチリで太くなったけど立てた。

だけど、股間に男のシンボルがそそり立っている。

「ゲ、ゲルダ、前からそんなもん付いてたっけ」
「ないよ!前の形は、散々見たでしょ、あんっ」

ぐに。

「幻覚じゃない」

ぐにぐに。びきびき。

「やんっ、あっ、あっ、ねえサーシャっ」
「玉まで付いてる。えいっ」

ぐにっ。
「痛い」
「やっぱ幻覚じゃない」

どう見ても男性のアレだ。

「沼様」
『おう、なんだ』

すげえ誇らしげだ。

「ゲルダを救ってくれたけど、何でオチンチンが生えてるの・・」

『最初は股間の排泄器官や性器は、女神器持ち楓夏のやつを使おうと思った。だかヤバいことになってた』

「私が破壊したんだけどさ・・」

『両足は楓夏のやつが使えたが、膀胱、直腸、女性器、尿道は、短時間で修復は無理だった』

「苦労かけたね。謝るよ」

『急を要したからな。全取っ替えしかないと判断して、内臓も含めて男神器持ちの奨太のを使った。ほんの少し構造が違ったが「誤差の範囲」だったから合わせられた』

「やっぱ沼様は出来る子だったんだ。彼女を助けるために機転を利かしてくれたのか」

『おう! 尿道が通っている器官が性器を兼ねていて、面白い構造をしとる。肝臓と腎臓は奨太のだから、血管もすんなり繋がった。玉が2つ付いてたから、それも保存してゲルダに移植した』

さらっと言ってるけど、どんな大魔道師でも出来なさそうな大技。さすがは混沌世界の管理者、沼様だ。

「誤差」の範囲でゲルダを性転換させるんだもん。

もしゲルダが顔を焼かれていたら、「誤差の範囲」で奨太の顔と取り替えていたんだろうか。恐ろしい・・。

『今はゲルダに生殖機能はないが、3年したら生殖器の遺伝情報がゲルダになって働き出すから、子供が作れるぞ。あの2つの玉にそういう機能があるようだ。ゲルダの遺伝子が「XX」だから女しか産まれんがな』

「え、マジで私とゲルダの子供ができるの?」
「なに、それ本当?これ、中身まで本物なんだ」

ゲルダが自分に生えたものをつまみながら、話に食いついた。

「3年後より先で、「いでんし」とかいう奴の関係で子供は女の子限定らしいけど、産まれるってさ」
「本当?もちろん私とサーシャの子供だよね」

「うん。だから、おチンチンをゲルダのものになるまで、完全に馴染ませるんだって」

「沼様ってすごい。魔道師や学者どころじやない。感謝、感謝、大感謝だよね」
「ってゲルダが言ってるよ、沼様」

ぽっちょ~~~ん。

『うんうん、そうだろう。ゲルダは分かっておる。おお、そうだ。正直なゲルダには、性器に付いてる2個の玉を宝玉に取り替えてやろう』

「え」
『右はオリハルコン、左はヒヒイロノカネで作ろう。丈夫な子供が生まれるぞ』

2人して全力で断った。テカテカに光る子供が出来てしまう。

「あせった」
「ははは、そうだね」

「ねえサーシャ」
「何?」
「股間のこれ、きちんと感覚かあるの。どうしよう」
「どうしようって言われても・・」

「生き残れた上に、本物の伴侶になれるチャンスまでもらった。このままでいいけど、使ってサーシャと結ばれたい・・。どうにかして」

「沼様が私の体をレベル200くらいのスケベボディーに作り替えたけど、肝腎の私自身は恋愛レベル3くらいの経験しかないんだよな。「童貞ゲル太」のリードなんて無理。一緒に頑張ろうか」
「・・だね」

今更なのに、男女を意識すると、すごく恥ずかしい。

私も服を脱いだら、ゲルダがキスしてくれた。


女同士のときのように、楽しむ余裕もなかった、
ただただ必死に、とにかく頑張った。

一時間後、ぎこちなくも「男と女の関係」のようなものになった。





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