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65 今度は海辺の街へ
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木の板サーフボードの旅は意外にきつかった。
猛スピードで長く走らせると割れてストックもなくなり、仕方なくミスリル浴槽に「小沼」を設置して、船っぽく仕立てた。
そうして、ニュデリイ第3の都市、ダバダッタの街に到着した。
1年くらい前の戦争でネパルント帝国に勝った。それが原因でネパルント帝国の敗残兵が盗賊となり、メロンとカリナの故郷を襲ったが、一緒に防御した。
私は今より強くなるために動く。
「サーシャ」の名前は使うが、今度は商業ギルドで身分証を作ろうかと思う。
初めて商業ギルドに入った。
商業ギルドの作りは入って正面が大きなホール、左側に受け付けカウンターまでは冒険者ギルドと同じ。右側の冒険者ギルドなら飲食スペースがあった場所に、ボートと陳列棚があり、商品の依頼書とサンプルなどか置いてあった。
ここは、北を上にした地図でも見ると、逆三角形の半島にある国の東の海に面した場所で、3000キロある海岸線の真ん中くらいにある。
「おお~、お菓子類が置いてある商会のラインナップもある。沼様は荒れてる敗戦国に行けって行ったけど、贅沢品は戦勝国の方が豊富だよな」
『む、本当は強盗まみれの敗戦国ネパルントに行って欲しいがな。スイーツも捨てがたい』
「じゃあこの辺、小島が多くて海賊が出るらしいからアジトでお宝探しかな。旅したいから、色々と回るよ」
『ここを拠点にするのだな。色欲、食欲ともに期待してるぞ』
受け付けの順番が回ってきた。
「いらっしゃいませ。ご用件はなんでしょうか」
「登録とワニ、スッポーンの依頼書を見たから売りたいんだけど」
先に登録を済ませた。
「あの、スッポーンは依頼書にあった通り、甲羅70センチサイズより上のレア物ですが、捕獲済みでしょうか」
「聞きたいげど、スッポーンは、1メートルから2メートルしかないんだよね。ワニも依頼書に5メートルってあったけど、7メートル以上しか手持ちがない。その場合はどうなるのかな」
ざわ、ざわ、ざわ。
「そんなに大きい素材をお持ちですか。すみません。そのサイズでは、勝手に値がつけられません。取り急ぎ依頼主に連絡させて頂いてよろしいでしょうか」
商業ギルドは対応も丁寧だ。
あっという間に依頼主から連絡があり、1メートルと2メートルのスッポーン各2匹、ワニも10メートル1匹を計266万ゴールドて引き取ってくれた。
お陰で何人かの商人から売れ筋の話も聞けた。イタス島にある特級ダンジョンの炎属性魔物が美味だとか。
私は新顔だか、高レベルワニを無傷で出したことが特に目立ったようだ。
街を歩くと声をかけられた。悪意はない。ここはやや南の国。
濃い髪色で顔も濃い人は多いが、色白の銀髪美女は珍しい。そんだけだ。
私自身は人妻になったつもりだが、外から見たら独り身。なんせお相手は「沼」という異次元で眠っている。
「終戦後だから荒れてるかと思ったけど、指導者がいいらしいな。職業軍人と市民の生活が区分けされてる」
『サーシャ、ダンジョンか海に行け。この街は、アタイが興味ない善良な市民で溢れとる』
次の日、情報だけ求めに冒険者ギルドに行った。受け付けは通さず、盗賊討伐依頼、ダンジョン情報だけ探した。
「海を南東に130キロ行くと国境を越えて、100の島で作られたパリヒ諸島。そのうちの4つがダンジョン島になってるってさ。沼様、ダンジョンに入っていい?」
『そうだな。海にオークのようなスケベ魔物がいたらいいな』
「オークなら、特級ダンジョンがあるイタス島にいるよ。周りに海賊の島も多いから楽しめるよ」
『うむ』
旅の途中で考えた。ジュライの絡みで未知の勢力に狙われたが、もっと強ければジュライ自体をどうにかできた。
私は、誰が正義とか気にしないのだ。メロンやカリナの故郷を助けた流れで、一部では英雄の仲間だと思われている。
それよりも自分の強化だ。
スキルをもう得られない代わりに沼の「経験値10倍システム」がある。活用したら、下手なスキルオーブをもらうより、よほど強力だ。
沼様も事情は分かってくれた。ずっと東に行った島国ガントには、色んな種類の特級ダンジョンもあるらしい。
思い切って、レベル300を目指したい。
それから、メロンやカリナに会いに行きたい。
マリアさんも含めて3人とも元気かな。
▣次回から、メロンカリナ、そしてマリアの近況です。
猛スピードで長く走らせると割れてストックもなくなり、仕方なくミスリル浴槽に「小沼」を設置して、船っぽく仕立てた。
そうして、ニュデリイ第3の都市、ダバダッタの街に到着した。
1年くらい前の戦争でネパルント帝国に勝った。それが原因でネパルント帝国の敗残兵が盗賊となり、メロンとカリナの故郷を襲ったが、一緒に防御した。
私は今より強くなるために動く。
「サーシャ」の名前は使うが、今度は商業ギルドで身分証を作ろうかと思う。
初めて商業ギルドに入った。
商業ギルドの作りは入って正面が大きなホール、左側に受け付けカウンターまでは冒険者ギルドと同じ。右側の冒険者ギルドなら飲食スペースがあった場所に、ボートと陳列棚があり、商品の依頼書とサンプルなどか置いてあった。
ここは、北を上にした地図でも見ると、逆三角形の半島にある国の東の海に面した場所で、3000キロある海岸線の真ん中くらいにある。
「おお~、お菓子類が置いてある商会のラインナップもある。沼様は荒れてる敗戦国に行けって行ったけど、贅沢品は戦勝国の方が豊富だよな」
『む、本当は強盗まみれの敗戦国ネパルントに行って欲しいがな。スイーツも捨てがたい』
「じゃあこの辺、小島が多くて海賊が出るらしいからアジトでお宝探しかな。旅したいから、色々と回るよ」
『ここを拠点にするのだな。色欲、食欲ともに期待してるぞ』
受け付けの順番が回ってきた。
「いらっしゃいませ。ご用件はなんでしょうか」
「登録とワニ、スッポーンの依頼書を見たから売りたいんだけど」
先に登録を済ませた。
「あの、スッポーンは依頼書にあった通り、甲羅70センチサイズより上のレア物ですが、捕獲済みでしょうか」
「聞きたいげど、スッポーンは、1メートルから2メートルしかないんだよね。ワニも依頼書に5メートルってあったけど、7メートル以上しか手持ちがない。その場合はどうなるのかな」
ざわ、ざわ、ざわ。
「そんなに大きい素材をお持ちですか。すみません。そのサイズでは、勝手に値がつけられません。取り急ぎ依頼主に連絡させて頂いてよろしいでしょうか」
商業ギルドは対応も丁寧だ。
あっという間に依頼主から連絡があり、1メートルと2メートルのスッポーン各2匹、ワニも10メートル1匹を計266万ゴールドて引き取ってくれた。
お陰で何人かの商人から売れ筋の話も聞けた。イタス島にある特級ダンジョンの炎属性魔物が美味だとか。
私は新顔だか、高レベルワニを無傷で出したことが特に目立ったようだ。
街を歩くと声をかけられた。悪意はない。ここはやや南の国。
濃い髪色で顔も濃い人は多いが、色白の銀髪美女は珍しい。そんだけだ。
私自身は人妻になったつもりだが、外から見たら独り身。なんせお相手は「沼」という異次元で眠っている。
「終戦後だから荒れてるかと思ったけど、指導者がいいらしいな。職業軍人と市民の生活が区分けされてる」
『サーシャ、ダンジョンか海に行け。この街は、アタイが興味ない善良な市民で溢れとる』
次の日、情報だけ求めに冒険者ギルドに行った。受け付けは通さず、盗賊討伐依頼、ダンジョン情報だけ探した。
「海を南東に130キロ行くと国境を越えて、100の島で作られたパリヒ諸島。そのうちの4つがダンジョン島になってるってさ。沼様、ダンジョンに入っていい?」
『そうだな。海にオークのようなスケベ魔物がいたらいいな』
「オークなら、特級ダンジョンがあるイタス島にいるよ。周りに海賊の島も多いから楽しめるよ」
『うむ』
旅の途中で考えた。ジュライの絡みで未知の勢力に狙われたが、もっと強ければジュライ自体をどうにかできた。
私は、誰が正義とか気にしないのだ。メロンやカリナの故郷を助けた流れで、一部では英雄の仲間だと思われている。
それよりも自分の強化だ。
スキルをもう得られない代わりに沼の「経験値10倍システム」がある。活用したら、下手なスキルオーブをもらうより、よほど強力だ。
沼様も事情は分かってくれた。ずっと東に行った島国ガントには、色んな種類の特級ダンジョンもあるらしい。
思い切って、レベル300を目指したい。
それから、メロンやカリナに会いに行きたい。
マリアさんも含めて3人とも元気かな。
▣次回から、メロンカリナ、そしてマリアの近況です。
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