【旧作改訂】イレギュラー召喚で神器をもらえませんでした。だけど、勝手に付いてきたスキルがまずまず強力です

とみっしぇる

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70 トラブル周期が早すぎる

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「姫」の称号に過敏になったが、政治の話ではなかった。助けを求められたのは、海の魔物退治だ。

結論から言うと頼みを引き受けた。

ただし討伐のときは完全ソロ。私の存在は隠す。やり方は全部、私任せ。報酬なし。

彼女ら6人は、この諸島の東から来た。直径100キロのガント島を中心に大小120の島から作られたガント王国の人間。

先月から、国の南の島が南の海から現れた、5メートルのボウクンペンギン30匹の被害に悩まされている。

「申し遅れました。私はトコブシ。ガント王国第一王女です」

褐色でブラウンヘアー、163センチのグラマーだ。

「商業ギルド所属のサーシャ。いい素材がないか探しに来たの」


トコブシは第一王女といっても、兄が4人いて、継承権は第5位。水、火の魔法適正が高く、国土防衛隊を率いていた。

「防衛隊の上位、姫以下6人はレベル70~80ですが、ペンギンに蹴散らされたのです」
「そうです。なので、この島にレベル上げにきたのです」
「しかし、80階どころか10階フロアボスに挑むことさえ厳しい始末。途方に暮れていました」

「そうなんだ。ここまでなら半日で来れたけど・・」

「う、7日かかって傷だらけの私達とは次元が違うようです」

「けど、私に魔力がほとんどないのは分かるでしょ」

「その華奢なお体と少ない魔力で、特級ダンジョンを散歩するように歩く方です。そんな方を私の小さな常識に当てはめるのが間違いだと思うのです」
「そうです。姫様が言う通りです」

彼女はメルカ。155センチだが腕、太ももが太く、槍を持っている。戦士だ。この子が一番話がしやすい。

「とりあえず、フロアボス倒そうか」

「そんなさらっと・・」
「ぜひ、お願いします」

彼らの頼みを聞いた理由に人助け要素はゼロ。ボウクンペンギンの魔法目当てである。

大きなペンギンは「氷魔法」、「土魔法」が得意だそうだ。

この特級ダンジョンで11階以降に進むのに必要だと思ってたやつだ。

できればペンギンを生け捕りにして、魔法を使いまくらせて「沼の底」に貯める。
そのために彼女たちの国に行く。

かなりわがままな計画なので、6人の中の誰かは納得してないかも。姫様やメルカに力の差を見せつける。

「ここで見たものは他言無用。間違って顔が知られるなんてことになれば、ガント王国民が何人死のうと、私は討伐から降りるわ」

今の私は、本当にやると思う。

ゴゴゴゴゴ。

ボス部屋は50メートル四方の部屋に、ファイアハイオークと手下。


「本当に、そのミスリル棒を持って、お一人で戦うのですか?」

「そうよ。前に出たら「巻き添え」食らうから死ぬよ」

とっぷん。

私の足元、わずか5センチの高さに「沼の底」を出し、海水を全開で出した。

どっどっどっどっ。

「え?魔力反応もないのにサーシャさんの足元から大量の水が?」
「私達に分からない水の操り方。銀髪で美しい容姿。もしや神が遣わした妖精の加護を持つ方では」

いいえメルカ。偶然に非常識スキルを手にした邪神の手下のような者です。

美しい体と顔は沼様の生け贄を釣る「エサ」なのです。


心で呟きながら、沼の用意をした。


魔力が出ない「沼の底」から溜めた海水を放出すると、何をしたか分からないトコブシ姫、メルカらが驚いている。

ぽこっ、ぽこっ。かなりの範囲が濡れてきた。

水を気にせず、計7体の火豚が私に向かってきた。ミスリルインナーだけで、エロボディーを強調した結果だ。

「ファイアハイオークと部下オーク6体の炎は海水では太刀打ちできません」

「大丈夫」

小沼30センチを2個出した。

ぽちょん、ぽちょん。

水は敵へのダメージが目的ではない。「沼」発動時の目眩ましだ。

大袈裟にミスリル棒を振り、同時に足元の小沼でハイオークの両足をとらえた。そのまま横に動かした。

どん、ごん、ごんっ。

「ぶもっ?ぶぶっ」
「ぶごっ!」
「ぶえええ!」

火を吹く間を与えず、ボス豚を援護豚にぶつけまくった。

ゴンゴンゴンドンドン。ゴキッ!

ファイアハイオークの耐久力が高そうだ。手下6体を飛ばす弾に使っても軽傷だ。だからハイオークが乗った小沼を反対方向に引っ張り、足首を折った。例によって足首から下は立ったまま、体が倒れかけている。

これ以上やると、素材がゴミになる。

「ぶぷぅうぉぉ!」

「さあ、最後の仕上げよ」

私の方に猛スピードで突っ込んで来るように小沼を操作。外角低めのフルスイングを豚の頭に食らわした。

ゴキイイ!

「小沼解除。今度は30センチ小沼3個」

ミスリル棒で操作しているかのよう動かした。豚を高速で寄せてはフルスイングの繰り返し。

「ふう、いい汗かいた」


「あ、あのサーシャ殿の技はなんなのだ。分かるかメルカ」
「恐らく棒術の究極奥義「気操棒」。獲物を打ちに行くのでなく、獲物みずから倒されに来るよう「気」で操る凄まじい技です」
「そ、そんな技が。サーシャさんにお願いした私の目に狂いはなかったのですね」
「そうですよ姫様。わたくしは最初から分かっておりました」
「うむ私の見立て通りだ」
「素敵・・」

勝手に盛り上がってるが、6人全員の目が節穴だ。

「なんか陽気な集団だな。凶悪な「沼」持ちの私が長く接していい人じゃないな」

転移装置で1階に戻るとき、メルカに聞いてみた。

「ねえ、トコブシ姫にお兄さんが4人いるって言ったけど、王位継承の争いはないの?」
「継承権第一位のトンサリ様を筆頭に3人は仲がいいのですが、継承権第三位のガリキシ様が王位への野心を燃やしておられます。トコブシ姫は中立派ですが、ガリキシ様から派閥入りを望まれております」

「トコブシ姫は第5位でしょ。彼女を取り込むメリットはあるのかしら」
「はい、サーシャさんから見たら弱いでしょうが、姫を筆頭とする私達の部隊150人は国内ではトップレベル。事を起こす時に利用する気でしょう」

「ゲスだね。丁度いい」
「ちょうどいいとは・・」

「ちょっかいかけてきたら「精霊」の餌食にするってこと」
「え?」

もうすぐダンジョンから出るが、どうやら三男様の手の者がいるようだ。


ぴちょん、ぴちょん、ぴちょん。

探知がへぼい私には分からないが、沼様が喜んでいるもの。おいしそうな餌がいるから逃すなと騒いでる。

久しぶりにゲスと食わせろと督促している。


私は粗末なローブとフードで顔を隠してダンジョン1階に転移が終わるのを待った。

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