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17 加奈、離脱の危機
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香緒里だ。
健太、翼の恋愛ポンコツコンビの幼稚な画策失敗。
迷走してたのも良かったがな、なんとなく収まった。
被害者の亜梨沙、頑張った。うん。
奴ら6人。3カップルのグループって思われてんな。
序列第1位。亮子&山中は公認カップル。
満場一致!
序列第2位。亜梨沙&健太。
噂ではデキる寸前。実際には違うんだがな。時間かければ何とかなりそう。
序列第3位。翼&加奈。
どうでもいい。別クラスの噂ではホットゾーン。
クラス内はむ~ん?
翼幼稚、加奈事務対応。
幼稚園の幼児と先生?
おっと待ち合わせの時間だ。
忍法「盗聴の術」
◆
文芸部の活動終了の10分前。
健太、中川加奈に話かける。
残った女4人。みんな無関心。
一時期は噂のカップル。
だがよ、加奈とイケメン翼の噂浮上から、健太、記憶からデリート。
よしよし、私はお前がイチ推しだからな。
「中川さん帰ろ~。 亜梨沙の料理部に迎えいくって、約束だけど、いい?」
ぼそっ。「翼も合流したいそうだから、30分くらい待てる?」
「うん、あ、いいよ」
ここで翼の名前出せんな。女子、聞き耳立ててっけどな。
廊下出て、踊り場でストップ。複雑な話じゃねえし、5分ありゃいい。
協力関係の解消申請だ。
「中川さん。翼と亜梨沙に付き合ってもらうための協力関係だけど」
「ああ、あれね」
「効果もなかったし、そろそろ解消させてもらっていい?」
亜梨沙と翼に恋愛感情ねえしな。
「・・逆効果だったね。高岡君が私に気を使って、こっちに来てくれたもの」
「ごめん。僕からのお願いなのに。面倒をかけました」
「いいえ。結構、面白かった」
「・・そうなの」
「うん。私は何も起こらないと思ってた。だから傍観者を気取ってたの。展開は予想外だったね」
「僕も驚いた」
「私のイメージ、自分は裏方として演劇作品に関わるスタッフだった」
「そっか、分かる」
「なのに、いつの間にか舞台上。あれっ?て。その上、目の前には主演男優・翼。今でも戸惑ってるわ」
「僕も何が起こったかと思った」
「初詣から、え、ええって。3学期が始まったあと放課後のプチお茶会、1月18日の桂木亮子さんの誕生日も???だった」
「ああ、その後の翼もすごいよね」
「文芸部に来て、私に加奈ちゃん呼び。廊下でも大きな声出して、手をブンブン」
「中川さんは普通なのに、あれは周りが沸くね」
「2年になってのコンタクトは、中2と同じスタイルに戻したの。そしたら、高岡君のため大変身~とかね」
「はは。そういえば、亜梨沙にも迷惑かけちゃった」
「そうね。園田さんには悪いことしたわ。謝りたいけど、謝ったら私達の画策がばれちゃう」
「それなんだよな~。亜梨沙、翼、亮子にも、これだけは白状できない」
「高岡君と園田さん、2人のこと、また何か考えるの?」
「ああ、そこは終わりかな。どっちにも、御互いに恋愛感情、ないんだって」
「・・そうなんだ」
「うん。僕の誤解」
「・・じゃあ、この話はここで終わり」
「うん」
声は小さめだな。周囲にも誰もいねえ。
あ、私の忍術はノーカンだから。
「中川さん、本当に気を悪くしてない?」
「いえ、木曽君が誘ってくれて高岡君と接点を持てたから、知りたいことが分かった」
「どんなの?」
「なんで、文芸部の長谷川先輩が勘違いしたのか、少し理解できた」
「翼、ぐいぐいいくよね~」
「うん。ただね・・」
「何か、またあったの?」
「高岡君、何か目的があって、私を仲間に入れてくれた気もする」
「・・そうかな。言われてみれば、画策した僕らと同じくらい、変な動きもあったね」
「まあ、仲間特典でも、あれだけ優しいと、少しくらい騙されてもいいかな・・」
「いや、翼は何か考えてても、騙す目的じゃない。絶対」
「君達、いい友達だね。大丈夫。悪い気分じゃないから」
そろそろ待ち合わせ時間。
今日は私も合流だから、亜梨沙んとこで待と。
「ところで木曽君」
ん?
「なに、いきなり真面目な顔して」
「私、木曽君達のグループから離れようかな」
お、そう来たか。
「もう、協力関係も必要ないでしょ。それに6人で集まると、私が原因で、園田さんの寂しそうなときあるし・・」
「だけど・・」
「2年生になる前くらいから感じるけど、高岡君って好きな人がいると思う」
「ああ・・それは思ってた・・」
「相手が園田さんじゃなかったみたい。けれど、私が邪魔な気がしてきたの」
「中川さん、そんな風に言わないでよ。翼も心配してたよ」
「えっ?」
加奈驚いてっけど、私も昨日びっくり。
翼って、仲間が絡むときは有能だな。
恋愛絡む時の落差、ひでえけどな。
◇◇◇
昨日の健太の見守りの時。
犯罪って言うな。
愛が溢れすぎて、何か聞こえてくるんだよ。
スピーカーからな。てへっ。
昨日、11時に翼から健太にチャット。
『遅くてわりい。今から行っていい?』
意外に節度守る翼が珍しかった。
健太もスクランブルと思って、即OK。
翼から健太の家まで100メートル。大事な話は、ジカだ。
ちなみに幼馴染み4人の位置関係。
最寄駅から最初が健太。100メートル行くと翼、亜梨沙で隣同士。
さらに50メートル先が亮子の家。山中は、その先。
さて健太の部屋。
ちっと沈黙。翼にしちゃ、珍しい。
健太、ゆっくり待つ。健太は翼、急かしたりしねえ。
「加奈ちゃん、俺らの6人グループを離れる気かもしんない。健太に言ってきたら、絶対に引き止めてくれ」
マジな声色で切り出した。
健太、翼の恋愛ポンコツコンビの幼稚な画策失敗。
迷走してたのも良かったがな、なんとなく収まった。
被害者の亜梨沙、頑張った。うん。
奴ら6人。3カップルのグループって思われてんな。
序列第1位。亮子&山中は公認カップル。
満場一致!
序列第2位。亜梨沙&健太。
噂ではデキる寸前。実際には違うんだがな。時間かければ何とかなりそう。
序列第3位。翼&加奈。
どうでもいい。別クラスの噂ではホットゾーン。
クラス内はむ~ん?
翼幼稚、加奈事務対応。
幼稚園の幼児と先生?
おっと待ち合わせの時間だ。
忍法「盗聴の術」
◆
文芸部の活動終了の10分前。
健太、中川加奈に話かける。
残った女4人。みんな無関心。
一時期は噂のカップル。
だがよ、加奈とイケメン翼の噂浮上から、健太、記憶からデリート。
よしよし、私はお前がイチ推しだからな。
「中川さん帰ろ~。 亜梨沙の料理部に迎えいくって、約束だけど、いい?」
ぼそっ。「翼も合流したいそうだから、30分くらい待てる?」
「うん、あ、いいよ」
ここで翼の名前出せんな。女子、聞き耳立ててっけどな。
廊下出て、踊り場でストップ。複雑な話じゃねえし、5分ありゃいい。
協力関係の解消申請だ。
「中川さん。翼と亜梨沙に付き合ってもらうための協力関係だけど」
「ああ、あれね」
「効果もなかったし、そろそろ解消させてもらっていい?」
亜梨沙と翼に恋愛感情ねえしな。
「・・逆効果だったね。高岡君が私に気を使って、こっちに来てくれたもの」
「ごめん。僕からのお願いなのに。面倒をかけました」
「いいえ。結構、面白かった」
「・・そうなの」
「うん。私は何も起こらないと思ってた。だから傍観者を気取ってたの。展開は予想外だったね」
「僕も驚いた」
「私のイメージ、自分は裏方として演劇作品に関わるスタッフだった」
「そっか、分かる」
「なのに、いつの間にか舞台上。あれっ?て。その上、目の前には主演男優・翼。今でも戸惑ってるわ」
「僕も何が起こったかと思った」
「初詣から、え、ええって。3学期が始まったあと放課後のプチお茶会、1月18日の桂木亮子さんの誕生日も???だった」
「ああ、その後の翼もすごいよね」
「文芸部に来て、私に加奈ちゃん呼び。廊下でも大きな声出して、手をブンブン」
「中川さんは普通なのに、あれは周りが沸くね」
「2年になってのコンタクトは、中2と同じスタイルに戻したの。そしたら、高岡君のため大変身~とかね」
「はは。そういえば、亜梨沙にも迷惑かけちゃった」
「そうね。園田さんには悪いことしたわ。謝りたいけど、謝ったら私達の画策がばれちゃう」
「それなんだよな~。亜梨沙、翼、亮子にも、これだけは白状できない」
「高岡君と園田さん、2人のこと、また何か考えるの?」
「ああ、そこは終わりかな。どっちにも、御互いに恋愛感情、ないんだって」
「・・そうなんだ」
「うん。僕の誤解」
「・・じゃあ、この話はここで終わり」
「うん」
声は小さめだな。周囲にも誰もいねえ。
あ、私の忍術はノーカンだから。
「中川さん、本当に気を悪くしてない?」
「いえ、木曽君が誘ってくれて高岡君と接点を持てたから、知りたいことが分かった」
「どんなの?」
「なんで、文芸部の長谷川先輩が勘違いしたのか、少し理解できた」
「翼、ぐいぐいいくよね~」
「うん。ただね・・」
「何か、またあったの?」
「高岡君、何か目的があって、私を仲間に入れてくれた気もする」
「・・そうかな。言われてみれば、画策した僕らと同じくらい、変な動きもあったね」
「まあ、仲間特典でも、あれだけ優しいと、少しくらい騙されてもいいかな・・」
「いや、翼は何か考えてても、騙す目的じゃない。絶対」
「君達、いい友達だね。大丈夫。悪い気分じゃないから」
そろそろ待ち合わせ時間。
今日は私も合流だから、亜梨沙んとこで待と。
「ところで木曽君」
ん?
「なに、いきなり真面目な顔して」
「私、木曽君達のグループから離れようかな」
お、そう来たか。
「もう、協力関係も必要ないでしょ。それに6人で集まると、私が原因で、園田さんの寂しそうなときあるし・・」
「だけど・・」
「2年生になる前くらいから感じるけど、高岡君って好きな人がいると思う」
「ああ・・それは思ってた・・」
「相手が園田さんじゃなかったみたい。けれど、私が邪魔な気がしてきたの」
「中川さん、そんな風に言わないでよ。翼も心配してたよ」
「えっ?」
加奈驚いてっけど、私も昨日びっくり。
翼って、仲間が絡むときは有能だな。
恋愛絡む時の落差、ひでえけどな。
◇◇◇
昨日の健太の見守りの時。
犯罪って言うな。
愛が溢れすぎて、何か聞こえてくるんだよ。
スピーカーからな。てへっ。
昨日、11時に翼から健太にチャット。
『遅くてわりい。今から行っていい?』
意外に節度守る翼が珍しかった。
健太もスクランブルと思って、即OK。
翼から健太の家まで100メートル。大事な話は、ジカだ。
ちなみに幼馴染み4人の位置関係。
最寄駅から最初が健太。100メートル行くと翼、亜梨沙で隣同士。
さらに50メートル先が亮子の家。山中は、その先。
さて健太の部屋。
ちっと沈黙。翼にしちゃ、珍しい。
健太、ゆっくり待つ。健太は翼、急かしたりしねえ。
「加奈ちゃん、俺らの6人グループを離れる気かもしんない。健太に言ってきたら、絶対に引き止めてくれ」
マジな声色で切り出した。
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