14 / 188
14 やりすぎスキル
しおりを挟む
ソフィーと自称忍者マリーが慰めてくれて、気持ちが落ち着いた。
友達3人の仇は残り5人。みんな、戦闘力が高いバケモノ達
あいつらを倒すには決定打が足りない。
何か強力な武器がいる。
街からいなくなったジュリア達を追うために、旅をしなければならない。
そのとき情報も必要だが、私には何の後ろ楯もない。
だから、色んなことをお金で解決せねばならない。
足りない物、やらなければならないことが多すぎる。
まず、自分の能力を完全に把握したい。
◆
2日後。
能力検証に来た。
私を助けてくれたソフィー達は、Aランク昇格の条件を満たすため王都に向かって出発した。
首の痣を治してあげたマリーが私と残る。そう言ってくれたけど、仲間3人に引っ張られて行った。
当たり前か。
私はとうとう1人。
今日の格好は上が、目が小さなヘソ出し鎖かたびら。
下はミスリルふんどし。足はミスリルサンダルに革ひもを着けてサイズを合わせている。
風のカルナから頂いた、高価で、そして弱い装甲だ。
普通の服は有機物だった。
なので迂闊に着れない。人前で戦闘する場合は、細心の注意が必要。
丈が長く目が粗い鎖かたびらを地肌に着て、上から普通のタンクトップを被せる。
比較的安価なので、20セット用意している。
私のスキル、下手に使うと、丸裸になる。
痴女スタイルの戦闘フォーム脱出も1つの課題だ。
「等価交換」でゴブリンでも栄養にできるので食費は必要ない。
今後は服代ばかり嵩みそうだ。
「という訳で草原に来ました。『超回復』をうまく使えたら、治療魔法としてお金を稼げます」
ここはEランクの私が慣れ親しんだ薬草群生地ではない。
森の奥に入って、Dランクの狩り場だ。ゴブリン、一角ウサギ、スモールボアが主な獲物だ。
私は高位ダンジョンを彷徨ったから、それなりのレベルだと思う。
それにしちゃ弱いけど、『超回復』フル活動。
相討ち作戦の3時間。
ゴブリン4匹、一角ウサギ2匹、スモールボア2匹を捕まえ、縄で縛っている。
ざく。「ぐげげげげぇぇれ!」
まずはゴブリンの足をナイフで刺して、頭に手を当てた。
ソフィーに手を触れたときと同じ。触った場所から離れた右足に異変を感じた。
『超回復』。
「治った。一瞬だ」
次はゴブリンの足を切断。暴れるゴブリンを押さえつけて、切断面を合わせて『超回復』。
「これも治ったよ」
で、自分の背丈を測ると、やはり縮んでいる。
魔力を使わないんだから、治療にも「等価交換」システムを使うのが当たり前。
「お金を稼ぐため『超回復』には、この辺を限度にしてもらいたいんだよね・・」
次は最初から手の指がなくなっているゴブリンに猿ぐつわ。さらに手足をぐるぐる巻きにした。
どすっ。ざくっ。「ぎいいい」
足を膝下で切断し、腹を刺したゴブリン。
こいつの腹に手を当て、腹の傷だけを意識して『超回復』を唱えた。
腹は治った。けれど・・
治るな。そう思ってたのに、みんな治ってる。
足は生える、最初から欠損してた指まで出来上がってた。
私の体が140センチ。
スモールボアの頭に手を当てて「等価交換」で自分の身長を戻した。
すでに絶望的な気分だ。
「やっぱり寸止め機能なし。程よく治すってのが、無理なのか・・」
『超回復』には、全快機能のみ。決定だ。
仕方ないから、最後の実験に入った。
ゴブリンの右足首から先を切り取って仕込み完了。
右手を足がないゴブリンに当て『超回復』、左手を一角ウサギ1匹に当てて「等価交換」の同時発動を意識した。
すると右手を当てたゴブリンは完全回復し、左手を当てた一角ウサギは骨だけになっていた。
「右から左に行ってこいは成功か。ゴブリンの皮膚が全体的にウサギのピンクが混じってる。なるほど、皮膚だけは、ちょこっと違う扱いなのか・・」
とりあえず、残りの獲物に止めを刺して、指輪に収納した。
このスキル、治療魔法の代わりとしては強すぎる。
人の治療でお金を稼ぎたいが、あらゆる傷を治すのは不味い。
例えば片眼と片足を失った人が腕を骨折。
私のとこに骨折だけ治しに来たとする。
そこに『超回復』をかける。
あらま、不思議。骨折だけじゃない。目も足も生えている。大騒ぎですよ。
今のとこ、私はコントロールできない。
せめて世の中に欠損を治す魔法が普及していればいいが、ない。
欠損を治したという記録は約100年前。
超級ダンジョンで見つかったエリクサーで可能にした。それが最後だ。
そんな世の中。私がギルドの片隅を借りて、エリクサー並の仕事をしたとする。
騒ぎになる。
貴族、有力者に拘束される。
徹底的に調べられて、弱点を利用される。
鉄の首輪をかけて、治療奴隷にされる。
そんな未来が浮かんでくる。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し、が近いのかな・・」
友達3人の仇は残り5人。みんな、戦闘力が高いバケモノ達
あいつらを倒すには決定打が足りない。
何か強力な武器がいる。
街からいなくなったジュリア達を追うために、旅をしなければならない。
そのとき情報も必要だが、私には何の後ろ楯もない。
だから、色んなことをお金で解決せねばならない。
足りない物、やらなければならないことが多すぎる。
まず、自分の能力を完全に把握したい。
◆
2日後。
能力検証に来た。
私を助けてくれたソフィー達は、Aランク昇格の条件を満たすため王都に向かって出発した。
首の痣を治してあげたマリーが私と残る。そう言ってくれたけど、仲間3人に引っ張られて行った。
当たり前か。
私はとうとう1人。
今日の格好は上が、目が小さなヘソ出し鎖かたびら。
下はミスリルふんどし。足はミスリルサンダルに革ひもを着けてサイズを合わせている。
風のカルナから頂いた、高価で、そして弱い装甲だ。
普通の服は有機物だった。
なので迂闊に着れない。人前で戦闘する場合は、細心の注意が必要。
丈が長く目が粗い鎖かたびらを地肌に着て、上から普通のタンクトップを被せる。
比較的安価なので、20セット用意している。
私のスキル、下手に使うと、丸裸になる。
痴女スタイルの戦闘フォーム脱出も1つの課題だ。
「等価交換」でゴブリンでも栄養にできるので食費は必要ない。
今後は服代ばかり嵩みそうだ。
「という訳で草原に来ました。『超回復』をうまく使えたら、治療魔法としてお金を稼げます」
ここはEランクの私が慣れ親しんだ薬草群生地ではない。
森の奥に入って、Dランクの狩り場だ。ゴブリン、一角ウサギ、スモールボアが主な獲物だ。
私は高位ダンジョンを彷徨ったから、それなりのレベルだと思う。
それにしちゃ弱いけど、『超回復』フル活動。
相討ち作戦の3時間。
ゴブリン4匹、一角ウサギ2匹、スモールボア2匹を捕まえ、縄で縛っている。
ざく。「ぐげげげげぇぇれ!」
まずはゴブリンの足をナイフで刺して、頭に手を当てた。
ソフィーに手を触れたときと同じ。触った場所から離れた右足に異変を感じた。
『超回復』。
「治った。一瞬だ」
次はゴブリンの足を切断。暴れるゴブリンを押さえつけて、切断面を合わせて『超回復』。
「これも治ったよ」
で、自分の背丈を測ると、やはり縮んでいる。
魔力を使わないんだから、治療にも「等価交換」システムを使うのが当たり前。
「お金を稼ぐため『超回復』には、この辺を限度にしてもらいたいんだよね・・」
次は最初から手の指がなくなっているゴブリンに猿ぐつわ。さらに手足をぐるぐる巻きにした。
どすっ。ざくっ。「ぎいいい」
足を膝下で切断し、腹を刺したゴブリン。
こいつの腹に手を当て、腹の傷だけを意識して『超回復』を唱えた。
腹は治った。けれど・・
治るな。そう思ってたのに、みんな治ってる。
足は生える、最初から欠損してた指まで出来上がってた。
私の体が140センチ。
スモールボアの頭に手を当てて「等価交換」で自分の身長を戻した。
すでに絶望的な気分だ。
「やっぱり寸止め機能なし。程よく治すってのが、無理なのか・・」
『超回復』には、全快機能のみ。決定だ。
仕方ないから、最後の実験に入った。
ゴブリンの右足首から先を切り取って仕込み完了。
右手を足がないゴブリンに当て『超回復』、左手を一角ウサギ1匹に当てて「等価交換」の同時発動を意識した。
すると右手を当てたゴブリンは完全回復し、左手を当てた一角ウサギは骨だけになっていた。
「右から左に行ってこいは成功か。ゴブリンの皮膚が全体的にウサギのピンクが混じってる。なるほど、皮膚だけは、ちょこっと違う扱いなのか・・」
とりあえず、残りの獲物に止めを刺して、指輪に収納した。
このスキル、治療魔法の代わりとしては強すぎる。
人の治療でお金を稼ぎたいが、あらゆる傷を治すのは不味い。
例えば片眼と片足を失った人が腕を骨折。
私のとこに骨折だけ治しに来たとする。
そこに『超回復』をかける。
あらま、不思議。骨折だけじゃない。目も足も生えている。大騒ぎですよ。
今のとこ、私はコントロールできない。
せめて世の中に欠損を治す魔法が普及していればいいが、ない。
欠損を治したという記録は約100年前。
超級ダンジョンで見つかったエリクサーで可能にした。それが最後だ。
そんな世の中。私がギルドの片隅を借りて、エリクサー並の仕事をしたとする。
騒ぎになる。
貴族、有力者に拘束される。
徹底的に調べられて、弱点を利用される。
鉄の首輪をかけて、治療奴隷にされる。
そんな未来が浮かんでくる。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し、が近いのかな・・」
0
あなたにおすすめの小説
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる