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25 最低な貴族がやってきた
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水のウイン。
私の親友を殺した6人のうちの一人。
その名前をギルマスから聞いた。
聞いた瞬間は、血が沸騰しそうだった。だけど、もう冷静になった。
復讐はしたい。
だけど、私はリュウ達「暁の光」への正式加入を望まれ、新しい生活を手に入れつつある。
手に入れた強力スキルも、かなり癖がある。
魔物相手なら高ランクオーガだって倒している。
20メートルの大蛇も骨だけにした。
下手したらドラゴンを討伐できるかもしれない。
逆に人間に殺される可能性がある。
弱点を見抜いた人間なら、Eランク冒険者だって私を倒せる。
ましてやウインやジュリア達は、私が間違いなく苦戦する高位魔法使い。
「もっと鍛えて」
「機を見て」
「今じゃない」
「少しくらい遅くても友達3人は許してくれる」
そんな風に自分に言ってきた。
リュウを好きになって、彼も私を大事にしてくれる。
オーグやダリアと4人で過ごすのが楽しい。
死んだ友人達に悪いと思いながら、今の生活を長く続けようと思っていた。
『超回復』の能力。
一介の冒険者が手にするには、大きすぎる。
力を得てどうすべきか。ここで答えなんて出ない。
とりあえずみんなの所に戻ろうと思い、ギルマスに礼を言って執務室を出た。
◆
早くリュウ達に警戒をうながしたいが、遅かったようだ。
私に斬りつけてきた騎士がいる。
「お前らの仲間の女はどこにいる」
「お前って、お前こそ誰だよ」
「なんだ、その口のきき方は。この方はカスガ男爵家のワルダー様にあらせられるぞ!」
「ああ、街道でオーク相手にガクガクしてた騎士さんと、馬車の中で震えてたお貴族様か」
「なんだと。でたらめを申すな!」
「助けられたあとは、強気だったよな。まず、助けた相手をを恫喝したし」
「黙れ!」
「みんな股間におしっこもらした跡があって、騎士道ってやつを学ばせてもらったぜ」
「騎士を馬鹿にしておるのか」
問題のカスガ男爵家ワルダー、手下4人。
オーグとダリアは引かせようとするが、リュウが止まらない。
私がされたことに怒ってくれている。
「なんだと、言わせておけば。とにかく、女を出せ。ユリナという名前は分かっているぞ」
「ちっ。ばれてんのかよ。ユリナはここにはいない。お前が後ろから斬り掛かかっただろうが」
「この、とにかくユリナを出せ」
「人の女を気安く呼ぶな。強盗騎士が」
「へっ」
「何だよ・・」
「あんな貧相な女とヤって、いい男気取りか。ガキが」
「てめえにユリナの何が分かる!」
「だめ、リュウ!」
護衛騎士を殴ろうとした、リュウの腕をつかんだ。
「ユリナ、来てたのか」
「ダメ、こらえて」
肩をつかまれた。
「お前だったな。この前の女は」
「何か用?」
「一緒に来い。ウイン様が待っている」
「どこ?」
「隣町のキセだ。とにかく来い」
近くの街に仇の一がいる。
「てめえ、ユリナから離れろ」
「うるさい!」
騎士が剣を抜いた。
だけどギルマスが出てきた。
「ストップだ! リュウ、よくこらえたな」
「何だお前は。我々はカスガ男爵家の者だぞ」
「ここのギルマスだが、犯罪者に名乗る名はない」
「貴族家の者を犯罪者呼ばわりするか!」
「ああ。ギルド内での抜刀、恫喝、ギルド員の誘拐未遂。中央のギルド本部を通し、正式に王家とカスガ男爵家に抗議する」
「斬り殺してやる!」
4人の騎士が抜刀。
これを合図に、ギルマスをはじめ、副ギルマス、腕の立つ職員が戦闘態勢に入った。
騎士が動揺して、すでに2人は白旗をあげている。
拘束された。
この場は収まると思い、気を抜いたのが間違いだった。
「くらえ」
「危ない、ユリナ」
男爵家長男ワルダーの手から炎が放たれた。
ミスだ。
姉のウインと同様に魔法使いだと思うべきだった。
ピカッ!「リュウ!」
私をかばったリュウの脇腹。
そこがオレンジに光り、大きな爆発音が鳴った。
私の親友を殺した6人のうちの一人。
その名前をギルマスから聞いた。
聞いた瞬間は、血が沸騰しそうだった。だけど、もう冷静になった。
復讐はしたい。
だけど、私はリュウ達「暁の光」への正式加入を望まれ、新しい生活を手に入れつつある。
手に入れた強力スキルも、かなり癖がある。
魔物相手なら高ランクオーガだって倒している。
20メートルの大蛇も骨だけにした。
下手したらドラゴンを討伐できるかもしれない。
逆に人間に殺される可能性がある。
弱点を見抜いた人間なら、Eランク冒険者だって私を倒せる。
ましてやウインやジュリア達は、私が間違いなく苦戦する高位魔法使い。
「もっと鍛えて」
「機を見て」
「今じゃない」
「少しくらい遅くても友達3人は許してくれる」
そんな風に自分に言ってきた。
リュウを好きになって、彼も私を大事にしてくれる。
オーグやダリアと4人で過ごすのが楽しい。
死んだ友人達に悪いと思いながら、今の生活を長く続けようと思っていた。
『超回復』の能力。
一介の冒険者が手にするには、大きすぎる。
力を得てどうすべきか。ここで答えなんて出ない。
とりあえずみんなの所に戻ろうと思い、ギルマスに礼を言って執務室を出た。
◆
早くリュウ達に警戒をうながしたいが、遅かったようだ。
私に斬りつけてきた騎士がいる。
「お前らの仲間の女はどこにいる」
「お前って、お前こそ誰だよ」
「なんだ、その口のきき方は。この方はカスガ男爵家のワルダー様にあらせられるぞ!」
「ああ、街道でオーク相手にガクガクしてた騎士さんと、馬車の中で震えてたお貴族様か」
「なんだと。でたらめを申すな!」
「助けられたあとは、強気だったよな。まず、助けた相手をを恫喝したし」
「黙れ!」
「みんな股間におしっこもらした跡があって、騎士道ってやつを学ばせてもらったぜ」
「騎士を馬鹿にしておるのか」
問題のカスガ男爵家ワルダー、手下4人。
オーグとダリアは引かせようとするが、リュウが止まらない。
私がされたことに怒ってくれている。
「なんだと、言わせておけば。とにかく、女を出せ。ユリナという名前は分かっているぞ」
「ちっ。ばれてんのかよ。ユリナはここにはいない。お前が後ろから斬り掛かかっただろうが」
「この、とにかくユリナを出せ」
「人の女を気安く呼ぶな。強盗騎士が」
「へっ」
「何だよ・・」
「あんな貧相な女とヤって、いい男気取りか。ガキが」
「てめえにユリナの何が分かる!」
「だめ、リュウ!」
護衛騎士を殴ろうとした、リュウの腕をつかんだ。
「ユリナ、来てたのか」
「ダメ、こらえて」
肩をつかまれた。
「お前だったな。この前の女は」
「何か用?」
「一緒に来い。ウイン様が待っている」
「どこ?」
「隣町のキセだ。とにかく来い」
近くの街に仇の一がいる。
「てめえ、ユリナから離れろ」
「うるさい!」
騎士が剣を抜いた。
だけどギルマスが出てきた。
「ストップだ! リュウ、よくこらえたな」
「何だお前は。我々はカスガ男爵家の者だぞ」
「ここのギルマスだが、犯罪者に名乗る名はない」
「貴族家の者を犯罪者呼ばわりするか!」
「ああ。ギルド内での抜刀、恫喝、ギルド員の誘拐未遂。中央のギルド本部を通し、正式に王家とカスガ男爵家に抗議する」
「斬り殺してやる!」
4人の騎士が抜刀。
これを合図に、ギルマスをはじめ、副ギルマス、腕の立つ職員が戦闘態勢に入った。
騎士が動揺して、すでに2人は白旗をあげている。
拘束された。
この場は収まると思い、気を抜いたのが間違いだった。
「くらえ」
「危ない、ユリナ」
男爵家長男ワルダーの手から炎が放たれた。
ミスだ。
姉のウインと同様に魔法使いだと思うべきだった。
ピカッ!「リュウ!」
私をかばったリュウの脇腹。
そこがオレンジに光り、大きな爆発音が鳴った。
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